わが子は“早期完成型”でなく、“後発急伸型”?
2026 年 1 月 8 日
2026年の年明けとともに、中学受験シーズンが到来しました。今、受験生の子どもたちは目の前に迫った志望校の入試に向けて仕上げ学習に余念がないことでしょう。
受験は実力半分、メンタル半分(それと少々の運)です。焦りは禁物。「あれをやっておかなければ。これもやっておかないと」と、落ち着かない上滑りの勉強では成果があがらないし、余計な緊張を招いてしまいます。決めたことをやり遂げることに集中し、気持ちを散らさないようにしましょう。受験対策の大詰めになってからやり残しに気づく。それは誰にもあることです。完璧な受験対策などありません。腹を据えてかかることが何より重要です。仕上げの学習メニューをやり遂げることに集中しましょう。そして、そのうえで時間があれば埋め合わせの学習をすればよいのです。保護者におかれては、お子さんの心身のコンディション管理を第一に、しっかりとフォローしてあげてください。
さて、受験生活の最終段階を迎えた6年生もさることながら、4年生や5年生の子どもたちも今や1年間の講座の締めくくりを迎えつつあります。保護者におかれては、これまでを一緒に振り返ってみてください。やるべきことをどれだけやれたでしょうか。力がついたという手応えはあるでしょうか。おそらく、一握りの成績上位者はともかく、大半のお子さんはそこまでの感触はないことでしょう。何しろ誰もががんばっている集団内の成績です。上がったり下がったりは当たり前なのです。ただし、見失ってはならないことがあります。成績は上がったり下がったりでも、学力はやった分だけついています。努力はうそをつきません。目先の成績に振り回され、「自分はダメ」と思い込まないことです。
もうひとつ。勉強したことがすぐ成績に反映される子どももいれば、なかなか成績につながらない子どももいます。しかし、後者のようなタイプの子どものなかに注目すべき現象が見られます。自分は物覚えが悪いと思っていても、実はゆっくりと理解は確実に進んでいて、ある段階から歯車がかみ合い始めたごとく力を発揮するようになることがあるのです。そして一気に成績が伸びていった例は少なくありません。すぐに成績に反映されるタイプが“早期完成型”なら、あとから進境を見せるタイプは“後発急伸型”と言えるでしょう。
ただし、後発急伸型の子どもが頭角を現す時期は様々であり、それがもどかしくてつらいところです。中学受験の直前に伸びる子どももいれば、中学生以降を待たねばならない子どももいます。しかし、時期の違いはあっても、学んだことが開花していることに希望がもてるのではないでしょうか。焦ってコロコロやりかたを変えたり、あきらめたりしなかったからこそもたらされる現象なのです。実際、家庭学習研究社で学んだ人たちのなかには、中学受験の段階では成績的に苦しんでいたものの、中学高校ですばらしい進境を遂げ、トップランクの大学へ進学した事例が多数あります。
こうした後発急伸型の子どもたちが、もう少し早めに能力を発揮できるような流れはつくれないものでしょうか。実は、停滞しているかに見えた学力向上の流れが、急伸へと転じた例を調べてみると、ちょっとしたきっかけが発端であることが多いということがわかりました。二つほど例をあげてみましょう。こうしたことは、どのお子さんにも起こり得ることではないでしょうか。
以下のイラストをクリックして拡大のうえ、見てください。
1は、読書好きで音読が得意だった男の子が、学校の音読大会でスポットライトを浴び、みんなの注目を集めたことで自信が湧いてきて、それを契機に勉強に向き合うときの気構えが変わったことから躍進が始まったという事例です。これは偶然に生まれたきっかけですが、何か好きで得意な領域をもっていたことと、勉強面で一応の努力をしていて基礎がある程度身についていたこととの合わせ技であることに着目すべきでしょう。おたくのお子さんにも、好きなことや得意なことがあると思います。それを大事にしてあげてください。また、勉強面でも努力したことはいずれ報われるものだということを伝えてあげてください。お子さんの躍進が始まるときがいずれ必ずやってきます。
2は、「たまたま運よくよい点が取れただけ」と思ってしまうか、「テストで偶然の好成績なんてあり得ない」と思うかで後の状況が変わります。進学塾ではテストが繰り返されますが、結果が思わしくないことが続くと、子どもは「自分には能力がない」と自分を見限ってしまいがちです。そうなると、せっかくの好成績なのに、「まぐれだ」と冷めた反応を示す子どもも少なからずいます。しかし、多くの工夫を凝らしたテストで好成績を取るのは簡単ではなく、まぐれはあり得ません。親はこのチャンスを見逃すべきではありません。なぜよい成績をとれたのかをしっかりと親子で振り返れば、ちゃんと理由が見い出せるはずです。そこを起点にして自信ややる気を取り戻させてやりたいですね。2の事例は、親のフォローしだいでどの家庭でも生じる可能性がありますから、チャンスを逃さないでいただきたいですね。
2つの事例から、保護者の方々にぜひ胸に止めていただきたいことがあります。一つは、子どもに自信をもたせるための目配りを常に継続し、子どもの目が輝く瞬間を見逃さないこと。もう一つは、すぐ結果が得られなくても腐らず、努力を継続するよう子どもに対し熱心に働きかけ励ますこと。親の愛情や熱意は子どもの人間形成に大きな作用をもたらします。そして、子どもの能力開花にきっとよい影響をもたらします。子どもの望ましい成長は親の心持ちと働きかけしだいなのだと肝に銘じましょう!

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