いよいよ「小学生 第1回」

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2012年 5月 16日 水曜日

 今回は、玉井式国語的算数教室1年部の授業風景をお伝えしようと思います。
 弊社玉井式1年部では、これから小学校で学び、初めて塾に通う子どもさんにも楽しく学習に取り組んでもらうため、弊社で作成する年間カリキュラムにも工夫をこらしています。その一つが、「玉井式 ジュニアS」という幼稚園年長カリキュラムの一部導入です。小学校入学前後にあたる3~4月は環境の変化も大きく、子どもたちにかかる負担も少なくありません。そこで、この時期を玉井式や小学校の学習内容に慣れるための導入時期と位置づけ、小学校の勉強をこれからスタートさせる子どもさんにとって授業のスピードも難易度もピッタリの「ジュニアS」を一部取り入れることにいたしました。そして、「そろそろ学校の勉強にも慣れて、生活リズムも安定してきているかな?」という5月以降、いよいよ玉井式小学校カリキュラムを開始するという流れで年間カリキュラムを設定しています。つまり、今回ご紹介するゴールデンウィーク明け最初の授業が、「玉井式国語的算数教室 小学生第1回」にあたるものなのです。

 今回、まず「きほんのおはなし」で勉強したのは、『なんばんめ』です。アニメーションによる説明と先生からの解説により、「右(左)から~番目」と「右(左)から~個」の考え方や両者の違いについて学びました。アニメの中では、弟のルディが「右から5個」を「右から5個目」と勘違いして、お姉さんのメアリーから指摘される場面がありましたが、それを見ていたクラスの子どもたちも、その後に取り組んだプリントで同じような間違いをしてしまうことも・・・。やはり、小学校カリキュラムということで少し難しくなったかな?「う~ん・・・」と悩む場面も見られましたが、その後の解説を受けて、全員正解することができました。
 次の「ものがたり算数」は、マギー家の姉弟6人がみんなで公園に遊びに行くという内容のお話でした。6人がすべり台を滑る順番や、遊具に乗る2人ペアの組み合わせ方などから、「きほんのおはなし」で学んだ『なんばんめ』に関する出題がなされました。このように、子どもたちが食い入るように見ていた物語から、自然な流れで無理なく算数の問題が出されるところは、やはり玉井式ならではの特徴ですね。先ほどまで登場人物に自分を重ねながら集中してアニメを視聴していましたから、問題にも取り組みやすくなりますし、さらには弊社が独自に作成した教具も併用することで、より一層子どもたちの理解を助けることができます。
 かたち最後の「かたちの形」では、『さんかくけいをみつけよう』をテーマに取り組みました。三角形の基本的な定義を学び、その後、直線を組み合わせた図形の中から三角形を探したり、棒を使って三角形を作る過程の中から「三角形が1つ増えると棒は2本ずつ増える」という規則性を見つけ出す段階まで進みました。中には、大人でも一瞬考えてしまうような内容の問題もありますから、すぐには正解にたどり着くことができませんでしたが、アニメの立体的な図形ヒントを見たり、各問題のために作成した教具を実際に自分の目で見て手に取って考えることで、頭の中にどんどんイメージが膨らんでいきます。その後の答え合わせでは、あちこちから「あーっ、そっか!」「わかった!!」という声があがりましたが、こうした反応は、難しい問題を自分なりに一生懸命考えたからこそ出てくるもの。こうした発見や驚きの積み重ねが今後の成長につながっていくのです。

 1年部もいよいよ小学生カリキュラムに入り、学習内容も本格化していきます。少しずつ難易度も上がっていくため、子どもたちが苦戦する場面も出てくるかもしれません。しかし、すぐに正解にたどり着けるかどうかは別として、今回のように一生懸命考えながら試行錯誤することで学びの基盤を築くことができますから、難しい問題にぶつかっても、楽しみながら最後まで諦めずに取り組んでもらいたいと思います。といっても、目を輝かせてアニメに夢中になっていたり、悩みながらも必死で問題に取り組んだり・・・、元気いっぱいの子どもたちの楽しそうな様子を見る限り、これからもきっと大丈夫だと確信しています。

(butsuen)

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「塾って楽しい」?

