オンライン親子セミナー‟広島女学院編”実施報告1

2022 年 10 月 2 日

 9月23日の金曜祝日には、広島女学院さんに出向き、「オンライン親子セミナー」を実施しました。当日は渡辺信一校長のほか、広報部長の濱岡先生、高校2年の生徒さんにご協力を賜りました。情報発信のための会場としてご用意いただいたのは高校チャペルでした。この部屋は、学年ごとの礼拝などに使用されているそうで、生徒さんのデザインによる2つのステンドグラスの窓が美しく輝いていました。壁際に設置されている大きなパイプオルガンと相まって、チャペルはミッションスクールのアカデミックで厳かな雰囲気をたたえていました。

 始める前に広報部長の濱岡先生がパイプオルガンの演奏を少し披露してくださったのですが、それを聞いていると、何とはなく讃美歌を聞き歌いながらの礼拝の様子を想像してしまいました。いかにもミッションスクールらしい、こんな素晴らしい施設を利用できる女学院生のみなさんがうらやましいですね。女学院にあこがれている受験生のみなさんも、入学後の礼拝の日を楽しみにしておられることでしょう。

 さて、セミナーの内容をご紹介してまいりましょう。なお、お伝えした内容のすべてをご報告するのは難しく、かなり省略していることを予めお断りしておきます。

 全体の構成としては、女学院の特徴について濱岡先生と生徒さんからいくつかのテーマに沿ってお話しいただきます。それに加え、広島女学院の中3生と高3生各1クラスで実施したアンケートの結果をご紹介する内容となっています。おしまいの15分は、まとめとしての意味合いも兼ね、渡辺校長に3つの話題に基づいてお話しいただきました。

 

①広島女学院の教育の特色

 広島女学院はキリスト教主義の教育を掲げ、実践しておられる私立学校です。まずは濱岡先生に、その特色をご説明いただきました。広島女学院の聖句にCUM DEO LABORAMUS ~我らは神と共に働く者なり~というのがあります。「かけがえのない自分の存在に気づき、他者と共に生き、神と共に働き、平和な世界に貢献する」といったような意味の言葉だそうです。この聖句が広島女学院のあらゆる教育活動の根本をなしています。平和教育、人権教育、グローバル教育などの根幹にもこの言葉があります。

 このことを濱岡先生にご説明いただいた後、高2の生徒さんがキリスト教主義の教育の事例としてチャレンジキャンプの内容を語ってくださいました。このキャンプは中2生の催しで、2泊3日で行われます。基本的にすべてを参加した仲間と協力・分担をして行うのですが、高校生がリーダーとして帯同し、必要最小限のサポートをします。この生徒さん自体がこのチャレンジキャンプのリーダーとして参加されたそうです。こうした集団での活動はすべて女子だけで行われます。集団をまとめるには困難が伴いますが、女子のリーダーシップを育てるうえで、女子校であることの意義を大いに感じると、その生徒さんは語っておられました。

 

②広島女学院は、完全6か年一貫の私立学校

 広島女学院は、高校からの入学者選抜を行わない、いわゆる完全6か年一貫教育を実践する私学です。そのことの意義を濱岡先生にお話しいただきました。

1.6年という歳月を通して濃密な人間関係が築ける
 途中に高校受験がなく、中学と高校を通して友人関係が築ける。うまくいかないときもあるが、トラブルを通して分かり合えるので、深い友人関係になる。卒業後も交流が続く一生の友が得られる。

2.心の成長が期待できる
 思春期をまたぐ6年間を同じ学校で過ごすことで、大人に対する反抗を経て自立していく成長の大事な過程を経験できる。

3.教員が生徒の将来を見据えた教育を実践できる
 6年間という教育のスパンがあることで、教員は一人ひとりの生徒の将来までを見据え、「こんな人間になってほしい」というプランに基づいてじっくりと教育にあたれる。

 

③生徒さんの観点に立った6か年一貫のメリット

 生徒さんが6か年一貫のメリットをつぎのように語ってくださいました。

1.6年間かけて友達との交流を深められる
2.高校受験がないので、長いプランで大学受験に向けた準備が
  できる

 女学院さんは、先生と生徒の距離が近いと言われますが、6か年一貫のメリットをどう受け止めるかについても同じような認識のようです。だからこそよい関係が築けるのですね。

