校長先生を通じて、私学教育の魅力を確かめよう!

2018 年 11 月 9 日

 11月14日(水)には、修道と広島女学院の校長先生をお招きし、私学教育について語っていただくイベントを開催いたします。

 すでにこのブログでもかなり詳しくご案内しましたし、当ホームページにも案内記事を掲載しておりますので、ご承知のかたも多数おられるかと思います。この催しの開催が数日後に迫ってまいりましたので、改めてもう一度ご案内するしだいです。

 ネット社会の到来で、必要な情報を家にいながら即座に手に入れられる時代が訪れています。このような時代において、わざわざ足を運ぶ価値があるとしたら、それはどんなことでしょうか。

 お子さんの学校選びに活用する情報も、インターネットを利用したり、学校案内書などの資料を取り寄せたりすれば、簡単に手に入ります。しかしながら、実際に学校で教育にあたっておられる先生の、それも学校長として采配を振るっておられる先生の話を直接聞いてこそ得られる情報もあると思います。肉声は活字や写真では得られない臨場感を伴いますし、校長先生の人格に直接触れることで初めて心に響く、感性に基づく共感のようなものも学校選択における貴重な情報です。「百聞は一見に如かず」の諺ではありませんが、目で確かめた生の情報には格別の真実味があるのは間違いありません。

 このイベントを企画したのは弊社です。手前味噌で恐縮ですが、本催しで得られる情報の大半は、学習塾が企画した催しだからこそ得られるものだと言えるでしょう。本催しは4部構成ですが、ここでもう一度それぞれの企画趣旨を簡単にご説明します。

 

第1部 基調講演「私学教育とは何か」 修道 田原俊典校長

 お子さんの進路選択にあたっては、様々な視点から候補となる学校を検討されていると思います。通学距離や難易度(大学への進学実績)、校風、部活などいろいろな要素が選択の基準になることでしょう。しかし、もう一つ大きなポイントがあります。それは、「私立か、国立か、公立か」という基準です。

 ご存知のように、私学は学費負担という問題があります。それなのに、古くから広島には多数の私学が存在し、それぞれに社会に貢献する多くの卒業生を送り出しています。なぜあえて私学を多くのかたが選んでおられるのでしょうか。それは、私学には「私学ならではのよさ」があり、そこで学んだ人たちの人生の充実に多大な貢献をしているからです。

 そこで第1部では、「私学教育のよさ」にスポットを当ててみました。話者は、私学連盟の要職に就いておられる修道の田原校長です。私学の本質について学べる、貴重な場になることでしょう。

 

第2部 「21世紀を生き抜く人間を育む」 広島女学院 渡辺校長、修道 田原校長

 今日の子どもたちには、グローバル化が進む社会を生き抜くための力が必要です。私立の6か年一貫校出身者の多くは、このグローバル化の波を乗り越えて社会で広く活躍しています。そこで第2部では、「グローバル化と私学教育」という視点から、両校の校長先生にお話しいただくことにしました。私学には、それぞれ「建学の精神」があり、設立以来受け継がれた伝統があります。それらはみな個性という点で異なるものの、「どのような社会においても生き抜いて行ける人間の育成」という共通点があります。修道と広島女学院の校長先生のお話を、そうした視点に基づいてお聞きになると、両校の私学としてのよさについて、新たな気づきが得られるのではないかと思います。

 

第3部 「通って分かった私学の魅力」 生徒アンケートの結果をご紹介

 学校の様子について知る有効な方法の一つに、そこに通っている生徒さんから情報を得るということがあります。そこで、今回出演してくださる校長先生のご理解ご協力を得て、修道生と女学院生を対象としたアンケートを実施しました。今回は、私学の生活にだいぶ慣れてきた中2生と、出口が近くなった高3生の方々に回答していただきました。

 アンケートの内容ですが、「学校のよいところは?」「平日は、何時間ぐらい勉強しているの?」「何時に寝て、何時ごろ起きている?」「この学校に入学して、成長したと思うことってどんなこと?」など、多岐にわたります。さて、どんな答えが返ってきたでしょうか。会場では、グラフや具体的コメントなどを映像でご紹介します。生徒さんたちの、楽しく充実した学校生活の様子が十分におわかりいただけることでしょう。

 せっかく得られた貴重な情報なので、当日配布する資料にかなり詳しくアンケートの回答をご紹介しています。帰宅された後、親子一緒にその資料をご覧になれば、学校について楽しい会話の花が咲くことでしょう。

