子どものやる気を高めるほめかたをしていますか?

9月 20th, 2024

 今回は効果あるほめかた、逆効果を招く恐れのあるほめかたについて考えてみましょう。「ほめてマイナス効果を招くことがあるの?」と驚かれたでしょうか。小学校の中学年以上になると、親から自分に向けられた言葉の真意を探るようになります。したがって、不用意なほめかたをすると子どもから不快感を示されたり文句を言われたりする事態も生じます。

 アメリカの心理学者アンジェラ・ダックワースは、「大人になって成功や失敗をしたとき、その原因を自分の才能に結びつけるか、それとも努力に結びつけるかは、子どものころの‟ほめられかた”で決まる率が高い」ということを述べています(どちらが望ましいでしょうか)。このことは、子ども時代にわが子をどうほめるかが、子どもの人生に少なからぬ影響を及ぼすことを教えてくれるでしょう。なお、ほめることに関する記事は過去何回も書いていますので、若干内容的に重複してしまいます。ご了承ください。

 ところで、みなさんはどのくらいの頻度でお子さんをほめていますか? この質問を保護者の集まりでしたところ、「かなりほめています」とおっしゃるかたが大勢いて安心しました。ほめることの重要性についてはどなたもよくご存じなのですね。このとき、「1日あたり、何回ほめていますか?」と聞くべきだったことが後で判明しました。後日お子さんにアンケートをとってみると、「ときどきほめてくれるけど、もっとほめてほしい!」という言葉が多く返ってきたからです。おかあさんがわが子をほめる回数は、平均して週2~3回のようでした。しかし、子どもは毎日何回もほめてもらいたいのです。

 おかあさんがたは、「週2~3回もほめれば十分じゃないの」と思われるかもしれません。しかし、児童期の子どもにとっては、親にほめられることがなによりも励みになります。やる気の源は‟親にほめられること“なのです。このことからもわかるように、親が子どもをほめるということは、しつけの一環としてもっと自覚的に実行すべき行動の一つなのですね。外国のある知識人は、「子どもが本来もっている価値に気づかせ、その資質を最大限に発揮させるのがほめ言葉だ」と語っています。子どもはほめられると心が落ち着き、自分に対して自信をもつことができます。児童期は人間としての特性が定まっていく時期です。このような時期に、親から適切にほめられる経験をしたなら、人間として健全な成長を遂げることができるのではないでしょうか。自他肯定型の健全な精神を養えるでしょう。

 以下は、だいぶ前に実施した会員児童対象のアンケートの結果です。「どういうほめかたをされるとやる気が高まるか」と、「やる気がしぼむほめられかたはどんなのか」という質問に対する回答をまとめたものです。対象は4年生と5年生の児童です。この資料は、以前もご紹介したことがあると思います(多少まとめ直しています)。

 お気づきになったかもしれませんが、左側の子どもが歓迎するほめかたの5~9は、ほめ言葉をかけられたわけではありません。しかし、そこに親に求められる対応の本質が垣間見えるように思います。「ほめるという行為は、子どもをがんばらせるためにあるのだ」と語った文化人がいましたが、その意味において5~9の対応はほめ言葉こそ発していなくても、ほめるのと同じ効果を引き出していることがわかりますね。だいいち、子どもがうれしいほめられかたをされたと感じる例としてあげているわけですから、ほめたのと同じことでしょう。

 上記の回答例に、少し補足説明をしておきましょう。子どもが歓迎しやる気を高めるほめかたには、ある種の共通点が見出せます。それは、子どもが何かをしてよい結果を得たかどうかよりも、一生懸命にやったこと、努力したことを取り上げ、そこを親として喜んでくれることを子どもは歓迎しています。やるべきことを自分から率先してやったことを、親が見ていてほめてくれると喜びます。また、自分への愛情が素直に感じられるような対応をされたときにやる気が高まることがわかります。9などはその最たるものでしょう。テストで好結果を得たいのはどの子も同じです。残念な結果に終わったときには気分がしぼんでいるに違いありません。そんなとき、叱られるどころか、明るく励ましてもらったなら、子どもはどんなに勇気づけられるでしょう。テスト結果が悪いとき、つい親としては苦言を呈したくなるものですが、こういうときこそ子どもを奮い立たせるサポートをお願いしたいですね。

