2021 年 12 月 のアーカイブ

緊張は受験生の敵? それとも味方?

2021 年 12 月 26 日 日曜日

 1年が経つのは早いものですね。気がつけば2021年も余すところあと数日となりました。今回の記事も年内の最終回です。

 このブログは長文であり、形式や内容はコラムに近いため、日記のように気楽に短時間で書き終えることができません。それでも2008年11月の開始以来、八百数十回も継続して来られたのは、お読みくださるかたがたくさんおられたからに他なりません。受験塾のアピールの場にするだけが目的なら、ここまで長きにわたって多くの記事を書くことはなかったろうと思います。「成長途上のお子さんをおもちのご家庭に、多少なりともお役に立てれば」という思いがあったからこそ、こんなに続けられたのだと思います。書くことの楽しさ(同時にしんどさもありますが)は、生きがいや充実感を与えてくれるかけがえのないものです。読者の皆様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

 さて、この11月に実施した2回のオンラインセミナー(広島学院編・ND清心編)をきっかけに、「受験での緊張をどうしたら克服できるか」について考えることになりました。当初は「緊張は厄介なもの」という前提で、その回避方法を考えたのですが、しばらくして「待てよ、緊張するのは悪いことだろうか」と思うようになりました。その理由ですが、緊張がある程度ないと集中力や気合は働いてくれません。また、「受験の際は少し空腹状態のほうがよい」とか、「多少寒気を覚えるくらいの服装で試験に臨め」という、試験で好結果を得るための教えが昔からあります。これらの教えは理に適っています。体のセンサーが危機を訴えることで、脳の神経が研ぎ澄まされ、頭脳の働きが鋭敏になるからです。つまり、人間のパフォーマンス発揮にとってマイナス要素と思われていることは、意外にもプラスに作用することがあるわけです。

 そこで緊張はよいことか、悪いことかという話になります。もうおわかりでしょう。緊張するのはよいことであり、緊張は受験生の味方なのです(もちろん、程度問題ですが)。それを裏付けるかのように、有名なスポーツ選手の多くが緊張することは必要だと述べています。たとえば、世界的に名の知られる日本人アスリートが、次のようなコメントを残しています(書物からの引用です)。

①テニスの世界ランキング選手になった錦織選手

「毎試合、緊張しますけれど、それは決して悪いことではないと思うし、その緊張も力に変えられるようになったら強いですよね」

②サッカーの英国プレミアリーグで活躍した岡崎選手

「全ての試合で緊張します。重要な試合に限らず、日々の試合も全て、緊張して当然。逆に緊張しないとまずいと思います」

③アメリカのメジャーリーグで活躍したイチロー選手

 「緊張しない人はダメだと思う」

 どうやら緊張を恐れ、回避しようとする人ほど失敗しがちであり、緊張を受け入れて味方にできる人は高いパフォーマンスを発揮して成功できるようです。この点に鑑みるなら、緊張の呪縛から解放されるための第一歩は、「緊張は失敗のもと」という固定観念を捨てることだと言えるでしょう。

 先ほどご紹介したアスリートのコメントは、精神科医の樺沢紫苑氏の著書(最近、緊張に関する書物を探して見つけた本です)から引用したものですが、この書物に面白い記述がありました。私たちは普段の生活で、「今日はテンションが上がらない」とか「調子が悪いので、もっとテンションをあげよう」などと言うことがありますが、この“テンション”という言葉は日本語にすると、“緊張”です。このこと一つとっても、緊張は物事をはかどらせるうえでマイナスになるもの、邪魔なものなどではありません。集中力や気合とリンクしており、ないと却って困るものなんですね。

 今から100年余り前、緊張しない状態よりも、適度に緊張したほうが高いパフォーマンスを発揮できるということを、心理学者のロバート・ヤーキーズとJ.D.ドットソンが発表しました。この説は、今でも広く世界中に行きわたっています。二人の博士は、黒と白の目印を区別するよう訓練したマウスに、電気ショックの程度を変えながら、目印を区別する際の正答率がどのように変化するかを調べました。マウスの緊張の度合いと頭の働きの関連性を調べたわけです。

 その結果、電気ショックを強めると正答率が上がるいっぽう、電気ショックが強すぎると逆に正答率が下がることがわかりました。つまり、緊張が緩すぎても、強すぎてもパフォーマンスは上がらず、中間の「程よい緊張」がパフォーマンス発揮に有効だという結論に至りました。

 上図を見ていただくと、曲線がUの字を逆さまにした形、すなわち逆Uの字になっています。きわめてリラックスした状態ではパフォーマンスはほとんど発揮できず、緊張の度合いにして中間あたりの状態で最もパフォーマンスが上がります。そして、緊張の度合いがさらに上がり、ピークになった段階になるとパフォーマンスはほとんど発揮できなくなります。この状態は、試験で言うと、いわゆる「頭が真っ白」「パニック状態」のときと一致するでしょう。

