“やる気スイッチ”をON(オン)にするルーティンを築こう!!

2018 年 9 月 17 日

 こんなふうに、わが子をしょっちゅう叱っているおかあさんはおられませんか? こういう家庭のお子さんのほとんどは、勉強を「やらされるもの」「やらなくてはならないもの」という受動的な受け止めかたをしています。だから悪循環が連鎖している状態にあると言えるでしょう。

 それでいて、大概の子どもは「勉強は必要なものだ」という気持ちはもっています。ダラダラテレビを見たりマンガやゲームにかまけたりしているのは、それらが格別楽しいからというよりも、やらなければならない嫌なものから逃避するための、身近で手軽な道具だからだとも言えるでしょう。

 そもそも、勉強は(ものを知るということは)好奇心や探求心を充足させる喜びを与えてくれるもののはずです。決して忌避の対象となるようなものではありません。それなのに、どうしてこんなことになるのでしょう。

 この8月に、弊社では「玉井式」の創設者である玉井満代先生をお招きして「教育講演会」を実施しました。そのとき、今お伝えした疑問と深く関わる話を聞き、はっとさせられました。玉井先生は仕事でしばしばインドを訪れておられますが、インドでは子どもたちが目を輝かせ、夢中で勉強に取り組む姿が当たり前のように見られるそうです。その理由ですが、インドはまだまだ貧しい家庭が圧倒的に多く、学校に行きたくてもいけない、勉強したくてもさせてもらえない子どもがいっぱいいます。そんななか、やりたいだけ勉強できる境遇を得ているのは掛け値なく幸せなことであり、「自分は恵まれているのだから、一生懸命勉強に励むのは当たり前だ」と、子どもたちは思っているのだそうです。勉強する機会を得られること自体が幸せなことなんですね。しかしながら、日本の子どもはそういった気持ちになりたくてもなれない環境のもとで暮らしています。どうしたものでしょうか。

 少し話が横道にそれるかもしれませんが、先だってテニスの全米オープンの女子シングルスで優勝した大坂なおみ選手のインタビュー記事を読んでいて、心の惹かれる思いをした箇所があります。それは、彼女の「テニスができることはハッピー!」という言葉です。もう少し詳しくお伝えすると、試合に出て、優れた対戦相手とテニスをする。それは最高の楽しみであり、そのために練習を重ねるのですから、ポジティブな精神でテニスと関わるべきだと彼女は考えているようでした。だから、テニスをずっと続けたいし、それが今できていることはこの上なくハッピーなことだというのです。

 恵まれた日本の家庭の子どもは、あまりにも苦労を知らない環境で暮らしています。子どもを目当てにしたエンターテインメントの類が大きな市場を形成し子どもを惹きつけ、目先の楽しさを得ることに日本の子どもたちは慣れきっています。前述のインドの子どもたちのように、「自分が勉強できる境遇にあることに感謝し、喜んで取り組む」といった状況を今更実現するのは難しいと言わざるを得ません。しかしながら、どのような国で生まれようとも、人間社会で生きていくうえで勉強は不可欠です。よりよい社会を築き、よりよい生活をしていくには、一人ひとりの人間が「学ぶ」ということに真摯に向き合う必要があります。子どもたちも一定の年齢になると、そのことをある程度認識しています。だから、勉強は必要なものだとは思っているのです。

 で、ここからが今回の本題です。「勉強は大切だと思っている。けれど、いざとなると億劫になる。目先の楽しいことにかまけてしまう。どうしたらいい?」――この問題の解決方法を少し考えてみようと思います。

 勉強は、わかるまでのプロセス、目標とする次元に到達するまでのプロセスにおいて、楽しいというよりも辛いと感じる側面があるのも事実です。しかしながら、いったん勉強のもつよさに触れ、その経験が繰り返されたなら、大人も子どももなく、誰でも勉強せずにはいられなくなります。問題は、勉強のよさに気づき、考えることが楽しくなるレベルにどうしたら漕ぎつけられるかでしょう。

 そのための方法として、筆者は子どもが勉強にとりかかるプロセスに一工夫加えることをお勧めしたいと思います。どういうことかというと、「遊びから勉強への切り替えスイッチをスムーズにする」ために、「決めた時間になると自然に勉強を始めるルーティンを築く」のです。すでに何度かお伝えしましたが、子どもの学習意欲は「勉強しなさい」の言葉では湧きません。むしろ逆効果です。必要なのは「習慣化」し、やるのを当たり前にすることです。一定のペースで勉強を繰り返していると、子どもは必ず勉強のもつよさに気づくようになります。特に、自分の推測したことが正解だったときの喜びは何とも言えないものです。こういう経験をしていると知らず知らずに学習意欲も高まってきます。「習慣化→意欲向上」の流れを築くのです。そうすれば、勉強が億劫なレベルを脱することができるのです。

