きっかけ作り

罫線

2011年 6月 18日 土曜日

 今回は、1年生のパズル道場にお邪魔させていただきました。

 パズル道場では、それぞれの級によって取り組む課題や教具も異なっており、自分のレベルにあわせた課題に取り組んでいきます。この日も、各自の課題の中で指示された教具を使って、みんな楽しそうに取り組んでいました。

 ただ、パズル道場は楽しく参加できる反面、周囲で他のお子さんたちが様々な教具を使って課題に取り組んでいるなど、通常の授業とは形式が異なるため、1年生のお子さんたちは、ときに自分の課題以外に目が向いてしまうこともあります。

 この日は、Kくんが、途中から集中力が途切れがちになってしまい、なかなか課題に向かうことができない様子でした。もちろん、声かけや援助をしながら一緒に取り組むのですが、そばにいる間は机に向かうものの、他のお子さんの指導のためにその場を離れると、周囲の動きが気になって手を止めてしまう、といった状態でした。

きっかけ作り しかし、しばらくそのような状況が続いた後、一つのパズル教具を手にしたとき、Kくんの中で突如意欲がわいてきたらしく、目の色を変えて取り組み始めたのです。それ以降は、すぐ近くで他のお子さんが別の教具を使って楽しそうにしていても、Kくんはわき目も振らず、一生懸命に目の前のパズルに向かっていました。そして、何度も何度もパズルを組み直しながら15分間ほど経過した後、Kくんは見事に課題を完成させることができました。課題をクリアできていることを確認して、「すごいね、よくできたね。」と声をかけると、「やったー!これ難しいけぇ、もうできんかと思ったー:D」と、とても嬉しそうに言っていました。

 成長の過程にあるお子さんにとって、いつ何が前向きな気持ちを起こさせるのかは、当然一人ひとり違います。しかし、大きく変わるチャンスは、きっとみんなに同じようにあるのだと思います。それをどのように生かせるかは、最終的にはお子さん一人ひとりの意志と努力によるところが大きいとは思いますが、取り組む環境を整えて、そのきっかけを一つでも多く与えられるようにすることが、周囲にいるものの大切な役目なのだなと、改めて感じた出来事でした。

(butsuen)

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