「週1回の通塾」について

先日、友人達と会食する機会がありました。その中でお互いの子どもの教育に関する話題になり、その流れで私の仕事に関しても色々な意見をもらったのですが、友人の奥さんからは「授業は週に何回?週に1回なんて、塾に行く意味あるの?」という厳しい意見も出されました。「週1回だけのために毎月払う学費がもったいない」という、家計を預かる主婦としての率直な思いから出た言葉のようでしたが、かなり辛辣な意見・・・。
たしかに、お母さんの立場から考えると、少し学費が高くなっても、より長く何度も塾に通った方が対費用効果が高いように思えるのかもしれませんし、第三者的な立場から見ればその意見もわからなくはありません。
しかし、弊社低学年部門では、1週間のうち1日を通塾日、それ以外の日を家庭学習の日としています。さらに、子どもさんへのサポート方法や関わり方のポイントなどをまとめた「ホームスタディ・ガイド」をお配りし、保護者の方にも家庭学習の重要性についてご案内しているのですが、それには理由があるのです。
以前も書かせていただきましたが、子どもの学習は、受験の結果だけで価値が決まるのではなく、子どもの成長に資するものであるべき、というのが弊社の考え方です。その点をふまえると、低学年においては、合格することだけを最優先に知識を詰め込むよりも、まずは塾と家庭が連携して、確固たる学びの基盤を築くことを念頭において進めていかなければなりません。そのためには、塾の授業は家庭学習と連動させるように設計する必要がありますし、塾からの働きかけだけではなく、ご家庭の協力も当然欠かせません。先述の「ホームスタディ・ガイド」で保護者の方に家庭学習の重要性をご説明させていただいていることのほか、お子さんと保護者の方で話し合った上で決めた「一週間のスケジュール表」をご提出いただいたり、ご家庭での指導内容を細かく解説した「ホームワークガイド」を毎週お渡ししたり、定期的に保護者対象イベントを開催していることなども、そうした取り組みの一環です。
もしかすると、塾や学校の授業中にしっかり学んでいれば、家庭で机に向かう必要はないという意見をお持ちの方もおられるかもしれません。しかし、もしも週1回の授業だけで学習の全てをカバーしようとすると、限られた時間内にかなりの情報量をつめこむことで、教える側からの一方通行になる可能性が非常に高くなりますし、仮に1回あたりの時間や週の授業回数を増やすことによって時間を確保したとしても、授業のみで学ぶような形式では当然学習の主体は塾や学校に置かれる訳ですから、いずれにしても子どもの自主的な学びなど入る余地はなくなってしまいます。
子どもの将来にとって大切なのは、学ぶことがいかに楽しいものなのかを自分自身が知ること、そして土台を固める時期である今のうちに学習の習慣を確立させることにあります。近視眼的にとらえれば、受動型の授業でも目前の成果をあげることは可能でしょうが、将来の大学進学や就職、そして何より学習への基本的な姿勢を築くことの重要性を考えた際、主体的に学ぶ授業と受身中心の授業のどちらで学んだ経験が有用であるかは言うまでもありません。
このような内容を友人達にも話して、理解してもらえたように思っているのですが(たぶん・・・)、これを読まれた皆様はいかがお考えでしょうか?
(butsuen)