読みのスキルを向上させ、読書体力の不足問題の解消を!

2026 年 8 月 31 日

 8月27日に掲載したブログにおいて、読めても理解できない子ども、勉強が空回りする子どもが増えていることをお伝えし、その原因として考えられるのが読書体力の不足であることを確認しました。そこで今回は、読書体力の不足にどう対処したらよいかについて考えてみようと思います。

 読書体力とは、長文を集中して最後まで一気に読み通す力のことを意味します。それが脆弱なのは、読みの作業を支えるワーキングメモリが容量不足に陥るからだと思われます。ワーキングメモリは容量が極めて小さいため、負荷の少ないスムーズな読みができないと、途中で容量不足をきたし、読んでも理解できない、記憶に残らないという事態を招いてしまうのです。読書体力の不足は、勉強の成果にも少なからぬ影響を及ぼします。塾のテキストを読んでも、理解が不十分で学んだことが頭に残りません。そこで今回は、読みの効率性を高め、ワーキングメモリの働きを促進する方法を考えてみようと思います。

  • 1)音韻の符号化がスムーズに行われているかどうかを確かめる。

 まずもって確かめたいのは、わが子が正確に音韻の符号化を行えているかどうかです。この段階で躓くと読みは成立しません。音韻の符号化とは、「文を構成する文字の一つひとつと、それに対応する読み(音)を照合する」ことを言います。この作業を通じて、言葉のまとまりや区切り目、つながりの関係を仕分けし、文意を理解していきます。つまり、文字言語を音声言語に変換しているのです。なぜそれが必要なのかと言うと、人間の言語理解中枢が音声言語を理解するためのものだからです。

 音韻の符号化を文章の流れに沿って行うのが音読です。お子さんが音読を正確にスムーズに行えているかどうかをチェックしてみましょう。できるなら、教科書や弊社の国語テキストの素材文1ページ程度は誤読や躓きなしに読めるようになりたいですね。これをクリアすれば、ワーキングメモリは読みの段階で容量不足に陥ることはありません(問題があれば、最低3か月は毎日約15分音読練習を!)。

 滑らかで正確な黙読は音読の鍛錬を通じて可能になります。というのも、上述したように黙読は音韻の符号化を経なければ不可能だからです。子どもは音読の繰り返しを通じて、文字列を見ただけで読みの音を脳内でイメージできるようになります。すると、声に出さずとも文意が読み取れるようになります。これが音読から黙読への移行です。ところが、近年は音読が不十分なまま黙読へ移行する子どもが増えています(保護者がそれに気づいておられません)。声に出して読む音読よりも黙読が楽だからです。

 

  • 2)読んでもわからない理由は他にもあります。対策は?

1.読みに集中できる態勢が整っていない

 机の上に雑多なもの(ゲーム機や漫画本など)があると気が散ります。周囲から聞こえる音も読みの作業の妨げになります。読むときの着座姿勢も影響します。体を斜めに崩したり足をぶらぶらさせたりすると、読みに集中できません。

2.読むことだけに気をとられ、理解が疎かになっている

「ちゃんと読まなければ」ということに気を奪われるあまり、何が書いてあるかに気が回らなくなる子どもがいます。その証拠に、読了後「何が書いてあった?」と尋ねると「わかりません」と答えます。また、こういう子どもは読みが不得手なため、読むことでワーキングメモリを使い切ってしまい、理解するためのメモリに不足をきたしてしまいます。。

3.文のまとまりや区切り目が判断できない

 活字に触れる経験が少ない子どもは、言葉のまとまりや区切り目を仕分けするのが苦手です。「はやりものはすたりもの」などの表現に出くわすと、目を白黒させてしまいます。当然ながら、読みに四苦八苦してワーキングメモリを早々と消費してしまいます。

4.理解語彙が足りない(特に抽象語)

 小学校の教科書を見ると、3年生頃から抽象語が増え始め、4年生から一気に増加します。使用語彙や理解語彙の量は、日頃の読書生活や会話生活の質や量で決まります。言葉の生活が脆弱な子どもは、言葉の壁に突き当たってしまいます。上記のような中学受験の素材文にはお手上げになってしまうでしょう。