 では、ルーティン化、習慣化を成功させるために何をしたらよいでしょうか。弊社は、隔週実施のテストを軸にした2週間の学習サイクル)に基づく学習計画を立てるよう指導していますが、計画を立てても実行できない子どもが今回の問題の主人公です。わかっているけど取りかかれない子どもが、計画に沿って取りかかれるようにするための工夫が必要なのです。

 筆者が考えた案をちょっとご紹介してみましょう。きっとみなさんなら、もっとよい案が出てくるでしょう。文にするとわかりにくいので、イラストと組み合わせてみました。


 ちょっと補足説明をしておきます。①ですが、子どもは家族と楽しく話をすると、すごくやる気を起こします。すでに書いたことがありますが、会話を通じて親の愛情を感じると、「親は自分に何を期待しているか」に思いを馳せ、それをすることに積極的になります。団欒の後が勉強の時間になっていたら、「さあ、次は勉強だ!」と気持ちを切り替え、しっかりと取り組むようになります。会話の内容は、おとうさんがへまをした話でも、スポーツの話でもなんでも構いません。

 ②も同じような理屈ですが、子どもは家族みんなで何かに取り組むときは、「自分もやっているよ!」ということを示そうと張り切るものです。おとうさんは読書、おかあさんは洗濯ものを畳む時間にするなど、ご家庭の事情に合わせて何をするかを考えてください。毎日できなくても結構です。家の決め事と言える程度の回数を励行しましょう。時間も、子どもの勉強時間にピッタリ合わせる必要はありません。

 ③ですが、子どもは親が自分の話に真剣に耳を傾けてくれると、とても喜びます。①と同様にこういう時間を過ごすとき、子どもは頭の片隅で「親は自分に何を望んでいるか」と考えるようになり、「次は勉強の時間だから、すぐにとりかかろう」という気持ちになります。ただし、その日の行動を詰問調で尋ねる形式は逆効果です。すぐにたしなめたり関心のなさそうな態度で聞いたりするのでは効果はありません。子どもの気持ちに寄り添い、同調しながら聞いてやるだけで結構です。

 どうでしょう。やってみませんか? ①~③はいずれも根は同じ考えに基づくものです。そう、家族一緒に何かをすること、親の愛情を感じること、親が自分のすることに関心をもってくれること。これらこそ、子どものやる気に好影響をもたらすスイッチなのです。親が商売をしていて、子どもと一緒に過ごす時間がないうえ、勉強も見てやれない家庭がありました。そこで、毎日10分だけ時間をとって学校から帰宅した子どもにその日の報告を聞いてやり、それからおやつ、宿題という流れをずっと繰り返したという話を聞いたことがあります。その子どもは学力を大いに伸ばし、やがて有名な国立大学に進学したそうです。ルーティンというものの威力とすばらしさを感じずにはいられません。

 上記の3つは単なる提案です。どうしたら子どもの気持ちを盛り立てられるのかを踏まえたなら、みなさんのほうがよい案を思いつかれるかもしれません。習慣化はすばらしい成果をもたらします。面倒で嫌になったはずのことでも、習慣化に成功するとやらずにはいられなくなるのです。必ずやり、それを継続する。この好循環の流れを子ども時代に築いたなら、それは目の前の目標達成(中学受験での結果)のみならず、人生の充実に向けて、欠かせない財産となるのです。

よい習慣は一生の宝です!

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子どもへの“励ましかた”を振り返る

2018 年 9 月 10 日

 このところ、朝夕はだいぶ凌ぎやすくなりました。これから晩秋にかけては勉学にもスポーツにも最適のよい季節が続きます。受験生の子どもたちには、ここで一段ギアを上げた勉強を実現させてほしいですね。4年生や5年生など、まだ受験までにたっぷりと時間のあるお子さんは、読書に勤しむのもよいですね(6年生も、少しの時間なら読書はよい息抜きになるでしょう)。

 さて、前回は受験を来年1月に控えたご家庭に向けた情報をお届けしましたが、今回はいつものように子育ての視点に立ち、健全な知育や望ましい学力形成を実現するための親の働きかけをテーマに掲げて記事を書いてみようと思います。

 みなさんは、勉強だけでなくわが子の様々な取り組みに対して激励の言葉を投げかけておられると思います。その多くは、もっとがんばりなさい!」「がんばりが足りないんじゃない?」など、努力を奨励したり促したりする言葉かけではないでしょうか。試しに、最近わが子にどんな励ましの言葉を投げかけたかを思い出してみてください。