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2012年 5月 9日 水曜日

 先日、ある校舎に行った時のことです。授業開始前に子どもたちと雑談していた際、「先生!学校はあんまり楽しくないのに、何で塾は楽しいん?」と言われました。その時は「何でかな?でも、塾が楽しいと思ってくれるのはうれしいね。」などと答えましたが、後になって、ふと「なぜなんだろう?」と自問自答してみました。

 自分自身の幼い頃を振り返ると、毎日暗くなるまで外で遊んで帰ってきても、晩御飯の後に必ず母が熱心に勉強を教えてくれていました。田舎育ちでおおらかな時代だったということもあり、実は小学生時代に塾通いをした経験がありません。母のおかげで勉強の苦労もなく、友達にも恵まれ、その頃辛かったのは、目覚めの悪い体質で毎朝叩き起こされることぐらい(弊社イベント等でお話させていただいている「自立できていない子ども」ということになりますね・・・)で、今振り返ってみても、子どもの頃に「学校がつまらない」と感じたことはほとんどなかったように思います。また、中学生になって初めて某塾に通うようにはなりましたが、そこはかなり厳しいスタイルの指導で、答えを間違えたり予習が足りなければ、容赦なくみんなの前で叱り飛ばされるようなところでした。ですから、「学校より塾がいい」などと思ったことは一度もなく、学年の違いはあっても、先述の「塾が楽しい」という言葉は、私にとって非常に大きなものでした。

 その後も自分なりにあれこれ考えてみたところ、きっとその子にとっての家庭学習研究社が、「居心地が良い」場所になっていることが最大の理由なのではないかという結論に至りました(自問自答による勝手な結論ですが)。低学年部門の授業では、子どもたちが主体的に学び、自分なりに考えて発表することを大切にしていますので、「積極的に情報を吸収する→自ら考える→自分の言葉で表現する」という一連の活動の積み重ねが、さらなる学ぶ楽しさにつながっていきます。教室をこうした学びの場とするために、授業の随所に楽しみながら学べる工夫をしていることや、毎回全員が発表の機会をもてるようにすることによって、子どもたちが積極的に授業に参加することができ、それが他では味わえない達成感を得ることのできる貴重な場となっている理由なのかもしれません。

 自発的に勉強して学力を向上させることは、自分のため、ひいては自身の将来のためであることはいうまでもありません。しかし、同時にそうした子どもたちの頑張りが、学習の場を新たな発見に満ちた居心地の良いものにしているともいえます。先述の「塾が楽しい」と言ってくれた子は、楽しみながら積極的に授業に参加し、毎回の授業で達成感を得ることによって、居心地の良さを感じてくれているのだと思います。そうした空間であれば、低学年に限らず中高校生であってもきっと「楽しい」と感じられるでしょうし、それが自然と継続的な学習に結び付いていくはずです。単に知識を与えるだけでなく、子どもたちが楽しく学びながら積極的に頑張ることができるような環境を提供することは、私たちにとって大切な役割の一つなのですね。

(butsuen)