 

④勉強について行けなくなったときの対処

 私学に入学する生徒さんと保護者がよく口にされるのが、「勉強について行けなくなったらどうしよう」という心配や不安です。これについて、濱岡先生は次のように言われました。

 まず大切なのは、授業についていくための努力をすることです。宿題は学力定着に必須ですのでかなり出ます。これをしっかりやれば困ることはありません。今のうちに学習の習慣を築いておきましょう。定期テストの点数がよくない生徒さんには、強制的な補習(英語・数学)が課せられます。それを受け、勉強の態勢を巻き直していくようフォローしていきます。

 

⑤アンケート結果の紹介 「女学院生に聞いてみた!」

 広島女学院の実状を知るには、実際に通っておられる生徒さんから情報を得るのがいちばんです。そこで、学校の協力を得て、中3と高3各1クラスの生徒さんにアンケートを行いました。以下はその結果です。

★アンケート結果(PDF)

 いかがでしょうか。平日の起床時間は、多分に通学に要する時間も影響します。極端に早い起床の生徒さんは、朝型勉強を実践しておられるのかもしれません。就寝時間は、さすがに大学受験を控えた高3生は全般的に遅めになるのは当然かもしれません。着目していただきたいのは、学校のよいところを生徒さんがどう受け止めているかです。「先生」「友だち」が多いのは女学院らしいですね。先生からも生徒さんからも強い学校愛を感じるのが女学院の大きな特色ですから。また、学校内を見て回って感心するのは校舎の美しさと建物内の空間の広さです。生徒さんも、それが自慢なのは間違いありません。建物はアカデミックな雰囲気をたたえています。校舎の中に入ってみると、廊下がゆったり広々としており、教室もたっぷりとした空間が確保されています。ぜひ実際に見ていただきたいですね。

※長くなったので今回はここでとりあえず終了とし、後半は次回お届けします。

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「中学受験なんでも相談室」から 追記

2022 年 9 月 27 日

 前回は、「中学受験なんでも相談室」の実施状況を簡単にご報告しました。そのときにお伝えすべきことを失念していました。それは、すべての保護者がわが子に惜しみなく深い愛情を注いでおられるということです。見るからに優しそうなおかあさんも、少し厳しそうに見えるおかあさんも、わが子の健全な成長を強く願っておられる点についてはまったく変わりません。そのことにしみじみと感じ入ったしだいです。

 どなたも、「わが子に親の思いがどれだけ通じているか」「いつになったら安心して何事も任せられる状況が訪れるのか」という不安やもどかしい思いと葛藤しながらお子さんを見守っておられます。そのことに感銘すら受けました。親という存在はほんとうにありがたいものだと感じずにはいられないほどです。残念なのは、肝心のお子さんがそのことに気づき、行動を改める段階に至っていないことです。

 しかしながら、このような働きかけをしておられる家庭に子育ての失敗はありません。おかあさんの思いは間違いなくお子さんに届いています。お子さんへの関わりかたに多少の差こそあれ、「自分のやるべきことをしっかりと受けとめ、親に言われなくても自分からやれる人間に成長してほしい」という願いをもっておられることが筆者には十分伝わってきました。親の望んだ方向へと変わっていく時期は、お子さんそれぞれに少しずつ異なるのは仕方ありません。お子さんの自覚が行動へと転化するにあたっては、内面の成長が追い付く必要があります。いわゆる成長曲線のことですが、それは子ども個々でみな違っています。また、何らかのきっかけが必要かもしれません。重要なのは、親がいつ来るかわからない自立に向けた成長の時期がやってくるまで、辛抱強く働きかけや声かけを継続することです。

 以前もお伝えしたかと思いますが、思うに任せないわが子を見て、癇癪を起したり怒鳴ったりしても効果はありませんし、親自体も気がめいってしまいます。相談室をご利用になったおかあさんがたは、どなたもそういった感情に溺れてしまうことなくがんばっておられることに共感を覚えました。さらにひとことお伝えするとしたら、「できない」状態は永遠ではなく、もうすぐ終わるということです。わが子を信じましょう。6年生のお子さんなら、ちょうど今頃が変わってくる時期です。親に求められる心のありようは、「きっと思いは通じる」「何とかなるさ」という、希望や楽観性です。それを失わずに根気良くわが子に接することがいちばんです。