 実際のところ、筆者もかつて指導現場にいた頃には、特に何とも思わず「がんばれよ!」という言葉かけを子どもたちにしょっちゅうしていたのを思い出します。それどころか、「きみは努力が足りないんだ!もっと頑張らないと」と、努力を子どもに強要するような言いかたもしていました。無論、小学生時代のわが子に対しても同様でした。

 学習心理学の研究で有名な、ある国立大学の先生の著作に目を通していると、この「がんばりなさい」という激励の言葉かけの問題点を指摘されていました。ちょっと、該当部分をご紹介してみましょう。

 

 わたしはまわりの教師が学業成績の悪かった子どもに対して、「もっと頑張りなさい」と激励する姿をよく見る。わたし自身もそう言われて育ってきた。しかし、よく考えてみると、もし自分に能力がなかったら努力しても無駄ではないのか。能力がないのに、いくら努力しても期待する効果は得られないのではないのか。わたしたち日本人は「努力」を大切にするあまり、それにたより過ぎているように思う。そして、本当は心の奥底で自分の能力の有無にこだわっている。

 そうだとしたら、「本当は頭がいいのだから、もっと努力してごらん」とか「本当は能力があるのだから、がんばればよい点が取れるよ」というような潜在的な能力のあることを理由として激励するほうが、単に努力を促すだけの激励よりも効果的ではないだろうか。( 中略 )そこで、わたしは小学生、中学生、大学生を対象にして、教師から「努力不足だから努力しなさい」と激励(努力不足を理由とする激励)される場合と、「本当は頭がいいのだから努力しなさい」と激励(潜在的な能力を理由とする激励)される場合とで、どちらのほうが学習意欲や教師への好感度が高まるかを調査した。( 中略 )その結果、小学生でも、中学生でも、大学生でも潜在的な能力を理由に激励されるほうが学習意欲も教師への好感度も高まることが示された。特に教師への好感度は抜群に高かった。

 

 これを読んでどう思われましたか? これを書かれた先生は、努力を促すことに意味がないと言っておられたわけではありません。努力の必要性を十分認めたうえで、上記の指摘をしておられました。しかしながら、筆者は「確かにこの指摘は一理ある」と思ったものの、「本当はあなたには力がある」といったような言葉かけを、一定年齢に達した子どもが素直に聞き入れるだろうかという疑念ももちました。実験の結果、効果があったとされているのに、そう思う私は「根性がひねくれているのかな?」と自問しつつ、なぜそんな気持ちになったのかを自分なりに考えてみました。

 で、その結果筆者が思いついたのは次のようなことです。突然親から「あなたには能力があるのだから」と言われても、 何らかの経緯で「自分には能力がない」と子どもが思い込んでいたとしたら、この激励は効力を発揮しません。また、進学塾では成績が繰り返し目の前に突きつけられますから、悪い成績が続いていると、あったはずの自信や意欲がしぼんでしまいがちです。そんな折、唐突に「本当は力があるのだから…」と言われても、逆に励ましてくれた大人に不信感を抱く恐れもないではありません。

 さらには、小学校の4~5年生ともなると、大人に言われた言葉を鵜呑みにせず、発言の真意を探ろうという心理も育ってきます。たとえば、久しぶりにテストで高成績をあげたわが子に、「ほら、やればできるじゃないの!」と喜び勇んでほめた親に対し、子どもは「おかあさんは、今までボクに力がないと思っていたんだ」と、不快を露わにしたという実例があります。学者の根拠に基づくよい指摘に対して、少しねじ曲がった受けとめかたをしたのは、進学塾での様々な経験があったからでしょう。

 こんなことも考えられます。親は本心ではなくとも、一向にやる気を見せないわが子に、「頭が悪い」「能無し」「愚図」などと子どもに否定的な言葉を投げかけていたとしたら(親子喧嘩になった際、かわいさ余って何とやらで、親が思わずこういう言葉を子どもに浴びせることがあります)、子どもは親の突然の宗旨替えに戸惑ったり、不信の思いを抱いたりするかもしれません。まずは、これまでのわが子にどのような激励の言葉をかけていたかを振り返ってみる必要がありそうですね。