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ジュニアスクール3年部の様子②

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2012年 4月 25日 水曜日

 今回も前回に続き、ジュニアスクール3年部の様子をご紹介させていただこうと思います。

 今回の算数では、テープ図と文章題について学びました。テープ図は、既に学校で習っている単元であるため、説明もすんなりと理解してプリントの文章題2題も難なくクリアできました。しかし、ここからがジュニアスクールらしいところで、プリントを裏返すと、一部分だけ数字が書かれたテープ図以外は何も書かれていません。これは、一部の数字が指定されているテープ図をもとに、自分で文章題を作成してみましょうという課題なのです。普段は、プリントに書かれた文章を読んで式を立てて答えを導き出すのに、今回は逆にテープ図に書かれた数字をもとに問題を作る訳ですから、まるで勝手が違います。「えーっ」「うーん・・・」と唸りながら一生懸命に問題文を考えていました。中には、330と126という数字から、「330万円のうち買い物で126万円使いました。のこりはいくらでしょう?」という問題を作る子もいました。真面目な顔でサラッとこのような問題が作れるとは、何と経済的に恵まれた環境で生活しているのか・・・と、若干(かなり?)うらやましくもありますが。
 後半の国語では、前回の「どんな」を表す言葉(連体修飾語)につづいて、「どのように」を表す言葉(連用修飾語)について学びました。プリントに書かれた絵を見ながら、「○○が、『どのように』△△している」という文章を作っていく課題に取り組みました。山の上で風に揺れている同じ旗の絵を見ても、「はたがひらひらとゆれている」と書く子もいれば、「しろはたがゆらゆらと立っている」と捉える子もいます。ある子が「くまがわらいながらがっきをえんそうしている」と書いた絵も、他の子にとっては「しろくまが少し楽しそうにたいこをたたいている」となります。さらには、ある子が「いぬ」と書いた動物も、他の子にとっては「たぬき」になっていたり(「どのように」とは関係ないですが・・・)。みんな学習した内容をきちんと理解した上で、同じように見えても少しずつ異なる文が書けていて、とても楽しい学習になりました。

 ジュニアスクールでは、1つの授業の中で算数と国語が半分ずつセットになっていることもあり、算数の計算に時間がかかってしまう子が、国語では他の子が思いつかないような独創的な文章を書いていたり、作文で手が止まってしまうことはあっても、算数の計算では誰より早く手が挙がる子がいたり、それぞれの個性を感じる機会が多くあります。どうしてもそれぞれ科目による若干の得手不得手はあり、学年が上がるにつれて難しく感じる内容も少しずつ増えていくでしょう。しかし、低学年の今のうちに勉強することの楽しさを知っておくことで、これから先、難しい内容の中にも楽しさを見出す力を身に付けることにつながっていくのだと思います。子どもたちが授業中に真剣な表情とともに楽しそうな笑顔を見せるたびに、低学年の学習がもつ意味とその重要性をあらためて考えさせられます。

(butsuen)
 

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ジュニアスクール3年部の様子

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2012年 4月 18日 水曜日

 今回は、ジュニアスクール3年部の授業の様子をご紹介させていただこうと思います。

 今回前半に行った算数の授業では、たし算ひき算の筆算に取り組みました。といっても、単に計算方法を説明して、問題を筆算で解いて終わり・・・という訳ではありません。今回の課題は、筆算の一部が虫食いになっており、そこにどんな数字が入るかな?という問題です。しかも、こうした虫食いの筆算には、空欄に入る答えが複数ある場合もありますから、子どもたちもかなり頭を悩ませなければなりません。まずは子どもたちに、しっかり自分で考えてもらうところからスタートします。「うーん、一の位は3かなぁ?でも・・・」などと独り言を口にしながら、みんな真剣に取り組んでいました。
虫食い算 一見、無作為に数字を入れることで答えが出るように思えるこの虫食い問題も、実はいくつかの法則が存在していて、それにいかに気付いて数字を入れていくかが、この問題を解くカギであり楽しさでもあります。時間をかけて悩みながら試行錯誤する姿を見ていると、ついそれを伝えて手伝ってあげたくなる気持ちが湧いてきます。しかし、先生がそれを解説して教え込むのは簡単ですが、自分の力でそれを見つけ出さなければ本当の意味で学んだことにはなりません。しばらく考え、答えを一通り発表した後、どのように考えて取り組んだのかも聞いてみると、子どもたちは見事にその規則性に気がついていました。

 後半の国語では、前回の主語・述語に続いて、「どんな」を表す言葉(連体修飾語)について学びました。プリント課題では、「○○なりんご」というお題で、○○に当てはまる「どんな」を自由に考え、それを絵に描いて表現してもらいました。ここで、子どもたちの想像力(もしくは創造力?)が大いに発揮され、「赤いりんご」「おいしいりんご」といったオーソドックスなものに始まり、「足があるりんご」「人間に似たりんご」「空飛ぶりんご」・・・などなど独創的な意見がたくさん出されました。考えついたからにはそれを絵にするのも課題ですから、真剣な表情で一生懸命ユニークなりんごの絵を描いていました。どれだけ楽しい意見であっても題目から逸脱したようなものはなく、どれも今回のテーマである連体修飾語の枠内におさまっているのは、全員が学習内容をきちんと理解できている証ですね。

