夏休みには、小さくて大きな成長作戦を!!

2019 年 6 月 17 日

 まだ夏休み到来までに1カ月余りあり、少し早いかもしれませんが、夏休みを活かしてお子さんの成長を引き出すためのちょっとした提案をしてみようと思います。現在今回の記事が何らかのヒントになり、夏休みをお子さんの成長に向けたアイデアがまとまったなら、ぜひ実行に移してみてください。

 とは言え、ご提案するのは特別なことではありませんし、わざわざ筆者がお伝えするまでもなく、すでにお子さんに十分備わっていることかもしれません。それは何かというと、「計画性」「粘り強さ」「実行力」など、受験勉強を円滑に進めるために欠かせない諸要素を強化しようという提案です。

 受験勉強は志望校合格をめざしてするものですが、「どういう取り組みで受かるか」という視点に基づいて勉強すれば、子どもの生きる力を育むといった意味においても、少なからぬ収穫が得られるものです。その意味において、上記の三つを養いながらの受験生活を実現すれば、今後の人生の歩みに計り知れない可能性が広がっていくのではないでしょうか。そこでこの夏休みの到来にあたり、次のような目標を親子で話し合ったうえで掲げてみてはいかがでしょうか(一つだけでも構いません)。

 子ども、特に男の子を意識して意気込みや気概を刺激する言い回しにしてみました。いかがでしょうか。ほんとうに当たり前のことですが、実はこれがなかなかできないことだということも、保護者の方々はよくご存じだと思います。また、計画性や試行錯誤する力、実行力を携えていることは、今日の社会を生き抜くうえで必須のことですから、受験生活を通じて養えれば今後の学習に威力を発揮するのみならず、社会に出てから自分を通用させるうえで大きな強みになることでしょう。お子さんに喜ぶような言い回しを工夫し、標語のように掲げてみてはいかがでしょうか。

 勉強はできるのに、自分で状況を判断し自ら対処することができない。苦難を自らの努力で乗り越えるバイタリティが不足している。……これは、難関大学に在籍する学生に多く見られる近年の特徴だそうです。特に、大都市圏の高偏差値で知られる中高一貫校の出身者に多いと言われます。これでは何をすべきかをあらかじめ明確になっていることならできても、予期せぬ事象に遭遇したり複雑な難題にぶつかったりしたとき、周囲から頼りにされる人間には到底なれないことでしょう。

 夏の講座が始まる前に、ぜひ親子で話し合いの場を設け、親が何を期待しているのかを伝えてあげていただきたいですね。夏休みの講座への参加にあたっては、どのご家庭にも「学習計画表」を作成していただくことになっています。それにからめて、「勉強は、自分のためにするものだ。じゃ、どういうふうに取り組んだらいいと思う?」と問いかけ、お子さんの反応を引き出しながら、今のお子さんが克服すべきテーマは何かを絞り込んでいくよう導いてあげてください。

 そのプロセスにおいては、おとうさんやおかあさんの職場の人間模様などを織り交ぜ、できる人はどういう姿勢をもった人か、他者から信頼されて頼られる人はどんな人物かを言って聞かせ、夏休みの学習にどう取り組むかで、そういう人間に近づけるかどうかが決まるのだということを伝えれば、お子さんは親の期待をしっかり理解されると思います。無論、夏休みになってからのわが子の取り組みの様子を見守ったり、定期的に報告させたりしながら、承認や励ましの言葉をかけることも忘れないでいただきたいですね。

 

 ずいぶん前のことですが、6年生になるときに受験を思い立ち、親に頼んで塾通いを始めた男の子がいました。たまたま筆者の担当クラスにいたのですが、子どもながらあっぱれというべき素晴らしい取り組みをしていました。

 初めての塾通いですから慣れるまでが大変だったろうと思います。しかし、筆者のアドバイスや声かけを真正面から受け止め、必死でくらいつくかのように勉強をやり抜き、とうとう最難関私学に合格しました。初めは「受験をしてみたい」という程度の気持ちだったのでしょうが、塾に通って勉強するにつれて「みんなに追いつきたい」に変わり、次には「自分の納得の行く勉強をしたい。もっとできるようになりたい」になり、ついには「やるべきことをやらないと自分が許せない」といったように、どんどん意識が向上していきました。成績面の不安をおかあさんが口にされたとき、「僕は、そんなことのために勉強してるんじゃない!」と一喝したほどの気概溢れる少年でした(このエピソードは本人から聞いて知ったのですが、驚きました)。ここまでくれば、彼はどこに行っても通用する人間に相違なく、もはや志望校合格のほうはおまけに過ぎないとすら感じたほどです。

