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3年生向け季節の本

ひみつのとっくん タイトル ひみつのとっくん
著者 佐川 芳枝(作) 青山 雄一(絵)
出版社 講談社
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 翔は、だれもいない部屋の真ん中にすわると、ひざがひりひりするのに気がついた。さっきたおれたときに、ひざをすりむいたみたいだ。そのきずを見ていたら、またくやしさがこみあげてきた。今ごろ、たんにんのさとう先生は、ぼくがいなくなったのを知って、かんかんにおこっているだろう。でも、もういいんだ。
 ことの始まりは、体育の時間だった。来月の運動会に向けて、リレーの練習をすることになり、翔は、女子でいちばん足の速い島崎友香と同じチームになった。口が悪くてらんぼうものの島崎は、ぼくを見て「うわっ、サイアク」と大声で言った。翔は足がおそくて、いっしょうけんめい走っても、いつも他の子たちにどんどんぬかれてしまうからだ。今日も、翔がバトンをおとしてしまったせいで、チームはビリになってしまった。リレーの練習がおわって先生がいなくなると、おこった島崎が「あんたのせいで負けたんだからねっ」と、翔をけってきた。後ろからけられて地面にたおれた翔は、くやしさとはずかしさでいっぱいになって、そのままだまって家に帰ってきたのだ。

●女の子に蹴り倒されてみんなから笑われた翔は、次の日から学校に行けなくなってしまいました。そんな中、隣の部屋に住む消防士の若い男の人「カズさん」から声を掛けられたことをきっかけに、翔は少しずつ前向きな気持ちをもてるようになっていきます。また、物語の展開とともに、「おしごとのおはなしシリーズ」として、消防士の仕事がわかりやすく描かれています。

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