 

第4部 「校長先生に、そこが聞きたい!」 質問コーナー

 以前のブログ記事でもお伝えしたと思いますが、大勢の人がいる場所で質問するのは相当な緊張が伴い、随分と勇気が要るものです。ですから、たいていのかたは話者の話をただ聞くだけで終わってしまいがちです。そこで、保護者の方々が聞きたいであろうこと(経験的にそう感じている事柄)を、保護者に代わって弊社から校長先生がたに質問するというコーナーを設けました。

 昨年も同様の企画を用意したのですが、うまく時間を確保できず残念な思いをしました。この経験に鑑み、時間をしっかりと確保したうえで、時間の許す限りたくさんの質問をし、校長先生がたにお答えいただこうと思っています。以前、修道の田原校長に同種の企画でご協力いただきましたが、すばらしいテンポで当意即妙の回答をいただき、感心したことがあります。今回も、そうした楽しい時間になればと期待しています。

 

 以上が当日予定している話題の流れです。忙しいなかお越しいただく保護者の方々に、「行ってよかった」「よい話が聞けた」と満足いただけるような、充実した催しにしたいと考えています。興味をもっていただいたかたなら、お子さんの年齢などは問いませんので、ぜひお気軽にお越しください。私学について知るよいきっかけにしていただければ、当日の話者として協力してくださる校長先生もお喜びになると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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子どもの読書活動の活性化に向けて その1

2018 年 11 月 5 日

 秋も深まってまいりました。今回は、“読書の秋”に因み、「子どもと読書」をテーマに書いてみようと思います。

 みなさんは、「子どもと読書」と言われて何か頭に思い浮かぶことはありませんか? 筆者が真っ先に連想したのは「読書活動の減少(衰退)」でした。携帯ゲームやスマートフォンなどの普及(あるいは、テレビ視聴や塾やスポーツ・習い事なども原因ではないかと思いました)で、子どもは読書から離れつつあるのではないかと想像したのです。確かに、中学・高校生においてはかなり当たっていたのですが、こと小学生に関しては筆者の予想とは異なっていました。

 これは、小学校の「朝の読書活動」推進の努力が実を結びつつあることや、教科書の素材文に登場した本と、学校図書館の蔵書との連動性を高める努力などの成果であるといったようなことが、メディアから入手した情報にありました。

 子どもの読書活動について残念に思うのは、高校生の月あたり平均読書数が僅か1.5冊(2017年調査)であり、約半数の高校生は全く読書をしないというデータを目にしたことです。下記は、子どもの「不読率」について調査した結果ですが、これをご覧になっても中学高校生の読書離れが進んでいることが伺えます。

 中学高校生がなぜ読書をしないのかについては、次の資料である程度おわかりいただけるでしょう。

 一番多い理由は「本を読まなくても不便はない」というものですが、これは「なぜ本を読むのか」の発想が実益の享受に基づいていることの裏返しであり、筆者はとても残念に思いました。本を読むのは、「面白い」から、「感動を得られる」から、「読後感の気持ちのよさがある」からというのが、筆者の考える読書の主要な理由です。割合としては多くないものの、「学校の授業で読書は十分」「学校の成績に関係ない」という理由が一定数あるのも、筆者には本を読まないことの理由として思ってもみなかったことなので驚きました。

 「読みたい本がない、何を読んだらよいのかわからない」という理由が2番目に多いことにも正直がっかりしました。実は、小学生で読書をしない子どもも、「読みたい本がなかったから」という理由がいちばん多かったことを示す資料があります。小学生なら、大人のサポートで対策がある程度できるでしょうが、中学高校生ともなると、大人が働きかける余地は少ないと言わざるを得ません。どうしたものでしょうか。

 勉強や部活、スポーツ、趣味、友人との付き合いなどは、中学高校生が読書の時間を確保できない理由として筆者にも納得できるものですが、「そうした忙しい生活の中で、時間をやりくりしてもしたいのが読書であってほしいな」とも思いました。

