トップ >  保護者の部 > 2019年度作品(8)

2019年度の作品

No.8 『 娘の足あと 』 
          広大附属東雲中・清心中・広島女学院中/Tさん

 娘はとてもまじめで、私が何も言わなくても机に向かいコツコツ努力をするタイプでした。それに甘え、私は塾の勉強の内容に一切タッチせず、すべてを娘だけにまかせっきりにしていました。今思えば、おはずかしいのですが、私自身中学校受験の経験もなく、初めての子でしたし、本人がとてもまじめに取り組んで、成績も順調でしたので、大丈夫だと高をくくっていた考えの甘い母親でした。
 それが、十一月の第四回目の模試で一気に事態が急変しました。今まで安定していた成績が、親子共に受け入れることが出来ないくらいに落ち込みました。娘は、「毎日きちんとやっているのに何で?」と泣き崩れました。私もあまりにもショックで、娘を励ますどころか一緒に泣き言葉を失いました。娘の心のフォローをする前に、どうしようと不安で心がいっぱいでした。娘をせめる言葉を言ってしまいました。
それからの娘は、ものすごくテストを恐れるようになり、毎日の生活の中でも「私は出来ない子なんよ」などと言うようになり、そこでやっと私は、このままではいけない、このままでは失敗してしまうと思いました。
 すぐに、S先生に相談すると娘を励まして下さいました。私は時間の許す限り娘のそばにいて、日々のスケジュールを一緒に作り、間違えた所を一緒にチェックし直し、励まし続けました。
 成績はなかなか良くはならず、娘は不安に押しつぶされそうになり眠れない日々もありましたが二人で話し合い、不安を打ち消すのは、勉強をするしかない、出来るようになると信じるしかないと思って頑張り続けました。
 冬期講習に入ってから、プリントの解ける問題も増えてきて、やっと娘も少しずつ自信を取り戻せているように感じました。お正月休みも過去問に取り組み、出来たり出来なかったり、一喜一憂しましたが、直前テストでは自分の中で手ごたえを感じたようでした。
 広い心で受け止めてやれず、一緒に泣いてしまうような母親のもと、娘は専願という方法を選ばず不安な中、最後まで頑張り抜いたことを誇りに思います。くじけそうになった時も親子共々支えて頂いた先生方にとても感謝しています。娘は塾に行くのが大好きでした。心配性の娘が無事に受験を終えて、一回り大きくなったように感じます。中学生になっても成長していく娘を楽しみに見守り続けたいと思います。
家庭学習研究社の先生方ありがとうございました。

2019年度の作品一覧へバックナンバーデジタルゲットTOPへ
  • ブログのページへ
  • 音読教室のページへ
  • デジタルGETのページへ
Page Top