「玉井式」と「ジュニアスクール」

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2012年 9月 5日 水曜日

 夏期講座が終了し、今週から後期講座が開講いたしました。開講初日の様子はまた後日ご紹介させていただくとして、今回は、夏期講座終了後に問い合わせがあったことなどで、「玉井式国語的算数教室」と「ジュニアスクール」の違いについて改めて考える機会がありましたので、それについて少し書かせていただこうと思います。

 通常講座では定期的にクラスに入る機会がありますし、夏期講座でも、玉井式、ジュニアスクールそれぞれにフォローとして入らせていただきました。どちらも子ども達が楽しく学んでいる点では共通しているのですが、一見して分かる違いは、玉井式はアニメーションを使用していること、ジュニアスクールは算数と国語に教科分けされていることでしょうか。

 玉井式は、アニメーション映像を補助的に用いながら、イメージング力や文章読解力の向上を大きな目標としている講座です。学校教科書よりも早い段階でやや難しい内容を扱いますので、慣れるまでは少し戸惑う子どもさんもいるかもしれませんが、アニメーションが視覚的に子どもの取り組みを助けますので、やや難解な内容であっても一定の対応が可能となります。大人であっても視覚によって外部情報の多くを得ているといわれていますから、発達途中である低学年の子ども達が取り入れやすい視覚情報をつかって取り組むカリキュラムは、効率的で理にかなった学習方法であるともいえます。こうしたアニメーションを使用することによって、一度の授業で多くの情報を発信することが可能になりますので、授業内容も自然とスピーディにテンポよく進んでいくことになります。

 一方、ジュニアスクールは、先の中学受験にもつながる算数と国語の基本部分を押さえつつ、様々な学習要素を取り入れることで、主体的に考えながら「学ぶ楽しさ」を知ってもらうことを重視している講座です。これから先、授業や講義の内容などから必要な知識を吸収し、それを自分で消化し理解できるようになるためには、きちんと話を聴いて主体的に考える力が必要不可欠ですから、低学年のうちに授業の中でそうした素地を培うことも重要なねらいの一つになります。ですから、ジュニアスクールでは、できるだけ学習内容の一つ一つについて子ども達がじっくり考えるための時間を設け、算数・国語それぞれの重要単元への理解を深めて、確実に身につけられるようカリキュラムが組まれています。

 保護者の方からは「一体どちらが良いのか?」というご質問をいただくことが多いのですが、どちらの講座も中学受験を含めた将来を見通し、その学力基盤を築くという点では共通しています。ただ、そこに至るアプローチ方法がそれぞれ異なっており、どちらが適しているのかは一人ひとり違いますので、2つの講座の特徴をご理解いただいた上でご判断いただければと思います。また、事前に本部事務局までご連絡いただければ、どちらの講座も随時体験として参加することができますので、子どもさんには実際に授業を受けてもらい、保護者の方も授業を見学された上でご検討いただくことも可能です。

 ちなみに、今回の夏期講座では、玉井式・ジュニアスクールの両方を受講してくれた子もいて、そのうち何人かの声を聞くことができたのですが、話を聞いた限りではみんな「両方楽しかった!」という答えでした。私にとってはとてもありがたい言葉でしたが、残念ながら、「玉井式とジュニアスクール、どちらがいい?」という質問に対する答えにはなりませんね(笑)

(butsuen)

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「夏期パズル道場」の様子

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2012年 8月 29日 水曜日

 三篠校と五日市校では8月22・23日、己斐校と広島校では24・25日の日程で、「夏期パズル道場」を実施いたしました。今回はその様子をご紹介させていただきます。

 「パズル道場」は、通常講座においてもオプション講座として設けているものですが、この「夏期パズル道場」は2日間という限られた日程になりますので、普段取り組んでいる課題や教具を使いながら、楽しく取り組んでもらえるような内容に工夫して実施いたしました。

 1日目は、前半の時間を使ってペーパーパズル教材に取り組んでもらいました。最初は「やり方がよくわかりません」「難しすぎるー」などと口にしていた子も、しばらくすると自然と口を開くこともなくなり、シーンとした静寂の中で黙々と自分の課題に向かっていました。いったんコツが分かると、考えることに楽しさを覚えるようで、「ああでもない、こうでもない」と試行錯誤を繰り返しながら、集中して教材に取り組むことができました。