 「なかなかわが子の取り組みに進展が見られない」「いったい、やる気があるんだか…」などと気を揉んでおられる保護者はありませんか? 上記エピソードの少年も、6年生の夏休みの段階ではまだテストで全体平均点すらとれない状態でした。「計画性」と「試行錯誤を厭わない粘り強い取り組み」、そしてやり切る「実行力」、この三つを磨いていけば、子どもは見違えるように変われますし、そのレベルをあげて行けば将来は前途洋洋です。

 子どもの成長は環境次第の面が多々あります。親がどのような期待を差し出してわが子の成長を応援するか。学習塾がどのような学習指導によって合格へと導くか。そうした諸々のことが学力のみならず子どもの取り組みや人間形成に大きな影響を及ぼします。一緒に子どもの成長を応援しましょう。

 今回掲げた夏休みの目標例は、ごく当たり前のことばかりです。しかし、この当たり前のことがしっかりできることこそ、よい人生を歩める人間になるための必須事項だと思います。三つのうちの一つだけでも結構ですから、この夏休みの達成目標にしてみませんか? うまくできなくても叱るのを我慢し、親の願いを愛情深く伝えてやりましょう。目の前の小さな目標を達成することから、子どもたちの大いなる成長は可能になっていきます。


 この夏休みを、わが子の特別な成長の舞台にしましょう!

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カテゴリー: アドバイス, 子育てについて, 家庭での教育

低学年部門「夏期講座説明会」のご案内

2019 年 6 月 7 日

 夏休みの講座の募集活動が始まりました。毎年、弊社の低学年部門の夏休み講座には「中学受験を考えているので、夏休みの講座だけちょっと子どもを通わせてみよう」「受験のための塾に少しずつ子どもを慣れさせておこう」など、お試し的に弊社の教室にお子さんを通わせてくださる保護者が相当数おられます。

 そこで、このたび弊社では「夏期講座説明会」を実施し、お子さんの中学受験を視野に入れておられる保護者の方々に必要な情報をお届けすることにいたしました。この「夏期講座説明会」においては、二つの内容を柱に据えてお話しします。一つは、弊社の低学年部門の指導方針や夏の講座の指導内容について。もう一つは、低学年児童期の生活や学習で最も大切にすべきことは何かということについて。

 弊社は中学受験専門塾ですから、児童期前半のお子さんの学習指導にあたっても基本的に中学受験を念頭に置いています。しかし、「少しでも早く受験に直結した内容の学習を子どもにさせよう」と考えているわけではありません。むしろ、早くから難易度の高い学習を子どもにさせるのは好ましくないと考えています。弊社が最も心を砕いているのは、「高学年になってから、快適に受験対策の学習が行える子どもになっておくにはどうしたらよいか」ということ、つまり「いかにして伸びしろの豊かな子どもを育てるか」ということです。

 というのも、ほんとうに頭のよい子どもに育てるには、知識を大量に注入したり、学習の先取りに傾注したりするやりかたよりも、頭を使って考えることに強い志向性をもった子どもにすること、学習の手段としての文字や数字という記号に強い子どもにすること、自らの行動を律する主体性を携えた子どもにすることなどのほうが遥かに重要なことだと考えるからです。また、ある種の学習領域で求められる感覚的素養には発達臨界期があるのをご存知でしょうか。刺激を与えたらその分だけ成長が見込める時期のことを言いますが、これを踏まえた学習や遊びを体験しておくかどうかも大変重要なことです。歯を食いしばってやる勉強だけでは頭脳開花につながりません。

 「夏期講座説明会」の後半では、「学力はどの子も伸ばせる」というタイトルを掲げて、上記のことがらを保護者の方々になるべくわかり易くご説明しようと思っています(時間の関係で多少急ぎ足になることをご了承ください)。以下は、説明会でお伝えする予定の内容を簡単にピックアップしたものです。