《対策》

 についての対策は、落ち着いて読みの作業に集中できる環境を整えることでしょう。机の上に余計なものを置かない、テレビをつけっぱなしにしないなど、すぐに思いつく対策があるはずです。背筋を伸ばした正しい着座姿勢を身につけるよう、しばらくは保護者のサポートも必要です。2は気持ちの向けかたの問題です。正確によどみなく読むことに留意しつつ、並行して著述の意味をしっかりと押さえる読みかたを心がけるのです。それを絶えず励行しているうちに、徐々に理解の伴った読みができるようになります。3は“慣れ”の問題でしょう。活字に慣れ親しみ、活字を通して情報を得る習慣を浸透させれば、しだいに文を構成する文字や言葉の仕分けが上手にできるようになります。4は言語生活を豊かにすることに尽きるでしょう。書き言葉、話し言葉に関わらず、言葉に触れる生活が充実すれば、語彙は確実に増えていきます。教科の学習もさることながら、言葉に触れる生活を充実させることも、中学受験に向けての重要な備えであることを忘れないようにしたいものです。

 

  • 3)読みの習熟は、読みの経験をふやせば増やすほど進みます。

 ここまでの反芻になりますが、正確に文章を読めるようになるための前提は、音韻の符号化のスキルを高めることです。それには声に出して文章を読む音読がいちばん効果的です。音読は黙読への単なる橋渡しではありません。声に出す読みのほうが記憶によく残ります(音声言語の歴史は、文字言語の歴史よりもはるかに長いからでしょう)。音読を励行して読みのスキルを向上させながらも、音読で著述内容を理解する取り組みも継続しましょう。必ず中学受験対策の勉強の成果につながります。なお、音読は読んでいる子ども自身で間違いに気付けるので、一人で取り組んで成果を上げることが可能ですが、できるならしばらくは保護者が練習につき合い、交代で読みを競い合ったり、うまく読めたときにはほめたりしたほうがよいでしょう。子どもにとって励みになるからです。

 研究者によると、読みの力は読めば読むほど向上します。かつて名推理小説家として名をはせたエドガー・アラン・ポーも、「本を非常によく読む者は、その読書能力を幾何学的に大きく伸ばしていく」と述べています(筑波大学名誉教授 佐藤泰正氏の文献より)。また前述の佐藤先生によると、文章を易しくするよう配慮することよりも、たくさん本を読んで読みの力を鍛錬するほうがはるかに読みの効率化に役立つそうです。「経験に勝るものなし!」と言えるでしょう(もちろん、難しい文章を無理に子どもに与えても逆効果を招くだけです)。読書は、過ぎれば受験勉強の妨げになるものの、中学受験期の小学生にとっては読みの上達に向けて欠かせない体験でもあるのです。無理のないよう生活に浸透させ、快適かつ効率的な読みができるようになるまで、上手にお子さんをサポートしてあげてください。

 文部科学省の全国学力・学習状況調査によると、読書時間の長い子どもほどどの教科の正答率も高いと報告されています。ただし、同調査によると平日に平均30分以上読書をする子どもの割合は3割ほどしかいません。年々日本の子どもの読書時間は少なくなっています。今や小学生全体の7割は学力形成にとって不十分な読書状況で過ごしているのです。そういえば、弊社でトップランクの成績を安定してあげている児童の大半は読書に熱心な子どもたちです。読めば読むほど読みの熟達は進み、読みの負担は軽減されますから、「読んで理解する」という自学自習の基本を忠実に実行できるわけです。

 繰り返しますが、読みの技術がレベルアップすれば、ワーキングメモリの枯渇を招かなくなります。そのための対策は、音韻の符号化をスムーズに行えるようにすることです。具体的には、音読に取り組むこと、読書を受験生活の中に浸透させることです。それによって読みの負担が少なくなり、すらすら快適に読めて、著述内容の理解も進むようになります。また、正確に読むだけでは理解につながりません。読み進めながらイメージング化(心内表象)を連動させる必要があります。さらには、読んで理解するためには語彙の拡充を図る必要があります。読書はここでも大活躍します。親子間の会話も決して受験生活に不要なものではありません。子どもの語彙拡充に一役買うだけでなく、勉強への意欲増進や親子の信頼関係の強化にも重要な働きをします。

 読書体力の不足が、お子さんと無縁でないと思われたご家庭におかれては、今回の記事を参考にしていただき、読みの力の巻き返しを図っていただきたいですね。遅きに失することはありません。読みの習熟を図れば、当面の中学受験突破のみならず、さらに先の学びの人生に多大な恩恵をもたらすのですから。

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勉強の空回り現象はなぜ生じる?対策は?