 次の資料は、読書量とコミュニケーションスキルや礼儀作法のスキルの相関関係を調査した結果を示すものです。

 これをご覧になると、読書がもたらせてくれる恩恵は、子どもが想像するよりも、否、われわれ大人が想像するよりもずっと幅広く深いものだということに気づかされます。本の中での人物のやり取りや内面描写を読み取りながら、子どもは登場人物と一緒に仮の体験をし、それを自分の内面に取り入れているのでしょう。本を読んでいるとき、子どもは無論のこと大人にも「これは嘘ごとなんだから」という意識はありません。感情移入をしながら自らも体験し、共感したり反発したりしながら自らの知識や考えとして取り込んでいるのですね。

 ついでに申しあげると、読書量はほぼ学力とも比例する(ただし、極端に多いのはマイナスに作用)という調査結果も目にしたことがあります。

 今回は、子どもの読書の実態と、読書のもたらす恩恵などについてご紹介しました。次回は、子どもの内面世界の広がりや深まりと年齢との関係に着目した資料をもとに、子どもと読書について考えてみようと思います。

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脳の活性化を促す食事を!

2018 年 10 月 29 日

 勉学の秋、読書の秋、スポーツの秋、思索の秋、食欲の秋……「~の秋」という言葉はいろいろありますね。秋は人間の活動に最も適した季節だからでしょうか。その中で、今回は「食欲の秋」に絡めて、食事を話題に取り上げてみました。

 ちなみに、なぜ「食欲の秋」という言葉があるのか、考えてみたことはおありでしょうか。考えなくてもすぐにお気づきかもしれません。「実りの秋」という言葉もあるように、秋は様々な農作物や木の実などが豊富に手に入る季節です。また、人間にとって最も心地よい気温は18度前後だと言われますが、同じ気温でも春から初夏にかけての季節は蒸しやすく、秋の空気のほうが肌に心地よいものです。勢い食欲も増そうというものでしょう。

 話が脇道に逸れてしまいそうですので、本題に入りましょう。子どもにとっての食事は、健康面だけでなく、体づくりという観点からも見逃せません。また、それは頭脳形成とも密接につながっていますから、食事をバランスよいものにすることは、子どもの成長にとって不可欠と言えるほど重要なことだと言えるでしょう。保護者におかれても、わが子の食生活や栄養摂取の状態を定期的に振り返ってみることをお勧めしたいですね。

このブログをお読みくださっているかたの多くは、中学受験生の保護者であろうと思います。そこで今回は、子どもの体づくり、特に子どもの脳の発達という観点から、食事と栄養摂取のありかたについてみなさんと共に考えてみたいと思います。

 言うまでもありませんが、健全な体の発育や脳機能の活性化を促すためには、必要な栄養素が過不足なく供給されなければなりません。たんぱく質、脂質、糖類は、三大栄養素と言われますが、これらをバランスよく摂取することが基本となります。

 三つの栄養素について保護者の方々、特におかあさんがたにご説明するのは、「釈迦に説法」のようなものですが、念のために確認させていただきます。

 たんぱく質は、ペプチドやアミノ酸などに分解され、骨や筋肉など体の組成を支える働きをします。また、脳の神経細胞の信号伝達を支える物質やホルモンなどのもとになります。脂質は、体を動かす際のエネルギー生産の基礎物質となり、体内に豊富に蓄積されています。糖類(炭水化物)はブドウ糖に加工されて体内の細胞に供給され、エネルギー源として利用されます。脂質と糖質はエネルギー源として不可欠であるという点では同じですが、前者は体内に備蓄して活用されるという点で、また後者は即効性が求められる領域でのエネルギー源となる点で、それぞれに適用範囲が異なっています。また、ブドウ糖は脳にとっての唯一の活動エネルギーとなるものです。これらの栄養素を絶えずきちんと摂取することは、子どもの健康な体づくりや学習活動にとって欠かせないものだということがわかりますね。

 では、毎日どのような食べ物を摂取すると、三つの主要な栄養素が賄えるのでしょうか。専門家の先生によると、大まかには次のような食物を摂取するのが基本のようです。

 無論、三大栄養素のほかにも摂取すべき栄養素として、ビタミン・ミネラル類など、他にも重要なものがあります。日常の食事を通して、これらの摂取状況が望ましいものになっているかをどうかを、振り返ってみてはいかがでしょうか。

 今回の話題に即した側面から、もう一つ強調しておきたいことがあります。それは、勉学に勤しむ子どもたちにとって欠かせない、脳の働きを活性化するための食事です。今回の記事を書くにあたり、参考にさせていただいたのは、脳科学の専門家である福岡教育大学名誉教授の永江誠司先生の著書ですが、先生は次のように述べておられます。