 「これまで、わが子への言葉かけにおいて、『あなたには能力がある』といった趣旨の励ましをしていなかった」と、後悔されているかたはおられませんか? あるいは、親子喧嘩の際、前述のように我知らずわが子の能力を否定する言葉を幾度となく浴びせたかたはおられませんか? そんなかたは、わが子が親の言葉に素直に耳を傾けてくれるような関係を築くことが先決であろうと思います。そのためにどんな方法があるでしょうか。たとえば、わが子のよい点をまずは三つ思い描いてみてください。「親切だ」「好きなことなら頑張る」「手伝いをしてくれる」「気が優しい」「その気になったら集中できる」「愉快な話をする」「スポーツが得意」など、なんでも構いません。

 こうしたわが子の側面も、全て大切にすべき能力だと思いませんか? なぜなら、これらはいずれも人生を生き抜くうえで支えになる、有用なものばかりだからです。話が上手なことや、スポーツができるなども、人生でプラスになってもマイナスになることはありません。そう、まっとうな人生を歩むうえでの立派な能力なのです。これからはわが子のよい点、美点を常に念頭に置き、機会を見ては伝える親であってください。そして、それを照れずに伝えられるレベルにまで高めていきましょう。そのプロセスで、「あなたには能力があるのだから…」と、状況を見ては励ましてやるのです。きっとお子さんに変化が起こります。

 最後に。上記引用文の最終行に着目してください。「特に教師への好感度は抜群に高かった」というくだりがありますね。子どもは、自分を認めてくれ、「あなたならできるよ」「やれる能力があるんだから」と、励ましてくれる大人を信頼し尊敬するものです。ましてそれが親だったなら、これほどうれしく励まされることはありません。親をいつまでも信頼し尊敬するとともに、どんなことが起こっても自らを信じて頑張れる人間へと成長していけるに相違ありません。

  さあ今から子どもへの励ましかたを振り返り考え直してみませんか?

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中学入試まであと5カ月足らず・・・

2018 年 9 月 3 日

 夏休みが終わり、学校が再開しました。8月28日の朝、わが家の前を小学生の集団が通り過ぎていきました。小学校の夏休み期間は予め知っていましたが、子どもたちの登校の様子を目の当たりにして、「あっ、夏休みはもう終わったんだ」と、改めて気づかされました。「夏休みは8月末まで」という観念が染み付いていたせいでしょう。

 筆者の家は、広島市とは言え昔気質の残る田舎のほうにあります。そのせいか、子どもたちは大人の姿を見かけると、必ず「おはようございます!」と、一斉に元気なあいさつをしてくれます。それに応じて、筆者も大きな声であいさつを返します。子どもたちから元気のお裾分けをしてもらえる、とても気持ちのよいひとときです

 さて、夏休みの終了とともに、中学入試を控えた6年生児童をおもちのご家庭では、「あと入試まで半年もないぞ!」と、気持ちの引き締まる思いをされていることでしょう。そこで今回は、受験生家庭の保護者の方々に向けて今の段階でお伝えしておきたいことを書いてみようと思います。

 まず何よりも保護者にお願いしたいのは、お子さんがたとえ思い通りのステップを踏めていなくても、「焦りは禁物!」という戒めを、肝に銘じていただきたいということです。親が焦って子どもを急に振り回しても、子どもの側に「何とかしよう」という気持ちの構えができていなければ、逆効果を招くだけです。まだまだ夏休みが明けたばかりのこの時期ですから、お子さんも入試に向けた自覚は高まっておらず、一気に目に見えるほど取り組みが変わるなどということは期待できません。

 そのいっぽう、本番はあと5カ月足らずでやってきます。お子さんの気合が高まる日の訪れは、1週間でも2週間でも早いほうがよいに決まっています。大人のお仕着せでなく、子ども自身の自覚に基づいた受験生活をできるだけ早く実現させなければなりません。そこで弊社では、日頃の授業を通じて受験生の子どもたちに様々な働きかけやアドバイスをしていくほか、保護者の方々には入試本番までの仕上げ学習をより有効なものにしていくための情報をご提供してまいります。さらには、各中学校も入試の概要や学校の教育方針などを受験生家庭に知ってもらうために、「入試(学校)説明会」や「オープンスクール」などの催しをこの秋に実施される予定です。

 こうした働きかけや様々な催しへの参加等を通じて、子どもたちの受験に対する意識も徐々に高まり、勉強への取り組みも真剣さを帯びていきます。焦らず、さりとて後手を踏まないよう、いよいよ大詰めに向かう受験生活の充実に向けてがんばってまいりましょう。

 

1.6年部「第3回 保護者説明会」のご案内

 6年部の後期は、いよいよ本格的な入試問題に取り組みながら学力を仕上げていく、受験勉強らしい勉強の始まる時期です。学習内容は当然レベルアップしますし、期限を切りながら弱点補強をしたり、基礎内容の習得不足を補填したりするなど、わずかな期間も無駄にしない密度の濃い受験対策が求められます。

