2012低学年部門夏期講座開講!

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2012年 7月 25日 水曜日

 7/23(月)より、2012低学年部門(「玉井式国語的算数教室」・「ジュニアスクール」)夏期講座が開講いたしました。その中で、今回は玉井式3年部とジュニア2年部の初日の様子をご紹介しようと思います。

 まずは、玉井式3年部の様子です。初日は「分数と小数」「円の性質」の単元でした。多くの小学校において、この時期はまだ分数は基本部分のみ、小数に関しては完全に未習の状態なのですが、玉井式では「端数の構成および分数と小数それぞれの表し方のイメージを早い段階で合致させる」ことを目標として、分数と小数の学習を同時進行していくように独自のカリキュラムが組まれています(ちなみに、玉井式通常講座に通っている子どもさんは、2年部の終わり頃から分数・小数を学びます)。ですから、まだ小数を全く習っていない子どもさんも、今回の授業で基本を学び、それを応用させて長文読解や線分図を使った文章問題に取り組んでいくことになります。

 かなり難しい内容なので、初めて玉井式の授業に参加した子達の中には戸惑う様子も見られました。しかし、先生の説明を聞きながら一つずつ問題に取り組むうちに少しずつ理解が深まっていき(同時に緊張もほぐれていき?)、授業後半では、ほとんどの子がしっかり問題に答えられるようになりました。最初は、「40個の2/5?3/8??」という感じで、「?」がいくつも飛び回るような状況だった子も、授業が進むにつれて、「40個を5個に分けた2つ分だから・・・、まず40÷5を計算して・・・」と一つずつ計算して、「2/5と3/8では、2/5の方が大きい!」という結論までたどり着くことができました。こうした分数・小数の基礎的な知識をもとに、長文を読んで応用問題に取り組んで・・・と、さっきまで「小数って何ですか?」と言っていたのが嘘のように、どんどん問題を解いていきます。子どもの未知のものに対する吸収力は素晴らしいと、改めて感じた瞬間でした。

 続いて、ジュニアスクール2年部です。初日の授業では、算数が「知恵の板」、国語が「声に出して読んでみよう!」でした。算数の「知恵の板」は、一つの正方形を色々な大きさの三角形や四角形など合計7つに切り分けたもので、それを使って枠線だけを描いた台紙(ロケットや魚、家など)に当てはめていくものです。これが、簡単なようでなかなか難しく、みんな「これも違う、あれも違う・・・」と一生懸命考えていました。

 国語の「声に出して読んでみよう!」では、リズム音読に取り組みました。谷川俊太郎さんの「あいたたた」や、まどみちおさんの「ねこたら ねごと」を題材に、一定のリズムで手を叩きながら、グループごとに声を合わせて音読していきます。しばらく各自で音読練習タイムを設けた後、どのグループが協力して上手に音読できるか対抗戦を実施しました。すると、どの子もみんな必死で、「やったー!きれいに合わせられた!」「今、ちょっと声がずれた・・・」などと言いながら、みんなとても楽しそうに取り組んでくれました。今回驚いたのは、「私、音読得意!」とか「音読好き!上手に読むポイントはね・・・」などと、とても前向きな言葉がたくさん出てきたことです。おうちでも毎日しっかり音読練習をしているのだろうか・・・と思うと、大変うれしくなりました。

 玉井式とジュニアスクールでは、授業内容やアプローチ方法こそ異なりますが、どちらも楽しく学習に取り組めることを目標としている点では共通しています。夏期講座は限られた期間での授業になりますので、それだけで劇的な変化を求めるのは過剰な期待になりかねません。ですが、この夏期講座で「楽しかった」という経験をしてもらい、それを生かして、より主体的に学ぶ姿勢を身につけてくれればと思っています(もちろん、学力もグンと伸びてくれれば言うことありませんが)。この猛暑の中を塾まで通ってもらい、一生懸命学ぼうとしている子どもさんたちのためにも、少しでも良い授業を提供できるようにスタッフ一同頑張ります。

(butsuen)