 そして、後半の時間帯では、「かえるさんジャンプ」「タングラム」「フォーキューブ」などのパズル教具の中から、各自で関心のあるものを選んで取り組みました。どれもかなり頭を使わないとクリアすることができませんが、中でも私も苦戦するのが「タングラム」です。パズル道場で使用するタングラムは、組み合わせると正方形になる木製の板を、様々な大きさの三角形や四角形8つに切り分けたものなのですが、これが単純に見えてもなかなか難しく、簡単には元の正方形に戻すことができません。しかも、箱から取り出したからには元の形に戻さないことには箱に収めて片付けることができませんから、もちろん途中で諦めるわけにはいきません。

 夏パズル2ところが・・・、今回フォローに行かせていただいた1年生のクラスでは、3分も経たないうちに「できた!」「ぼくも!」という声があちこちから挙がったのです。「色々考えながらやったけど、これ面白い!」などという言葉を聞き、うれしいことではありますが、大変驚きました。真っ直ぐ素直な心で取り組めば、こんなにもスムーズに完成させることができるのだろうか・・・と、雑念の多い私は感心させられました。

 2日目は、1日目と同様に前半の時間をペーパーパズルに使い、後半は「『立体四目』トーナメント大会」を開催することにしました。「立体四目」は、二人対戦型の教具で、4×4×4の立体の枠内で4個の玉をどちらが先に一直線に並べられるかを競うゲームです。ルールそのものは、低学年の子ども達にも分かりやすい単純なものなのですが、縦・横・高さを使って三次元で考えるため、実際にはかなり頭を使うことになります。今回初めてこの立体四目に触れた子どもさんも、ルールの説明を受けるとすぐに理解し、楽しそうに取り組み始めました。

 夏パズルとはいえ、実際には基本的なルールを覚えただけではなかなか勝てませんので、対戦を重ねながら負けて悔しい思いを経験するうちに、子ども達は自分なりに玉の置き方を工夫し始めます。パズル道場では、子ども達に試行錯誤してもらうことに重きを置いていますので、先生から必要以上の助言をすることはありません。ですから、「そこに入れたら負けちゃうよー」とか「おっ、そんな手も思い付くようになったんだなぁ」などと心の中でつぶやきながら、子ども達が真剣に対戦している姿を見守りました。そうした中で、子ども達が自分で考えながら工夫し、成長していく過程を見るのは、とても楽しく喜ばしいものです。

 たった二日間の講座ではありましたが、子ども達の表情や取り組み方には大きな変化が見られました。普段の机に向かって行う勉強とは異なり、また違った形での学習の楽しさを感じてくれたのではないでしょうか。子ども達が楽しく学んでくれ、それまでなかなかうまくいかなかった教材を、自分で考えて工夫した末に達成した時の「やったー!」という笑顔を見ていると、子ども達にとっても、そして指導する側にとっても、素晴らしい二日間になったのではないかと思っています。

(butsuen)

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玉井式夏期「実力確認テスト」

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2012年 8月 22日 水曜日

 今週実施予定の「夏期パズル道場」を残して、今年度の低学年部門夏期講座が無事終了いたしました。各講座の最終日には総仕上げとして「実力確認テスト」「チャレンジテスト」を実施したのですが、今回はこのうち、玉井式「実力確認テスト」について、少しご紹介させていただきます。

 この実力確認テストでは、一般的な(?)計算問題や図形問題などとともに、長文を読んでそれをもとに算数の設問に答えるという形式の文章題が出されています。玉井式では、「イメージング力」と文章読解力の向上を大きな目標の一つに掲げていますので、かなり長い文章を読む2つの文章題が、こうした能力の習熟度を図ることのできる設問になっています。玉井式でしばらく学んでいれば、家庭学習用教材などでこうした形式の設問に触れる機会もありますが、学校の算数テストなどとは大きく異なるこの出題形式を初めて目にした子どもさんは、皆驚かれるのではないでしょうか。