 きっとわが子は変わる! そのときがもうすぐ来るのは間違いありません。それを信じて、辛抱強く、粘り強く、多少の楽観性をもって日々お子さんに接してください。

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「中学受験なんでも相談室」からのご報告

2022 年 9 月 25 日

 台風14号が日本を通り過ぎた後、めっきり凌ぎやすくなりましたね。朝夕はむしろ寒さを覚えるくらいです。「蒸し暑い夏がいつまで居座り続けるのだろう?」と、夏バテ気味のわが身を慮り困惑していましたが、これで一安心です。やっとお子さんがたにとっても、勉強にスポーツに読書にと、何をするにも好適な季節の恩恵が受けられるでしょう。おおいにがんばってほしいですね。

 さて、このところブログの原稿を書く時間がなかなか確保できません。お読みくださっている方々はおおよそご承知でしょうが、本ブログは見たこと、聞いたこと、やったことなどを備忘録や日記のように綴るのではなく、受験と子育てに関わる情報を提供したり、学習塾としての受験観や教育観を発信したりする場としているため、ブログというよりもコラムに近いのが特徴です。したがって、テーマ設定、資料集め、記述、仕上げの段取りがかなり面倒であり、時間がかかることも少なくありません。無論、1~2時間で割と簡単にできあがることもありますが、他業務が忙しいとき、メンタルのコンディションが不調のときなどはいささか捗りが悪く、1日かけてやっと仕上がるということもあります。

 言い訳がましいことばかりお伝えしましたが、今回は書く時間があまりありません。そこですぐ書けそうなテーマにさせていただくことにしました。ご存じかも知れませんが、この9月に会員家庭へのフォローを充実させようという趣旨で、「中学受験なんでも相談室」を開設いたしました。お子さんの中学受験に関して、どのような相談にも応じるということで、指導経験や対人対応の経験、年齢等などを勘案した結果、筆者がその業務を兼任することになりました。開室を告知したところ、すぐに相当数のお申し込みがあり、対面での対応、ズームを使っての対応を通して、広島市内4校すべての保護者とやりとりする(交流する)機会を得ました。今回のブログは、現在までの相談室の活動を通して筆者が感じていることをお伝えしてみようと思います。おそらく、多くの保護者の方々が同じような問題を抱え、苦労して(やきもきして)おられるのではないかと思います。

 相談される保護者の多くは、わが子の成績に関わらず、学習意欲が今一つ足りない、家庭勉強の段取りを自分でつけられない、学習の自律性が育っていない、計画通りに勉強をやりこなせていない、などの点について心配しておられるようです。原因はいろいろです。ただし、よく話を伺っていると、お子さんがそうなるべくしてなっているのではないかと思うこともたびたびありました。たとえば、つぎのような状況から親の対応としてどんな問題点が見出せるでしょうか。

 場面1は、程度の違いはあれ、多くの家庭の現状としてありがちなことです。子どものすることは、大ざっぱで見当違いな点も多く、親としてじれったいことが多いものです。また、放っておくとやるべきことをなかなかやろうとしないケースもあるでしょう。その結果、親がいろいろと勉強に関わり、やるべきことを具体的に指示してやらせる場合もあるでしょう。子どもは子どもでそのほうが楽であったり、成績が維持できているのは親のおかげであることも自覚していたりで、親の介入を消極的ながらも受け入れざるを得ない状況が続きがちです。しかし、子どもの自立に向けた試行錯誤のプロセスを省略してしまうと、いつまで経っても勉強を自分で管理したり、実行に移したりする姿勢は育ちません。受け身の学習姿勢が染みつくと、中学校に入ってから途方に暮れることになりかねません。親が関わるのが小学生の受験勉強の特徴ですが、関わりつつも、「いつ手を放すか」を常に意識し、徐々に子ども自身でやらせる領域を増やしていくことが肝要です。一時的に成績は下がるかもしれませんが、子ども自身が得た成績をもとに、現実に存在する問題点を親子で検証や点検をしながら、修正をはかっていくような接しかたをお願いしたいですね。