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「楽しい」授業

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2012年 7月 18日 水曜日

 先日、友人と「楽しく勉強するっていうけど、そんなの不可能じゃないの?」という話になりました。これまでにも何度か、低学年の授業では楽しく主体的に学べる方がよいという内容で書かせていただいたことがありますが、「楽しい授業」というのは、「全く叱らない」という意味ではありません。場にふさわしくない言動を取る子がいれば、毅然とした態度で注意することも必要でしょう。しかし、注意することが増えてしまえば、楽しい雰囲気にはなりにくいですから、できることならそのような場面は少なくしたいものです。

 では、一体どうすれば楽しい雰囲気を保ったまま、子ども達の意識を授業に向けさせられるのかという問題が生じてきます。その点に関して、先日授業を見させていただいたあるクラスの取り組みをご紹介しようと思います。

 そのクラスは、一言で言えばかなり賑やかなクラスでした。大半が同じ小学校の子ということもあり、授業開始前の時間から大声で叫んだりふざけあったり、元気いっぱい。授業が始まると自分の席につき、授業に関係ない話こそしないものの、発表する時などの声が必要以上に大きく、起立する際の机やイスを動かす音が非常に大きいなど、とにかく賑やかなのです。物音が発表の声と重なったり、声が大きすぎて割れてしまったりで内容がうまく聞き取れないことがあり、先生から注意を受けることが何度もありましたが、なかなか改善しません。

 そこで、先生が考えられたのは、「がんばりポイント」の制度を取り入れることでした。他の人が聴き取りやすいように上手に発表できたり、静かに良い姿勢で発表を聴けたり、きれいな声で返事ができたりした時には、黒板の端に設けたスペースにポイントを付けていったり、個人別のカードに「がんばりシール」を貼っていったり・・・。こうした取り組みは、小学校などで実施されているところもあるかと思います。

 すると、それが功を奏して、特に元気だった男の子の姿勢や発表の仕方にみるみる変化が表れ、その後はきちんとした取り組み方で楽しく参加する様子が認められるようになりました。先生から「すごい!今のはよかったよ」と褒められると、照れくさそうな笑顔を浮かべながらもとてもうれしそうで、叱られた時の反応とは全く違います(当然のことですが)。授業が終わると、元通りの元気いっぱいの集団に戻りましたが、授業中の姿には確実に変化が見られました。

 今回このクラスの様子をご紹介したのは、子ども達の様子に目に見える変化が認められたからであって、もちろんこのやり方だけが最善だとはいいません。クラスが違えばそこに合った別の方法があるでしょうし、同じクラスの中であっても個々の子どもそれぞれの特性に合わせたやり方が必要です。実際このクラスでも全員に同じような変化が見られた訳ではありませんので、その子達にはまた別の働き掛けが必要でしょう。楽しい授業ですが、「叱れるけど叱らない」もしくは「叱ってもうまくいかない」のであれば、こうしたやり方も子どものやる気を引き出すためには効果的な方法の一つなのではないかと思うのです。

 そして、こうした取り組みは、集団指導の場面だけではなく、ご家庭でも同じように生かせるのではないかと思います。基本的なことですが、いけないことをした時にはその行為に対して毅然として叱る。でも、それ以外の場面ではそれぞれの子どもさんに合ったアプローチ方法を工夫することで、家庭学習に少しでも楽しく取り組むことができるはずです。こうしたメリハリは、指導のプロである先生にとっても基本でありながらなかなか難しいことではあります。ですが、できることなら、「なんでできないの!」と叱るよりも、「こうしたらどうかな?」と言葉を掛けることで子どもさんがうまく前向きに取り組んでくれるならば、それに越したことはありませんからね(加えて、お母さんお父さんのストレスも軽減・・・というメリットもあります)。

(butsuen)

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努力の積み重ね

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2012年 7月 11日 水曜日

 先日、某校舎の玉井式のクラスに、授業フォローに行かせていただく機会があったのですが、今回はそのクラスにいたある子どもさんの頑張りについてご紹介させていただこうと思います。