 わが身を振り返ってみると、このブログ記事を書く作業も、あまりリラックスしている状態だと全然はかどりません。ボーっとしたり注意散漫になったり。読者の方々にお伝えしたいことが明確に絞り込まれ、書こうという意欲とテンションが程よく高まったときに一気にキーボード上の手指が動きます。こういうときには、たくさんの情報を頭のなかで保持しながら、それらを整理整頓して文章化する作業がはかどります。他のことが頭をよぎることはなく、とても集中した状態になります。

 ともあれ、みなさんが今望んでおられるのは、お子さんが入試でベストを尽くせる状態を得ることだと思います。そうすると、「なぜ程よい緊張のときに頭がよく働くのか」や、「程よい緊張状態はどうやったらつくれるか」「試験会場で強い緊張をほぐすにはどうしたらよいか」などが関心事であろうと思います。これらについては、今回参考にした本の著者が具体的に説明しておられるので、次回ご紹介しようと思います。とりあえずは、お子さんに「緊張するって当たり前のことだし、ほどほど緊張していたほうがむしろ頭がよく働くんだよ」と、アドバイスしておいていただきたいですね。

 2021年のカウントダウンが間もなく始まります。年が明けたら、いよいよ中学入試本番がやってきます。コンディションを整え、万全の体制で入試に臨みましょう。みなさま、よい年をお迎えください。

※今回の記事は、「いい緊張は能力を2倍にする」樺沢紫苑/著 文響社 を参考にして(一部引用)書きました。

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仕上げ期にできる親のサポートって!?

2021 年 12 月 19 日 日曜日

 もうすぐ冬休み。中学受験生の子どもたちは、いよいよ受験本番に向けた仕上げ学習の時期に突入します。そこで今回は、入試を控えた受験生の保護者に向けた記事を書いてみようと思います。なお、個々 のお子さんへの具体的な指導や助言は校舎の担当者がしています。筆者は、「これから入試本番までに、親ができることは何か」についてお伝えすることにします。ご家庭によっては全く不要なことかもしれません。趣旨に免じてご容赦ください。

 受験生は、大人と比べると人生経験が圧倒的に少ない小学生です。受験への心構えがなかなか定まらず、地団太を踏むような思いをくり返してきた保護者も少なくないことでしょう。しかし、入試の日程が決まり、志望校を絞り込み、入試に関する様々な情報を得るうちに、いつの間にか子どもたちもはっきりと入試本番を意識して勉強に励むようになります。今や塾での教室の雰囲気も随分と変わり、否が応でも「受験シーズン近し」を感じさせていることでしょう。

 実際のところ、子どもたちが心を燃やして受験勉強に打ち込める期間は短いものです。肉体的な面も理由ですが、それ以上に影響するのは精神的な未熟さです。先を見通した行動、目的意識に根差した行動は、様々な人生経験を通して整うものですからしかたありません。時間感覚は人生経験の長さとリンクしています。大人は「本番まであとひと月しかない」と思いがちですが、子どもにしてみれば「あとひと月ある」という気持ちであろうと思います。ですから、保護者におかれては大人の感覚でわが子に接して焦りを助長するのではなく、「ラストスパートに向け、わが子が今からやれる最善を尽くせば道は開ける!」という信念をもってお子さんを応援していただきたいですね。

 以下は、入試対策の総仕上げ期を迎える段階の保護者にご提案したいことを列挙したものです。多少なりとも参考になれば幸いです。

①子どもにとって唯一無二の理解者は親です!

 中学入試は、お子さんにとって初めての人生の岐路となる大イベントです。これまで経験したことのない緊張に襲われるお子さんもおられることでしょう。こんなとき、「どんな結果になろうと、親は自分を受け入れてくれる」という安心と親への信頼の気持ちがあれば、お子さんはどれだけ心強いことでしょう。

 親の心配や気がかりをそのままぶつけると、男の子は反発したり感情を高ぶらせたりしがちです。女のお子さんの場合、おかあさんと一緒になって落ち込むこともよくある話です。こうなると、勉強の効率は下がってしまいます。「今からできる精一杯を尽くせばいいんだよ」と、明るく泰然自若とした態度でお子さんに接してあげてください。残された時間をポジティブな気持ちで生かせるか、それとも不安や孤独に振り回されるかでは、仕上げ期の学習に大きな違いが生じるものです。

 親から見て、看過できないほどの気がかりや問題点があるかもしれません。それを放置すると親子共々後悔が残ります。冷静に親の気持ちをお子さんに伝え、話し合うことをお勧めします。声を荒げて親の指摘をはね退けたり、無言でだんまりを決め込んだりするお子さんもおられるかもしれません。ですが、親がここで落ち着いた姿勢を貫き、何がどう問題に見えるかを伝えれば、必ずお子さんは親の指摘を心の中で反芻し修正をはかるものです(ポイントは、親がゆっくりと話しかけ、すぐに返事を求めないことです)。親の気持ちを伝えたら、あとは子どもを信じてやりましょう。それでこそ、真の理解者・応援者ではないでしょうか。お子さんが相談に乗ってほしいようでしたら、もちろん一緒に考えてやりましょう。

②仕上げにおける課題は何か、現状の分析をバックアップ!