 逆効果を招くほめられかたをリストアップしてみると、「小学校の4~5年生ともなると安易なほめかたはできない」ということがわかります。形だけのほめ言葉、裏の意図が感じられるようなほめかた、皮肉が感じられるようなほめ言葉は、親の心の内を見透かされてしまいます。5の「やればできるじゃない!」というほめかたは、なぜ歓迎されないのでしょうか。このほめ言葉は、頻繁に保護者が使っておられます。しかし、子どもによっては嫌がるケースがあります。これは、子どもが「親は、自分に能力がないと思っているんだ」ということを察してしまうからです。精神的に成長を遂げているからこその受け止めかたです。この言葉自体は問題ありませんが、「がんばったことが報われたね」という言葉を添えてあげてほしいですね。

 いかがでしょう。親が子どもに寄せる愛情に変わりはありません。ただし、児童期の後半ぐらいになると、その伝えかたにも注意が必要です。また、何を取り上げてほめるかで、子どもの心に響くものが違ってきます。「もはや一人前の人間になりつつあるのだ」という前提に立ち、言葉や対応に工夫をして受験勉強に励むお子さんの背中を押してあげてください。 

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入試に向けたわが子の自覚と奮起をどう促すか

8月 24th, 2024

 夏休みも残り僅かになりました。今夏はいつに増して暑さが厳しく、夏の講座への行き来だけで体力の消耗を感じたお子さんもおられることでしょう。睡眠不足に陥ったり、冷たい物を採り過ぎて胃腸が疲弊したりし、夏バテ気味になっているお子さんもおられるかもしれませんね。小学生のお子さんの体調管理には保護者の配慮やサポートが欠かせません。十分に目配りをしてあげてください。

 さて、本ブログは知育や中学受験に関わるテーマをとりあげていますが、これまで900回以上の記事のうちの95%以上を筆者が書いてきました。その筆者も年齢ゆえ、数年前からオブザーバー的な立場で家庭学習研究社の活動に関わっています。したがって、ブログの記事を書く時間がなかなか確保できなくなってしまいました。しかも、本ブログは文字数が多いため、代わりに書いてくれる人物がなかなか現れません。いったん筆が滞ってしまうと、よけいに書き辛くなってしまいます。

 とりあえず、「今回は何を書こうか」と思ったのですが、中学入試が約半年後に迫ってきたことを踏まえ、受験生の保護者に向けた応援のつもりで今お伝えしたいことを書いてみようと思います。今、「入試まで半年」と言いましたが、こういう状況を自覚し、残された時間で何をすべきか、何ができるかを考えることを保護者はお子さんに期待しておられると思います。しかし、それができないのが大半の受験生の現実です。すでにイライラし、叱咤激励の声を飛ばしたり、注意を促すつもりが心ならずも怒鳴ってしまったりしているかたもおられるかもしれませんね。どうでしょう。効果はありましたか? おそらく、注意、叱責、命令などによるアプローチは、ほとんど効果がなかったのではないでしょうか。小学校の高学年に達した子どもは、「ここでがんばらなきゃ合格はおぼつかない」ということをわかっています。ところが行動に移せない。これはどういうことでしょう。

 やるべきことが厳然とある。それなのに、なかなか重い腰が上がらない。それどころか、目先のくだらない遊びや無意味なことに時間を費やしてしまう。それは子どものことではありません。大半の人間の抱える悩ましい問題です。みなさんも身に覚えがありませんか? お子さんも人間の悪しき性癖(人間怠け者説)を成長とともに裏づける行為に及ぶようになります。受験を控えた小学6年生の子どもは、もはやまったくの子どもではありません。やるべきことを抱えた大人と同じ心境にあります。以下は、作家の阿刀田高氏の著書で見つけた記述の引用です。ちょっと読んでみてください。

「イギリスの随筆家ロバート・リンドが<怠け者の怠けた考え>の中で『この世でなにが楽しいと言って、やらなければいけない仕事が山ほどあるのにそれをぐずぐず伸ばして、もう少し暖炉にあたっていよう、音楽を聴いていよう、と思う瞬間ほど楽しいものはない』と書いているが、たしかに仕事を一寸伸ばし五分伸ばしにして遊んでいるときには、なにか屈折した充実感がある」