 昨年度、弊社では次年度からの玉井式の本格導入に備え、校舎を限定して玉井式の授業を開かせていただいていました。私もそのクラスの授業に毎回行かせてもらい、授業研究をさせてもらっていたのですが、その子はそのうちの一つのクラスに通ってくれていました。昨年度も今年度同様に、玉井式カリキュラムは学校より進んだハイレベルな内容になっており、ジュニアスクールとはまた違う玉井式の難しさに、多くの子が苦戦していました。

 今回ご紹介する子どもさんも玉井式の難しさに苦労していた一人で、毎回の授業内容やプリントの問題にかなり悩みながら取り組んでおり、毎月実施されていた「実力確認テスト」の点数もかなり厳しいものでした。このような状況が春から秋頃まで続き、冬期講座前後のあたりから、少しずつ「実力確認テスト」の点数は向上してきたものの、まだまだ毎回の授業についていくのに精一杯といった様子で、特に新しい単元を学んだ時には、一つの問題を解くのにもかなり苦労するような状況でした。

 ところが、先日授業フォローに行かせていただいた際のことです。プリントの答えあわせをしている子ども達の間を回りながら、取り組みの様子を確認していたところ、その子は黒板に書かれた先生の模範解答を見て、途中で手を止めてしまっていました。声を掛けても何か思い悩んでいる様子で、なかなか手が進みません。かなり難しい設問だったため、クラスのほとんどの子は解くことができず、先生の解説をそのまま聴いている状況でしたから、最初は「難しくて分からないのかな?」とも思いましたが、その問題以外は全て正しく答えを書けています。なぜだろうと思いながら黒板をよく見直してみると、なんと先生の模範解答がその問題だけ書き間違えられているではありませんか。そこで、「あれは黒板の答えが間違いだから、自分で考えたように書いてごらん。」と言うと、自分のプリントにスラスラと正しい答えを書き込んでいったのです。この後すぐ、先生から「ごめん!ここは間違っていたから直そうね」と修正がなされましたが、この時クラスの中でこの間違いに気がついていたのは、この子ただ1人でした。

 久しぶりに見た授業で大きく成長した姿を見ることができ、とても感慨深いものがあったのですが、実は、昨年度までもこの子を見ていて感心していたことがあります。それは、授業では全くついていけなかった難解な内容であっても、しばらく期間をおいた後には少しずつ解けるようになっていたことです。玉井式では、年間を通じて何度も同様の単元に取り組むことができるようにカリキュラムが組まれているのですが、初めて学んだ内容が難しくて理解が難しかったり、なかなか解けない問題が出てきたとしても、しばらくして同様の単元が登場した時には、何とか自力で取り組めるまでに成長しているのです。

 もちろんこれは、ただ漫然と授業を受けるだけで力がついた訳ではなく、授業の内容をベースに毎日の家庭学習に励んだ成果に違いありません。授業で分からなかった時には悔しい思いを抱いていたでしょうから、きっと家に帰ってしっかり復習に取り組んでいたのだと思いますし、もちろん保護者の方によるご指導もきちんとなされているのでしょう。昨年度はテストの点数にこそなかなか表れなかったものの、この積み重ねで少しずつ理解できる範囲を拡げていったからこそ、先日の授業での成長した姿があったのだと思います。

 現在通塾されている中には、「わが子の成績がなかなか上がらない」とヤキモキされている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、地道な取り組みは必ず蓄積されていくはずですから、家庭学習にも焦らず毎日コツコツ取り組み、保護者の方に少しの時間だけでもそれを見てもらえればと思います。また、テストの点数だけではなく、先につなげていくための基盤を築くことができているかという視点で考えていただければ、少し余裕をもって勉強に向き合えるのではないでしょうか。特に玉井式は毎回の物語がとても魅力的ですから、授業の後に「今日のお話はどうだった?」などと子どもさんに問いかけながら、親子で楽しく語り合ってみるのもいいかもしれませんね。

(butsuen)