2026 年 8 月 27 日

 夏休みが終わりました。長い夏休みの期間は受験勉強に専念できるので、うまく生かせば一気に学力を伸ばすことも可能です。ただし、暑い盛りの時期の休暇だけにコンディション調整が難しく、ややもするとリズムや集中力を欠いた勉強に陥りがちです。おたくのお子さんは、計画通りにしっかり取り組めたでしょうか。

 学習成果は気持ちのもちようでずいぶん違ってきます。自ら考え、解決しようという意気込みのある子どもは勉強に集中力や推進力があり、やればやっただけの成果を得られます。いっぽう、大人に命令されてしかたなく取り組む子ども、上っ面の取り組みに終始する子どもは十分な成果を得られません。日頃からお子さんの様子を注意深く見守り、中身の伴った勉強ができるようサポートしてあげてください。たとえば、いつもより取り組みに自発性が感じられたり、やる気が感じられたりしたときは大いに喜びほめてやりましょう。親からのプラスの声かけは子どもにとってずいぶんと励みになります。この夏休みの受験生活はどうだったか振り返ってみましょう。気持ちの入った勉強、計画に沿ったリズム感のある勉強がどれぐらい実現できていたでしょうか。

 ところで近年、教科書やテキストを読んでも(読めるのに)理解できない、勉強しても成果が得られない(記憶に残らない)子どもが増加していることが問題視されています。主要な原因として、読書体力の不足ということが指摘されているようです。読書体力とはどういうものなのでしょう。簡単に言うと、長文を集中して最後まで読み通す力のことを意味しているようです。なぜ長文を集中して読み通せないのか(なぜ読書体力の不足という現象が生じているのか)というと、文章読解を支えるワーキングメモリが効率的に働いていないからです。ワーキングメモリとは、目的とする行為の遂行に必要な情報を一時的に脳内の記憶のストックから取り出し、必要な思考作業を終えたら順次消去していく短期記憶の機能的側面をとらえた言葉です。

 たとえば、文章を読むときの脳内作業を思い浮かべてみましょう。文字列のなかから言葉を見出し、その言葉と既有の知識とを照合しながら文脈に沿って意味を解釈していきます。同時に、この作業のために脳内に留めていた記憶は、役目を終えると同時に消去されます。そして、すぐさま次の文字列に目をやり、同じことを繰り返しながら文章のアウトラインや重要事項のみを記憶に残します。この作業をワーキングメモリが担っているのです。文章を読むときだけではありません。算数の筆算をするときの数の操作も、複数の案件を頭に思い浮かべて優先順位を決めるときも、おかあさんがたが家事の段取りをつけるときにもワーキングメモリが働いています。つまり、ワーキングメモリは人間の思考や情報処理、創造的頭脳活動を担う重要な役割を果たしているのです。

 再び文章を読むときのワーキングメモリの働きに話を戻しましょう。文章を読んで理解するには、二つの脳内作業の連携が必要です。まず、文字の一つひとつとそれに対応する読みの音を照合し、言葉を抽出しなければなりません。たとえば、文中にひまわりという文字があったとき、読み手は「ひ(hi)・ま(ma)・わ(wa)・り(ri)」という四つの文字とそれに対応する音を照合する(これを音韻の符号化と言います)ことで、ひまわりという言葉を認識します。しかし、それだけでは文章を理解するには不十分です。ひまわりという言葉と、脳内にストックしている花にまつわる情報とを突き合わせ、既知の夏に咲く大輪の花を映像的にイメージして初めて意味を読み取ることができます。つまり、文章を読んで理解するには、音韻の符号化と、イメージ化(心内表象)という二つのステップが必須なのです。

 ここからが本題です。なぜ長文を集中して一気に読み切ることができない子どもが増えているのかというと、上記の音韻の符号化の鍛錬が不十分なせいで、文字列から効率よく言葉を抽出することができず、この段階でワーキングメモリが容量不足の状態になり、著述内容をイメージするために必要なメモリが枯渇しているのです。ワーキングメモリは大変容量が小さいことで知られます。音韻の符号化を低負荷で効率的にできないと、イメージ化の段階に至る前にワーキングメモリの容量が不足し、十分な理解ができないのです。