 今のお子さんにとって、優先すべき勉強は何でしょうか。残された期間を最大限に生かした勉強とは、現状を客観的に分析し、足りていないところ、空白領域を埋め合わせていくことでしょう。冬期講習の開始にあたり、そういった埋め合わせるべきポイントは何かを、お子さんがよくわかっているかどうかを確認してみることをお勧めします。

 もし、やるべきことがわかっておらず、戸惑っておられるようでしたら、「一緒に考えよう」と提案し、模試最終回などの成績資料をもとに、埋め合わせるべき単元や学習事項を教科ごとに絞り込んでいくとよいでしょう。冬期講習でも全範囲の総チェックをし、欠落部分を埋め合わせる学習をします。ですが、その前にお子さん自身で弱点や課題を詳(つまび)らかにしておけば、対策はより効率的に行えます。

 模試の資料にある、問題別の正答率表をぜひ活用してください。★印の数で難易度がわかるのをご存知でしょう。トップレベルの成績を競うようなお子さんは例外となりますが、★印5つの難問はもはや無視してよいでしょう。問題は★印4つ程度の問題にどれだけ食らいつけるかです。知識として問われる問題でなく、考えて解決すべき問題の場合、お子さんが「難しい」と感じておられるようなら、このレベルも無理して対策に時間を費やすべきでないかもしれません。お迷いの場合、指導担当者にご相談ください。

 入試は、制限時間枠のなかで6割7割の正解を引き出せば合格できるわけですから、苦手な問題や難しい問題の取捨選択の判断や技術が結果に相当影響します。「今できる対策で、ものにできることをやって行けばよいのだ」と、お子さんを励ましてあげてください。

③仕上げの進捗状況に合わせ、承認と激励を忘れずに!

 冬休みになり、冬期講習が始まったなら、なるべくまめにお子さんに声をかけ、仕上げや埋め合わせ学習の進捗状況を確かめるとよいでしょう。無論、尋問するような関わりは禁物です。スケジュールとその実行状況について、「一緒に確認する」といった関わりがよいでしょう。うまくはかどっているようでしたら、大いにほめたり喜んだりしてあげてください。これが励みになり、お子さんの勉強に勢いがつきます。

 逆にスケジュール通りに進んでいないようでしたら、またお子さんが悩んでおられるようでしたら、一緒に対策を考えてあげてください。親は勉強の内容に立ち入る必要はありませんが、理科や社会の副教材(アタック)で間違えていた箇所の埋め合わせのプロセスは、親がチェック役として手伝ってもよいかもしれません(間違えてい箇所をランダムに問いかけるなど)。

 これから入試までの短い期間は、お子さんの入試に臨む意気込みと内面の成長とがあいまって、驚くような学習成果が得られるものです。それに加えて、親に見守られ、応援されているという気持ちがあるかどうかも学習成果や入試結果に少なからぬ影響を及ぼします。これはまだ親に依存する年齢だから当然です。あと1年余りで思春期が訪れると、あっという間に親離れします。まさに今、お子さんは依存と自立の境目にあると言えるでしょう。そんなとき、親はどうすればよいかについては、①でお伝えしたとおりです。中学入試は、わが子の自立に向けた転換の記念碑であると捉え、わが子の奮闘を信じて応援してやりましょう。

 

 筆者はかつて現場で国語の学習指導を担当していました。そのほとんどは6年生でしたから、随分とたくさんの受験生を入試に送り出してきました。入試が近づくと解法のスキルアップに励む算数、知識の埋め合わせに力を注ぐ理科や社会と比べ、「国語は何をしたらよいかわからない」と、よく言われます。無論、漢字のおさらいや記述式問題への対策などもありますが、ぜひしておいていただきたいのは、長文を集中して一気に読み通す練習です。

 国語は、素材文(普通、入試では長文が二つあります)を短時間で読み通し、アウトラインをつかめるかどうかが、随分得点に影響します。読みに時間がかかっていたお子さん(主に男子)も、入試に対する自覚が定まってくると、練習しだいで読みのスピードや精度が急速に上がります。今までに配布された入試の過去問や、模試の素材文を一気読みする練習をしてみてください。鉛筆で、重要と思った箇所に線を入れるのも読み取りの精度を上げるうえで役立つでしょう。

 もし保護者にその余裕がおありでしたら、お子さんが読み終えたら、どんなことが書かれていたかをお子さんに尋ねて確認する役割もお願いします。お子さんの言うことが要領を得なくても構いません。読了後にアウトラインや重要事項を頭の中で思いめぐらすだけでもテスト時間枠内での読解の練習になります。

 気持ちが定まるまでに時間がかかる小学生にとって、やっと入試を見据えてきた今からがほんとうの受験勉強の始まりです。焦らず、お子さんを上手に励ましてあげてください。元気いっぱいの姿で入試会場に送り出すまで、親にはまだいろいろと気苦労がありますが、ここからの親の関わりがお子さんの入試体験に大きな意味を与えてくれます。おとうさん、おかあさん、がんばってください!