 子どもの脳の働きをイキイキとさせるため、特に大切にしたい食物は魚と野菜です。時々大量にではなく、毎日適量に食べることが大切です。そのために、例えば一日の食事にご飯と味噌汁のほか、魚一品、野菜二鉢、果物一個を基本に考え、さらに肉類、豆類、イモ類、乳製品などの食材を適度に加えてとらせることを心がけるとよいでしょう。

 近年話題にされることが多いので、よくご存知のことと思いますが、食事が偏ると、すぐキレやすい子どもになったり、拒食症や過食症に苛まれる子どもになったりしがちです。また、朝食を抜くと、頭の働きに欠かせないブドウ糖が午前中に枯渇してしまい、授業を受けても身にならない事態を招いてしまいます。これについてはすでにお伝えしたことがありますが、脳の栄養源となるブドウ糖は、1回の食事で12時間分しか賄えません。夕食を夜7時に摂ったとすると、その食事を通してつくられるブドウ糖は、登校時にはすでに枯渇気味になってしまいます。毎朝規則正しく朝食を食べることの大切さが、上記のことでもわかりますね。

 ところで、「夜に寝ているとき、ブドウ糖は消費されないのではないか」と思われたかたがおありでしょうか。脳は眠っているときにも活動しているので、ブドウ糖を同じように消費しています。ですから、昼夜関係なく脳は栄養を必要としているのです。「朝食抜きでも、うちの子は困っていない」とおっしゃるかたはありませんか? それは、他の臓器の備蓄分を転用することでしのいでいるため、見かけ上問題がないように見えるだけで、脳が健全に働いているわけではありません。ブドウ糖の欠乏状況にあるのは間違いありませんし、他の臓器にも負担を及ぼしますから、健康上も好ましくありません。

 最後に。近年は、家族そろって楽しい会話を交わしながらゆっくり食事をすることが少なくなりつつあると言われます。そのことは、子どもの成長にとって様々なマイナス効果をもたらしています。同じ家族なのに、個々がバラバラに食事を摂ると、食事は食べ物を口に放りこむだけの作業と化してしまいます。子どもにとって、家族一緒の食事は、コミュニケーションの方法を学ぶ場でもありますし、家族の絆を深めたり、親の愛情を感じ取ったりする重要な場でもあります。一人で食事を摂る傾向が強い子どもは、家の外でも一人で食べることを志向するようになると言われます。このことは、子どもの健全な成長にとっても好ましいことではありません。

 今回は、子どもの健全な成長や脳の活動にとって好ましい食事のありかたを話題に取り上げてみました。多少なりとも参考にしていただければ嬉しいです。

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カテゴリー: アドバイス, 子育てについて, 家庭での教育

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親として悔いの残らぬ応援を!

2018 年 10 月 17 日

 先日、あるところで弊社6年部会員のおかあさんに偶然お会いしたのですが、筆者のほうをまっすぐ見るなり、開口一番に「入試まであと3か月になってしまいました」とおっしゃいました。そう、いよいよ中学入試本番があと3か月後に迫ってきたのです。

 無論、入試の日程については筆者も承知していたものの、この言葉とそのときの表情から、親として身の引き締まるような思いをされているご様子がひしひしと伝わり、改めて入試本番が近いことを思い知らされたしだいです。受験生家庭には、それぞれに志望校への進学という夢があります。このおかあさんのご家庭のみならず、一人でも多くの受験生家庭の夢が叶うことを、心から念じずにはいられませんでした。

 さて、弊社の入試に向けた学習スケジュールは、仕上げ学習の段階へと向かっています。10月14日(日)には3回目の模擬試験が実施され、もうすぐその結果も手にされると思います。残る模擬試験は、11月11日(日)と12月2日(日)の2回のみとなりました。ここまでの模試の成績を点検しつつ、仕上がりに至っていない教科・単元の学習や、苦手の補強学習を無駄なくやっていかねばなりません。残る時間は限られていますから、いかにして効率よく学力を仕上げるかが問われます。なかなかエンジンのかからなかったお子さんもおありでしょうが、親から見て多少のんびりであっても、今までやってきたことにはそれなりの成果があるものです。したがって、「入試の結果は、これからのがんばりしだいなのだ」と心を決め、お子さんを精いっぱい応援してあげていただきたいですね。保護者の方々におかれては、「今からできる自分のベストを尽くそう!」と、ポジティブな観点に立った声かけをお願いいたします。

