オンライン親子セミナー‟県立広島編”を開催します(会員向け行事)

2022 年 6 月 13 日

 昨年の11月に初めて開催した、オンライン親子セミナー‟広島学院編”が好評をいただき、引き続いて‟ノートルダム清心編”‟広島中等教育学校編”と同様の催しを実施してきましたが、今月の26日(日)には第4弾の‟県立広島編”を開催いたします。

 当日は弊社スタッフが学校に出向きます。そして、中学教頭の先生にいくつかの問いかけをし、それについてお話しいただくことになっています。中等教育学校編では、生徒さんにも参加いただきましたが、今回は定期試験の直前であり、難しい状況にあります。そこで、生徒さんが学校について語ってくださっている様子を映像でご紹介したいと考えています。そんな事情もあり、今回のブログでは催しの詳しい内容をご紹介するのが難しく、代わりに県立広島の設立以来の弊社からの受検と進学の状況をご紹介することにいたしました。本記事をお読みいただき、この催しに興味をもってくださればうれしいです。

 広島県の公立一貫校の嚆矢として、2004年(平成16年)に開校された県立広島中学校・高等学校(東広島市高屋町中島 JR山陽本線西高屋駅近く)ですが、いまや県内有数の進学校としての地位を不動のものにしています。今年の大学への合格状況を調べると、東京大学へ3名、京都大学へ2名、大阪大学に10名、九州大学に14名の合格者があり、公立高校の中では基町高校と並ぶ高い合格実績をあげておられます。地元の広島大学には51名(医学科5名、歯学科4名)が合格し、こちらも注目に値します。

 開校の前年、県庁の開設準備室におられた初代校長をお訪ねし、学校の構想や見通しなどについて伺ったことがあります。あれから20年近くが経過した今、当時の校長先生の意気込みが見事に結実していることに感慨を覚えざるを得ません。なにしろ、まだ生徒募集も始まっていない段階でしたので、現在のような姿は到底想像できませんでした。今や広島県には公立一貫校が5つ存在します。ご存知だったでしょうか? 近年全国的に公立一貫校が増えており、茨城県などのように1年に10校以上増設されている例もあります。

 公立の中高一貫校は、すべて同じ形態で運営されているわけではありません。4月に同趣旨の催しでご紹介した広島中等教育学校が、中学校からの募集のみの完全6か年一貫教育の体制であるのに対し、県立広島は中学校からの募集(160名)と高校からの募集(240名 ※併設中学校からの入学者を含む)との両方がある、いわゆる併設型の形態をとっています。また、設立母体も前者は広島市、後者は広島県です。県立広島は寮も完備しており、県内一円からの受検と進学が可能な点が特徴です。実際、弊社の会員受験生も地元の東広島校だけでなく、広島市の中心部やJR沿線部に住まいのある受験生が相当数受検をし、実際に進学しています。

 なお、近年開校された県立叡智学園中学校・高等学校は併設型であり、なおかつ全寮制であり、外国からの留学生を受け入れるという点で、他の公立一貫校とはまた違った特色をもっています。

 以下は、最近5年間の弊社会員受検生の合格状況と進学状況です。

 上表をご覧になると、弊社会員の合格者数、進学者数が年々増えていることがおわかりでしょう。当初は男子の受検者が少なく、合格しても私立や国立の一貫校を進路に選ぶ傾向が強かったのですが、2019年ごろを境に、男子も進路に選ぶケースが増えています。合格に向けた難易度ですが、公立一貫校独特の適性検査と内申書による選抜のため、4教科の学力試験をする私学と同列の比較はできません。ただし、応募者数が2022年度760名、2021年度912名と、私学の男女有力校に遜色ありません。募集人数も160名と私学より少なめで、しかも合格者の発表はきっちり募集人数分であり(入学手続きの進捗に合わせて一定数補欠者の繰り上がり合格があります)、相当な難関であるのは間違いありません。