 目の前にある重要な仕事を先延ばしにし、「もうそろそろやらなきゃ」というまっとうな自覚があるにも拘らず目先の快楽に身を任せる。そのときの、言葉で言い表せないスリルに満ちた楽しさというのは、国の内外を問わず、一定年齢に達した人間が引きずり込まれてしまう悪魔の誘惑のようなものなのでしょう。まだ子どもではありますが、人間として成長しつつあるからこそ、このような葛藤が克服すべき大きな問題として立ちはだかるようになるのですね。それを踏まえると、わが子をただ叱るだけではだめだということに気づかれると思います。「どう対処すれば、子どもの自覚的行動を引き出せるでしょうか? なお、親や他の大人が押さえつけて無理やりやらせ、志望校の一つに合格できることもあるにはあります。しかし、大人が助力できなくなる時期はもはや目前に来ています。中学高校生になると、自分自身で勉強をコントロールできない生徒はカリキュラムの進行について行けません。その意味において、中学受験は独り立ちに向けた準備とともにあるべきものだと心得ましょう。

 では、いったいどうすれば子どもはやるべきことを自分でやろうとするようになるのでしょうか。正直申し上げると、このような姿勢は毎日の家庭生活で培われるところが大きいと思います。特に重要なのが、保護者、とりわけおかあさんの関わりです。今回は、おかあさんがたがこれまでを振り返り、問題点がわかったら意識を転換し、子どもが自分のやるべきことを自分から実行に移せる人間になるためにどう接すべきかを考える契機にしていただけたら幸いです。

 筆者がこれまで関わってきたなかで、やるべきことを自らやり遂げようとする姿勢を備えていたお子さんのおかあさんは、子どもへの対応においてある種共通した特徴をもっておられます。子育ては人それぞれに微妙に違うものであり、親にも子どもにもそれぞれ特有の性格がありますから、あくまで大まかな傾向と受けとめていただくようお願いいたします。

 とかく親は先回りをして考え、「~しなさい」と伝えがちですが、どうするかを子ども自身に考えさせ、「これは自分で決めたことだ」と思わせないと、実行力は発揮できません。結局は親の思っていた通りの行動を選択したとしても、子どもの自主性を尊重した結果と比べると、子どもの内面にある気持ちは全然違います。①のように、考えるべきテーマを親が切り出したとしても、どうするかは子どもに決めさせるようにしたほうが、子どもの実行力は高まるものです。そして、少しでも自発的に取り組む姿勢が見られたら、結果に関わらず喜んでやりたいものです。「おかあさんは普段は優しいし、自分の考えを尊重してくれる。でも、やるべきことをやらなかった(約束を破った)ら、怖い」――そんなおかあさんをイメージしてください。こんな対応を一貫させるおかあさんは子どもに信頼されるし、子どもの自発的努力を引き出す傾向が強いと言えるでしょう。

 ②のようなおかあさんには、「少し冷たい」という印象をもたれるかもしれません。ただし、何事につけても「自分のことは自分で責任をもつのがあたりまえだ」という姿勢でわが子に対処しているおかあさんの子どもは、甘えが少なく、何事も自分でやろうという姿勢を身につけていきます。怠けがちに見えても、ぎりぎりのところで踏ん張り、なんとか目の前の課題を解決するものです。家庭でのコミュニケーションがしっかり取れており、親が何を自分に求めているのかを子どもがきちんと理解していれば、こういうタイプのおかあさんの子どもは何をするにつけても自立していますから、前途有望です。

 親にもいろいろなタイプがあります。上記の2例はあくまで参考にしかならないと思います。しかし、子どもの自発的行動を引き出すにはどういう接しかたが望ましいかについて、多少は参考になる点もあろうかと思います。6年生の夏の終わりごろともなると、子どもだって入試についていろいろと考えています。ですから、親から先にいろいろ言ってしまうと子どもは反発します。それでいて、子どもはまだ、親に促されなければ行動に移せない年齢段階にあります。親は子どもの自覚を尊重しつつ、わが子の自発的行動を引き出すための働きかけを試みるべきでしょう。今こそ、子どもが一皮むけて大人の域へと近づく重要な時期です。悔いの残らぬサポートをお願いしたいですね。