 お子さんの悔いなきチャレンジを実現すべく、愛情を込めて応援してあげてください!

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子どもの将来を決める、勉強への向き合いかた

2021 年 12 月 14 日 火曜日

 12月も半ばを迎え、冬休みが近づいてきました。弊社では、毎年冬休みに低学年(1~3年生)児童対象の「冬期集中講座」を開催しています。いずれも開講日は12月25日(土)で、年内に全日程を終了する短期間の講座です。お申し込みになればどなたも参加できますので、まだお迷いのかたもぜひお気軽に参加してみていただきたいですね。

 3年生については、各校とも複数のクラスを設けておりますので、どの校舎も今からお申し込みいただくことが可能です。1・2年生は定員を少なめに設定しており、すでに定員に達している校舎もあります。申し込み状況をご確認のうえ、手続きをしていただきますようお願いいたします。

 さて、冒頭で低学年児童対象の冬期講座をご案内したように、今回はお子さんの中学受験を視野に入れておられる低学年児童の保護者に向けた記事をお届けしようと思います。みなさんは、現在のお子さんの勉強の取り組みや学力状態をどう評価しておられるでしょうか。11月13日に掲載した記事(「入会前の学力チェック事項で大切なものって?」)において、「読み書き能力」と「計算力」の基礎がしっかり身についているかどうかが、先々の学力伸長に大きな影響を及ぼすことをお伝えしました。今回はそれに加え、勉強に対する向き合いかたの重要性についてお伝えしようと思います。

 一般にテストで同じ成績をあげているお子さんは、学力的に変わらないとみなされます。つまりテスト結果は、現在の学力を判定するための基準となります。私学などの入学試験ではテストの結果でほぼ合否が判定されますから、「とにかく、子どもの得点力をあげよう」と大人は考え、多少無理をさせても得点力アップを重視した受験勉強を子どもにさせることもあるでしょう。

 しかし、学びの主体である子どもが勉強をどのようなものとして受け止め、どう向き合っているかということにも目を向ける必要があるのではないでしょうか。実はそちらのほうが、先々の伸びしろ、人生の歩みに大きな影響を及ぼすからです。受験で高得点をあげることは、進路としての学校選びに直結しますから、得点力は高いほうがよいに決まっています。しかし、児童期の学びの体験が子どもの内面形成にどう関与するかにも思いを致す必要があるでしょう。

 そもそも学んで得た知識やスキルは、テストでの成績獲得のためではなく、将来何らかの仕事を得て働くときに役立てられるべきものです。直接仕事に役立つことのない知識であっても、それを獲得するプロセスで経験した事柄が取り組みや行動のありかたに水面下で少なからぬ影響を及ぼします。たとえば、「この仕事は大変だけれども、色々と工夫を凝らせばできないことはない」、「この問題点さえ解決すれば、製品の実用化は可能だからがんばろう!」――このように、知恵を絞り努力を継続していくことを貫く姿勢は、過去の学びの経験を通して身についたものです。

 「中学受験生の頃は楽しかった」と語ってくれる卒業生によく出会います。受験勉強は決して楽なものではありません。何が楽しかったのでしょう。おそらく、試行錯誤の末に問題が解けたときの喜び、努力が成績に表れたときの達成感、仲間との切磋琢磨が与えてくれた充実感、入試が終わるまで応援を続けてくれた家族への感謝の気持ち…これらのすべてが「楽しかった」という表現に集約されているのだと思います。それは入試に受かった人に限りません。実際、筆者は「入試で全部落ちました」という人からも耳にしたことが何度もあります。

 これらのことは、人間形成期の学びの体験がどうあるべきかを暗示しているのではないでしょうか。大人にやらされる勉強ではなく、勉強のよさを実感しながら取り組む自律的な学びを通して受験での合格をめざす。このような体験こそ、真の成長と前向きな人生の歩みにつながるのです。

 児童期は、人としての生きかたや、学びに向き合う姿勢を確立していく時期にあたります。それは、毎日の生活や学習の繰り返しを通して形成されます。低~中学年の時期は、周囲の大人の関わりかた次第で子どもはどのようにも変わりますので、毎日の生活や学習に関わる保護者にとって、「今のうちにわが子を望ましい方向に」という意識をもつことが大切であろうと思います。そこで、現在おたくのお子さんの学びの状態な望ましいものになっているかどうかをチェックしてみましょう。お子さんは、次のうちどれに当てはまりますか?当てはまるものすべてに○をつけてみてください。
※グラフ画像をクリックすると拡大表示されます