 上記催しでは、こうした仕上げ期の学習のスケジュールを保護者にご説明するとともに、前述のような基礎のやり直しを、どんな教材を使ってどう取り組んだらよいかについてもご説明します。また、受験生の多い主要校については、入試での出題傾向を分析した結果をお伝えし、対策ポイントの概略をお伝えします。

 人生経験の浅い小学生の受験ですから、仕上げ学習における成否のカギは保護者が握っておられます。この点を踏まえ、「仕上げ期の親の心得」についても、できる限り詳しくご説明する予定です。いちばん受験勉強がはかどるのは、受験に対する意識が定まり始める今頃から、入試直前のコンディション調整に入る1月上旬までの数カ月。その意味において、今回の保護者説明会は、「もっとも重要な保護者説明会」と言えるでしょう。お忙しい毎日をお過ごしとは存じますが、ぜひ参加いただきますようご案内申し上げます。

 

2.主要中学校「入試説明会」の日程

 9月~11月は、各中学校の情報収集に役立つ重要な催しが目白押しです。以下は、主要な中学校で開催が予定されている「入試説明会」の日程です。

 上記以外にも、多数の中学校で入試説明会が実施されます。目新しいところでは、県北部で初の公立一貫校として「広島県立三次中学校」が来春開校されますが、同校の入試説明会は11月18日(日)に予定されています(詳細は未定)。

 上表をご覧になってお気づきかと思いますが、学校によっては「オープンスクール」を同時に開催される場合があります。お子さんが実際に志望する学校の授業を受けてみたり、部活をちょっと体験したりできるなど、学校に対する理解を深め、興味関心を引き出すための仕掛けがたくさん用意されています。ぜひお子さんと一緒に参加されることをお勧めします。

 

3.弊社主催「中学入試模擬試験」(第3回~第5回)のご案内

 例年、弊社では広島の中学受験生を対象とした公開模擬試験を実施しています。全5回のうち、すでに第2回までが終了していますが、いよいよ受験校を絞り込む時期が近づいていますので、残る3回の模擬試験で学力の状態を入念にチェックし、お子さんに最適な志望校を選択するとともに、入試までの残り期間を最大限に活用した仕上げ学習を実現していただきたいと存じます。

 特に最終回の第5回は、多くの受験生が実際に入試に臨む私学を会場にして行われます。この回は最も多くの受験生が参加する模試であり、雰囲気もほとんど実際の入試と変わりません。大人と違い人生経験の乏しい小学生にとって、「本番そっくり」の疑似体験をしておくことは、入試で実力を発揮するうえで大変有効です。状況を想像していただくとお解りでしょう。何もかも初めての体験をするか、一度同じような体験をして織り込み済みであるかは、お子さんの精神状態に大きな違いを生み出します。体調にも気を配り、まずはできる限りのことをしたうえで、この模試最終回に臨んでいただきたいと存じます。

 最後に。これまで勉強のエンジンがかからず、やるべきことが中途半端のまま今日に至ったお子さんもおられるかもしれません。そういうお子さんの保護者に特にお願いしておきたいことがあります。「今からできる最善の努力をさせることが親の役割なのだ」と心得ていただき、「親は絶対にわが子に対してネガティブな発言をしない」ということを肝に銘じていただきたいと存じます。無論、これまでの勉強を振り返り、これからの受験勉強について話し合うことは必要です。そのときは、できるだけ冷静で穏やかな話し合いになるようご配慮を願いします。子どもを動かすのは親の愛情なのだということを忘れないでください。

 親の不満を伝えたり、入試の結果を悪いほうに予見する発言をしたりしても、お子さんにとって何らプラスになりません。最後まで親だからこそできる心からの励ましやサポートが子どもを奮い立たせるのです。こうした働きかけは、入試が終了した後の長い人生において何よりも得難い「親子の信頼関係」をもたらします。

 また、親から見れば「中途半端にしかやっていなかった」ように見える受験勉強も、相当な期間を使って基礎の反復学習をしてきているのですから、多少取り組みの甘さはあったとしても相応の成果は得ておられます。これまでの成績についても、全員が受験生の集団内での結果ですから、今一つに思えるのは当然のことだと割り切りましょう。必要なのは状況に応じた切り替えです。「焦らず、今から子どもの意識の高まりや努力を可能なかぎり引き出すことこそ親の務めなのだ」とご理解ください。

