「家庭学習」を研究する塾?

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2012年 5月 23日 水曜日

 弊社の社名である「家庭学習研究社」という名称についてですが、これまでに何度か「そちらは、普通の塾ですか?」と質問されたことがあります。先日も、中学受験に関わりのない知人から「何の家庭教師?」と言われ、驚いたことがありました。確かに、「塾なのに家庭学習を研究する?矛盾しているのでは?」と思われる方がいらっしゃるかもしれません。

 弊社には、合格できる学力を保証するのは当然のこととして、子どもの学習は、受験が全てではなく、子どもの成長に資するものであるべきという考えがあります。これを低学年の学習に照らしあわせてみると、その根本にあるべきは塾や学校の授業ではなく、充実した家庭学習である、といえるのではないでしょうか。なぜなら、発達段階にある低学年にあっては、授業で知識を身につけることも大切ですが、それ以前に主体的に学ぶことの楽しさを知ることや正しい形で学習習慣を身につけることの方がより重要であり、そしてその学習習慣の基盤になるのは、やはり生活の中心である家庭での学習だといえるからです。
 まだ家庭での学習習慣が確立していない段階から、いくら塾や学校で難解な内容を学んだとしても、それらを本当の意味での学力として定着させることは非常に困難です。しかし、だからといって、問題集を積んで「お家でたっぷり勉強しようね。」と言ったところで、まだ幼い子どもさんにとっては、無理に机に向かうよりも好きなことをして遊ぶ方が楽しいに決まっていますから、おそらくうまくいかないでしょう。ですから、家庭で勉強に取り組むための動機付けや理解を助ける知識の土台形成として、塾の授業で楽しく主体的に学んだ経験を家庭に持ち帰ることに大きな意味があるのではないかと考えています。つまり、塾での授業が家庭学習のペースメーカーとなり、指針を示す役割を担うことで、「授業で学ぶ→家に帰って復習・宿題に取り組む→家庭学習(宿題)の内容を授業で確認・新たな単元を学ぶ→家に帰って・・・」という、家庭学習をベースとした塾と家庭が連動する一連の学習サイクルを確立させられれば理想的であるといえます。

 これから学習基盤を築く段階にある低学年にあっては、この時期にどのような経験をし、どのような姿勢で勉強に取り組むかによって、高学年や中学校進学以降の学習が方向付けられるといっても過言でありません。毎日を過ごす家庭での学習が、非常に大きな割合を占めるものになるからこそ、弊社の低学年部門では、学習意欲を喚起して家庭学習の動機付けにもつながる「楽しく学ぶ」工夫を随所に取り入れています。その楽しさと結びついた学習体験をもとに、保護者から働きかけを受けながら家庭での学習を毎日継続していくことによって、基本的な学ぶ姿勢が築かれていくと考えているのです。

 冒頭のような質問に対しては、必要であれば「家庭学習研究社はこんな塾ですよ(=怪しい会社ではありませんよ)」と、先述のような考えとともに話すようにしています。塾の立場から家庭学習を考えるということは、決して矛盾している訳ではなく、切り離しては考えられないものなのですね。

(butsuen)

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