 場面2はどういう状況かというと、イラストの例のように、「勉強しているふり」をして、実はサボっているケースがあります。特に男の子です。他にありがちなのは、勉強をほとんど子ども任せにし、「塾で指導を受けているのだから、やりかたもわかっているのだろう」と親が勉強の内容をほとんど掌握しないまま放置しているケースもあります。この場合、子どもは「やったつもり」の勉強に終始したり、やりかたが要領を得ないままいたずらに時間を費やしてしまったり、といったことが起こりがちです。親は「つかず離れず」のスタンスが基本です。もう少し具体的に言うと、親は子どもの勉強の取り組みの様子や勉強内容に目をやり、まっとうな取り組みができているかどうかを判断する必要があるのです。ノートの取りかたもきちんとわかっているかどうかも見定める必要があります。問題点を感じたら、指導担当者に問い合わせたり、相談したりしてください。勉強の内容に立ち入って教える必要はありません。それをすると目先のテスト成績は上がりますが、子どもの学びの自立がいつまで経っても進みません。子どもの自立に向けた意欲を後押しするのは親の大事な役目です。自分で考え、自ら学ぼうとする姿勢が見られたなら、それを成績が上がったときよりも褒め称えてください。親が何を自分に求めているのかを知り、しかもその求め(親の期待)が納得のいくものだったなら、子どもは親の承認を得ようと一生懸命になるものです。

 中学受験で親に必要なのは、「わが子が今できないことはフォローするが、そのフォローはいずれ自分でやれるようにするためにあるのだ」という意識です。ちょっとずつ手を放す、そのタイミングを常に見計らうことが大切です。そして、子どもが今まで自分ではやれていなかったことができたときには、「凄いよ、進歩したね!」と、心から称賛の言葉を投げかけてあげてください。そういう親の対応こそが、自分でやることへのプライドをもった子どもを育てるのではないでしょうか。親はもどかしい思いを余儀なくされますが、「これは子育ての仕上げの意味もあるのだ」と認識し、辛抱強く子どもの生活や勉強の自立を促していきたいものです。紆余曲折はあっても、お子さんが勉強の要領を手の内に入れ、自分で勉強を取り仕切れるようになったなら、前途洋々たる未来が待っています。自立した人間こそ、社会で自分をまっとうに通用させることができるのですから。

 保護者におかれては、「付かず離れず」を合言葉に、わが子の成長を引き出すべく辛抱強くフォローと見守りを継続してください。過保護と過干渉、子ども任せ(子どもの実態を知らずに信用する)は、わが子の真の成長にとってマイナスにしかなりません。

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興味・関心をもって取り組む学習の効能

2022 年 9 月 18 日

 このところ蒸し暑い毎日が続いています。さすがに9月も半ばを過ぎつつありますので、朝夕は若干涼しさを感じるようになりましたが、日中は夏がまだまだ居座っているかのようです。保護者におかれては体調など崩されませんように。お子さんの健康管理にも十分ご配慮願います。

 さて、今回お伝えする話題は、小学校の3~4年生前後のお子さんをおもちの保護者を想定したものです。ただし、基本的にはどの年齢のお子さんにも当てはまることですので、お子さんの年齢を問わず読んでいただけたならうれしいです。

 みなさんはお子さんの家庭での勉強ぶりを見て、どんな感想をおもちでしょうか。「できるなら、仕方なく義務的に取り組むのではなく、興味をもって積極的にやってほしい」と願っておられるのではないでしょうか。リビングなどでお子さんが勉強している姿に活気が伴っていれば、それだけで親としてわが子が頼もしく見えるし嬉しいものですよね。しかしながら、実際はそれだけではなく、興味・関心をもって学ぶほうが学力形成によい影響をもたらすことが科学的にも裏づけられています。今回は、そのことを話題に取り上げてみました。クオリティの高い勉強の実現に向けて生かしていただければ幸いです。