 上述のように、文中の文字列のなかから「ひまわり」という言葉を抽出し、それを花のひまわりと理解する程度なら誰だって苦も無くできるでしょう。しかし、少し難解な文章を何ページも一気に読み解くとなると簡単ではありません。次々登場してくる文字列を仕分けして言葉のまとまりやつながりの関係を識別し、既有の記憶ストックから取り出した知識と照合して意味の流れをつかみ、不要になった情報を消去しつつ次へと読み進めていかねばなりません。これを快適に省エネでできないから読んでも理解できない、勉強しても頭に何も残らないといった事態に至るのです。

 読書体力の不足という問題が生じている原因は、おそらく子どもの活字離れ、携帯ゲームの普及などであろうと思います。子どもは小学校への入学とともに正式な文字学習を始め、それからわずか2、3年で読書に勤しむようになります。この文字学習のスタートから活発な読書活動に至る過程が、エンターテインメント性の高い視聴覚メディアの浸透とともに脆弱になったのではないかと思われます。つまり、読書の営みを支えるワーキングメモリが鍛えられないまま、中~高学年になる子どもが増えたことが読書体力の不足という問題を引き起こしたのでしょう。

 では、どうしたら子どもの読書体力低下問題を解決できるのでしょうか。まずもって必要なのは、音韻の符号化を正確かつ効率的に行えるよう鍛錬し直すことです。読むという作業で費やすワーキングメモリを最小限に抑え、イメージ化との連携を快適に行えるようになれば、読むことへの負荷が軽くなり著述内容の理解も促進されるでしょう。勉強も当然はかどるようになります。そのための具体的方法については、次回お伝えしようと思います。今回の問題に思い当たる節のある保護者は、ぜひ読んでみてください(読書を支えるワーキングメモリについては、5月1日のブログ記事にも書いています)。

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家庭内会話と中学受験 ~子育てセミナーを終えて~

2026 年 7 月 15 日

 6月29日(月)と30日(火)に、中区袋町の広島市まちづくり市民交流プラザで「子育てセミナー」を開催しました。テーマは、「子どもの知力を育てる家庭内会話」です。29日が3年生までの児童の保護者、30日が4・5年生児童の保護者が対象で、基本的には同じ内容でした。参加くださった保護者の熱心な眼差しに励まされ、無事に予定を終えることができました。

 「子育てセミナー」と題した催しは昨年も3回(各回とも2つの会場で計6回)実施しました。「いかにほめるか」「いかに叱るか」「望ましい声かけとは」と、3回とも子どもの受験生活をサポートするうえで欠かせないテーマを掲げたせいか、いずれも多数の保護者に参加いただきました。今回は、対象者を上の学年と下の学年の保護者に分けて実施してみました。このほうが子どもの発達状況に合わせた話ができるのではないかと考えたからです。

 表題の通り、家庭での親子の会話は子どもの知的能力を育む大切な場です。ご存知かと思いますが、9歳から12歳にかけては人間の生涯で抜きんでるほど語彙が増えていく時期にあります。それに一役買っているのが親との会話です。毎日の生活で何気なく交わす会話を通して、子どもは様々な新しい語彙を獲得しています。子どもが毎日いちばん会話を交わす相手は誰かと問われると、ほとんどのかたは「おかあさんでしょう」とお答えになると思います。まさにその通り。最も語彙が増える時期に最も会話を交わす相手がおかあさんなのですから、子どもにとっての言葉の師匠であり先生は間違いなくおかあさんだと言えるでしょう。本セミナーでは、家庭内で何気なく交わしている会話と子どもの知性の発達との関係を明らかにし、おかあさんに意識していただきたい言葉遣いについてお伝えしました。

 このセミナーで最初にご紹介したのは、かれこれ数十年前に公表され、世界中に広まった「言語コード論」と呼ばれる学説で、イギリスのロンドン大学教授の研究に基づくものです。この国の中産階級と貧困階級との生活格差が、様々な教育施策の甲斐もなく拡大していく原因を調査する過程で、この教授は家庭内の親子間の会話の違いに着目し、会話を規定する目に見えないルールの違いを詳細に分析し、それが子どもの知的発達に大きな作用を果たしていることを明らかにしました。日本は欧米とは社会構造こそ異なるものの、子どもが家庭でどんな言葉遣いを学んで育つかで、子どもの知的成長に違いが生じる点においては変わりません。そのことに気づいた多くの日本の教育関係者が、この理論を様々な機会を通じて紹介しています。今回のセミナーは、言語コード論の紹介を起点にし、子どもの知的成長を引き出す家庭内会話を実現するにはどうしたらよいかを共に考えてみたしだいです。