 特に1年生にとっては、まず600字程度の長文を読むことでかなりのエネルギーを費やすことになるでしょうし、その中から必要な情報を読み取って設問に答えるというのは、かなり高いハードルになります。そして、それを2題続けて取り組むとなると、読解力だけではなく、非常に高い集中力も必要です。通常講座でも、事前にテスト問題の確認作業をしながら「これは難しいけど、大丈夫かな・・・」と心配してしまうこともあるのですが、最初は戸惑っていた子ども達も、回数を重ねていくうちに少しずつ慣れていき、設問に対応する部分を探して本文中に下線を引いたり、お話の流れに動きがあった部分にチェックを入れたりといった工夫をするようになっていきます。そして、子ども達の高い吸収力と予想以上の頑張りにこちらが驚かされるということも多々あるのです。

 さて、今回の夏期「実力確認テスト」の結果を見てみると、高得点をマークできた子どもさんがいる反面、予想以上の問題の難しさに苦戦した子どもさんもいたことがうかがえました。しかし、先述したように非常にレベルの高いテスト問題ですから、もし思うように解けなかったとしても、悲観する必要はなく、これからの取り組み次第で今後が大きく変わっていきます。

 実は、以前のつれづれ日記でもご紹介させていただいた、昨年玉井式でかなり苦労していた子どもさんも今回の実力確認テストを受験していたのですが、何と全校舎の受験者中トップの成績を収めていました。まさに地道な努力の積み重ねで少しずつ学力が向上していくという、とても素晴らしい例だと思います。また、今回のテストでは、1~3年の全学年において、通常講座から通ってくれている子の平均点が、今回新たに玉井式を受講した子の平均点を上回りました。個別に見ると初めてでも非常に優秀な成績を収めた子どもさんもいますので、もちろんそうした子どもさんは素晴らしい学力の持ち主なのですが、全体的に見ると、これは子ども達が継続して学習してきたことの成果が形として表れたものに違いありませんから、これまでの取り組みを知るものとしてはとてもうれしく感じています。

 今回のテストで苦戦した子どもさんも、まずは文章をじっくり読んでお話の楽しさを理解できることが大切ですので、目前の点数にこだわることなく、秋以降を長いスパンで考えながら計画的に学習に取り組んでいただければ、今回の講座で学んだことを確実に生かしてもらえるのではと思っています。

(butsuen)

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夏期講座の様子をご紹介します

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2012年 8月 8日 水曜日

 前々回の「つれづれ日記」では、夏期講座初日の「玉井式国語的算数教室」3年部・「ジュニアスクール」2年部の様子をそれぞれご紹介しました。そこで今回は、玉井式1・2年部およびジュニア3年部の様子をご紹介させていただこうと思います。

 玉井式1年部の第1日目の単元は、「20までの数のたし算とひき算(くり上がり・くり下がり)」「立方体の展開図と平行面」でした。しかし、1年生にとっては授業の内容もさることながら、それ以前に、初日は教室の中に入ること自体が高いハードルになるようで、入口付近を行ったり来たりしながら、なかなか教室に入れない子どもさんも少なくありません。「楽しい勉強だし、初めての子もたくさんいるから大丈夫だよ」と声を掛けても、「一人じゃイヤ!お母さんも!」と涙を流したり、廊下でしゃがみこんでしまったり・・・、ということもありました。しかし、お母さんの力を借りて何とか教室に入った子どもさんも、授業が始まるとニコニコと参加してくれ、帰る際には「楽しかった!」と満面の笑みを浮かべて言ってくれたので、ホッとひと安心です(単に声を掛けた私が怖かっただけなのかもしれませんが・・・)。

 玉2年つづいて玉井式2年部ですが、初日は「かけ算の意味 時計と時間」「平行」でした。この回は、アニメーションのお話の中に出てきたキャラクターの言動を振り返りながら、それぞれの場面における数を計算して求めていくという内容でした。単に九九を暗記するだけではなく、それを日常の生活場面に応用させるためには高度な力が求められますので、アニメの中でキャラクターが数えていた布の枚数を改めて計算する問題では、苦戦する子も見受けられました。また、かけ算の意味を考える課題も、九九を習いたての2年生にとってはなかなか難しい問題です。しかし、習いたてだからこそ、単なる九九の暗記だけで終わるのではなく、かけ算の意味そのものをしっかり理解してもらいたいという意図が込められた単元ですので、今後単元が発展して難しくなっていった時にも、ここで学んだことが基礎基本としてきっと生きてくるはずです。苦戦しながらも、最後までみんなよく頑張っていました。