 それに、合格を巡る競争はかつてと比べると随分緩和されています。学力試験での選抜の場合、難関とされる中学校の入試であっても、4教科平均60%前後取れれば合格できるのです。「そうは言っても、やり残したことが多すぎる」と思われるご家庭もおありかもしれません。しかし、親が落ち着きを失ってむやみやたらと子どもを叱咤激励し、闇雲に勉強させても子どもは混乱するだけです。点数が上がらない教科は、「まずは基礎事項の埋め合わせを」と助言してあげてください。基礎内容の再点検(基礎のチェック用の副教材は、みなさんが活用されています)を丁寧に繰り返すことで、かなり巻き返すことは可能です。上記の催しなどを参考に、お子さんの意識を高めながら、今からできる最善の対策を実現していきましょう。

 中学受験は生涯で一度きり。わが子の成長につながる体験にすることが何よりも大切です。

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自己肯定感が学習活動に及ぼす影響 その2

2018 年 8 月 27 日

 今日は8月27日月曜日です。広島市内の小学校では、大概8月27~28日ごろに夏休みを終了し、早めに授業を再開するようです。弊社の講座もこの流れに合わせ、8月最終週の初日にあたる今日から後期講座を開講します。夏休みの始まりは、以前よりも数日程度遅くなっており、全体的に夏休み期間がだいぶ短くなっているようです。かつて、夏休みと言えば40日前後でしたが、最近は1ヶ月前後の学校が大半となり、「長い夏休み」という表現が適切でなくなりつつありますね。

 さて、前々回は「自己肯定感」が学力形成に及ぼす大きな影響について確認し、子どもの生活環境や学習環境を築く立場にある親(保護者)がどういうことに配慮したらよいかについて共に考えていただくつもりでした。しかしながら、少し話が逸れてしまいました。そこで、今回も同じ話題についてもう少し書き進めてみようと思います。よろしくお願いします。

 さて、みなさんはわが子に対して「何事も最後まであきらめずにやり通す人間に成長してほしい」と思っておられると思います。勉学にしろ、スポーツにしろ、仕事にしろ、一定水準以上をめざすと、必ず乗り越えねばならない試練のようなものが幾度となく立ちはだかるものです。それを乗り越えるうえで欠かせないのが、忍耐力や我慢強さです。大人はそれを経験的によく知っています。だからこそ、わが子にそうした能力を身につけてほしいと願っておられるのでしょう。

 つらい試練に耐える力、結果が伴わない状況を我慢する力を支えているのは、「きっとやればできる!」と自分を励ます力、つまり、「自己肯定感」です。7月23日、30日に掲載したブログでお伝えしたように、成長過程における「自然体験」や「生活体験」「手伝い」「生活習慣」などが、子どもの自己肯定感の醸成に一役買っていることがわかりました。その因果関係については、筆者の想像も含めて既にお伝えしました。幼児や児童をおもちの保護者には、このことを踏まえ、わが子の自己肯定感の醸成に向けた子育ての実践や家庭環境の整備に向けてがんばっていただきたいと存じます。

 しかしながら、毎日の子育て場面では予期せぬ状況が再三訪れます。常に最善の対応を意識し、わが子に対して後悔の残らぬ接しかたをしている保護者はそうおられないのではないかと思います。というのも、子どもはそもそも子どもゆえに不完全で未熟な存在であり、親の意向に逆らうことをするものです。そうしたわが子を目の当たりにして、平常心を保つのは生易しいことではありません。愛情ゆえに、冷静さを失ってしまうんですね。

 特におかあさんがたは、おとうさんよりもはるかにわが子と一緒にいる時間が長いのが一般的です。家庭生活でわが子の逸脱に直面し、看過できない思いをされたケースはおとうさんの比ではないと思います。今日のこの日まで、「わが子を怒鳴りつけたことが一度もない」などと自信をもって言えるおかあさんは、おそらく一人もおられないのではないでしょうか。子育てにまつわる様々な問題場面に遭遇して、それをわが子の成長の場に転化する絶好の機会にするつもりが、逆に親のほうが短気を起こして自己抑制を忘れてしまう場になりがちなんですね。

 残念ながら、そのことは避けようがないものだと言わざるを得ません。大切なのは、1回1回の対処に若干の後悔は残ったとしても、親の継続的な関わりが子どもの成長を促すような流れを築くことであろうと思います。そのために親が旨とすべきことは何でしょうか。このことについて、これから共に考えていただけたらと思います。そこで、親、特におかあさんがたに留意してがんばっていただきたいことを思いつくままに何項目かピックアップしてみました。いざ書いてみると、大概すでにお伝えしたことがあるようなものばかりで恐縮なのですが、とりあえずご紹介してみましょう。