✿「夏期講座説明会」でお話しする予定のテーマ ✿

 勉強に主体性があり、自立している子どもはどんな育ちかたをしているのでしょうか。特別なことはありません。普段の生活の繰り返しにおいて育てるべきものがちゃんと育っているかどうかです。一緒に項目チェックをしながら、わが子の成長の方向性を確認していただきます。

 「読み・書き・計算」は学習活動の最も基本となる要素です。英語では、「Reading・Writing・Arithmetic」の綴りにそれぞれRが含まれることから、スリーアールズなどと呼ばれています。このうちの「読み」の能力は、学力の差をもたらす最も大きな要因となっています。実は、個々の読みの能力差が大きく開くのは3年生頃です(「書く力」も「計算力」も3年生頃です)。なぜそうなるのか、どうすれば読みに堪能な子になれるのかをご説明します。

 「図形」や「速さ」など、算数のある種の単元においては感覚的素養が求められ、学習を快適に進められるかどうかを決定づけます。また、これらの単元に強いと「センスがある」「有能だ」とほめられ、子どもの自己有能感を刺激します。こうした方面の学習に必要な資質は、いつごろまでに、どうやって形成されるのでしょうか。実は、低学年部門の学習指導で最も力を入れているのがこの分野です。

 低学年児童期の子どもの学習意欲に最も大きな作用を果たすのは何でしょうか?多くの人は、「好奇心だろう」「向上心だろう」などと答えます。しかし、児童期前半までの子どもには当てはまりません。実は「親」が大きな影響力をもっているのです。子どもにとって絶対的な存在は親だからです。では、親がどのように働きかければ、子どもの意欲は増すのでしょうか。表題のとおり、キーワードは「信頼関係」です。一緒に考えましょう。


 興味をもっていただくため、多少思わせぶりな書きかたをしたかもしれません。詳しくお知りになりたいかたはぜひお越しください。データによる裏付けの資料もスライドで多数ご覧いただけます。以下は、説明会の実施要項です。

 小学校低学年は、子どもの学力が顕在化する前の、いわば潜伏期にあたる時期です。子どもたち個々の学力差はまだそれほど見えてこないのですが、実はこの時期に資質開花に向けた流れが形成されていますし、今学んでいる一見易しい内容の学習の積み重ねや繰り返しを通して学力の大切な基盤を築いています。

 勉強は人生を通して常に必要とされるものですが、勉強を好きになり得意になれるかどうかは低学年児童期におおよそ決まります。そしてこの時期は、親の影響が非常に強い時期にあたります。もう何年かして思春期に達すると、親の影響力は限りなくゼロに近づいてしまいます。だからこそ、今のうちに親はわが子に何をしてやるべきかを考え、適切にわが子に関わるべきでしょう。子どもたちの学力は無論のこと、学ぶことに対する受け止めかたや姿勢についても、今なら親は強い影響力を発揮することができます。親の情熱と力で、子どもを適正で望ましい方向へ導いてやりたいものですね。

  夏休みは学校への通学がないため、これまで築いてきた生活習慣が乱れやすい時期です。しかし、そのいっぽうで「毎日を計画的に過ごそう」という意図を子どもにもたせ、時間や行動を管理することで得られる充実感や達成感を味わわせてやれば、またとない成長の場にもすることができるでしょう。弊社の夏の講座への通学も含め、夏休みを有効に過ごすための計画をお子さんと立ててみてはどうでしょうか。今回ご案内した説明会への参加をきっかけにして、お子さんの望ましい成長に向けた具体的プランを描いてみませんか?