 お子さんはまだ小学生ですから、いくら受験生としての自覚が高まってきたとはいえ、今から入試までの日数や時間を踏まえて、「何をいつまでにどのようにやっていくか」を、綿密に手抜かりなく計算するのは難しいものです。したがって、大人の助言が必要な場合も多々あるでしょう。弊社の担当者から指示は出ているとは思いますが、保護者におかれても、やるべきことがちゃんと定まっているか、その進捗状況はどうなっているか、などを確かめながら、仕上げ学習が少しでも効率よく行われるようバックアップしてあげてください。。

 ところで、保護者の方々におかれては、お子さんの受験生活においてこれまで多くの心配をされてきたと思います。これから入試本番を迎えるまでの3か月は、さらに心配事が増え、精神的な負荷も増してくることが予想されます。しかし、ここが踏ん張りどころです。お子さんの人生で初めての大きなチャレンジが実りあるものとなるよう、入試が終わるまでを親としても子育ての仕上げのつもりで臨んでいただきたいと存じます。受験の結果はよいに越したことはありませんが、「精いっぱいわが子を応援してやれた」と、振り返られるような3か月間にすれば、お子さんにとってもベストを尽くした受験生活の実現につながります。 

 そこで今回は、入試に至るまでのラスト3か月間において、どのようなスタンスでわが子に接するべきか、ということを共に確認してみようと思います。子どもが目標に向かって最後まであきらめることなく努力する――それを可能にする親のありかたは、次の表の4つのうちどれでしょうか?(この表は、アメリカの心理学者の文献から引用しました)

 一見して、「望ましいのは“賢明”もしくは“寛容”という言葉の含まれたタイプだろう」と、どなたも判断されたことと思います。まさにその通り。

 では、どちらがより望ましいのでしょうか。アメリカの心理学者は、「『温かくも厳しく子どもの自主性を尊重する親』をもつ子どもたちは、他の子どもたちよりも学校の成績がよく、自主性が強く、不安症やうつ病になる確率や、非行に走る確率が低い」という調査結果を報告しておられます。そしてこのことは、もはや専門家の間で定説となっているそうです。

 無論、「賢明な育て方」のタイプがよいとしても、これまでの接しかたと大きく食い違っていてはお子さんが混乱することでしょう。筆者としては、「心からわが子を応援しているのだ」という気持ちを基本において、心配や批判の気持ちをわが子にぶつけないこと」といったような受けとめかたをしていただければよいと思います。今まで、つい親の不安や愚痴を口や表情に出していたかたは、それを控えていただくよう、切にお願いしたいですね。また、わが子が泣き言を言ったり、「もうだめに決まっている」と投げやりなことを言ったりしたときには、怒りや興奮に任せて叱り飛ばすのではなく、最後までベストを尽くすことが親の願いであると冷静に伝えてあげてください。つまり、弱音を吐かず、最後まで可能性を追求する姿勢で入試に臨むようわが子を励ませる親であってほしいと思います。

 泣いても笑ってもあと3ヶ月。みなさんのご家庭の受験に向けた挑戦が、大団円のうちに終了しますように!

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子どもに関心を寄せ、ほめることを忘れないで

2018 年 10 月 9 日

 このところ様々な仕事や用事に追われ、ブログを書く充分な時間がありません。そこで、今回は今までに書いた文章のなかから、まだこのブログでご紹介していないものを探してみました。しかしながら、過去の記事が700回分ほどもあり、掲載済みの可能性もあります。読んだご記憶のあるかたもおられるかもしれません(少し手を入れています)。予めご了承ください。

 子どもをほめることの重要性と効能については、すでに何度もお伝えしました。また、教育書や子育て本の類では、一様にほめることが奨励されていると思います。ところが、その割にほめるという行為を上手に活かしておられるかたが少ないようです。小学生までの子どもは、おかあさんにほめられてこそ学びの活力を得ることができます。そのことをまずは思い起こしていただき、ほめて伸ばす自分なりの親像をもう一度追求していただきたいですね。

 これからご紹介する話は、外国の心理学者が実施した実験とその結果です。対象は、小4と小6の子どもでした。実験は5日間にわたりました。まず、1日目に算数のテストをし、結果から成績、年齢、男女比を均等にして、称賛・叱責・放任・統制の4グループに分けました。