 まず言えるのは、嫌々やったのでは、頭脳は活性化しません。算数の解きかたを何回頭に詰め込んでもわからない、すぐ忘れてしまうといった状況になりがちです。いっぽう、「この問題はおもしろいな」「何とかして解きかたを知りたい」と思って取り組むと、少ない時間で解決できるし、記憶にもよく残ります。脳科学者によると、人間が何かに興味を抱き、知的欲求に突き動かされた状態になったとき、記憶を司る海馬という脳部位でシータ波(θ波)という脳波が発生します。シータ波は1秒間に5回規則正しく刻まれますが、これをθリズムと言います。同じ学習時間で比べると、シータ波が発生しているときはそうでないときと比べて5~10倍の速さで学習が進むそうです。圧倒的な効率のよさですね。ダラダラ勉強している様子は、見た目にもよくないですが、真剣な眼差しで一生懸命考えているときの子どもは、極めて効率のよい学習をしているわけですね。

 シータ波を伴った学習のよい点は、学習効率を高めるだけではありません。海馬は学んだ事柄のうち、重要と認識したものを長期記憶に加工して脳内(側頭葉)に留めてくれます。子どもが興味をもって学んだことは長期記憶に残される確率が高いため、復習をする回数が少なくて済むというメリットもあります。嫌々学んだ事柄は、テストが終わると直に忘れ去られてしまいがちですが、子どもの知的欲求に基づく学習は、忘却のリスクを随分と軽減してくれます。男の子は復習を嫌がりますが、記憶によく残っていたなら何度も復習をする必要もなくなります。まさに「学習は興味をもってすべし」ですね。

 ここで現在のお子さんの学習に向き合う姿勢を振り返ってみてください。どの教科でもよいのですが、好きで一生懸命取り組んでいる分野はありますか? 親はわが子に「勉強の楽しさや喜びを味わってほしい」と願いつつも、現実の学習生活はうまくいっていないご家庭もあるでしょう。自分から取り組もうとしない様子にイライラを募らせ、いつの間にか叱って無理やらせる状態に陥っているご家庭はありませんか? この状態が続くと、子どもは勉強嫌いになってしまい、知的好奇心に支えられた本来の勉強と縁遠くなってしまいかねません。子どもの勉強嫌いは、周囲の大人の接しかたが原因になっているケースが多いと言われます。もしもその傾向を感じておられるなら、今のうちに状況の転換を図る必要があるでしょう。

 小学校課程の学習は、将来大人になるための基盤づくりのためにあります。算数には数にまつわる様々な事象を、シンプルな計算式で解き明かす楽しさがたっぷりと詰まっています。言わば、公式そのものを編み出す魅力にあふれています。国語の学習は、母国語の習得に欠かせない教科であるのみならず、文章を通じて様々な世界や人間に触れる楽しさを満喫させてくれます。理科は、自然界の現象についての謎を解き明かすワクワク感をたっぷりと味わわせてくれます。社会は、人間の辿ってきた歴史を振り返ったり、現在の日本や世界の様子を学んだりできますから、いったん興味をもったなら、知りたいことが尽きることなく湧き出てくる教科です。それぞれの教科には独特のおもしろさがあり、学ぶ楽しさや喜びを与えてくれるのは間違いありません。お子さんがそれに触れることなく大人になるのは、あまりにも残念でもったいないことではないでしょうか。

 勉強は小学校で終わることはありません。中学、高校、大学は無論のこと、社会人になってからも必要なものです。小学生のうちに、勉強に前向きな姿勢を築いておきたいものです。そこで筆者からの提案です。ご家庭で、つぎのようなことを試みてみてはいかがでしょうか。

 児童期までの子どもが、知的好奇心をすっかり失ってしまうなどということはありません。「勉強を強要されている」など、勉強へのネガティブな受け止めかたをするなんらかの要因が好奇心の発動を妨げているだけです。

 そこでご家庭の試していただきたいのは、子どもの知識欲求を継続的に刺激するような働きかけをすることです。先ほど、今回の記事を3~4年生をおもちのかたに向けたものだと書いたのは、上記のような働きかけが最も功を奏する年齢期だからです。①にせよ②にせよ、どのご家庭でもある程度されてきたと思いますが、それを徹底してやれば必ずお子さんに変化が訪れます。