 親子は生活を共にしていますから、互いが見える距離にいることが多く、言葉を交わさずとも意思疎通がある程度図れます。勢い言葉の省略も行われがちです。「あれ、もってきて!」「うん、わかった」「これ、ちょうだい」「ダメって、言ったでしょ」「わかったよ」「いいかげんにしなさい!」「そう、それでいいよ」…これらの会話には、主語の省略、代名詞の多用、短いセンテンス、単純な構文、情緒的言い回しなどの特徴が見られます。相手が目の前にいて、状況を共有しているからこそ成り立つ会話です。こういう会話は親しみやすい半面、第三者には意思伝達ができませんし、複雑な事柄をわかり易く説明するには不向きです。言語コード論を発表した学者は、以上のようなごく親しい間柄でのみ通用する言葉の表現様式を「限定コード」、目の前にいない第三者にわかるような丁寧な言葉の表現様式を「精密コード」と名づけました。

 精密コードの特徴は、限定コードのそれとは対照的です。センテンスが長い、構文が複雑である、用いる語彙が豊富である、代名詞の頻度が少ない、論理的である、接続詞が効果的に使われる、感情に左右されない、場面の状況に依存しない(目の前にいない人にも伝えたいことがわかる)などの特徴があります。子どもの知力の発達にとってどちらがよいかと言えば、明らかに精密コードのほうです。学校で先生が用いる言葉遣いは精密コードです。また、子どもが発表時や質問時に求められるのも精密コードです。話す側に立ったときも聞く側に立ったときも伝達されている情報を正確に共有するためには、精密コードに基づく会話を経験しておく必要があるのは言うまでもありません。

 ただし、互いが目の前にいる家庭では精密コードに偏った会話にはならないのが普通です。堅苦しくてまどろっこしくて、息が詰まってしまうことでしょう。そこで保護者にご提案したいのは、限定コードと精密コードの上手な使い分けです。家庭での会話が限定コードになるのはやむを得ないしむしろ当然のことです。ただし、じっくりと話ができる状況においては、精密コードにもとづく会話をマスターできるような機会も設けるべきでしょう。親子間の会話スタイルは、「どんな話題について話し合うか」によって変わります。精密コードによるやりとりになる話題を選んで考えを交換するのもよいでしょう。「夏休みの学習計画」や「自分の性格の長所と欠点」について話し合ったりするときには、やや込み入った言葉のやり取りが求められます。こういう時間をなるべくつくることも必要であろうと思います。

 また、親子で会話をしているとき、親が問いかけたり、質問をしたりすることを心掛けると、子どもが自分の考えを頭のなかでまとめながら丁寧に話す姿勢が身につくでしょう。すると、こういうことの積み重ねが複雑な表現に強い人間を育てることにつながります。また、言葉のやり取りをしているうちに会話が発展し、いろいろなことについて突っ込みのある会話が展開していくことがあります。こうしてみると、会話の大原則として意識すべきは「双方向の会話」を心掛けることではないでしょうか。親はともすれば、子どもと一緒の時間があると、日ごろ伝えられなかった指示や注意の言葉を一方的に浴びせる傾向があります。これでは本来の会話とは程遠く、子どもは口を閉ざしてしまいかねません。

 今回の記事を参考に、これまでよりも少しばかり精密コードに基づく会話を意識すること、親子が対等に考えを交換しながら会話が発展していく双方向の会話を実践することを心がけてみてはいかがでしょうか。毎日絶えることのないのが親子間の会話です。「継続は力なり」と言います。会話を通じてお子さんの成長を応援してあげてください。

 

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6~7月に実施を予定している催しについて その2

2026 年 6 月 18 日

④ 弊社各校「夏期ガイダンス」のご案内 6~7月に実施

 弊社の夏休みの講座に参加を検討しておられる保護者を対象とした説明会です。各校とも6月後半と7月上旬に1回ずつ(広島校は2回ずつ)開催を予定しています。また呉校は、個別対応で実施します。ガイダンスの実施日や実施期間、参加方法等は、弊社ホームページでご確認ください。

