2021 年 12 月 8 日 のアーカイブ

オンラインセミナー“ND清心編” 内容報告その2

2021 年 12 月 8 日 水曜日

 今回は、前回に引き続き11月28日(日)に実施した、オンライン親子セミナー“ノートルダム清心編”の内容をご報告します。このセミナーでの神垣校長のお話には、学校説明会などでは聞けない親しみのもてる話題がたくさんありました。今回のお話によって、とかく「お堅い」というイメージをもたれがちな清心に対する印象が随分変わったのではないかと思います。また、女子受験生のお子さんたちからも、「清心を受験したい!」「ここに行きたい!」という気持ちが高まったという反応を多数いただきました。

 それでは、当日の話題の4番目から終わり(5番目)までをご紹介してまいりましょう。

 

④「清心生が進路目標を定めるまで」

 ノートルダム清心では、多くの生徒さんが高いレベルの大学へと進学しておられます。生徒さんは、どのようなプロセスを経て進路を絞り込み、めざす大学や学科、専攻などを決めているのでしょうか。それについて神垣校長にご説明いただく前に、まずは弊社が行った清心の高3生(9月頃)へのアンケート結果を視聴者にご紹介しました。

 回答者は46名(1クラス)ですが、「行きたい大学を決めている」と答えた生徒さんは36人でした。具体的には、京大、北大、東北大、神戸大、広大、早稲田大などでしたが、いずれも難度の高いことで知られる大学ですね。また、「なりたい職業がある」と答えた生徒さんは23名でした。職業まで明確に目標を定めている生徒さんは半数ですが、それでも「もう決めている生徒さんがこんなにいるのか」と感心しました。具体的には、医師、歯科医師、エンジニア、食品メーカー(研究者)などでした。

 同じ質問を、中1生にもしています。入学直後と卒業間近な時期との違いを比べてみるのも面白いと思ったからです。結果ですが、やはり中1生は高3生のように明確ではありませんでした。それでも、一定の方向性を視野に入れている生徒さんがかなりおられました。

 これを受け、神垣校長に生徒さんの進路決定までの流れをお話しいただきました。

 「せっかくの親子セミナーですから、お子さんにお話ししたいことがあります。将来なりたいものはありますか。もしあったなら、今からおとうさんやおかあさんにつぶやいてみてください。

 私自身は、学校として生徒に『こういう道しかない』とだけは言いたくありません。今の子どもたちを待っているのは、正解のない時代、職業がどんどん変わっていく時代です。でも、自分が考えている方向性があるなら、それを捨てずに温めていってほしいんです。私自身も、かつて清心生の頃、自分で考え、調べ、親にも相談して、今の教師という仕事に就きました。

 ただし、人生は仕事だけでしょうか? ライフワーク・バランスと言われるように、好きなことや出会いも人生の大切な一部分です。さらに、好きなことを中断しなければならない時期もあります。そうことも視野に入れ、夢は夢として維持しながらも、今ある社会の情勢を学んだり、社会が何を必要としているかを知ったりすることも中高生時代には必要です。清心での中学生時代には、調べるための時間がたくさんあります。学校はその手助けをします。直近の将来としての大学も調べます。自分がやりたいことをやるには、今ある勉強を大切にすべきことに気づきつつ、同時に体験を通して自分を成長させることも必要で、その両方を積み重ねながら将来の方向を絞り込んでいくのが清心での6年間です。

 少し具体的な話をしましょう。中3になると、高校での選択科目を決めるための説明をします。そして高校での選択科目を選んでもらいます。清心では文系理系といったようなクラス固定はしません。いろいろな志向性をもった生徒でクラスを編成します。違ったタイプの生徒がまじりあって、互いに刺激を与えたり受けたりすることも将来の進路を考えるうえで役立つからです。そうして、学年が上がるのに合わせ、学校も丁寧に進路選択のフォローをしていきます。

 たとえば面接週間というのを設け、担任の先生との面接で生徒が自分の希望を伝え、さらに親の考えも確認します。こうやって、高2、高3と、少しずつ方向を固めていきます。大学への進学にあたっても、なかなか希望が決まらない生徒には担任の先生が対応し、進路決定の手助けをしています。大学進学後も相談を受けることがありますが、そういうとき、先生に異動がなく、いつも清心にいることも生徒にとっては安心ですね。そこは私学のよいところだと思います」