 ①についてですが、お子さんの興味の対象となるものを基本に置きつつ、できるだけ幅広い興味に応えられるような図鑑を何冊かおたくのリビングに常備することをお勧めします。そして、ことあるごとに「それ、図鑑に載っているかもしれないよ。調べてみよう!」などと調べること、知ることの楽しさを味わわせてやりましょう。本は、買うときりがないですから、図書館でいろいろなジャンルの本を借り、お子さんの目に触れるところに置いてやりましょう。おかあさんも目を通し(とても全部は読めないでしょう)、タイミングを見て、「この本、おもしろかったよ」などと水を向けてみましょう。物語だけでなく、伝記や写真集などのようなものも借りてみて、お子さんがどんな本に興味をもつか、いろいろと試みてください。

 ②についてですが、4年部や5年部の算数のテキストの課題の解法に目を通してみると、解きかたの面白さに惹かれる思いをすることがよくあります。その話題をお子さんにもち掛け、「この解きかた,おもしろいね」などとやりとりをしてみてください。単元にもよりますが、お子さん食いついてくる課題がきっとあると思います。また、3年生ぐらいだと、ジュニアや玉井式の算数の解きかたの解説などを見て、おもしろそうだと思ったものを取り上げ、お子さんと一緒に考えるなどの働きかけをしてみてください。考えることは基本的に楽しいものです。そういうことがきっかけで、勉強に対する能動性が徐々に高まってくることもあるでしょう。

 小学生時代に、勉強のもつ楽しさやおもしろさに触れ、考えて解き明かすことに熱心な姿勢を築いておけば、先々の人生の歩みに大きなプラスの作用を果たします。前述のように、興味をもって学ぶことは学習の効率性を高めますし、優れた頭脳形成にもつながります。親の働きかけでわが子よい方向に導ける今の時期を大いに生かしていただきたいですね。

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オンライン親子セミナーを開催します!(会員限定)

2022 年 9 月 9 日

 少しずつ秋らしい涼しさを感じるようになってきました。なかなか受験というものをイメージできず、自分のこととして感じられなかった6年生のお子さんも、さすがに秋を迎えると今までとは違った心もちになってきているのではないでしょうか。

 6年部後期になると、授業で扱う教材やその取り組みかたも入試を意識した実戦的なものになっていきます。授業で先生が話す事柄も入試に関する伝達事項や励ましの言葉が増えますし、クラスの仲間の表情も明らかに引き締まってきます。そうなると、否が応でも教室の雰囲気が変わっていきます。さあ、いよいよ本格的な受験対策の学習が始まります! 受験生の子どもたち全員が、悔いの残らぬ仕上げ学習をやり遂げられるよう、指導に当たる先生たちも全力を尽くして受験生を応援してまいります。保護者の方々におかれても、お子さんの体調管理やメンタル面のフォローなど、いろいろと気遣い気苦労も増えると思います。子どもたちが、今から精一杯の受験対策を実現できるよう、ともに精一杯応援してまいりましょう。

 さて、今回の記事は9月23日(祝・金)と10月2日(日)に実施を予定しているオンライン親子セミナー(9月23日が女学院編、10月2日が修道編)のご案内です。昨年11月以来、オンラインによる学校紹介の行事を何度か実施してまいりました。これまで、広島学院、ノートルダム清心、広島中等教育学校、広島県立広島中学校・高等学校の4校をご取り上げてきましたが、今回ご紹介する広島女学院と修道は、広島の私学で最も歴史が古く、全国的に名前の通った私学らしい私学です。その成り立ちやこれまでの歩みを考えると、この2校は‟ザ・私学”といっても差し支えないほどの存在です。広島の中学受験生の大半が受験する広島女学院と修道の特徴や魅力を、ぜひこのオンライン親子セミナーで感じ取っていただきたいですね。

