2022 年 12 月 11 日 のアーカイブ

第5回模擬試験(最終回)が終了しました!

2022 年 12 月 11 日 日曜日

 師走に入って間もなくの12月4日(日)、恒例の「中学入試模擬試験」を開催しました。会場も、例年と同じように男子が修道中学・高等学校、女子が広島女学院中学・高等学校でした。年末年始を挟み、あと1カ月余りで広島県内の中・高一貫校の入学者選抜が始まります(全寮制公立一貫校の広島叡智学園は、すでに一次選考が11月20日に行われ、二次選考が12月25日から始まります)。今回の模試の採点答案や成績、模試参加者全員から割り出したデータなどを手にしたら、入試までに残された期間を最大限に生かした仕上げ学習の実践に活用していただきたいと存じます。

 中学受験生にとって仕上げ学習の山場は各塾で行われる冬休み講座です。2週間足らずの期間ではありますが、受験勉強に専念し、足りない点や弱点を徹底的に埋め合わせていける最後の機会です。入試必須の重要事項を一気におさらいしていきますから、点検と補強をすかさず行うことが肝心です。入試に向けた気合もピークに近づくこれからの受験対策の成果如何で入試の結果も決まります。今年に限っては正月がないものと思い、がんばっていただきたいですね。

 とは言え、毎日を全て受験モードで突っ走ると、心身ともに成長途上の小学生ですから、疲弊して集中力を欠いてしまう恐れもあります。保護者におかれては、お子さんがやるべきことをしっかり見定め、頭に刻み付けながら仕上げ学習を実践できているかどうかをチェックしてあげてください。大人でも子どもでも、適宜休憩を挟んで勉強したほうが能率も上がります。お茶やおやつの時間を設け、少し軽い話をしてから再び勉強に戻るのもよいですね。保護者は、そうした時間にお子さんの話し相手になり、メンタルや体調などの状況を確かめてあげてください。ここに至っては、親の心配事をあげつらって問いただすのは逆効果です。やるべきことを絞り込んだら、それを徹底してやり切るよう促してあげてください。大切なのは、理解や記憶が今一つ不十分なところを、着実に埋め合わせていくことです。今からやっても到底届かない事柄に時間や労力を注ぎ過ぎると、焦りや不安で頭が混乱し何も頭に入らなくなってしまいます。くれぐれも欲張った勉強は避けていただきたいですね。

 さて、12月4日の模試当日、修道の十竹ホール、広島女学院のゲーンスホールで「受験応援イベント・扉の向こうに、輝く未来が見えてくる!」と題した催しを開催いたしました。これは、「中学入試の扉を開いたなら、すばらしい未来が受験生のみなさんに待っていますよ!」というメッセージをそのまま言葉にしたものです。扉を開けるまでは先が見えません。不安もあるでしょう。しかし、勇気を出して、目の前の入試に挑みましょう。きっと明るい展望が開けるし、自分という存在に確かな手ごたえを得ることができるでしょう。そういった応援の気持ちを込めました。

 筆者はこの日、広島女学院のほうに出向き、このイベントの進行に携わりました。そこで、このイベントの内容について簡単にご報告してみようと思います。

 全体で約1時間の催しとし、第一部は広島女学院の渡辺校長、濱岡広報部長に話者としてご協力いただき、筆者が投げかけた話題について45分程お話しいただきました。また、第二部は筆者が担当し、15分ほどお話ししました。会場を見渡すと、ご夫婦でお聞きくださっている家庭もかなりありました。堅苦しくない話題も混ぜたせいか、和やかな雰囲気の催しになったと思います。

 では、第一部の内容をご説明しましょう。何をお話しいただくかにあたり、事前に先生がたが配慮くださったのは、模試参加生の志望校は多様だということです。そこで、先生がたは自校のアピールに偏らないようお話しくださいました。ただし、具体的なことに関しては他校のことはわかりません。女学院さんの教育環境や、実践しておられる教育についてお話しいただくしかありませんでした。それでも先生がたのお話は、他校を志望する受験生への配慮を十分に感じる内容だったと思います。先生がた、どうもありがとうございました。