 「いつから中学受験対策の勉強を始めたらよいですか」という質問をしばしばいただきますが、「こうしたほうがよいです」と言える明確な基準はありません。学習塾の新年度講座はたいがい2月ごろはじまりますから、もうすぐ4・5年生になる段階でのスタートが多いのですが、夏休みの講座からスタートされるご家庭も少なくありません。長い夏休み休暇は、受験のための勉強を軸に毎日の行動計画を立て易いからでしょう。弊社からもお勧めするタイミングです。

 どれぐらいの学力を身につけるべく指導するかについては、入試問題をもとに対策をするわけですから、どの学習塾もめざすところはさほど違いません。ただし、学力の育成方法については学習塾ごとに個性があります。授業が講義形式か演習中心か、予習を課しているかどうか、テキストのカリキュラムの組みかた、家庭学習の比重、テスト制度などは、学習塾によってそれぞれ異なります。したがって、通学を検討している学習塾の特性を調べておく必要があります。

 また、志望校に合格すればあとは心配無用なのかというと、そういうわけにはいきません。学力水準が高い中学校ほど生徒個々に学習の自律性が求められます。学習の自己管理もままならない状態で中学校へ進学すると、はやい進度についていけなくなったり、宿題をためてしまったりすることになりかねません。つまり、受験の準備段階において学びの姿勢や習慣の形成などへの配慮も必要です。弊社の「夏期ガイダンス」は、受験合格に向けた学力育成指導の内容だけでなく、中学進学後のさらなる成長を見通して、どんな配慮に基づいて指導しているのかについてもご説明します。よろしければ、ぜひ足を運んでみてください。参加にあたっては、ホームページの予約フォームに必要事項を打ち込んでください。よろしくお願いいたします。

[ご案内]

https://www.kgk-net.com/v2/gyoji/2026/summer/p_guidance/guidance_index.html

 

⑤ 呉校「中学受験ガイダンス」のご案内 7/5実施

 弊社呉校の主催で実施する催しです。弊社の呉校は昭和の末期に現在の校舎を構えて以来、およそ40年の歴史を刻んでいます。この間、多くの受験生の進学の夢実現に向けて応援してまいりました。ただし、呉市や周辺部には中高一貫校が少なく、一部のとりわけ熱心なご家庭以外は、中学受験の実態を知っておられないのが現実です。

 本催しは、中学受験に興味関心はあるものの、信頼できる情報をもっておられない保護者のために企画したものです。「呉在住の子どもの受験選択肢として、どういう中高一貫校があるのか」「中高一貫校という教育環境のよさはどういうところにあるのか」「家庭学習研究社で学んだ受験生の合格状況はどうなのか。どんな一貫校に進学しているのか」などについて、できるだけ丁寧にご説明いたします。

 中学高校生活をどんな教育環境のもとで送るかは、子どもの人生の歩みに大きな影響を及ぼします。それは学力面や将来の進路という観点で違いが生じるだけではありません。たとえば、長い歴史をもつ私立一貫校に6年間在籍すれば、立ち居振る舞いにもその私学に在籍した人間特有の個性が養われます。それは、長い人生を生きていくうえで有形無形の恩恵をもたらしてくれるでしょう。遠方の学校への通学は負担になりますが、それだけの価値があります。

 この催しの実施目的は、受験にいざなうことだけではありません。近い将来、お子さんはいずれかの中学校や高校に進学されることになります。今のうちに、現実に存在する選択肢としてどんな進学先があるのかを知っておくだけでも意味があるでしょう。また、中学受験のための勉強は単なる進路決定の手段に留まりません。人間形成期の学びは、子どもの知的成長の流れを大きく変えるほどの影響力をもちます。本催しは、子どものよりよき成長を願っておられる保護者に、何らかの気付きを提供できるものと自負しています。興味をもたれたら、ぜひ足を運んでみてください。

 参加にあたっては、ホームページの予約フォームに所定の事項を打ち込んでください。よろしくお願いいたします。

[ご案内]

https://www.kgk-net.com/v2/gyoji/2026/summer/k_guidance/k_guidance_index.html

 