 「こんなまどろっこしい、悠長なことなんかしていられません!」「こんな対応をしていては、中学受験に間に合わないのでは?」と思うかたもおありでしょう。しかし、問題の大本は、わが子のものごとに取り組むうえでの根本スタンスが健全な状態にあるかどうかです。そこに手を差し伸べなくては、問題は解決しません。

 中学受験が目の前にあると、どうしても親のほうが先を読んで焦りがちになります。しかし、そこでわが子をせきたてたり、無理やりがんばらせようとしたりすると、却って子どもの前向きさをスポイルしてしまい、今ある問題をよりよくない方向へと向かわせてしまいます。受験の結果も、親の願いとは裏腹に残念なものになる確率が高くなってしまいます。子どもが自分を信じて、また親の愛情や期待をしっかりと受け止めてがんばれる状況をまずは築きましょう。いったんがんばり始めると、子どもは短期間のうちに大変な勢いで変わっていくものです。また、もしも受験の結果が伴わなくても、「自分はやれる!」という手ごたえをつかんだなら、必ず中学進学後は失敗を取り戻せます。さらには、子どもの生きかた全般が前向きなものになりますから、この先の人生の歩みにも大きな違いが生まれることでしょう。

 自分を信じることができる人間は、苦難を乗り越えるエネルギーを携えています。この先どんなことが生じようとだいじょうぶです。現状を振り返り、少しでも改善の必要を感じられたら、今すぐ親から対応を変えていきましょう。気長に、じっくりと、粘り強い対応を一貫して続けることで、お子さんは少しずつ着実に変わっていくことでしょう。

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低学年部門の「夏期講座」に参加されたご家庭へ

2018 年 8 月 17 日

 早いもので、低学年部門の「夏期講座」は、すべてお盆前に終了しました。1・2年生は5日間、3年生は7日間と、受験対策指導をする高学年部門よりは日数もずっと少なく、まさに「あっという間に終わった」と、感じているお子さんもおられることでしょう。

 「夏期講座」を終えた段階で、夏休みもおおよそ半分が終了しています。お盆の期間は親の里帰りに同行したり、遠方への旅行があったり、それが終わると残った学校の宿題(夏休み課題)に取り組んだりと、意外と子どもたちの毎日は慌ただしく、そうこうしているうちに夏休みも残りわずかになってきます。夏休みの終盤が、宿題に追われる気ぜわしい日々にならないよう、計画に沿った勉強を心がけていただきたいですね。

 8月上旬のある日、テニススクールの受講を終えて帰り支度をしていると、コートの施設内にいた小学生に、どなたかが「夏休みの宿題はもうやったの?」と声をかけておられました。すると、「えっと、半分以上やりました」という返事が聞こえてきました。その声は毅然としており、「ちゃんとやってるよ」という気持ちがしっかりと感じられました。このお子さんは、たぶん学習のスケジュールを立て、計画的に夏休みの勉強をしてきているのでしょう。「感心だね。その調子でがんばってね」と、優しい励ましを受けていました。

 ところで、弊社の低学年部門の「夏期講座」に参加されたお子さんの保護者に、お尋ねしたいことが一つあります。お子さんは、夏の講座での学習について、どのような反応を示されたでしょうか? 家に帰った後、塾での勉強について何か楽しい話をしたりうれしい報告をしたりしてくれたでしょうか?

 実は、「夏期講座」の開始にあたって実施した指導者研修において、授業を受けもつ先生がたに強くお願いした事柄があります。それは、「毎回の授業において、担当クラスの子ども一人ひとりから、それぞれ最低一回は笑顔を引き出す」ということです。塾での授業を「楽しい!」と感じたお子さんは、家での勉強も嫌がらなくなります。イヤイヤ塾に来て、つらい勉強に取り組まされていると子どもが受け止めると、本来は楽しいはずの「頭を使って考える」「自分で問題解決を図る」という行為が成り立たず、それどころか台無しになってしまいます。塾での勉強の時間をまずは「楽しい」と感じていただくため、クラスの子どもたち一人ひとりの目を見ながら、学習課題に対する興味を引き出すよう働きかけ、疑問を解決したときの気持ちよさや喜びを味わう体験を保障することを、何よりも意識してほしかったのです。ですから、ただ面白おかしい時間を演出するのではなく、学習課題を解決するプロセスの面白さをクラスの全員に味わわせる授業の実践をお願いしました。