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8/4イベント「私学がきみを呼んでいる!」のご紹介

7月 23rd, 2024

 弊社では、8月3日(土)と4日(日)に県民文化センターにて大がかりで多彩なプログラムをラインナップしたイベントを開催いたします。詳しくは、本ホームページの案内でご確認いただき、興味を惹かれるプログラムを見つけたらぜひお申し込みのうえ参加ください。

 2日間に及ぶ催しのうち、中心となるのは3日の午前中に多目的ホールで実施する共学一貫校の紹介イベントと、4日の午前中に同じ会場で実施する私立一貫校の紹介イベントです。筆者はこのうち、私立一貫校の紹介イベントの企画・プロデュースを担当しました。この催しの「私学がきみを呼んでいる!」(副題:~広島の私学の魅力を徹底研究~)という呼称は、かつて毎年6月に実施していた主要私学の紹介イベントから受け継いだものです。その催しは、コロナ感染問題で数年間の中断を余儀なくされていましたが、久々に復活させたのが本イベントです。対象者は、小学3~6年生の児童と保護者で、弊社会員以外のご家庭もお申し込みになれば参加いただけます。弊社HPの実施要項と案内をご確認のうえ、都合が合えばぜひお越しください。

 今回は催しの大まかな内容についてご紹介しようと思います。タイトルから想像がつくと思いますが、この催しは私学の魅力を受験生家庭にご紹介することを意図しています。以前は、男子私学3校と共学のなぎさ、女子私学3校と共学のなぎさの組み合わせで、男子編と女子編に分けて実施していましたが、催し復活までの期間にスタッフの異動などもあり、以前と同じような規模や趣向での開催は難しい状況になりました。そこでとりあえず今回は、私立男子一貫校の広島学院と修道、私立女子一貫校のノートルダム清心と広島女学院の4校をまとめてご紹介する催しに衣替えしました。これら4校は、広島では中学受験をしない児童にもよく知られており、全国的にも名前の通った私立の中高一貫校です。伝統や実績も十分で、「広島のザ・私学」といっても過言ではありません。

 

では、イベントの概要をご紹介しましょう。全体を2部構成としています。

 

第1部:私学の教育環境と子どもの成長 10:00~10:30

 第1部は、メイン話者に修道中学校・高等学校の田原俊典先生をお招きしました。田原校長に、弊社からの様々な問いかけをし、それにお答えいただきます。私立一貫校という教育環境が子どもたちの成長にどんな影響をもたらすかについて、共に考えていただければ幸いです。ただし、来場者のおよそ半数は小学生の子どもたちです。子どもでも分かる内容、子どもの関心事を織り交ぜています。修道の田原校長は広島の私学の顔と言えるほど知名度の高い教育者です。その田原校長のお話を通して、私立一貫校に6年間通うことの価値について新たな気づきがあったならうれしいです。

 近年は、全国各地に公立の共学一貫校が設立されています。また、既存の男子私学や女子私学が共学化される例も少なくありません。そんななか、本催しでご紹介する4校はすべて男女別学の教育形態をとっています。また全国に名をとどろかせている有名私立一貫校も、大多数が今に至るまで男女別学を維持しています。昨今は、ジェンダー平等という視点から「学校はすべて共学が望ましい」という声も高まっていますが、男女別学には相応のよさがあります。一定年齢期に男子と女子を分けて教育することにどんな意義があるのか、知りたいかたも少なくないことでしょう。ちなみに、男子受験生の大半は、男子校志向であるのをご存知でしょうか。その理由も、本催しでお分かりいただけるでしょう。

 

 以下は、第1部で取り上げる話題をいくつかピックアップしたものです。

・私立学校とは、そもそもどういう学校のことでしょうか?国立や公立の学校と比べて、どのような点に違いがあるのでしょうか。

・中学生の段階から遠くの私学に通う子どもがいるが、負担にならないのでしょうか?

・第2部で紹介する4つの私学はすべて男女別学ですが、そのよさはどういうところにあるのでしょうか?

・私学を卒業後、「私学出身者でよかった」と思えるようなことはありますか?

・勉強以外で、今のうちに大事にして(身につけて)おくべきことはありますか?

 他にも、保護者や子どもたちが知りたかった情報を耳にできると思います。お楽しみに!