⑥ オンラインセミナー のご案内 6/28実施

 公立の中高一貫校という教育環境がどのようなものかについてご案内するオンラインの催しです。広島市立広島中等教育学校の先生と生徒さんをお招きし、公立の6か年一貫校について様々なお話をしていただきます。

 このところ、全国で公立の中高一貫校が次々に設立されています。なぜでしょうか。思春期は、内面が揺れ動き、様々な思いに突き動かされながら大人の域へ成熟していく時期です。そんな大切な時期に高校受験があると、準備に相当なエネルギーを投入しなければなりません。いっぽう、中高6か年一貫の教育環境においては高校受験がありません。私立の6か年一貫教育には長い歴史がありますが、公立の学校もこの教育環境のよさに気づき、積極的に取り入れるようになったのです。

 今回ご紹介する広島中等教育学校は、2014年に設立された比較的新しい公立の中高一貫校で、広島市安佐北区にあります。中等教育学校とは、中学校入学時に入学者を受け入れ、高校からの入学がない完全6か年一貫教育の学校のことを言います。同校は、広島市北部の団地にあることから、よく知らないかたが多いことでしょう。一度ホームページを閲覧されれば、「これは面白い学校だな」と興味関心をもたれると思います。近隣の安佐北区や安佐南区だけでなく、広範囲からの入学者があることにも驚かれることでしょう。大学への進学実績一つとっても、1学年120名という規模の学校としてはすばらしいものです。

 この催しはオンラインですので、ご家庭から画面を通して実地に学校に関する説明を聞くことが可能です。同校の先生が、学校の特色や教育方針、生徒さんたちの学校生活の様子などを説明してくださいます。また、在校中の生徒さんにも協力をいただき、受検時の思い出、学校生活の様子などについて楽しく語っていただきます。なお、公立一貫校の入学者選抜は「適性検査」によって行われています。この呼称でもわかるように、国立や私立の入学者選抜で行われる学力試験とは異なります。そこで弊社から適性検査がどういうものかについてわかり易くご説明します。

 公立一貫校について興味をもたれた保護者は弊社ホームページの案内をご確認いただき、予約フォームに所定の事項を打ち込んでください。よろしくお願いいたします。

[ご案内]

https://www.kgk-net.com/v2/gyoji/2026/koritu-seminar/index.html

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6~7月に実施を予定している催しについて その1

2026 年 6 月 8 日

①私学紹介イベント 6月14日(日)開催

 6~7月には弊社の校舎や外部会場にて様々な催しを予定しています。6月14日(日)に広島県民文化センターで開催の私学紹介イベントは、午前の部「私学がきみを呼んでいる!」(小6会員家庭の親子対象)、午後の部「私学の魅力がここにある!」(小1~5年生の会員・非会員親子対象)ともに、420名を超える予約をいただいています。

 午後の部は会員以外のご家庭にも参加いただける催しです。昨年試みに開催したのですが、今年はよりスケールアップし、6つの私学が参加くださることになりました。充実した活動をされているサークルを体育系文科系問わず、各校一団体お招きし、日頃磨いたパフォーマンスを披露していただこうという趣向です。また、簡単な学校紹介動画を見ていただいたり、生徒さんがたから会場の子どもたちにエールを送っていただいたりすることも予定しています。開催趣旨は、私学という教育環境のよさをより多くの家庭に知っていただこうというものです。参加サークルは以下の通りです。

・広島学院 サイエンスクラブ

・修道 放送班

・広島城北 少林寺拳法部

・ノートルダム清心 合唱部

・広島女学院 新体操部

・広島なぎさ 管弦楽部

 多様なサークルが参加してくださることになり、担当者一同大変うれしく思っています。「来てよかった」と、多くの小学生の子どもたちに思ってもらえる催しになることでしょう。定員まであとわずかです。参加を検討中のご家庭はぜひご予約ください。

[私学紹介イベント ご案内ページ]

https://www.kgk-net.com/v2/lp/2026_shigaku/index.html

 

②子育てセミナー 6月29日(月)・30日(火)

 子どもの健全な知育をサポートするための催しです。29日は小1~小3のお子さんをおもちの保護者、30日は小4~小5のお子さんをおもちの保護者が対象です。会場は、いずれも中区袋町にある広島市まちづくり市民交流プラザです。セミナーのテーマは、「子どもの知力を育む家庭内会話」となっています。お伝えする内容が、お子さんの年齢によって若干異なることから、2回に分けました。低学年のほうは参加者が少数であろうと思いますが、その分保護者に踏み込んだ話ができるのではないかと思います。