 最後に、ジュニア3年部の初日ですが、前半の算数は「かけ算九九の決まり」でした。これは、「九九表」を使って、九九の中にある決まりを見つけていく課題です。3年生ですから、みんな九九自体はしっかり頭に入っているのですが、答えの一部を見て、それが何の段かを考えるような課題はなかなか難しく、中には「えーっ、わからん」とヒントを求めてくる子もいました。しかし、先生の解説を聞き、問題をいくつか解いていくうちに、九九表から見える九九の規則が分かっていったようで、一度分かれば、その後はとても楽しそうに次々と問題に取り組んでいきました。

 後半の国語では、「ひとつがふたつ」というお話を題材にして、想像力をふくらませて各自の考えを深めていく課題に取り組みました。このお話は「一つのものを二つに増やすことのできる機械を使って、何を増やしてもらいたい?」と問われた主人公は、「自分自身を増やしてもらおう」と考えますが、一体どうなるのでしょうか・・・、という内容のお話なのですが、これを読んで、子ども達にも自分なら何を増やしてもらうかを考えてもらいました。最も多かった答えはやはり「ゲーム」「おこづかい」などでしたが、面白いものとしては、「地球」という答えもありました。これもご時勢というか、エコ世代の考え方を反映しているのでしょうか(ちなみに最も不評だったのは「おかあさん」を二人に増やすという意見。「二倍叱られるなんて、大変なことになる」のだそうです)。

 夏期講座も全体の折り返しを過ぎ、残りの授業も少なくなってきましたが、クラスにも慣れ、みんなしっかり学んでいます。あとは、これをご家庭でも継続し、定着させることが重要ですので、「塾で学ぶ⇒自宅で復習する⇒塾で学ぶ⇒・・・」のサイクルを確立させられるように、この後も頑張ってほしいと思います。

(butsuen)

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前期保護者面談について

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2012年 8月 1日 水曜日

 6/4(月)~7/14(土)の期間において、玉井式1~3年部保護者面談を実施いたしました(一部、後期に実施予定のクラスもあります)。お忙しい中、参加していただいた保護者の皆様、誠にありがとうございました。

 保護者面談は基本的に希望者のみの参加なのですが、今回は、1~3年部全体でおよそ6割弱の保護者の方にお申し込みいただきました。なお、今回の参加率を学年別に分けてみると、3⇒2⇒1年部の順に高くなっており、きっと小学校入学間もない時期の子どもさんの様子を心配されているご家庭が多いのだと思われますが、1年部に関しては実に約7割の保護者の方にご参加をいただきました。

 保護者面談では、限られた時間内ではありますが、授業での様子や学習内容の理解度、今後の見通しなどを各授業担当者からお話させていただいています。また、保護者の方からは、各種質問に加えて、ご家庭での子どもさんの様子や家庭学習への取り組みなどについてお教えいただきました。保護者の方にとって、こうした面談は、塾における子どもさんの様子を知ることができる良い機会として捉えていただいていると思っているのですが、反対に、授業を担当している側としても、子どもさんの塾以外での姿や、ご要望などを知ることができる貴重な機会となっています。ですから、こうした機会には一人でも多くの方にご参加いただけますと、弊社としても大変ありがたいのです。

 面談実施期間中には、教室に集まってきた子ども達と授業前などに話をしていると、「今日、わたしのお母さん、先生とお話するんよ。」とか、「ぼくのとこは来週お父さんが来る!」などと、面談の予定について色々教えてくれます。それだけ、子ども達が「お父さんお母さんは先生と何を話すんだろう」と気にしているということですから、これは、褒めるためのチャンスであると考えていただければと思います。こうした時機を逃さずに掛ける励ましの言葉は、普段よりずっと大きな効果をもたらすことがあります。

 面談後には、「やっぱりいつもお母さんが言ってる通りじゃないの!」というお叱りではなく(言いたくなるのはよく分かりますが・・・)、「先生から教えてもらったけど、授業中に○○で頑張ってるんだってね。すごいね!」などと声を掛けてあげると、子どもは「次も頑張ろう!」と前向きに捉えることができるはずです。保護者面談や授業参観などの行事は、こうした子どもさんへの励ましの材料としても使っていただければ、ただ状況報告だけで終えるより何倍も有効に活用することができるのではないでしょうか。

(butsuen)
 

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