 

<第一部の話題> 6か年一貫教育・広島女学院の教育

1.公立一貫校が全国的に増加している。その意味するものは何か。6か年一貫指導に基づく中等教育の魅力はどこにあるのか。

2.公立一貫校と私立一貫校の教育の違いは、どういうところにあるのか。

3.私学にはそれぞれ創設時から受け継がれるミッションや校是がある。広島女学院の創設者や、初代校長を務められたアメリカ人宣教師ゲーンス先生の教育にかける志とはどういうものだったか。

4.様々な一貫校がグローバル教育に熱心である。グローバル教育を広島女学院ではどのように具体化しているのか。特に、グローバル教育の一環としての英語教育とはどのようなものか。

5.中学高校生時代につきものなのは、「思春期をどう乗り越えるか」という問題である。学校として、生徒や各家庭にどのような配慮やサポートをしているのか。

6.どの学校にも、それぞれ独自の校風がある。広島女学院には、「誰にも居場所があり、生徒は学校が大好き!」というイメージがあるが、このような校風はどうやって培われたのか。

7.中学校に入学すると、1日の生活サイクルは大きく変わってくる。登下校の時間が変わる。学ぶ教科も増える。部活や生徒会活動も加わる。そんな中学生の生活時間を具体的に知りたい。

8.生徒の楽しみの一つが昼食。広島女学院の生徒は、弁当持参が多い?それとも食堂でランチ?(回答:どちらも多い。近年は、学校で購入できる弁当が充実しているとのこと)

9.「私学に子どもを通わせたことで、親も楽しい6年間を過ごせた」という話をよく耳にする。それはどういうこと?

10.入試を受けた全員が第一志望校に合格できるわけではない。受け入れる私学は、そのことに対してどのような配慮しているのか。

 

<第二部の話題> 入試本番での緊張をどう克服するか

 入試での心配事で最も大きなものの一つが「緊張に襲われたらどうしよう」ということです。そこで、そのことへの対策法をお伝えしました。よろしければお子さんに教えてあげてください。

1.疑似体験が緊張緩和に威力を発揮する! 私学で受ける今日の模試が大いに生きる。

2.緊張は敵ではなく、味方である! 緊張は、人間が危機意識を感じたときに生じるもの。だから、緊張したほうが脳のセンサーが鋭敏になり、頭の働きがよくなる。集中力も発揮される。

3.「緊張はパフォーマンスの発揮に役立つ」ということを知っているだけで、試験の成績は向上する(ハーバード大学での実験結果を紹介。上記情報を知らされていたグループ30人のテスト平均点が770点、何も知らされなかったグループ30人の平均点は705点だった)。

4.入試当日は30分以上早めに会場へ! 会場到着直後に緊張が高まるが、塾の仲間、先生、保護者との会話で気持ちが落ち着いてくる。ギリギリで会場に着くと、パニック状態のままテストが始まる。※次年度は塾関係者の応援自粛要請がなくなる学校が多い。

5.直前に会場で深い深呼吸を! 一気に息を吸い、一気に息を吐く深呼吸は効果なし。5秒息を深く吸い、10秒口からゆっくり息を吐き、ラスト5秒で肺の空気を全部出し切る。これを2~3回繰り返すと気持ちが落ち着く。

 

 最後に、広島女学院の渡辺校長と濱岡広報部長が会場の保護者に明るい笑顔で激励のメッセージを送ってくださいました。予定時間ジャストで終了しました。お二人の先生が十分な打ち合わせと準備をしてこの催しに臨んでくださったのでしょう。そのことがありありとわかる、テンポのよいわかりやすい話しぶりでした。ほんとうにありがとうございました。

 

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