 

 

第2部:広島の私学の魅力って!? 10:30~12:10

 第2部は、今回参加いただいた私学から先生と中3の生徒さんを1名ずつステージにお招きし、自校の学校生活に関する様々な情報を提供していただく趣向となっています。3~4年生児童も会場におられるので、年齢の近い中学生の生徒さんからの情報発信を主に取りあげました。以下、大ざっぱな内容をご紹介しましょう。

1.私学の先生と生徒さんの自己紹介・制服紹介

 まずは参加各校の先生と生徒さんに自己紹介をしてもらいます。自校の制服も簡単に紹介してもらいます(冬服はスライドで紹介)。これから受験する子どもたちから見ると大人っぽく見える中3生ですが、わずか2年数カ月前に中学受験を体験したばかり。そんな生徒さんの立派な立ち居振る舞いを見て、「わが子も、こんなふうに成長してくれたら」という思いを強くされることでしょう。

2.私の、ぼくの1日を紹介します!

 私立の一貫校の生徒さんは、それぞれの学校でどんな生活を送っているのでしょうか。小学生の子どもたちはまだ人生経験に乏しいため、私学での生活の様子をイメージするのは難しいかもしれません。そこで、各私学の生徒さん一人ひとりに、朝の起床、通学道中、学校での授業、昼休み、部活の様子などについてわかりやすく説明してもらいます。

3.私学の生徒さんに質問!

 私学4校の生徒さんに5つのクイズ的な質問をします。生徒さんにはア~ウの三択で答えてもらいます。たとえば、1日の家庭での勉強時間、大好きな学校行事、中学受験をやめたくなったことはあるか、などです。生徒さん、先生からコメントをいただく予定ですが、これから受験を経験する子どもたちにとって参考になる話、元気の出る話が聞けるかもしれません。

4.私学で学力を伸ばしているのはどんな生徒?

 先生がたにお話しいただくコーナーです。私学での生活に溶け込み、部活に勉強にと精力的に取り組み、大いなる成長を遂げている生徒さんに、何か共通する特徴のようなものはあるのでしょうか。それは、ひょっとしたら受験対策をしている時期の生活や勉強のありかたとリンクしているかもしれません。また、先生がたからいただくお話は、保護者の子育てにとってもヒントになるかもしれません。

5.家庭学に通っていたころの思い出は?

 中3の生徒さん一人ひとりに、受験生として家庭学に通っていたころの思い出を語ってもらいます。中学受験塾としての家庭学は、あまりハードな勉強を強いることがなく、中学進学後も、「みんなで励まし合い、競い合う受験生活が楽しかった!」と語ってくれる卒業生が多いと感じます。果たして実際はどうなのでしょうか。また、受験生時代に乗り越えた悩みがあったとしたら、どんなことなのでしょうか。先輩たちの思い出話が、これから受験をする後輩たちにとってよい励みになればいいですね。

 

 催しの最後には、4校の先生と生徒さんたちから、中学受験をめざしている子どもたちに激励のメッセージを送っていただきます。現在3~4年生の子どもたちにとって、受験はまだ遠い先のことで実感が湧かないかもしれません。しかし、5年生の子どもたちは1年半後に受験が控えています。まして6年生の子どもたちは半年後に受験本番が訪れます。この催しへの参加で、受験に向けたモチベーションを一気に上げていただきたいですね。保護者におかれては毎日忙しい生活を送っておられると思いますが、親子でぜひこの催しに参加いただきますようご案内申し上げます。きっとお子さんの受験準備に向けたギアがあがることでしょう。

 6年生は半年後、5年生は1年半後に入試がやってきます。本催しへの参加でよい刺激をたっぷりと浴び、受験に向かう態勢を整えましょう! 受験生家庭の参加をお待ちしています!