 

⑤「人としての心をどう育むか カトリックの教育」

 社会経済が行き詰り、さらにコロナパンデミックに見舞われている今日のような世の中において、宗教の果たす役割は以前に増して大きいのではないでしょうか。私立学校のなかには、宗教を背景とするものも少なくありません。思春期、青年前期という人間形成上の節目となる重要な時期において、宗教の教義に基づく教育を受けることに、どんな意味があるのでしょうか。ノートルダム清心は、カトリック系のミッションスクールです。そのもつ教育のよさについて、神垣校長に語っていただきました。

 今からクリスマスシーズンですね。このクリスマスを例にカトリック学校の教育を説明してみようと思います。ご存知のように、クリスマスはイエス・キリストが生まれたのをみんなでお祝いするお祭りです。みなさんの誕生会も同じで、おいしいケーキを食べたり、プレゼントを交換したりすることで、命が誕生する喜びを一人ではなくみんなで祝っているんですね。本校はこのように、『生かされている命をみんなで喜び合おう』ということを大事にする学校です。

 本校は、もっと本質を極めようということで、「なかには喜べない状況にいる人たちもいる」ということにも目を向けます。外国で、『マスクや文房具を必要とする子どもたちがいる』と聞いたら、クリスマスの準備のときに一緒に集めるとか、また『経済的に大変困っている地域がある』と聞いたら、『何かできないか』を考え、募金活動をしたりします。もともと清心は戦後の復興を願って設立された学校ですが、そのときにたくさんの方々から助けていただきました。その恩返しの意味も込め、12月24日を全校でお祝い日と定めています。

 お祝い日を迎えるにあたって、中1は校内の飾り付けをして雰囲気を盛り上げたり(このセミナーの画面の背景に写っていますね)、支援物資を必要とするところに送ったりしています。また中3は180名全員でクリスマスを祝うための劇をします。人数が人数ですから、配役をオーディションで決めたりシナリオをまとめたりするのは本当に大変です。しかし、そのプロセスを大事にしているんです。上級生は、劇の日にはそれを見て、自分たちが担当した年のことを振り返りながら楽しみます。さらには高3も大学受験があるのに、昼休みやホームルームの時間を使って歌の練習をします。そしてお祝いの日にハレルヤコーラスを披露して、全校生徒に聞いてもらっています(今年はコロナ対策で、事前練習をがんばり、録画画像を放映予定です)。下級生は、そんな先輩の姿から学び、受け継ぐべきものを育んでいきます。

 このように、清心では同学年の横の繋がりだけでなく、中1から高3までの縦の繋がりも大切にし、お祝いの日にはみんなで「おめでとう」の気持ちを分かち合っています。カトリックの学校は、そういう心を大事にしていくことをめざしています。

 以上、クリスマスを例にしてカトリックの教育についてお話ししました。心は目に見えないものだから難しさはありますが、みんなのもつ優しさをつなぎ合う、辛さ、悲しさを分かち合いながら、ともに助け合っていける社会を創れたらいいなと願いながら、この清心という学校を私たちは運営しています」

 ノートルダム清心の魅力を5つの話題に絞り、神垣校長にお話しいただきました。この後、約15分を使って、申込時にいただいた質問や、セミナー中にお寄せいただいた質問をご紹介し、お答えいただきました。突然の問いかけにも快くお返事くださった神垣校長には、心より御礼申し上げます。実際のところ、セミナーで扱えた質問は時間の制約でごく一部に過ぎません。そこで、会員ページに質問内容と神垣校長のお返事を掲載しています。セミナー終了間際にいただいた質問をあとから神垣校長にお伝えしたところ、その返答もすくさまくださいました。こちらも会員ホームページにて掲示いたします。

 いかがでしたか? ノートルダム清心という私学の実像について、かなりはっきりと理解いただけたのではないでしょうか。神垣校長がお話しくださったことをすべて文字にするのは難しく、どれだけお伝えできたか自信はありませんが、カトリック学校としての清心の私学らしさの一端がくっきりと浮かび上がったという手応えを筆者は感じました。

神垣校長、どうもありがとうございました!
みなさん、清心に進学し、学業においても、内面においても大きな成長を!

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