 ちなみに、修道は江戸時代に設立された広島藩の藩校の流れを汲む、わが国有数の長い歴史をもつ私立男子校です。また、広島女学院は明治19年に設立された、プロテスタント系の女子ミッションスクールです。両校の出自を少し調べるとわかりますが、私学にわが子を通わせるうえで明確なメリットを有する魅力的な6か年一貫校です。そもそも、私学とは共通の利害関係や信仰などで形成された団体や集団が、自分たちの考えに沿った教育を子弟に施すために設立したものです。そこには、どんな人間を育成するかについての明確な目的があります。このような私学の教育の根底には、「いついかなる時代においても生き抜いて行ける、確かなスピリットや知性、行動力を携えた人間を育成する」という、共通のバックボーンが存在します。このような人間の育成に向けたアプローチの違いが、校風や教育内容の個性となっているのだと言えるでしょう。

 現在の私学は、特定集団内の子弟教育の場ではなく、入学を希望される家庭のお子さんのなかから学力などを判定基準にして広く生徒を受け入れています。わが子を私学に通わせる場合、今日まで受け継がれてきたそれぞれの私立学校の伝統や校風を家庭の教育観や家庭文化に照らし、最も魅力的な教育を実践しているのはどこか、最も相性のよさを感じる教育の場はどれかという視点から学校選びをするのが今日では一般的です。オンラインによる駆け足の催しではありますが、改めて「広島女学院と修道の私学らしさはどこにあるか」という視点に立って視聴してみてはいかがでしょうか。

 なお、本催しの申込受付はすでに始まっています。いずれの催しも9月12日(月)まで受け付け可能です。オンラインによる学校紹介は、直接先生の話を聞く形式と比較するとライブ感は少ないものの、学校まで出向く必要がなく、家庭で親子一緒に視聴できます。受験をすぐ先に控えているご家庭でなくても、「学校に興味をもつ機会を子どもに与えたい」と思っておられる5年生以下のお子さんのご家庭も気軽にご利用いただけるでしょう。「まだ時期が熟していないから」とためらっておられたご家庭も、ぜひお申し込みいただきたいですね。

 本セミナーの話者ですが、広島女学院は渡辺信一校長、修道は田原俊典校長にお願いしています。修道の田原校長はダイナミックでユーモアに富んだお話をされることでつとに有名ですが、広島女学院の渡辺校長も情熱のこもったよいお話をされるすばらしい先生です。お会いするたびに、お二人の学校愛、生徒愛の深さとスケールの大きさに圧倒される思いをしています。ぜひ、本セミナーで校長先生の話をお聞きになり、教育者としての人柄に触れていただきたいですね。

 なお、本セミナーが学校説明会と違うのは、主催者が学習塾であり、催しで校長先生がお話しくださるテーマや内容は主催者である弊社が設定している点にあります。学習塾からの問いかけに応じて話すのと、学校が自ら設定した話題に基づいて話すのとでは、自ずと違いが生じるものです。本セミナーを、そういった視点から視聴していただくと、両校の魅力の感じかたも微妙に違ってくるかもしれません。

 話題の多くは家庭学習研究社の広報スタッフが相談して決めました。昨年の学院編、清心編もそうでしたが、小学生も視聴者ですので、子どもたちが興味をもつようなアンケートの結果なども校長先生の話と組み合わせてご紹介します。修道は自由な校風で自主自立の精神を育む教育の場として知られます。広島女学院は、明るい自立した行動派の女性を育む教育の場として知られます。両校の教育についてご紹介するたびに感じるのは、堅苦しさが全くない、誰にも居場所のある、開かれた学校であるということです。子どもたちに言わせると「楽しそう!」という学校イメージのようです。多くの子どもたちがあこがれるのは、そういった学校イメージが地域に定着しているからでしょう。

 本セミナーは、「女学院らしさ、修道らしさをどんな切り口でお伝えするか」ということに焦点を当てています。校長先生への問いかけを筆者が行い、校長先生にお答えいただく形式にしています。たとえば、「男を磨く」という言葉があります。先日も、広島の高校野球の頂点に立つ某私立高校の選手が、「〇〇高校の〇〇監督の下で男を磨こうと思って入部しました」と語っていました。修道も「男を磨く場」という言いかたが最もよく似合う私学ですね。知力や立ち居振る舞い、生きかたの習得において、修道に行けばどんな成長が期待できるでしょうか。そんな問いかけもしてみようと思っています。

 オンライン親子セミナーで、修道と広島女学院の魅力にたっぷりふれてください!

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