 称賛グループは、ほめて子どもの反応をみるグループです。このグループでは、2~5日目のテスト前に、教室で実験者が一人ずつ名前を呼び、その都度「前回のテスト結果はよかったよ」と告げて全員の前でほめ、次もがんばるよう激励しました。

 叱責グループは、叱ってその反応を確かめるグループです。このグループでは、実験者が称賛グループと同じように一人ずつ名前を呼び、全員の前で「前回のテストの結果がよくなかった。ミスが多かった」と告げ、厳しく叱りました。

 放任グループは、称賛グループや叱責グループと同じ教室にいるものの、二つのグループへの実験者の対応を見ているだけで、何も言葉かけをされなかったグループです。

 最後の統制グループは、先の3グループとは別の教室に入れられ、何の情報も与えられずにただテストを受けただけのグループです。実験をする際、何もしなかった場合のデータを取り、実験で得られたデータと比較照合するために用意されたグループです。放任グループと違うのは、同じ教室に入れられず、他の子どもがほめられたり、叱られたりする様子を全く見ていなかった点です。

 さて、4つのグループの結果はどうなったでしょうか。

 まず、称賛グループから実験の結果を見てみましょう。テスト成績は、回を追って右肩上がりに向上しています。そして、最終回の成績は、他のグループを圧倒するほどに向上しています。

 叱責グループはどうでしょう。2回目は成績が上がり、称賛グループと同じよい結果を得ました。ところが、3回目以後は段々下がっていき、最終回は称賛グループに大差をつけられてしまいました。叱られることは、1回に限ってはショック療法的な効果があり、子どものがんばりを引き出すようです。しかしながら、ご存知と思いますが、大概の人間は何度も叱られているとうんざりするし、叱責の言葉を聞き流してしまうようになりがちです。つまり叱るという行為は一過性の効果しかもたらさず、継続的な努力へと結びつけることはできないようです。

 3つめの放任グループは、2回目こそ少し成績を上げたものの、後は右下がりに終わってしまいました。推移の様子は叱責グループに似ていますが、常に叱責グループよりも成績は下回っています。これは何を意味するのでしょう。他の子どもがほめられたり叱られたりしている様子を見て、「自分もがんばらねば」と多少の刺激は受けたのでしょう。しかし、自分に関心をもってくれる人がいないことは、やる気にダメージを与えるのでしょうか。学習は沈滞化し失速してしまいました。

 最後の統制グループですが、このグループが2回目以降のテストで常にいちばん成績が振るいませんでした。これはいったいどういうことなのでしょう。実は、統制グループの課された条件が、子どもにとって一番辛かったのです。何も励みや指標となる情報がなく、しかも大人からほめられることも叱られることもない。関心の対象から除外される状態が、いかに人間にとって辛いことかを、この実験結果は物語っているのではないでしょうか。

 この実験は心理学に造詣のある人にとってはお馴染みで、長く伝えられているもののようです。そして、「ほめることの大切さ」についての根拠として様々な形で活かされています。

 これをお読みくださっているみなさんにとっても、上記の実験結果から得られる教訓は日々の家庭教育に活かせるのではないでしょうか。実験の結果をまとめると次のようになるでしょう。

・子どもは大人にほめられることで奮起する
・大人から継続的に関心や期待を寄せられると、子どもは学習に大きな励みを得てがんばれる
・子どもの素直な反省につながらない叱責は、その場限りの効果しかもたらさない
・自分に関心や期待が寄せられないことは、子どもの学習への取り組みに大きなダメージを与える

 親は「がんばったら(成績が上がったら)」ほめてやる」といった接しかたをしがちです。ほめるだけの根拠がなければほめられない。そう考えがちです。しかしながら、著名な教育学者は「親が子どもをほめるのはがんばりの対価などであってはならない。がんばったらほめるのではなく、がんばらせるためにほめるのだ」と言っておられます。ほめるかどうかを、勉強に限定する必要はないのではないでしょうか。子どもの前向きさや努力のあとを感じることがあったなら、何であれほめてやりましょう。すると、子どもは自分に関心が寄せられていること、自分ががんばることを親が期待し、がんばれば喜んでくれるのだということを実感し、心に張りを得ることができます。

 保護者の方々におかれては、どうか些細なことでもわが子の努力を見逃さないであげてください。ほめれば子どもの心は活気づきます。きっと子どもたちの学習にもプラスの影響をもたらすことでしょう。

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