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> 北のはてのイービク
タイトル | 北のはてのイービク | |
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著者 | ピーパルク・フロイゲン | |
出版社 | 岩波書店 | |
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イービクはグリーンランドの北の島で家族とともにくらしていた。イービクはある日、おとうさんと海へ狩りに出かけた。ところが、おとうさんはセイウチを狩ろうとして、イービクの目の前で逆にセイウチに殺されてしまった。 狩りをしてくれるおとうさんがいないので、イービクの家族はたちまち食べるものに困っていった。おじいさんもイービクも、なんとか食べるものを手に入れようと、わなをしかけたりしたが、なかなかえものをとらえることができなかった。とうとう飼っていた犬まで少しずつ殺して食べるありさまだった。イービクの弟妹たちは、食べるものが少ないといって文句をいったが、イービクにはどうすることもできなかった。イービクはただ、自分は一人前の男なんだという責任感で、食べるものを弟妹たちにわけあたえ、くつがやぶけても家族に知られないようにしていた。 やがて冬が来て、イービクたちのいる島と人がたくさんくらしている本土との間の海が氷でおおわれた。これなら本土にいる人たちに助けを求めに行くことができる。痛風で足が痛くて歩けないおじいさんのかわりにイービクが本土に歩いて行くことになった。 イービクはおとうさんの槍を持って、本土へ出かけて行った。ところが、本土へ向かって半日もたたないうちに、イービクの目の前に白クマがあらわれた。しかも、その白クマはおなかがすいているようだった。おなかをすかせた白クマはイービクにねらいをさだめた。しかし、イービクもまた、おなかをすかせた家族のために、白クマにねらいをさだめた。 【 まだあまり狩りをしたことのないイービクが、たったひとりで白クマを倒そうとします。一人前の男として家族を養うべく、危険な狩りにいどんだ少年の物語。】 |