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カテゴリー: お知らせ, ジュニアスクール, 小学1~3年生向け, 玉井式, 行事のお知らせ

自律的な学びへ誘(いざな)う学習指導

2019 年 6 月 3 日

 今回は、先週お届けした話題の続きです。弊社の夏の講座からお子さんが中学受験対策の勉強を始めるご家庭にとって、「夏の講座以降、どういうステップを経て受験生活を軌道に乗せていくのか」ということは大きな関心事であり、そのことに期待と不安の入り混じった思いを抱いておられる保護者は少なくないのではないかと拝察します。

 前回は、外発的動機づけによって受験勉強を始めた(親や周囲の勧めで塾通いを始めた)子どもが、自らの知的欲求に基づいて学ぶ(内発的動機づけに基づいて学ぶ)ようになるまでのプロセスを簡単にご説明しました。これがうまくいけば、中学受験での合格はもとより、先々の更なる知的成長が見通せるようになるからです(受かることだけを目当てにした受験勉強には様々な弊害があります)。

 ただし、前回は基本的な流れと親の関わりを主にご説明しただけで、学習塾の指導に絡めての説明はしませんでした。今回は、家庭学習研究社がどのような学習指導によって子どもたちの自律的学習を支援するのかについてお伝えしようと思います。

 塾に通い始めた頃の子どものほとんどは、まだ中学受験がどういうものかを詳しくは知らず、受験のための勉強を子どもが受け入れたとしても、どんな内容の勉強をするのかについてまでは到底理解していません。また、そもそも勉強とはどのようなものか、どんな価値をもつものなのか、などについては考えたこともなく、親の勧めに応じてなんとなく興味をもって(あるいは友達に誘われたり、身内の影響で漠然と受験に興味をもったりして)塾に通い始めるのが普通でしょう。

 したがって、まだ勉強に向き合う姿勢もろくにできていない段階から、レベルの高い勉強をいきなり押しつけても、子どもはたちまち塾通いも受験勉強も嫌がるようになってしまいかねません。受験生らしい勉強ができるようになるまでには、かなりの時間が必要ですし、紆余曲折を経ながら少しずつ子どもの勉強は進歩していくものだとご理解いただくようお願いいたします。したがって弊社では、「無理のないステップを踏みながら徐々に受験生らしい勉強ができる状態へと導いていく」ということを学習指導の基本方針にしています。

 受験勉強にしっかりと取り組める子ども(内発的動機づけに基づいて自律的に学ぶ子ども)にしていくため、弊社は次のような点に重きを置いた学習指導を実践しています。

①学習を習慣づける
 
受験勉強をやりこなせるようになるには、一定水準の学習意欲が伴っていなければなりません。しかし、学習意欲は親や学習塾がいくら求めても簡単には高まりません。最も確実に子どもの学習意欲を高める方法として、大学の研究者は「学習の習慣づけ」を薦めておられます。一定のスパンで継続的に学んでいると、少しずつ勉強の面白さがわかってくるし、解けたときのうれしさを知ることになります。そうした体験が学習に向かう意欲を高めてくれるのです。

 弊社では、夏の講座の開講前に「学習計画表」を配布し、モデルプランを参考にしながら全員に講座期間中の家庭学習計画を作成していただきます。また、授業と家庭学習を反復させながら学力を高めていく弊社の学習システムは、子どもたちの望ましい学習習慣の形成を意図したものです。さらには、テキストも授業と家庭学習との組み合わせで単元の学習を完結させるよう編集されており、学習の習慣づけを定着させながら自学自習の姿勢を磨いていくことを意図しています。

②勉強のやりかた・進めかたを習得する
 
小学生の一人勉強が難しいのは、「どうやって勉強したらよいかわからない」からです。年齢的に無理もありません。いくら意欲があっても、勉強の取り組み方法を知らなければすぐに挫折してしまいます。計算や漢字など、ただ機械的に処理する勉強ならまだしも、自ら考えて解に漕ぎつけることを要求される課題を克服するには、よい取り組みかたを身につける必要があります。これが難しいのです。

 前述のように、弊社のテキストは授業と家庭学習を連動させながら学力が身につくよう編集されています。授業は、その回の単元の最も大切な内容の習得を意図していますが、もう一つ、「家庭でどのように勉強を進めて行けばよいか」を指導する場とも位置づけています。授業を通して、テキストの学習方法を体得させるとともに、ノートのまとめかたや家庭学習のやりかたなどを繰り返し教えていきます。つまり、授業は「基本を習得する場」であり、「学びかたを学ぶ場」なのです。

