3年部玉井式授業参観を実施しました

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2012年 9月 26日 水曜日

 一部の校舎の玉井式国語的算数教室では、後期第2・3週(9/10~9/22)に、保護者の方々を招いて授業参観を実施いたしました(10月に実施予定の校舎もあります)。

 この授業で玉井式3年部は、「間の数の数え方」「さいころの問題」を学びました。この「間の数の数え方」で学んだのは、いわゆる「植木算」の基礎となる内容です。まだほとんどの学校では習っていない単元ですから、この授業で初めて植木算を学んだ子にとっては、非常に難しい内容だったと思います。今回扱った設問の中から一つ例を挙げると、「壁の両端から2m空けたところから、3mおきの等間隔に全部で19枚の絵が飾ってあります。絵の横幅は全て70cmとすると、この壁の横の長さは何m何cmになりますか。」(一部数字や表現を変えています)というような問題に取り組みました。大人であっても、少し計算に手間取るのではないかと思うのですが、いかがでしょうか?

 こうした問題で重要なのは、頭の中で状況を具体的にイメージできているか、という点です。設問の状況を自在に思い浮かべることができていれば、それをもとにいくらでも応用させることができますから、今後もっと複雑で難解な問題が出てきた場合でも対処することが可能になります。いずれはこのように自在にイメージできるような段階に至ることを目標としているのですが、いきなりそれを要求することは無理がありますので、授業では、子ども達が状況を思い浮かべやすいように、アニメーションを活用しながら視覚的にサポートする仕組みで展開しています。

 今回のアニメでいえば、子ども達がお城に忍び込んだ際、大広間の壁に飾られた歴代の王様達の肖像画を目にするシーンがあるのですが、先にご紹介した設問はこの場面に対応しています。つまり、物語のアニメを見る→そのイメージが鮮明なうちに問題プリントが配布される→アニメの場面の一つひとつに対応した設問に取り組む、という流れで授業が進んでいくため、アニメの映像が子どものイメージングを的確に補助する形になり、だからこそ、初めて「植木算」のような難しい内容に触れる子であっても、先ほどのような難解な問題に取り組むことが可能になるのです。実際、今回の参観授業でも、子ども達は「あっ、さっきルディが・・・」などと口にしながら一生懸命頭の中に状況を思い浮かべて、立式して計算していました。

 もちろん最終的には自分の力だけで状況を思い描きながら問題を解いていかなければなりませんので、いつまでもアニメを使って問題に取り組んでいくわけではありません。前回(後期第1週)のように、アニメがなく長文の内容を読み取って設問に取り組む回もありますし、今後もカリキュラムが進行していくにしたがって、アニメの回数は減っていきます。このような学習を継続することで、回を重ねるごとに、物語の状況を具体的に思い浮かべることができるようになっていくはずです。

 この3年生達もあと半年ほどで4年生になり、5年、6年・・・と進級していくにつれて、取り組む問題もどんどん難しくなっていきます。弊社で本格的に玉井式を導入してからまだ1年目の段階ですので、現段階では先の姿を示す明確なデータこそありませんが、玉井式で培った「イメージング力」をベースにして、きっと上の学年になっても乗り越えていけるはずだと思うと、現在低学年部門で学んでいる子ども達がこれからどのような成長を示してくれるのか今から楽しみです。

(butsuen)

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第3回コラボイベント

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2012年 9月 19日 水曜日

 9月14日(金)、広島市西区民文化センターにおいて、玉井満代先生との第3回コラボイベント「9歳までの“読み”の態勢づくり」を開催いたしました。

 前回は、弊社が毎年実施している「夏のおかあさんセミナー」を兼ねたもので、非常に多くの保護者の方にお越しいただきました。それをうけての今回の第3回イベントでしたから、前回ほどではなくても、今回も少しでも多くの方にご来場いただければいいな、でも、予想より少なかったら・・・などと、事前準備の段階からスタッフ一同あれこれ思い悩んでいましたが、イベント当日は、今回も会場の席がほぼ全て埋まってしまうほど多くの方にお越しいただくことができました。これだけ多くの方々に関心を持っていただいたことに、大変感謝しております。

 イベント3お忙しい中、非常に多くの方に足をお運びいただき、玉井先生の情熱的なお話や、家庭学習研究社の子どもの発達に関する考えをお伝えさせていただいたことに、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