 どうでしょうか。〇が7つ以上あるなら、知識を得ることや学ぶことに対する前向きで健全な姿勢が根づいていると言えます。ぜひ、これからも今の姿勢を失わないでいただきたいですね。実際のところ、△が多いお子さんがかなりおられるのではないかと思います。それを、「中途半端な状態」というネガティブな受け止めかたでなく、「もう一押しの状態だ」と受け止めるべきでしょう。親の配慮やサポートしだいで、今からずいぶんよくなる可能性が高いのですから。もう一息、わが子が前向きにがんばれるような後押しの方法はありませんか? なかには、×が多くてがっかりされたかたもおありかもしれません。叱って勉強させたり、ほめるべきタイミングを生かさずに接したりしていると、子どものモチベーションはしぼみがちです。まだ何事も親しだいの年齢ですから、お子さんに前向きな姿勢が足りないとしたら、親の接しかたをまずは振り返る必要があるかもしれませんね。

 基本は、少しでも子どもの行動に前向きな姿勢が見られたときに大いにほめる、大いに親が喜んでいることを示すことだと思います。結果よりも、努力の姿勢を重んじる親の対応によって、子どもは「何事においても、努力が大切だ」ということを学べるでしょう。その積み重ね、繰り返しが、やがて子どもの学びかた・生きかたを決定づけるのだと思います。結果が全てではないということを教えられた子どもは、大人になってからぶつかる困難にへこたれることなく立ち向かっていけるに相違ありません。上記チェックリストは、3年生までのお子さんを念頭に置いてリストアップしましたが、4~5年生になっても〇の多さが変わらないお子さんなら、先々も学びを通して成長していく流れは変わりなく続いていくことでしょう。

 筆者は家庭学習研究社に35年以上在籍していますが、受験を元気いっぱいに乗り切り、中学進学後も順調に学力を伸ばしている子どものほとんどは、楽しそうに塾に通い、はつらつとした表情で学んでいました。受験勉強ですから、楽しいばかりではありません。不得意単元、不得意科目があったり、壁に突き当たったり、成績不振に陥ったりすることもあります。ですが、それでも勉強を投げ出すことなく熱心な学びを維持し、めざす受験目標を見事にクリアしている子どもがたくさんいます。できるなら、全てのお子さんにそういう受験を体験していただきたいですね。

 1~3年生の「冬期集中講座」に参加されるご家庭におかれては、お子さんがどのような気持ちで塾の勉強に取り組むかを見守ってあげてください。たとえば、「今日、どんなことを勉強したのかな?」「おもしろいと思ったことは?」などと、問いかけてみてください。うまく説明できなくても、楽しく学んでいる様子が感じられたなら、大いに喜んであげてください。この体験を起点にして、学びに熱心な姿勢が育つよう、これからの生活を整えていけば、お子さんはきっとよい方向に成長されると思います。

 なお、今回の記事は2019年8月26日に掲載した、「学びに向き合う“姿勢”と“気持ち”を大切に!」というタイトルの記事の続編です。そのときには、学びに対する能動的な姿勢、「勉強は自分にとって重要なものだ」という認識が、脳の発達にいかに貢献してくれるかという視点から書きました。こちらの記事も併せて読んでくださるとうれしいです。

この冬休みを起点に、学びに対する前向きな姿勢を築きましょう!

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オンラインセミナー“ND清心編” 内容報告その2

2021 年 12 月 8 日 水曜日

 今回は、前回に引き続き11月28日(日)に実施した、オンライン親子セミナー“ノートルダム清心編”の内容をご報告します。このセミナーでの神垣校長のお話には、学校説明会などでは聞けない親しみのもてる話題がたくさんありました。今回のお話によって、とかく「お堅い」というイメージをもたれがちな清心に対する印象が随分変わったのではないかと思います。また、女子受験生のお子さんたちからも、「清心を受験したい!」「ここに行きたい!」という気持ちが高まったという反応を多数いただきました。

 それでは、当日の話題の4番目から終わり(5番目)までをご紹介してまいりましょう。

 

④「清心生が進路目標を定めるまで」

 ノートルダム清心では、多くの生徒さんが高いレベルの大学へと進学しておられます。生徒さんは、どのようなプロセスを経て進路を絞り込み、めざす大学や学科、専攻などを決めているのでしょうか。それについて神垣校長にご説明いただく前に、まずは弊社が行った清心の高3生(9月頃)へのアンケート結果を視聴者にご紹介しました。

 回答者は46名(1クラス)ですが、「行きたい大学を決めている」と答えた生徒さんは36人でした。具体的には、京大、北大、東北大、神戸大、広大、早稲田大などでしたが、いずれも難度の高いことで知られる大学ですね。また、「なりたい職業がある」と答えた生徒さんは23名でした。職業まで明確に目標を定めている生徒さんは半数ですが、それでも「もう決めている生徒さんがこんなにいるのか」と感心しました。具体的には、医師、歯科医師、エンジニア、食品メーカー(研究者)などでした。