③勉強の面白さを体感し、積極的な学習姿勢を育む
 子どもは正直です。つまらない授業を我慢して聞いてはくれません。また、子どもの好奇心や「知りたい」という欲求を満足させてくれない授業では、そもそも内発的動機づけに基づく学習を実現させることなど不可能です。さりとて、「子どもを退屈させないで指導しよう」と、演習を繰り返す方法では子どもの学びの主体性が育たず、自律的学習姿勢がいつまでも育ちません。

 そこで求められるのは、原理原則を理解するプロセスが退屈な時間にならないような授業の実践です。それには、しっかりとした授業設計、子どもの興味を惹く上手な導入、子どもの思考を促す問いかけ、みんなで一緒に考えながら妥当な結論へと近づいていく場面の演出など、子どもに楽しさや充実感を与えられるような授業にするための様々な工夫が求められます。弊社では、こうした考えに基づき、どの校舎のどの教室においても、子どもたちの学びが能動的に発展していくことを念頭に置いた授業を実践しています。

④学習成果を客観的に知る
 
子どもたちの勉強を活性化するための学習塾の方策の一つに、「具体的な指針や励みを提供する」ということがあります。そこで弊社では、一定のスパンで定期的にテストを実施しています。このテストは、「単元の学習事項がどれぐらい身についているかを検証する」といった意味合いに留まらず、「受験という共通の目標をもった大勢の仲間と実力を競い合うのだ!」と、より積極的な気持ちに基づいて子どもたちに参加していただくことを期待して実施するものです。

 無論、テストでのデータはよいに越したことはありませんが、毎回の結果をみて自らの取り組みを振り返り、勉強の在りかたを改善していくことがより重要なことです。以前より進歩している自分を実感できれば、それが自信や励みになり、明日からの勉強をより意欲的で前向きなものにしてくれるでしょう。このテストデータが精緻なものであるかどうかが学習塾にとって大変重要なことですが、設問ごとの正答率や得点分布を示すヒストグラムなどは、広島の中学を受験する児童の集団である弊社だからこそ参考にしていただける資料であろうと自負しています。
 

 どなたもご存知のように、勉強はレベルが上がれば上がるほど辛く厳しい要素が増していくものです。まして受験勉強ですから、楽しいばかりの勉強なんてありえません。しかしながら、初めから「受験は大変なもの」という認識に立って子どもを追い込むような指導をすると、子どもは勉強から得られる手応えや、ものを知るということの醍醐味を味わうチャンスを逸してしまいます。それでは受験までの長い道のりを乗り越えることはできませんし、勉強に対する負の観念が染みついてしまいかねません。

 弊社では、勉強のもつよさに触れる体験を子どもたちに提供しながら、その醍醐味を味わうことを志向する姿勢を少しずつ引き出してまいります。決して楽ではない勉強を、「楽しい!」と言ってがんばるようになるには、そうしたプロセスがどうしても必要です。そうやって築きあげた自律的学びの姿勢は、子どもたちの受験での成功だけに留まらず、先々まで続く学びの人生の歩みを実り多いものにしてくれるでしょう。知的なものを求めてやまない人間にわが子を育てませんか? 今なら十分に間に合います。

 同じことの繰り返しになりますが、小学生時代の勉強の如何によって、人間個々の学びに向き合う姿勢は全く違ったものになります。できるなら、学ぶこと自体に価値を感じる人間に育てたいものですね。以上のような弊社の考えに賛同してくださる方々には、ぜひ夏休みの講座からお子さんを預からせていただきたく思います。弊社の夏休みの講座は、小学1年生から6年生までを対象としています。ご請求(本部事務局または各校舎)いただいたご家庭には、案内や申込書類一式を折り返しお送りいたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 なお、次回は低学年部門の指導趣旨と夏休みの講座についてご説明するつもりです。また、6月14日(金)には低学年部門の「説明会」を実施予定ですが、この催しについてもご案内しようと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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カテゴリー: 勉強について, 勉強の仕方, 家庭での教育

この夏を起点に、他律的学びから自律的学びへ

2019 年 5 月 27 日

 もうすぐ6月です。毎年弊社では、6月になると夏の講座の会員募集を開始します。そこで、この夏休みから中学受験対策の学習を始めるにあたり、親はどのような見通しをもち、どのような見守りや応援をすればよいかについての情報をお届けしようと思います。