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ジュニアスクール3年部授業参観

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2012年 7月 4日 水曜日

 先日、ジュニアスクール3年部では授業参観が行われました。お忙しい中、お越しいただいた保護者の皆様、誠にありがとうございました。 

 今回はこの参観授業の算数についてご紹介させていただこうと思います。今回の算数は「見える?見えない?」でした。これは、「今日は、さいころをしっかり見て、さいころの秘密を見つけよう!!」という、さいころづくしの単元なのです。

 まずは、全員に実物のさいころを1つずつ渡し、「さいころには面がいくつあるかな?」という基本的なところから始めます。大人にとっては、さいころが「正六面体」であることを当たり前のように理解できますが、まだ辺や頂点の学習をしている最中の子ども達にとっては、一つ一つが大切な学習です。遊びの中で触れる機会の多いさいころですから目の数についてはよく分かっていても、改めて面や辺、頂点の数などを問われると戸惑ってしまう子もチラホラ・・・。

 その後、みんなで発表しあいながら、「① 面は6つで、全て正方形」「② 頂点は8つ。辺は12本で、全て同じ長さ」という2点を確認することができました。その上で、今度は3つ目の秘密を探します。さいころの目を見ながらすぐに発見した子もいましたが、最初はなかなか気が付かなかった子も、先生からヒントをもらうと「向かいあう面の目の数を足すと7になる」という秘密をしっかり見つけ出すことができました。

 無事に3つの秘密を見つけ出したところで、今度は2つのグループに分かれ、それぞれに3つずつさいころが渡されました。そして、いよいよ今日一番の難問に取り組みます。先生から、「縦に3つ積まれたさいころの面のうち、どの方向からも見えない面の目の数を合計すると、いくつになるでしょう?」という問題が出されました。

 この「見えない面」という言葉がクセモノで、自分の位置から「見えない」ことと、さいころ同士や机と重なっていることで「見えない」ことの違いがうまく頭の中で処理できないと混乱してしまいます。事前の授業研究でも、これをどのように分かりやすく説明すればよいかという点は重要ポイントとして考えていました。そのため、問題を解く前に、先生からこの点に関して何度も丁寧に説明され、それを聞いた一方のグループは、言葉の違いをしっかり整理し、見える面の目の数を考えるところから取り組み始めました。・・・が、もう一つのグループでは、同じように見える面の目を考え始めたまではよかったのですが、確認してみると「あれれ、その面見えるかな?」「そこは見えないよね」ということが・・・。

さいころ 実は、この問題は「向かいあう面を足すと7」というさいころの秘密を使って考えると、簡単に答えを求めることができます。これを使って、「先生は、パッと見ただけで、隠れている面の目の数の合計が分かるんですよ!」と、マジックのように一瞬で答えを出し、みんなビックリ!!「さて、どうやったのでしょう?みんな考えてみて!」という流れでスムーズに進んでいく・・・予定だったのですが、その前の段階で予想以上に時間が掛かってしまったことで、フォロー役で入っていた私は内心ハラハラドキドキ。その後、少し予定を変更して先生が丁寧に説明を繰り返したことで、子ども達も理解でき、進行の流れが若干変わりはしたものの、何とか本時のまとめまでたどり着くことができました。

 今回は難しい課題を扱う単元であり、その上授業参観で子ども達も緊張していたのか、なかなか思うように進まない部分もあったのですが、保護者の方が来てくれていた子ども達は、やはりとてもうれしそうでした。3年生になればかなりしっかりした子も多くなってきますが、そうはいってもまだ低学年ですから、自分が頑張っている姿をお父さん・お母さんに見てもらうことは何よりも励みになります。ついつい我が子には厳しい目を向けてしまいがちですが、授業参観のように子どもさんの頑張りを直接見ることができる機会には、ぜひとも温かい言葉をかけてあげてほしいと思います。子どもの側としても、お父さん・お母さんが見てくれているという思いは当然ありますから、励ましの言葉がもつ力はきっと普段の何倍にもなってお子さんの心に届くのではないでしょうか。

(butsuen)

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