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中学受験へのいざない(5.26チラシの続き)

5月 25th, 2024

 お子さんをおもちの保護者のなかには、中学受験に興味をもっていたものの、具体的な行動に移すまでに至らないまま時機を逸しているご家庭が相当数あると聞いています。実際のところ、中学受験の準備にあたっては最低でも1年以上の期間を必要とします。迷っているうちに、いつの間にかお子さんが6年生になり、受験準備が間に合わなくなるケースが多いのではないでしょうか。

 そこで弊社では、中学受験に興味をおもちのかたのための入門編的な催しを企画し、5月26日にその内容をお知らせするチラシを折り込むことにいたしました。「中学受験へのいざない」というタイトルを掲げています。以下の文章はこれらの催しの趣旨について少し詳しく書いたものです。中学受験は、単に中高一貫校への入学に向けた橋渡しをするだけではありません。育ち盛りの児童が中学入試という目標に向かって努力を重ねる。その経験が先々の人生において大いに役立ってくれます。このことを保護者にお伝えするために書いたものです。よろしければご一読ください。

 なお、今回のチラシは広島市を中心に折り込んでいますが、全ての地域はカバーしていません。また、中国新聞と朝日新聞のみとなっています。チラシの折り込み地域以外にお住いで興味をおもちになったかたは、お問い合わせ等の際にチラシ請求の旨も併せてお伝えください。折り返し、案内書等と一緒にお送りします。

 

 わが子の可能性を広げ、大いなる成長を引き出してやりたい。――これは、多くの親の願いです。子どもがスポーツや習い事をしているのも、このような親心の表れでしょう。私たち家庭学習研究社は、子どもの将来の歩みに思いを馳せる保護者の方々に、中学受験への挑戦をお勧めしています。

 なぜ中学受験なのかというと、「子どもの潜在的な能力を顕在化する」というすばらしい副産物が得られるからです。これは志望校合格を超える収穫であり、小学生だからこそ可能なことです。受験勉強には多くの時間やエネルギー投下が求められますが、それが成長途上にある子どものポテンシャルを刺激し、能力開花に向けた流れを引き出してくれるのです。

 ただし、重要なのは「どんな勉強が望ましいか」という視点です。子どもはみな「知りたい」という強い欲求をもっています。この欲求を満足させるよう指導すれば、子どもの勉強はいやおうなく活性化していきます。それに並行して、学習の習慣や方法を浸透させていけば、将来の大成に向けた確固たる土台を築くことができます。しかしながら、いざ受験するとなると「何としても合格させてやりたい」という思いが募るのが親心というもの。ですが、それが高じると子どもに圧力をかけてやらせる勉強に陥る恐れが多分にあります。これでは能力開花の芽を摘み取ってしまいかねません。

 子どもの成長という視点から、もう一つの重要な要素も外せません。それは、「〇〇中学校に行きたい!」というあこがれの気持ちを育むことです。ご家庭と私たち学習塾との連携で、中学校というつぎのステージの存在に着目させ、夢をもたせてやりましょう。これが功を奏すると、子どものモチベーションは上がり、追い込み期の素晴らしい取り組みを引き出すことができます。受験勉強の進展と歩調を合わせ、中高一貫校という教育環境に興味をもたせたり、どんな学校があるのかを一緒に調べたりすることも忘れないようにしたいものですね。

 私たち家庭学習研究社は、以上のような考えに基づく受験環境を提供し、子どもの将来の大成を見通した民間教育事業を展開しています。夏休みは、受験学習の開始に最も適した時期です。別途にご案内している「中学受験入門編イベント」に参加してみませんか? それが契機となり、お子さんに宿っている潜在的な能力を顕在化する確かな流れが生まれるかもしれません。

 

 いかがでしょうか。お子さんの周囲に中学受験の経験者がおられれば別ですが、そういう環境にないために、中学受験を知ることなく時機を逸してしまうこともあるようです。ぜひ、このイベントに参加してみてください。

 長年中学受験に関わっていると、子どもの将来の展望を描くうえで小学生という時期がいかに大切かを実感することがたびたびあります。というのも、この年齢期に人間としての枠組みが形成されるからです。何かに夢中になって取り組む経験が、その子どもの学力面での大きな変化を引き出すだけでなく、人間形成にも驚くほどの影響を及ぼします。中学受験への挑戦のプロセスをうまく生かせば、なにごとにも粘り強く取り組んだり、先を見通しながら今やるべきことを考えたり、目の前にある課題の優先順位を適切に判断する姿勢が養われます。これが人生の歩みに大きな変化をもたらすのは想像に難くありません。