 前回は、子どもの勉強の動機づけ理論として代表的な「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」についてご紹介しました。前者は子ども自身に内在する知的好奇心に支えられた学習で、後者は外的な働きかけや圧力による学習ですが、一般的には前者が望ましいとされています。これをお読みの保護者の方々も、「親が無理にやらせるよりも、子どもが勉強好きになってくれて、自分からてきぱきと勉強に取り組んでくれたらどんなによいだろう」と思ってこられたのではないでしょうか。夏の講座への参加にあたっても、学習内容に興味をもち、自ら進んで取り組む勉強で成果をあげてほしいと願っておられることでしょう。

 ただし、親というものは子どもの自発的な学習姿勢を育てることの重要性はわかっていても、現実の子どもを見ていると、つい「早く勉強しなさい!」「まだ宿題やっていないの!?」とばかりに、子どもをせかしたり圧力をかけたりしてしまいがちです。そのために子どもの反発を招き、いまだに「わが子は勉強に対して前向きでない」と嘆いておられるかたが少なくないのではないでしょうか。

 こうしたことを踏まえると、この夏休みから弊社の教室に通って中学受験対策の勉強を始めるお子さんも、まだ内発的動機づけによる勉強が定着しておらず、むしろ親に言われてとりあえず塾通いを始める、すなわち外発的動機づけによって受験勉強を始めるケースが多いことが予想されます。ですが、親の勧めで受験塾に通うのを受け入れるお子さんですから、「自ら学ぶ人間になれる可能性あり」と考えて間違いありません。勉強に対するネガティブな観念が染みついていれば、塾に通って望みもしない勉強をするなんてまっぴらごめんに決まっています。ですから、親はわが子の現状に不満でも、これまでの親の働きかけに込められた思いについて、お子さんは相応にわかっておられると思います。

 ここからが今回の本題です。親に勧められて、あるいは何となく塾通いを始めた子どもが、自ら進んで勉強する姿勢を身につけるにはどうしたらよいでしょうか。心配には及びません。前回お伝えしたように、外発的動機づけによって勉強する状態から、内発的動機づけによる勉強へと移行していくことは十分に可能です。そこへ至るにはいくつかの段階があります。以下の表を見てください。


 心理学者によると、外から(例:親から)の働きかけで学ぶ外発的動機づけの状態から、自らの積極的意志で学ぶ内発的動機づけの状態に至るには、4つの段階があります。

 初期段階は、親などに促されて(内心しかたなく)塾に通って勉強する状態です。上表では「①外的制御の段階」です。この段階においては、まだ内発的な動機付けの要素はほとんどなく、外からの働きかけで受動的に勉強する外発的動機づけの段階です。

 それが、勉強をしているうちに、「がんばった。そのことを親に認めてもらいたい」という気持ちで勉強に取り組む「②取り入れの段階」」(外からの承認を求める)へと移行していきます。まだ勉強の大切さやよさに惹かれての勉強には至っていませんが、親の期待を受け止めて多少は前向きに取り組む勉強をするようになっています。わずかながら自律性の萌芽が見えてきます。

 そうして、やがて「この勉強は自分にとって必要なものだ、やる価値がある(目的=価値)」と考え、勉強の必要性を認めて取り組む段階に移ります。これを「③同一化の段階」と言います。「この勉強をがんばれば、入試に合格できるかもしれない」と、今やっている勉強を肯定的にとらえ、進んでがんばろうとするのがこの段階です(塾に通って学ぶうちに、受験の意味も理解し、受験して通う学校への知識も増してきます)。ここに到達すると、受験勉強も随分と熱を帯びてきます。

 さらに勉強が活性化するにつれて、勉強するという行為から得られる発見の喜びや心の充足感に大きな価値を見いだし、誰に言われなくても率先して勉強に打ち込む「④統合の段階」に到達していきます。ここに至ると、内発的動機づけに基づく勉強をしている状態だと言えるでしょう。この段階に至った子どもは、勉強するということの本質を理解していますから、先々までも学び続ける姿勢を失うことはありません。

