努力の積み重ね

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2012年 7月 11日 水曜日

 先日、某校舎の玉井式のクラスに、授業フォローに行かせていただく機会があったのですが、今回はそのクラスにいたある子どもさんの頑張りについてご紹介させていただこうと思います。

 昨年度、弊社では次年度からの玉井式の本格導入に備え、校舎を限定して玉井式の授業を開かせていただいていました。私もそのクラスの授業に毎回行かせてもらい、授業研究をさせてもらっていたのですが、その子はそのうちの一つのクラスに通ってくれていました。昨年度も今年度同様に、玉井式カリキュラムは学校より進んだハイレベルな内容になっており、ジュニアスクールとはまた違う玉井式の難しさに、多くの子が苦戦していました。

 今回ご紹介する子どもさんも玉井式の難しさに苦労していた一人で、毎回の授業内容やプリントの問題にかなり悩みながら取り組んでおり、毎月実施されていた「実力確認テスト」の点数もかなり厳しいものでした。このような状況が春から秋頃まで続き、冬期講座前後のあたりから、少しずつ「実力確認テスト」の点数は向上してきたものの、まだまだ毎回の授業についていくのに精一杯といった様子で、特に新しい単元を学んだ時には、一つの問題を解くのにもかなり苦労するような状況でした。

 ところが、先日授業フォローに行かせていただいた際のことです。プリントの答えあわせをしている子ども達の間を回りながら、取り組みの様子を確認していたところ、その子は黒板に書かれた先生の模範解答を見て、途中で手を止めてしまっていました。声を掛けても何か思い悩んでいる様子で、なかなか手が進みません。かなり難しい設問だったため、クラスのほとんどの子は解くことができず、先生の解説をそのまま聴いている状況でしたから、最初は「難しくて分からないのかな?」とも思いましたが、その問題以外は全て正しく答えを書けています。なぜだろうと思いながら黒板をよく見直してみると、なんと先生の模範解答がその問題だけ書き間違えられているではありませんか。そこで、「あれは黒板の答えが間違いだから、自分で考えたように書いてごらん。」と言うと、自分のプリントにスラスラと正しい答えを書き込んでいったのです。この後すぐ、先生から「ごめん!ここは間違っていたから直そうね」と修正がなされましたが、この時クラスの中でこの間違いに気がついていたのは、この子ただ1人でした。

 久しぶりに見た授業で大きく成長した姿を見ることができ、とても感慨深いものがあったのですが、実は、昨年度までもこの子を見ていて感心していたことがあります。それは、授業では全くついていけなかった難解な内容であっても、しばらく期間をおいた後には少しずつ解けるようになっていたことです。玉井式では、年間を通じて何度も同様の単元に取り組むことができるようにカリキュラムが組まれているのですが、初めて学んだ内容が難しくて理解が難しかったり、なかなか解けない問題が出てきたとしても、しばらくして同様の単元が登場した時には、何とか自力で取り組めるまでに成長しているのです。

 もちろんこれは、ただ漫然と授業を受けるだけで力がついた訳ではなく、授業の内容をベースに毎日の家庭学習に励んだ成果に違いありません。授業で分からなかった時には悔しい思いを抱いていたでしょうから、きっと家に帰ってしっかり復習に取り組んでいたのだと思いますし、もちろん保護者の方によるご指導もきちんとなされているのでしょう。昨年度はテストの点数にこそなかなか表れなかったものの、この積み重ねで少しずつ理解できる範囲を拡げていったからこそ、先日の授業での成長した姿があったのだと思います。

 現在通塾されている中には、「わが子の成績がなかなか上がらない」とヤキモキされている保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?しかし、地道な取り組みは必ず蓄積されていくはずですから、家庭学習にも焦らず毎日コツコツ取り組み、保護者の方に少しの時間だけでもそれを見てもらえればと思います。また、テストの点数だけではなく、先につなげていくための基盤を築くことができているかという視点で考えていただければ、少し余裕をもって勉強に向き合えるのではないでしょうか。特に玉井式は毎回の物語がとても魅力的ですから、授業の後に「今日のお話はどうだった?」などと子どもさんに問いかけながら、親子で楽しく語り合ってみるのもいいかもしれませんね。

(butsuen)

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