 また、前回につづきまして、当日来場してくださった方のアンケートの中から、ほんの一部ですが、以下にご紹介させていただこうと思います。

☆いつも塾から目線ではなく、家庭の様子をくみとって話をして下さり、ありがとうございます。毎回、振り返り反省しています。また、今日から子育てをがんばろうというやる気ももらって帰れるので、いつも参加させていただいてます。

☆音読の大切さ、子どもへの愛情の伝え方、将来の子どもの自立を見据えた上で、今すぐに意識改革できるようなためになるお話盛り沢山でした。ありがとうございました。

☆今までも案内をいただいていたのですが、きっかけがなく、今回は思い切って参加し、内容の濃い話に大満足です!今までも参加すればよかった…と後悔です。ありがとうございました。現在3年生のため、今日の内容は音読についても、算数の時間の概念についても「まさに!」という話でした。

☆子育ての最終目標は子どもの自立である、と言われた事がとても印象的でした。目先の事にとらわれずに就職させる事を親の仕事であると考え、globalな社会で生きていけるように育てていきたいです。

☆将来子どもを自立させる為に具体的になにをしていけばよいか、いつもわからずにいます。今回のお話で、音読・読書もそれにつながることと思い、身近なところから取り組もうと思いました。

☆夏休みの間、勉強習慣をつけたいと思い二人で張りきっておりましたが…なかなか出来ずイライラしてばかりでコンプレックスだけ与えたような夏休みでした。先生のパワーと教育の原点を思い出させて頂きありがとうございました。

☆父母として“ぶれないこと”が大切だということを再認識しました。初めて玉井先生の講演を聴かせて頂き具体的な教育の事例を教えて頂きたく思いました。読みきかせ、音読を楽しんでやっていきます。心の成長にもつながりますね。

☆「もしかしたら…大事なことを忘れかけていた」から、本日この場に来たのかなと思いました。子どもへのぶれない教育目標を改めて考えることができました。算数(数学)は、プロセスとイメージが大事ということに共感しました。

(butsuen)

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2012後期講座開講

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2012年 9月 12日 水曜日

 9/3(月)の週より、2012後期講座が開講いたしました。夏期講座に初めて参加した後、そのまま引き続いて後期講座も通われる子どもさんもいますので、夏を経て、前期講座終了時よりさらに増加した会員数での後期講座スタートとなりました。今回は、後期第1週の授業の中から、玉井式1年部の様子をご紹介させていただこうと思います。

 今週の「ものがたり算数」は、『読んで考えよう』という単元で、いつものようなアニメーションを使用した物語ではなく、長文を自分で読んで考える回でした。

 まず、先生が読み聞かせを行った後、「お話クイズ」として、お話の内容に関して子ども達に質問していきます。子ども達は、必要であれば質問に対応する箇所に下線を引きながら、クイズに答えるのですが、驚いたことに、こちらが何も指示をしないうちからテキパキと線を引いていく子もいました。確認するときちんと「お話クイズ」の質問に対応する部分を正確に押さえています。考えてみれば、1年生であっても、これまでにも同様の形式の設問に取り組んでいますし、毎週「できたかな?プリント」に取り組んでいるわけですから、長文への取り組み方を確立させつつある子にとっては、この作業はさほど難しいことではないのかもしれません。それにしても、子ども達の飲み込みの速さ、理解力の高さに驚きました。

 玉1年後半に実施した「かたちの形」は、『かたちの復習』の単元で、以前にも取り組んだことのある「さいころの展開図」に関する問題です。「向かいあう面の目の数を合計すると7」というさいころの決まりを応用し、隠れた面の目の数を考えます。ここでも驚いたことに、向かいあう面の目の数の合計が7であるという事実に関して、クラスの全員が「知ってます!」と答えてくれました。自分が子どもの頃を思い起こすと、さいころの目の数を足すなんてほとんど考えたこともなかったような気がしますが・・・。プリントの設問に関しても、すぐに答えを導き出せる子もいますし、少し悩んでしまう子も、簡単なヒントを出すだけですぐに答えにたどり着きました。

 今回のクラスは、5月頃にも臨時の代講を担当したことがあるのですが、その頃はみんなまだとても幼く、机に向かってプリントに取り組むことや意見を発表することすらおぼつかない様子でした。ですが、今回は、授業開始時刻にあわせて自分で机の上を片付け、筆記用具を準備し、姿勢を正して待つことができていたり、授業中も発表はきちんと挙手をして発言できていたり、色々な点で大きく成長した姿を見せてくれました。子ども達は本当に成長が早いなあと感じた次第です。