 子どもたちには、この先気が遠くなるほど長い学びの人生が待っています。そのしょっぱなの段階で最も重要なのは、勉強に対するプラスのイメージを脳に浸透させることです。また、おそらくほとんどの夏期講座参加生は中学受験を視野に入れておられるご家庭のお子さんであろうと思います。今のうちに勉強に対する能動性を築いておけば、受験勉強の期間の精神的な負担は比較にならないほど少なくなりますし、むしろ受験勉強を積極的に受け入れる気持ちで取り組めるようになります。ですから、受験生活を子どもにとっての成長の場にするためにも、今のうちに勉強に対するよいイメージを築いておきたいものですね。また、夏休み限定の講座ですから、いろいろと欲張るよりも、「これだけは!」という重要な収穫を全てのご家庭に提供したいと考えた次第です。その意図がうまくお子さん一人ひとりに浸透し反映されていればうれしいのですが…。

 また夏期講座では、お子さんがたに家庭で取り組む学習課題を配布しました。その課題にしっかり取り組まれたでしょうか。というのも、勉強の楽しさを享受できるようになるための方法の一つに、学習の習慣づけをはかるということがあります。ある程度の分量の課題を提供し、それに取り組む学習を日課に組み入れて継続的にやりこなすことで、学習の習慣は徐々に子どもに浸透していきます。そうして、夏休み後も学習の習慣を維持していくうちに、計画を立て、その計画に沿って勉強することが当たり前になり、やらないと気が済まなくなっていきます。そのプロセスで、勉強の面白味や醍醐味も徐々にわかってくるようになり、勉強が一生欠かせない重要な営みになっていくのです。くり返し継続すること、習慣づけをはかることがすばらしい成果をもたらすのですね。まだ学習の習慣づけが十分でないお子さんは、夏休みの家庭学習課題への取り組みを起点に、徐々に勉強を毎日決まった時間にする習慣を根づかせていただきたいですね。

  こうした習慣づけに絡めて、ぜひ保護者に励行していただきたいことがあります。それは、定期的にお子さんと一緒に読書を楽しむ時間を設けることです。親と一緒に同じことをすることを子どもは喜びます。同じ本を交替で音読してもよいし、親子それぞれ好みの本を読んでもいいでしょう。これを習慣づけると、自ずと勉強のほうの習慣づけに役立ちます。ぜひ試してみてください。 

 みなさん覚えはありませんか? 小学生の頃、日頃の学校の宿題や夏休みの課題の取り組みが行き当たりばったりで、いつも期限の直前に大慌てで済ませたり、提出が遅れたりしていた人は、中学生・高校生になっても、いや大学生や社会人になってからも基本的に変わらず、同じような傾向が続いている可能性が高いものです。今のうちに計画に沿った勉強、段取りに基づいて取り組む勉強をお子さんに浸透させましょう。それは一生の財産として、ずっとこの先もお子さんの人生の歩みを支えてくれます。

 もう一つ、この夏休みからこれまで以上に配慮していただきたいことがあります。それは、子どもに対する期待を愛情深く伝えるということです。わが子の勉強(行動の全て)に関心を寄せ、現状について話し合い、激励することを精力的に行うということです。共働きで両親共々なかなか子どもとゆっくり話ができない家庭の場合、そうした事情をわが子に伝え、可能な時間の範囲で親が何を期待しているのかを伝え、子どもからの報告を聞いてやったりアドバイスをしてやったりすればそれで十分です。

 勉強に今一つ身が入らないお子さん、やる気が感じられないお子さんの場合、叱っても効果はありません。まずは勉強に活気を取り戻させ、よい循環を築くようがんばっていただきたいですね。自分のすることに親が関心をもってくれ、熱心に話を聞いてくれる。そのことは、子どものやる気をがぜん高め、高いレベルの行動力を引き出すようになります。

 注意や叱る言葉を極力少なくし、子どもの努力を応援してくれる親こそ、子どもの望む親です。こうした応援によって、今のうちに強固な親子の信頼関係を築いておけば、中学受験に向けた準備学習が始まってから生じがちな親子の軋轢も格段に少なくなります。夏休みを無事に乗り越えるプロセスから、親の対応を変えていくべくがんばってみませんか?

 以上述べたことを、簡単にまとめてみました。多少なりとも参考になればうれしいです。

 親がわが子のすることに関わり、心からのバックアップをする。それができるのは今のうちです。子どもの自立に向けた成長を軸に、今できる親ならではのサポートをしてあげてください。

 夏休みの終盤は、溜めた課題に親が苛立って手伝ったり叱り飛ばしたりすることが多くなるものです。この夏休みを契機に、そうした状況と無縁の家庭にしませんか? 今のうちに子どもに自己管理の方法を教え、自分で自分のことができるよう導けば、やがて来る中学受験生活は親子共々格段に楽なものになりますよ。

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カテゴリー: アドバイス, ジュニアスクール, 子育てについて

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