 少し例を挙げてみましょう。筆者は弊社で長年広報の責任者を務めてきましたが、知り合いの家庭に中学受験のことをお伝えしたのがきっかけで、そこの息子さんに6年生になってから受験勉強をさせてみようということになりました。それが大きな変化をもたらしました。最高峰の私立一貫校に合格されたのです。そこから見違えるような成長を遂げ、トップランクの国立大学医学部に進学。そして今では大きな病院で腕利きの外科医になっておられます。よくあるのは、友達の影響で中学受験に興味をもち、親の理解を得て弊社に通学するようになったお子さんが、思いもしない成長を遂げる話です。友達に誘われて5年生の夏休みから弊社の教室に通い始め、楽しく学習に取り組んでいるうちに頭角を現すようになり、ついには受験校のすべてに合格したお子さんもいます。

 無論、受験勉強は楽ではありません。しかしながら、いったんその面白さを知り、自分を高めることの醍醐味を味わうと、子どもというものは見違えるほど変わっていきます。上述のような偶然が才能開花の引き金になった例は枚挙にいとまがありません。わが子に宿る可能性を引き出すチャンスを与えてやりませんか?

 もしも興味をもたれたなら、まずは行動してみましょう。中学受験というものを知り、国立・公立・私立の様々な中高一貫校が広島にあることを知っていただきたいですね。そして、お子さんと話し合ってみてください。そこから思いもかけない学業成就の道が開けてくるかもしれません。

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4年部前半こそ、保護者の熱量が重要な時期です

3月 30th, 2024

 弊社では、中学受験準備に向けた学習指導を4年部からスタートします。ただし、4年生になったばかりの子どもに、受験生としての自覚の伴った学習を期待することはできません。まずは学習塾に通うのを楽しみにし、笑顔で通学する毎日を実現していただきたいですね。

 大人が早くから入試合格を意識し、子どもを勉強に追い立ててもよい結果にはなりません。得られる成果は表面的なものに過ぎず、受け身の勉強が染みついてしまう恐れが多分にあります。当分は、わかったときの喜びを味わったり、みんなで学ぶ場の刺激的で楽しい雰囲気を楽しんだり、がんばったらがんばった分だけテストでよい成績がとれることを実感したり・・・そういう経験をしながら、徐々に勉強を自分で取り仕切っていく姿勢を養うことが肝要だと私たちは考えています。

 勉強を自分のこととして受け入れ、能動的に学ぶ姿勢を身につけた子どもは、受験勉強などでへこたれるものではありません。それどころか、受験を通じて人間的にも大きく成長していくものです。そうなってこその中学受験であり、国・私立の進学校への進学ではないでしょうか。

 ただし、お子さんが望ましいステップをたどりながら受験を乗り越えるには、保護者の助力や応援が不可欠です。そして、それを最も必要とするのが受験生活を始めてから軌道に乗せるまでの時期です。4年生の子どもにとって、親はまだ絶対的な存在です。親の評価や考えかたは、子どもの取り組みを決定的に変えてしまうほどの力をもちます。だからこそ、親は子どもの勉強に大いなる期待と関心を寄せ、親の望む取り組みがどのようなものかを知らせる必要があります。そして、子どもの努力とがんばりをしっかりと見届け、評価してやりましょう。きっとお子さんは、元気よく前向きに学ぶ姿勢を身につけていくことでしょう。

 子どもの勉強を継続的に見守るのは、仕事や家事に追われる親にとって決して楽なことではないと思います。しかし、はじめの助走は子どもが受験生活を通して得られる成果を大きく変えるほど重要です。同じことなら、わが子が受験生活を通じてたくさんの収穫を得られるよう応援してやりませんか? 親が子どもの中学受験に関わり、全力でエネルギーを注ぐべきときは受験直前ではありません。受験への助走を始めた今なのだとお考えいただきたいですね。受験までの3年間の学習の成果が、助走期の親の関わりしだいで大きく変わるのですから。

 

受験生活を軌道に乗せるまでの3段階

 “何事もはじめが肝心”と言いますが、受験勉強はまさにこの言葉が当てはまります。はじめをうまく乗り切れば、お子さんの学習は随分軌道に乗ってきますし、「がんばるから収穫が得られ、成績も伴ってくる。成績が上がるのが励みになり、一層がんばるようになる」といった、好循環の連鎖が生まれます。