 同じ質問を、中1生にもしています。入学直後と卒業間近な時期との違いを比べてみるのも面白いと思ったからです。結果ですが、やはり中1生は高3生のように明確ではありませんでした。それでも、一定の方向性を視野に入れている生徒さんがかなりおられました。

 これを受け、神垣校長に生徒さんの進路決定までの流れをお話しいただきました。

 「せっかくの親子セミナーですから、お子さんにお話ししたいことがあります。将来なりたいものはありますか。もしあったなら、今からおとうさんやおかあさんにつぶやいてみてください。

 私自身は、学校として生徒に『こういう道しかない』とだけは言いたくありません。今の子どもたちを待っているのは、正解のない時代、職業がどんどん変わっていく時代です。でも、自分が考えている方向性があるなら、それを捨てずに温めていってほしいんです。私自身も、かつて清心生の頃、自分で考え、調べ、親にも相談して、今の教師という仕事に就きました。

 ただし、人生は仕事だけでしょうか? ライフワーク・バランスと言われるように、好きなことや出会いも人生の大切な一部分です。さらに、好きなことを中断しなければならない時期もあります。そうことも視野に入れ、夢は夢として維持しながらも、今ある社会の情勢を学んだり、社会が何を必要としているかを知ったりすることも中高生時代には必要です。清心での中学生時代には、調べるための時間がたくさんあります。学校はその手助けをします。直近の将来としての大学も調べます。自分がやりたいことをやるには、今ある勉強を大切にすべきことに気づきつつ、同時に体験を通して自分を成長させることも必要で、その両方を積み重ねながら将来の方向を絞り込んでいくのが清心での6年間です。

 少し具体的な話をしましょう。中3になると、高校での選択科目を決めるための説明をします。そして高校での選択科目を選んでもらいます。清心では文系理系といったようなクラス固定はしません。いろいろな志向性をもった生徒でクラスを編成します。違ったタイプの生徒がまじりあって、互いに刺激を与えたり受けたりすることも将来の進路を考えるうえで役立つからです。そうして、学年が上がるのに合わせ、学校も丁寧に進路選択のフォローをしていきます。

 たとえば面接週間というのを設け、担任の先生との面接で生徒が自分の希望を伝え、さらに親の考えも確認します。こうやって、高2、高3と、少しずつ方向を固めていきます。大学への進学にあたっても、なかなか希望が決まらない生徒には担任の先生が対応し、進路決定の手助けをしています。大学進学後も相談を受けることがありますが、そういうとき、先生に異動がなく、いつも清心にいることも生徒にとっては安心ですね。そこは私学のよいところだと思います」

 

⑤「人としての心をどう育むか カトリックの教育」

 社会経済が行き詰り、さらにコロナパンデミックに見舞われている今日のような世の中において、宗教の果たす役割は以前に増して大きいのではないでしょうか。私立学校のなかには、宗教を背景とするものも少なくありません。思春期、青年前期という人間形成上の節目となる重要な時期において、宗教の教義に基づく教育を受けることに、どんな意味があるのでしょうか。ノートルダム清心は、カトリック系のミッションスクールです。そのもつ教育のよさについて、神垣校長に語っていただきました。

 今からクリスマスシーズンですね。このクリスマスを例にカトリック学校の教育を説明してみようと思います。ご存知のように、クリスマスはイエス・キリストが生まれたのをみんなでお祝いするお祭りです。みなさんの誕生会も同じで、おいしいケーキを食べたり、プレゼントを交換したりすることで、命が誕生する喜びを一人ではなくみんなで祝っているんですね。本校はこのように、『生かされている命をみんなで喜び合おう』ということを大事にする学校です。

 本校は、もっと本質を極めようということで、「なかには喜べない状況にいる人たちもいる」ということにも目を向けます。外国で、『マスクや文房具を必要とする子どもたちがいる』と聞いたら、クリスマスの準備のときに一緒に集めるとか、また『経済的に大変困っている地域がある』と聞いたら、『何かできないか』を考え、募金活動をしたりします。もともと清心は戦後の復興を願って設立された学校ですが、そのときにたくさんの方々から助けていただきました。その恩返しの意味も込め、12月24日を全校でお祝い日と定めています。

 お祝い日を迎えるにあたって、中1は校内の飾り付けをして雰囲気を盛り上げたり(このセミナーの画面の背景に写っていますね)、支援物資を必要とするところに送ったりしています。また中3は180名全員でクリスマスを祝うための劇をします。人数が人数ですから、配役をオーディションで決めたりシナリオをまとめたりするのは本当に大変です。しかし、そのプロセスを大事にしているんです。上級生は、劇の日にはそれを見て、自分たちが担当した年のことを振り返りながら楽しみます。さらには高3も大学受験があるのに、昼休みやホームルームの時間を使って歌の練習をします。そしてお祝いの日にハレルヤコーラスを披露して、全校生徒に聞いてもらっています(今年はコロナ対策で、事前練習をがんばり、録画画像を放映予定です)。下級生は、そんな先輩の姿から学び、受け継ぐべきものを育んでいきます。