 保護者の方々にとって努力や配慮が求められるのは、①と②の段階です。無理やり命令で受験勉強を始めさせても子どもは親の願い通りに学ぶようにはなりません。子どもに親の考えを上手に伝え、塾に通うことに興味をもたせることが必要です。講座の開始にあたっては、講座期間中の家庭学習の計画を親子で話し合って作成します。親の考えを押しつけるのを我慢し、子どもが納得する、無理のない内容の計画ができあがるようサポートします。

 いざ夏の講座が始まったなら、子どもの勉強の様子を見守り、がんばりを見逃さずに承認したりほめたりしてやります。期待通りにがんばっていない場合でも、できる限り小言や命令を避け、計画に沿って家庭勉強を遂行するよう温かく励まします。もしも、取り組みに少しでも積極性や自発性が感じられたときには、「自分から進んで勉強しているね。感心だね。おかあさんは、それがうれしいよ」と、大いにほめたり喜んだりしてあげていただきたいですね。大人であれ子どもであれ、よいことをしているときには「これは、自分から率先してやったことだ」と胸を張りたい気持ちになるものです。その気持ちを理解し、言葉や態度で示してあげると、子どもはより前向きに学ぼうという気持ちを高めるでしょう。

 上述のように、③の段階まで漕ぎつけると、親の苦労は格段に減って行きます。勉強の価値をそれなりに理解し、率先して勉強するようになるわけですから当然です。また、そういう勉強ができるということは、当然成績的にもかなり良い状態がもたらされているでしょう。ただし、長い夏休みとは言え、塾に通う期間は受験までのスパンで捉えるとわずかな期間です。①の段階から④の段階へと一気に上り詰めることは期待できません。まずは、①から②の段階へと移行できればよいとお考えください(多くの場合、④の段階は6年生の秋以降に訪れます)。お子さんの勉強が質的に変わるプロセスを辛抱強く待てるかどうかも、受験での成功のカギを握る要素の一つです。この点をご理解いただき、適切な見守りとバックアップをお願いいたします。

 無論、お子さんが①の段階から④の段階へと順調に進んでいけるかどうかは、塾の指導の質や技量によるところも少なくありません。次回は、塾はどのようにして子どもの勉強の取り組みに自律性をもたせていくのかということについてお伝えしようと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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カテゴリー: アドバイス, 勉強について, 子どもの発達, 家庭での教育

受験生活開始にあたってめざすべきもの

2019 年 5 月 20 日

 ゴールデンウィークが明けたのも束の間、いつのまにか5月も余すところあと三分の一ほどになりました。朝夕は涼しいものの、日中の暑さは夏の訪れが近いことを感じさせるこの頃です。

 毎年6月になると弊社では夏の講座の募集が始まります。この夏の講座への参加から、お子さんが中学受験対策の勉強を始めるご家庭も多数おありだろうと思います。そこで今回と次回は、塾通いを始めてから受験勉強が軌道に乗るまで、親はどのような視点からわが子を見守ったらよいかについて、弊社の考えをお伝えしようと思います。参考にしていただければ幸いです。

 突然ですが、おたくのお子さんは勉強が大好きでしょうか。これはいささか愚問かもしれません。というのも、「勉強が好きでたまらない」という子どもは、ほとんど見当たらないからです。むしろ、親に毎日のように「勉強しなさい」と言われて辟易している子どものほうが圧倒的に多いことでしょう。

 また、昭和の時代までは「勉強すれば豊かな生活が送れる」ということが勉強のモチベーションになりましたが、贅沢な遊びや食に恵まれた生活を送っている今日の子どもは、勉強すること自体に価値を見いだすことが難しくなっています。「勉強しなさい」と言うと、「なんで?」と切り返してくる子どもも少なくありません(貧しい国の子どもは、勉強したくてもさせてもらえないというのに)。

 しかしながら、子どもは親に命じられてする勉強は嫌いでも、新規な知識を得ることや、不思議を解決することは本来大好きです。そういう子どもの特性を踏まえ、勉強の面白さや、問題を解決したときの喜びを味わう経験を通して、少しずつ一人前の受験生に成長していく流れを築くことが肝要だと思います。というのも、勉強とは到達点が永遠に見えない奥深いものです。そのもつ魅力に気づき、一生学び続ける人間に成長することこそ、中学受験によって得られる一番の収穫だと思うからです。