 私学には公立一貫校にはないよさがあります。たとえば設立者の教育にかける志、伝統で醸成された重厚な校風、圧倒的な卒業生のネットワークなどです。いっぽう、公立一貫校はいずれも歴史が浅く、そういった面では私学にどうしても軍配が上がります。しかしながら、学校の設備や学費面等では公立一貫校に大きな魅力があります。また、グローバル社会の進展を見通し、社会で活躍できる人的モデルに基づいた方針やカリキュラムを携えておられます。「どちらを選ぶべきか」と悩ましい思いをされる保護者も多いことでしょう。難しいのは進路選択の是非がある程度わかるのは、社会に出て10年、20年経ってからだということでしょう。そこで大切にしたいのは、「この学校に進学しよう」と決めたら、その選択を信じてがんばることです。学校の形態はどうであれ、それぞれに固有のよさがあるものです。よい先生も多数おられます。ですから、子どもが前向きさを失わず、努力を続ければ必ずよい人生が築けるに相違ありません。

 今回は県立広島が話題ですので、この学校に関する筆者のちょっとした思い出をご紹介しておきましょう。学校の設立間もないころから、弊社では地元の東広島校で県立広島の学校紹介をする催しを実施しています。毎年広報を担当されている先生一人と、弊社東広島校の出身生数名をお招きして、どんな学校か、どんな学校生活を送っているかを楽しく語っていただくという趣向の催しです。

 ある年、「なぜ公立一貫校を選んだのか」という質問に対し、中学3年生の男子生徒が、「家の経済状態を考え、少しでも親に負担をかけたくないと思って選びました」と答えてくれました。彼は学年トップランクの成績をあげ、部活にも熱心に取り組んでいるということを後で知りました。また、同学年の女子生徒に、「塾に行っていますか?」という質問がありました。すると、彼女は「自分で勉強をしっかりやれているという手応えがあるので、行くつもりは今のところありません」と笑顔できっぱりと答えてくれました。こちらも学年指折りの成績をあげている生徒さんでした。

 親の負担を考える。自分でやれる限りは自分でがんばる。このような生徒さんなら、おそらくどのような学校に進学しようとも十分にやっていけることでしょう。それどころか、前途洋々たる人生が待っているに違いありません。私立に行こうが、国立に行こうが、公立に行こうが関係ありません。自分が選んだ環境を肯定的に受け入れ、そこでやるべきことを見失うことなくやり遂げていけるからです。保護者におかれては、そこに目を向けていただきたいと強く思います。

 なお、公立一貫校に入るには適性検査対策さえしておけばよいのでしょうか。まず言えるのは、適性検査の内容をよく見ると、算数や国語、理科、社会などさまざまな教科の基礎学力がないと対応できません。私立の難関校で出されるような難問がらみの出題はない代わりに、分析的思考や表現力などが求められています。さらに言えるのは、中学に進学してから大学受験までにやるべきことは私学であれ公立一貫校であれ同じです。中学進学にあたってしっかりとした基礎学力を備えておくことが必須であるのは言うまでもありません。したがって、弊社の会員は私学を受けるにせよ、公立一貫校を受けるにせよ、基本的に最後まで共通の学習指導を行っています。公立一貫校対策は、希望者に対して夏頃からしっかりと行っていきます。

 オンライン親子セミナーにおいてはご家庭からの質問も受け付けます。親子で知りたいことを話し合い、申込時にそれを書いてみてはどうでしょう。ご家庭での視聴に、もう一つ楽しみが増えるでしょう。ぜひ試してみてください(たとえ催しで紹介されなくても、後でHPに回答が掲載されることもあります)。なお、申込方法など、詳しいことはホームページ(会員専用ページ)でご案内しています。そちらをご覧ください。

 オンライン親子セミナー‟県立広島編”に、ぜひ参加してみてください!

LINEで送る
Facebook にシェア
Pocket

カテゴリー: アドバイス, 中学受験, 家庭学習研究社の特徴

おすすめの記事