 話す力と聞く力は、学校や塾での学習成果を決定づける重要なものです。先生の話を聞いてしっかりと理解できるかどうか、発表や質問の場で自分の考えを要領よく話せるかどうかは、一人ひとりの子どもたちの日常の言語生活によって決まります。そのことに気づき、配慮しておられる保護者が意外に少ないように思います。

 学校や塾で求められるのはフォーマルな言葉です。いっぽう、子どもが家族や友だちと交わすのはインフォーマルな言葉であり、親しい者同士のくつろいだ言葉です。近年、TPOに応じて言葉を使い分けるのを苦手とする子どもが増えています。「です」「ます」などの丁寧な言いかた、物事を説明するときの長いセンテンスに基づく話しかたに慣れていない子どもは、集団内で要請されるフォーマルな言葉遣いを苦手としがちです。これが学業成果に違いを生み出すのです。もう一つ。人の話に耳を傾ける姿勢を備えているかどうかも、コミュニケーションに少なからぬ影響を及ぼします。

 これらのことを踏まえ、家庭でどんな会話をするのが望ましいかについてお話しする予定です。特におかあさんは、児童期までの子どもにとってかけがえのない言葉の師匠であり先生です。会話は365日途絶えることのない営みです。ぜひこのセミナーにお越しいただき、毎日の家庭内会話の充実に向けて役立てていただければ幸いです。

[子育てセミナー ご案内ページ]

https://www.kgk-net.com/v2/gyoji/2026/j_seminar/index.html

 

③学力UP保護者セミナー 6月27日(土)

 5月27日(水)、広島市まちづくり市民交流プラザを会場に、「“読み”が上達すれば学力も上がる!」というテーマで実施したセミナーと同じ内容です。このセミナーは満席となり、よい反応をいただきました。そこで、呉もしくは東広島地区でも開催してみようと思い立ったしだいです。今回は東広島で開催します。会場は、弊社の東広島校です。興味をおもちになったかたは、HPの予約フォームに所定の事項を打ち込んでください。前回開催分に参加できなかったかたも、よろしければお越しください。

 読みは学業の根幹をなすものです。しかし、近年は「読めるのに理解していない」「勉強しても成果が上がらない」といった悩みを抱えるご家庭が増えていると言います。原因は何でしょうか。調べてみると、つぎのようなことに行き当たりました。

1.そもそもきちんと読めていない(子どもも親もそれに気づいていない)

読んで著述内容を理解するには、音韻の符号化とイメージングの連携が必要です。音韻の符号化とは、言葉や文を構成する一つひとつの文字とその読み(音)を照合することを言います。これが不正確では意味を拾えないし、書かれている状況のイメージングもあやふやになります。

2.読んでいるが、理解へと橋渡しするイメージングができていない。

読むことのみに気を奪われるあまり、イメージングに気が回らない子どもがいます。文字面を追いながら、同時に状況をイメージしていく読みかたができていないのです。

3.読みに集中できていない(環境、姿勢、性格面などに起因する)。

周囲に遊び道具があったり、テレビの音が聞こえたりすると、読むときの集中力を欠きがちです。また、読みの姿勢が悪いと集中力が続きません。

4.読書体力が不足している。

長文を集中して最後まで読み通せない子どもが増えています。いわゆる「読書体力」が不足しているのです。読みの経験やスキルが足りないため、読みの頭脳操作をつかさどるワーキングメモリが容量不足に陥っているからです。

 これらのなかで、詳しい説明を要するのが1と4です。いずれも対策次第で改善可能です。セミナーでは、主にこの二つについて原因と対策について詳しくお話しします。

[学力up保護者セミナー ご案内ページ]

https://www.kgk-net.com/v2/gyoji/2026/h-seminar/index.html

 このほか、夏休みの講座の募集にあたって実施する催しもあります。また、公立一貫校のよさと特徴をオンラインでご紹介する催しも予定しています。これらについてはHPに案内を載せていますが、次回このブログにおいてもご説明しようと思います。よろしくお願いいたします。

カテゴリー: 家庭学習研究社の特徴