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3年生向け季節の本

かあちゃん取扱説明書 タイトル かあちゃん取扱説明書
著者 いとう みく(作) 佐藤 真紀子(絵)
出版社 童心社
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 学校で家族紹介というテーマで書いた作文に、ぼくはかあちゃんの悪口をアレコレならべたてた。それがどういうわけか「田村くん、よく書けていたよ。」と先生からほめられた。先生が「その作文をおうちの人に読んでもらって感想を書いてもらってください」なんて、とんでもないことをいいだした。ひきょうだ。そーいうことはさきにいってくれなきゃ!まさかかあちゃんに見せるわけにもいかず、とうちゃんに感想をもらった。

 とうちゃんといっしょにふろに入りながら、「あのさ、さっきの作文なんだけど」とぼくが切り出すと、「わかってるさ。かあちゃんにいったりなんてしないから安心しろ。男同士の約束だ。なんたってかあちゃんとのつきあいは、哲哉より長いんだ。かあちゃんのあつかいは、なれたもんさ」
あつかい方。そうか、あつかい方だ!ぼくは心のなかで手をたたいた。あつかい方さえ、まちがえなければ、かあちゃんなんてチョチョイのチョイだ。ってことは、かあちゃんのあつかい方をマスターしたら、こづかいだって、おやつだって、ゲームだって、ぼくの思い通りになるかもしれない。

本物の取扱説明書を参考に、主人公の哲哉が、自分の思い通りにするために母の取扱説明書を作っていく物語です。最初は、意気揚々と取扱説明書を作っていた哲哉ですが、母の一日や、母の仕事ぶりのことを知ると、取扱説明書を作るなかで少しずつ母の気持ちがわかっていき、哲哉の気持ちも少しずつ変わっていきます。
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