 今年度から弊社低学年部門では、「玉井式国語的算数教室」が全校舎展開となったこともあり、「ジュニアスクール」は三篠・広島の2校舎のみの実施となりました。しかし、クラス数こそ少なくなったものの、長年にわたる授業研究の結果を活かした質の高い授業を展開していることには変わりなく、低学年の学習で最も重要な要素の一つである「楽しみながら学ぶ」授業を体現できるよう、ジュニアスクールならではの様々な工夫を凝らしています。今後「ジュニアつれづれ日記」では、玉井式だけでなく、ジュニアスクールで生き生きと学んでいる子どもたちの楽しそうな様子もお伝えしていければと思います。

(butsuen)

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玉井式2・3年部「第1回実力確認テスト」

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2012年 4月 3日 火曜日

 先日、今年度最初のテストとなる、玉井式2・3年部「第1回実力確認テスト」が実施されました。
 扱う算数の単元そのものの難易度が高いうえ、低学年のうちに長文読解と算数問題を融合したような設問に取り組む機会がなかなかないと思いますので、初めて玉井式の実力確認テストを受験したお子さんは、驚いたかもしれません。
 特に、2・3年とも最後に出題された2題の長文読解は、それまで学んだ算数の知識を活用して取り組む文章題なのですが、算数の知識と国語の文章読解力など種々の能力が同時に求められる、かなりの難問になっています。 

 玉井式では単なる知識の習得だけではなく、「イメージング力」をベースとした応用力や表現力の育成を目標の一つとしていますので、テストにおいても、答えに至るまでの「考え方」を重視しています。通常テストの文章題では、設問につづいて式や答えを書くための欄が設けられていますが、玉井式では「式や考え方」と答えの採点が別になっており、式だけでなく、考え方を書くための欄として通常よりやや大きめのスペースがとられています。問題によっては、式がうまく立てられなかった場合、この欄に自分の考え方を文章で書いて説明することも可としているのです(もちろん、その考え方が正しければ正解となります)。これは、頭の中では正しい考え方ができて答えも導き出せているのに、「式をどうやって書いたらいいのかわからないよ・・・」というお子さんが、どのように考えたのか自分の考えを自分なりに表現することができるようにしたい、という意図によるものです。テストの採点上、問題に取り組む過程を含めて評価するという意味もありますし、授業担当者にとっては、その子がどのように考えて問題に取り組んだのかが分かれば、その後の指導に活かすこともできます。
 玉井式テスト例もちろんいずれは、独力で立式した上で答えを導き出せるようになる必要がありますが、低学年の段階から式にできないことで全て一律に不正解にしてしまうことは、学習意欲を低下させることにつながり、学びの芽を摘み取ってしまうことにもなりかねません。お子さんがその問題を解く際に本文中のどの部分に着目したのか、その読み取った数値を用いてどのような計算をして答えを求めたのか、それを自分なりに表現してもらい、それを汲み取って評価・指導していくことにつなげていければ、実力確認テストも単なる点数確認ではなく、より実りのあるものになるはずです。 

 今回の実力確認テストではいくつかのクラスの採点を行いましたが、一生懸命考えた内容を自分なりの表現で書いた答案が見られました。授業での様子も知っていますから、「あの授業のあの時に教わったことを書こうとしているんだな」と、その子の思いが伝わってくるものもありました。テストである以上、毎回点数として明確に結果の出るものではありますが、もし今はまだ点数に表れていなくても、今後につながる土台を築く過程にいるお子さんもいるでしょう。この先の授業やテストを重ねるうちに、子どもたちがどのように成長してどのような変化を見せてくれるのか、とても楽しみになりました。

(butsuen)
 

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