 それともう一つ、授業の内容と直接関係はないのですが、子どもの記憶力の良さに驚かされた件がありました。このクラスでの代講は約4か月ぶりだったのですが、「みんな、先生の名前を覚えてますか?」と聞いたところ、「顔は覚えてるけど、名前は覚えてません」「知らんよ」などと寂しい答えが続出しました。寂しいけど、久しぶりだし仕方ないか・・・と思った時、一人の女の子がにこやかにスッと手を挙げ、「私はわかります。○○○先生です」と、何とフルネームで答えてくれたのです。4か月前に一度自己紹介したきり、私の名前について話す機会は全くなかったどころか、顔をあわせることすらほとんどなかったにも関わらず、顔も名前も完璧に覚えてくれていたのを知って、思わず「ありがとう!」と感激してしまいました。そして、数か月前にたった60分間の授業を担当した私のことをしっかり覚えてくれていたことを知り、「先生」として子ども達の前に立つことの喜びと重みを改めて実感した出来事でした。

(butsuen)

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「玉井式」と「ジュニアスクール」

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2012年 9月 5日 水曜日

 夏期講座が終了し、今週から後期講座が開講いたしました。開講初日の様子はまた後日ご紹介させていただくとして、今回は、夏期講座終了後に問い合わせがあったことなどで、「玉井式国語的算数教室」と「ジュニアスクール」の違いについて改めて考える機会がありましたので、それについて少し書かせていただこうと思います。

 通常講座では定期的にクラスに入る機会がありますし、夏期講座でも、玉井式、ジュニアスクールそれぞれにフォローとして入らせていただきました。どちらも子ども達が楽しく学んでいる点では共通しているのですが、一見して分かる違いは、玉井式はアニメーションを使用していること、ジュニアスクールは算数と国語に教科分けされていることでしょうか。

 玉井式は、アニメーション映像を補助的に用いながら、イメージング力や文章読解力の向上を大きな目標としている講座です。学校教科書よりも早い段階でやや難しい内容を扱いますので、慣れるまでは少し戸惑う子どもさんもいるかもしれませんが、アニメーションが視覚的に子どもの取り組みを助けますので、やや難解な内容であっても一定の対応が可能となります。大人であっても視覚によって外部情報の多くを得ているといわれていますから、発達途中である低学年の子ども達が取り入れやすい視覚情報をつかって取り組むカリキュラムは、効率的で理にかなった学習方法であるともいえます。こうしたアニメーションを使用することによって、一度の授業で多くの情報を発信することが可能になりますので、授業内容も自然とスピーディにテンポよく進んでいくことになります。

 一方、ジュニアスクールは、先の中学受験にもつながる算数と国語の基本部分を押さえつつ、様々な学習要素を取り入れることで、主体的に考えながら「学ぶ楽しさ」を知ってもらうことを重視している講座です。これから先、授業や講義の内容などから必要な知識を吸収し、それを自分で消化し理解できるようになるためには、きちんと話を聴いて主体的に考える力が必要不可欠ですから、低学年のうちに授業の中でそうした素地を培うことも重要なねらいの一つになります。ですから、ジュニアスクールでは、できるだけ学習内容の一つ一つについて子ども達がじっくり考えるための時間を設け、算数・国語それぞれの重要単元への理解を深めて、確実に身につけられるようカリキュラムが組まれています。

 保護者の方からは「一体どちらが良いのか?」というご質問をいただくことが多いのですが、どちらの講座も中学受験を含めた将来を見通し、その学力基盤を築くという点では共通しています。ただ、そこに至るアプローチ方法がそれぞれ異なっており、どちらが適しているのかは一人ひとり違いますので、2つの講座の特徴をご理解いただいた上でご判断いただければと思います。また、事前に本部事務局までご連絡いただければ、どちらの講座も随時体験として参加することができますので、子どもさんには実際に授業を受けてもらい、保護者の方も授業を見学された上でご検討いただくことも可能です。

 ちなみに、今回の夏期講座では、玉井式・ジュニアスクールの両方を受講してくれた子もいて、そのうち何人かの声を聞くことができたのですが、話を聞いた限りではみんな「両方楽しかった!」という答えでした。私にとってはとてもありがたい言葉でしたが、残念ながら、「玉井式とジュニアスクール、どちらがいい?」という質問に対する答えにはなりませんね(笑)

(butsuen)

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