 このように、清心では同学年の横の繋がりだけでなく、中1から高3までの縦の繋がりも大切にし、お祝いの日にはみんなで「おめでとう」の気持ちを分かち合っています。カトリックの学校は、そういう心を大事にしていくことをめざしています。

 以上、クリスマスを例にしてカトリックの教育についてお話ししました。心は目に見えないものだから難しさはありますが、みんなのもつ優しさをつなぎ合う、辛さ、悲しさを分かち合いながら、ともに助け合っていける社会を創れたらいいなと願いながら、この清心という学校を私たちは運営しています」

 ノートルダム清心の魅力を5つの話題に絞り、神垣校長にお話しいただきました。この後、約15分を使って、申込時にいただいた質問や、セミナー中にお寄せいただいた質問をご紹介し、お答えいただきました。突然の問いかけにも快くお返事くださった神垣校長には、心より御礼申し上げます。実際のところ、セミナーで扱えた質問は時間の制約でごく一部に過ぎません。そこで、会員ページに質問内容と神垣校長のお返事を掲載しています。セミナー終了間際にいただいた質問をあとから神垣校長にお伝えしたところ、その返答もすくさまくださいました。こちらも会員ホームページにて掲示いたします。

 いかがでしたか? ノートルダム清心という私学の実像について、かなりはっきりと理解いただけたのではないでしょうか。神垣校長がお話しくださったことをすべて文字にするのは難しく、どれだけお伝えできたか自信はありませんが、カトリック学校としての清心の私学らしさの一端がくっきりと浮かび上がったという手応えを筆者は感じました。

神垣校長、どうもありがとうございました!
みなさん、清心に進学し、学業においても、内面においても大きな成長を!

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オンラインセミナー“ND清心編” 内容報告その1

2021 年 12 月 4 日 土曜日

 11月28日(日)には、オンライン親子セミナー“ノートルダム清心編”を実施しました。親子で一緒に視聴していただけるようにと、日曜日の午前中に実施したのが好評で、200家庭を越える参加をいただきました。経験のないZoomによるオンラインセミナーでしたが、ひとまず無事に終了することができました。ご視聴いただいたご家庭には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 終了と同時に、多くのご家庭から感想を寄せていただきましたが、神垣校長の心のこもったお話しぶり、お話の内容に対する感動や感謝の言葉が溢れていました。アンケートに対する回答を133件いただきましたが、ネガティブな反応が一つもないことに驚きました。実際、神垣校長は学校の様子を率直かつ情熱をもって語ってくださいましたし、1時間余りの時間内に相当なボリュームの情報を、うまく盛り込んでくださいました。また神垣校長ご自身もかつて清心に通われており、そのころのエピソードを交えてお話しくださったことが、「わかり易さ」や「共感」にもつながったと思います。「清心に行きたい」「ぜひわが子を託したい」と思われたお子さんや保護者が多かったのではないでしょうか。

 では、早速セミナーで神垣校長がお話しくださった内容を、かいつまんでご報告してまいりましょう。

 

①「ノートルダム清心のイメージと実際と」

 みなさんは、清心にどんなイメージをもっておられるでしょうか。弊社6年部生にアンケートをしたことがありますが、「頭がいい」「おしとやか」「スマート」「勉強ばかり」などの回答が多数ありました。カトリック系のミッションスクールであり、県内随一の私立女子進学校であることが作用しているのでしょう。

 で、実際はどうなのでしょうか。そこでまず、清心生は学校のよさをどう認識しているのかを調査した結果をご紹介しました。入学して半年後の中1生と、卒業を半年後に控えた高3生にアンケートを実施したところ、圧倒的に多かったのは両者とも「人間関係がよい」という回答でした。

 これを受け、神垣校長は次のように語ってくださいました。「本校については、少し現実と違った見かたもされているようです。実際を知っていただく努力が必要だなと感じています。私がとらえている清心の学校生活は、勉強ばかりでも楽しいばかりでもありません。たとえば今はコロナ禍で気持ちが塞いだり、失敗に悩まされたりすることもあります。そういう心の痛みや辛さを共に分かち合える場であり、またその一方で「これをしたい!」というときに、そのチャレンジをサポートし、生徒一人ひとりの可能性の引き出しをパワーアップさせる。それが清心という私学です。

