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2019年度の作品

No.7 『 目標への道のり 』   修道中・広島城北中/Sさん

 息子は、1年生の春から玉井式とジュニアスクールを経て6年間、家庭学習研究社でお世話になりました。入塾当初は中学受験というイメージよりも勉強への好奇心が先立ち、授業も宿題も楽しいばかりでした。
 1年生の途中からは、水泳クラブの進級によって週末の2部練を含めて週8回水泳に通うようになり、塾の宿題が負担になりました。しかし、息子は「水泳は休まない、宿題を朝起きてやる」と言い、毎日自分で目覚ましをかけて5時に起床し、塾の宿題をするようになりました。
 そして、2年生になった頃、息子自身が「修道に行きたい!」と言うようになりました。このようにして我が家の中学受験にむけた奮闘の日々が始まったのです。
4年生からは、課題も増え、マナビーテストも始まり、通塾日の平日2回は水泳の練習を休みましたが、想像以上の慌ただしい生活が始まりました。低学年のうちは「大丈夫!」と強気だった息子が、「時間がない」と涙を流すことも増え、時間を共にする私も一緒にくじけてしまいそうになりました。
 4年生の秋からはさらに水泳の練習時間が増え、平日も朝の5時半から7時まで水泳、そして学校、学校が終わったらまた水泳という毎日になりました。勉強と水泳を両立するために通塾クラスから土曜コースに変更しました。
 5年生の1年間、土曜コースに通いましたが成績は下降し続けました。勉強方法の修正を考える私に反し、息子自身は、勉強に対しても水泳に対しても投げやりな様子が見られるようになり、日常的にイライラし、刺々しい表情になっていきました。心も身体も限界だったのだろうと思います。そんな姿を見かねた私は「水泳か受験、どっちか、もしくは両方とも辞めようよ」と言いました。それが正しい声かけではなかった事は想像つきますが、それが私の精一杯だったように思います。しかし、息子は、どちらも辞めるとは言いませんでした。
 6年部が始まる前に、再度、この1年間をどのように過ごしたいのか、何を目標にし、どんな自分でありたいのかを息子に問いました。自分の言葉で言い現す事で自分の目指すところを再度確認して欲しかったからです。息子は、「県代表に入る(水泳)」「夏の全国大会出場(水泳)」「修道合格」と3つの目標を言葉にしました。勉強も水泳も頑張りたいという気持ちを聞き、なんとか叶えてやりたいと思いました。
 6年部から再度平日クラスに変わりましたが、水泳の練習や勉強疲れから、塾の授業中にウトウトしてしまうことも度々あったようで、授業をして下さる先生には申し訳ない気持ちと、やる気がないと思われる息子自身も可愛そうだな……と思いながら見守りました。
 ある日、息子が「T先生がね、頑張っとるねって言ってくれた。」と嬉しそうに話してきました。勉強に対する姿勢が不十分な息子に対しても先生が寄り添って下さっていることを知り、感謝の気持ちでいっぱいになりました。息子は「修道合格」に向けて8月末の水泳の大会を最後に、勉強に専念すると決めました。心に余裕ができたのか、いつからか暗い表情が多くなっていた息子にたくさんの笑顔が戻ってきました。
塾の日は授業の1時間前に行って補習プリントをやり、授業の後は補習に残り、息子なりにできる限りの努力をしていたと思います。最後の授業が終わった日、とても自信に満ちているように見えました。そして修道中学に合格することができ、自分自身で掲げた3つの目標をすべて達成することができました。
 様々な葛藤の中で、息子も私も共に心折れてしまった時期もありましたが、6年間、一瞬一瞬を精一杯駆け抜けた息子のすべての時間を愛おしく想い、これからの人生を応援していきたいと思います。息子を支えて下さった先生方、同じクラスで勉強してくれた友達たち、本当にありがとうございました。

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