「夏期パズル道場」の様子

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2012年 8月 29日 水曜日

 三篠校と五日市校では8月22・23日、己斐校と広島校では24・25日の日程で、「夏期パズル道場」を実施いたしました。今回はその様子をご紹介させていただきます。

 「パズル道場」は、通常講座においてもオプション講座として設けているものですが、この「夏期パズル道場」は2日間という限られた日程になりますので、普段取り組んでいる課題や教具を使いながら、楽しく取り組んでもらえるような内容に工夫して実施いたしました。

 1日目は、前半の時間を使ってペーパーパズル教材に取り組んでもらいました。最初は「やり方がよくわかりません」「難しすぎるー」などと口にしていた子も、しばらくすると自然と口を開くこともなくなり、シーンとした静寂の中で黙々と自分の課題に向かっていました。いったんコツが分かると、考えることに楽しさを覚えるようで、「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤を繰り返しながら、集中して教材に取り組むことができました。

 そして、後半の時間帯では、「かえるさんジャンプ」「タングラム」「フォーキューブ」などのパズル教具の中から、各自で関心のあるものを選んで取り組みました。どれもかなり頭を使わないとクリアすることができませんが、中でも私も苦戦するのが「タングラム」です。パズル道場で使用するタングラムは、組み合わせると正方形になる木製の板を、様々な大きさの三角形や四角形8つに切り分けたものなのですが、これが単純に見えてもなかなか難しく、簡単には元の正方形に戻すことができません。しかも、箱から取り出したからには元の形に戻さないことには箱に収めて片付けることができませんから、もちろん途中で諦めるわけにはいきません。

 夏パズル2ところが・・・、今回フォローに行かせていただいた1年生のクラスでは、3分も経たないうちに「できた!」「ぼくも!」という声があちこちから挙がったのです。「色々考えながらやったけど、これ面白い!」などという言葉を聞き、うれしいことではありますが、大変驚きました。真っ直ぐ素直な心で取り組めば、こんなにもスムーズに完成させることができるのだろうか・・・と、雑念の多い私は感心させられました。

 2日目は、1日目と同様に前半の時間をペーパーパズルに使い、後半は「『立体四目』トーナメント大会」を開催することにしました。「立体四目」は、二人対戦型の教具で、4×4×4の立体の枠内で4個の玉をどちらが先に一直線に並べられるかを競うゲームです。ルールそのものは、低学年の子ども達にも分かりやすい単純なものなのですが、縦・横・高さを使って三次元で考えるため、実際にはかなり頭を使うことになります。今回初めてこの立体四目に触れた子どもさんも、ルールの説明を受けるとすぐに理解し、楽しそうに取り組み始めました。

 夏パズルとはいえ、実際には基本的なルールを覚えただけではなかなか勝てませんので、対戦を重ねながら負けて悔しい思いを経験するうちに、子ども達は自分なりに玉の置き方を工夫し始めます。パズル道場では、子ども達に試行錯誤してもらうことに重きを置いていますので、先生から必要以上の助言をすることはありません。ですから、「そこに入れたら負けちゃうよー」とか「おっ、そんな手も思い付くようになったんだなぁ」などと心の中でつぶやきながら、子ども達が真剣に対戦している姿を見守りました。そうした中で、子ども達が自分で考えながら工夫し、成長していく過程を見るのは、とても楽しく喜ばしいものです。

 たった二日間の講座ではありましたが、子ども達の表情や取り組み方には大きな変化が見られました。普段の机に向かって行う勉強とは異なり、また違った形での学習の楽しさを感じてくれたのではないでしょうか。子ども達が楽しく学んでくれ、それまでなかなかうまくいかなかった教材を、自分で考えて工夫した末に達成した時の「やったー!」という笑顔を見ていると、子ども達にとっても、そして指導する側にとっても、素晴らしい二日間になったのではないかと思っています。

(butsuen)

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