清心には1学年180人の生徒がいます。いろんな能力・個性の生徒がいます。そこで生じる化学反応が大きな成長を生み出してくれます。この画面の背景に写っているクリスマスの飾りが見えますか? これは中1生が協力してつくってくれたものです。何でも一生懸命に取り組み、楽しいことはみなで分かち合う。それは同学年同士に限らず、上級生と下級生という縦の関係でも同じです。この飾りつけも、そういった環境を物語るものだと思っています。「心を清くし、愛の人であれ」という言葉は、清心の教育理念を語ったものですが、学校の構成員全てにこの考えを大切にしてほしいと願っています。」

 

②「6か年一貫の学校であること、女子だけの学校であること」

 つぎの話題ですが、清心は高校からの募集をしない完全6か年一貫の私学であり、女子だけの学校であるということを踏まえ、そのよさがどこにあるのかを神垣校長に語っていただきました。

 「みなさん、中学校、高校の6年間は長いですか?短いと感じますか? 半分大人の高3生から見れば、中1生は『かわいいな』という存在です。そんな成長度の違う生徒同士が一緒に教会にお祈りに行く行事があります。年の離れた上級生と下級生が一緒に活動をすることで、中1生は、『大人になるってこういうことかな?』と気づきます。これは6か年一貫校ならではのよさではないでしょうか。

 中学生は思春期の真っただ中にあります。どんな生きかたをしたい?どんな自立した大人になりたい?このように自分を見つめたり、友達をつくったり、先輩との出会いを楽しんだり。こうして、将来を見つめながらじっくり考えたり学んだりできるのも6か年一貫校だからです。それを“緩む”と表現する人もいますが、私は“深める”と表現するほうが適切だと思います。中高6年間をそういう流れでとらえてほしいですね。

 清心にはいろいろな女子生徒が広範囲から通っています。男女が半々ではなく、すべて女子だけで何でもやっていきます。『男子だから』『女子だから』とは言われず、『あなたはどうしたい?』と言われます。私自身、かつてはどちらかというと引っ込み思案なタイプの生徒でしたが、今申し上げた女子だけの環境のなかで自立心が育てられたと思います。女子だけの環境というのは、自分の素を出し合えるという面もあります。そのおかげで深い交流が生まれ、強い絆が一生続くことも珍しくありません。こういったことも、女子のみの6か年一貫校のよさではないでしょうか」

 

③「清心生の青春を彩るもの」

 中学・高校生活と言えば、あり余るエネルギーを何かにぶつけることで自分の適性や可能性を見出す時期です。そういう経験も、生徒さんの青春を彩るものとして一生の宝になることでしょう。清心の生徒さんが心を燃やして一生懸命に打ち込むものって何でしょうか。それを神垣校長に語っていただきました。

 「私は清心に入学して水泳部に入りました。喘息もちで体が弱かったことから、親の勧めで入部したのですが、水泳部での活動は大きな刺激でした。特別泳ぎが凄いという人はいませんでしたが、上級生と下級生という縦の繋がりの強さに驚きました。一緒に合宿をしたり、泳いだ後に会話を交わしたりした経験は、ほんとうによい思い出です。

 これは、中1生のために上級生が手づくりした「清心物語」という冊子です。クラブ紹介のほか、様々な委員会活動も紹介されています。でも、とりあえず入学直後は1年生ならではの行事がありますし、何よりも5月にはさっそく学園祭があります。高2生を中心に準備をするのですが、翌年大学受験を控えている高3生も『最後の学園祭だ』と、心を込めて情熱的に準備にあたります。まさに全校挙げての大イベントです。4月から準備したのではとても間に合いません。前の年から準備を進めていくんですよ。下級生は何らかの係を受けもちます。大きな催しではスタッフの存在が欠かせませんよね。たとえば、会場美化の係というと、何をするんだと思いますか? それは単なるお掃除に留まらず、ごみの収集も重要な仕事です。これをきっかけに、家庭で出すゴミや環境の問題について考えるようにもなるんですね。

 体育祭も大きな行事ですが、今はコロナ禍で学校全体での開催はできません。でも私たちはあきらめず、学年活動に変えて行いました。旅行も生徒にとって心を奪われる大きなイベントです。ただしコロナ問題でままならない状態が続いています。しかし、これもあきらめるわけにはいきません。中1は1日だけのバス旅行、中2は山陰、中3は長崎と、なんとか実行に移しました。高1は沖縄と言いたいところですが、コロナで断念し、代わりに1日オンラインデーということで沖縄とつなぎ、学びを深める体験をしました。高2は、楽しみにしていた遠方への研修旅行を3回も延期した挙句、最後の手段として陸路で行けるところに変更し、南九州に行きました。

 こんなふうに、清心の生徒は様々な活動を通して楽しみ、学び、青春を謳歌しています。無論、勉強も大事ですし青春の重要な一部分です。これらすべてに丸ごとぶつかっていく姿が清心生の青春だと思います。」

 

 まだまだ続きますが、文字数がかさみましたので、いったんここで今回は終了し、続きは次の回にお伝えしようと思います。続きもぜひお読みください。よろしくお願いいたします。

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