 日本では長い間「学歴社会」が続いていましたが、今日では様変わりし、学歴に見合う本物の知性を携えていない人間は評価されなくなっています。せっかく苦労して難関校に受かっても、受かることだけを目当てにした勉強をした者は、厳しい社会で生き残る術をもち得ません。このような時代において問われるのは、「学問を修めることが、本物の学力や知性を携えた人間への成長につながるかどうか」です。受験や進学もこの原則を見失ってしまうと、本末転倒の事態を招きかねません。

 以上を踏まえ、この夏から中学受験をめざした勉強をスタートされるご家庭におかれては、「どのような受験勉強で中学入試を乗り越えるべきか」という視点をしっかりと定めたうえで、お子さんを弊社の教室に送り出していただくようお願いするしだいです。

 さきほど、「おたくのお子さんは勉強が大好きでしょうか」という問いかけをしました。それは、勉強の成果をあげるうえで最も大切な要素がそこにあるからです。ご存知かと思いますが、勉強の動機づけ(モチベーション)として最も大きなものは、「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」です。まずは両者の特徴を簡単に見てみましょう。

 これをご覧になると、内発的動機づけと外発的な動機づけとは対照的な関係にあることがわかります。単純に言えば、「自律」と「他律」という違いでしょうか。自らの知的欲求や好奇心に突き動かされて勉強に取り組むのと、他からの働きかけや圧力で勉強に取り組むのとでは、結果にどのような違いがもたらされるのでしょうか。

 その最たるものは、上表の「付随するもの」の欄に見て取れるでしょう。本物の知性や創造性を養えるのは、明らかに「内発的動機づけ」にもとづく勉強です。今日の高度化された社会において有意な活動を可能にするのは、「内発的動機づけ」に基づく学習だと言えるでしょう。

 中学受験専門塾として50年余りの歴史をもつ弊社ですが、昭和42年創設以来一貫して私たちは「子どもの望ましい成長に資する学習塾であれ」を旗印に、子どもの「学びの自立」を支援し、子どもが主役の勉強によって「合格」の夢を叶えることをめざして活動してまいりました。すなわち、弊社は「内発的動機づけ」を背景とした学びを支援する学習塾であると自任しています。このような方針を掲げたのは、「成長途上の子どもの受験は、将来の大成につながるものでなければならない」と、設立当初から経営者が考えていたからです。

 さて、「内発的動機づけに基づく学習を実践し、それによって受験合格をめざします」と、言葉ではお伝えしても、今一つピンとこないかたもおられると思います。前述のように、「勉強が好きでたまらない」という子どもはそういるものではありませんし、そればかりか「勉強しなさい」という大人の言葉にうんざりしている子どものほうが圧倒的に多いのですから。そういう子どもが自ら学ぶ学習者に育ち、さらには難関と言われる中高一貫校への合格の夢を実現するには、どうしたらよいのでしょう。

 心配には及びません。子どもは元来好奇心の塊です。ものを知ることや新たな発見をすることが大好きなのです。この子どもの本質を踏まえ、上手に導いてやればよいのです。無論、弊社の教室に通ったなら、すぐに子どもの勉強ぶりが変わるわけではありません。ですが、教室での指導と家庭勉強を繰り返すプロセスにおいて、勉強の面白さや醍醐味に触れる体験をさせていけば、自ら積極的に学ぶ姿勢を育てることはできるのです。

 また、先ほどの表によると、「内発的動機づけ」と「外発的動機づけ」は水と油のような関係のように見えますが、実はそうではありません。多くの場合、子どもの受験勉強は親の勧め(外発)によって始まるものですが、いくつかの段階を経て、子ども自身のもの(内発)へと変わっていくのです。

 次回は、このことについてもう少し詳しくお伝えしようと思います。塾への通学開始から、すっかり受験生らしくなるまでのステップを概観するうえで、参考にしていただけると思います。よろしくお願いいたします。

※動機づけに関する表は、「CLEVERLANS」(ルーシー・クレハン著)より引用しました。

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カテゴリー: アドバイス, 勉強について, 子どもの発達