 毎日の家庭学習にあたっては、「学習のすすめ方」という冊子に書き込み式の「学習計画表」を添付していますが、妥当な計画のもとでお子さんは無理なく充実した学習生活を送っておられるでしょうか。なかには、計画を立てずに勉強しておられるご家庭もあるかもしれません。4年生のときはそれでテスト結果もよいお子さんもおられますが、学習内容が難しくなってくると、そういう行き当たりばったりの勉強法では通用しなくなっていきます。勉強にリズムや連動性があるかどうかは、やがて成果に大きな違いをもたらすからです。今のうちにきちんとした計画を立て、それに基づいてテンポよく勉強に取り組む習慣を身につけていただくようお願いいたします。

 4年部生のご家庭におかれては、この夏休みまでの学習を3つの段階で捉え、受験生活を軌道に乗せるべくがんばっていただきたいですね。

①開講からの約2~3ヶ月間

 上表をご覧になるとおわかりいただけると思いますが、開講してからの2~3ヶ月は勉強の要領を身につけ、軌道に乗せるという重要な時期にあたります。この期間に、弊社の教室に通いながらの受験勉強(弊社のシステムに則った受験勉強)をお子さんが受け入れ、生活の一部としてとけ込むようなら先々が大変楽しみになってきます。まずは「計画に沿った学習生活」を安定軌道に載せましょう。

 なお、家庭学習の取りかかりは親子一緒でも構いません。そうして、お子さんが自分でやれる範囲を少しずつ増やしていけるようサポートしてあげてください。なお、お子さんが取り組んだテキストの問題の〇つけは、保護者にお願いしています。まだ、答えの妥当性を自分で判断するのは難しい年齢ですので、保護者の手助けが必要です。

 

②前期講座の後半(GW明け~夏休み前)

 4年部は基本的なことを中心に学びますが、それでも学校の勉強よりは難しい内容も扱いますから、簡単にはいかないときもあるでしょう。前期の後半は、それまでうまくいかなかった点について親子で話し合い、修正していく必要が生じるかも知れません。焦らずねばり強く励ましてあげてください。GW期間の休講は、気分転換と振り返りに役立ててください

 こうして、受験生活を軌道に乗せるべく親子共々がんばっていくわけですが、ほとんどのお子さんは意識のうえでも取り組みのうえでも、まだ本格的受験体制にはほど遠い状況にあります。親が焦って叱り続けたり、無理に取り組ませたりするのは禁物です。上述のように、取りかかりは親子一緒でも構いません。そうして、お子さんが自分でやれる範囲を少しずつ増やしていけるようサポートをお願いします。

 

③夏期講座は勉強を軌道に乗せる絶好機!

 そんなお子さんが、大きく変わる可能性を秘めているのが夏の講座です。「夏期講座」は連日の通学となります。勉強にリズムを与え、学力向上の営みに弾みをつける大きなチャンスとなるでしょう。計画に沿って規則正しく学ぶ毎日がたくさんの収穫を与えてくれます。うまくすれば、「やるべきことは、やらずにおれない」という理想的な取り組みが実現するかも知れません。おとうさんおかあさんにおかれては、この段階までをとりあえずは見通し、お子さんを辛抱強く見守り励ましてあげてください。

 筆者は若いころ、6年生の学習指導を主に担当しました(仕事人生の後半は、広報責任者、低学年部門責任者を務めました)が、指導担当者としての責任や重要性を感じたのは4年生を指導したときでした。まだ中学受験のことなどほとんど眼中になく、今やっている授業が興味深いかどうか、楽しいかどうかによって子どもたちの目つきや反応が全く変わる4年生は、指導をするものとしては手強く、おもしろい存在でした。やがて、そのときの子どもたちが中学受験でどんな結果を得たか、どのような大学に進学したかを知って随分驚き感激したものでした。授業に積極的に食いついていた子ども、筆者の(へたくそな)話を一生懸命聞いてくれていた子どもは、すばらしい学力のもち主になっていたのです。

 おとうさんおかあさんには、「4年部の学習を楽しくしっかりとやっていれば、必ず大きな‟伸びしろ”が備わるのだ」と信じていただき、自ら積極的に学ぶ姿勢がお子さんに備わるよう、熱心な見守りと応援をお願いするしだいです。

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