自信の度合いは勉強にどう影響する?

2022 年 1 月 15 日

 年が明けてから急激に新型コロナウィルスの感染が拡大しています。広島県や山口県、さらに沖縄県はまん延防止等重点措置が再び適用されましたね。新聞報道によると、新手のウィルスであるオミクロン株による感染が80数%に達しているとか。またしても窮屈で不便な生活を耐え忍ばなければなりませんが、県民一致協力のもと、ウィルス対策をしっかりとやってまいりましょう。

 さて、中学入試シーズンがいよいよやってきました。早くも連日私学の入試や合格者の発表が行われています。受験生のみなさんは、この日のために長い間努力を継続してきたわけですから、最後の最後で体調を崩したりしては元も子もありません。ましてや、新型コロナウィルスに感染するなどといった事態に至れば、これまでの努力が台無しになってしまいます。毎日のうがいや手洗いを怠りなく。

 もう一つ。大詰めを迎えての受験対策について。不安は誰にもあるものです。その不安を消し去るために、夜遅くまで知識を詰め込んだり、たくさんの問題に当たったりしている受験生はいませんか? ここで無理をしてはいけません。今の段階でもっとも大事なことは、最高のコンディションで入試本番に臨むことです。前回のブログ記事でお伝えしたように、緊張過多にならないための秘訣の一つは、十分な睡眠をとることです。保護者におかれては、コンディションづくりにも十分な配慮を願いいたします。

 受験シーズンの到来は、私たち学習塾にとっても1年間の学習指導の総決算という意味で非常に大切な時期ですが、もう一つ大きな仕事があります。それは新規会員の募集です。お知り合いで、中学受験を検討されているご家庭はありませんか? もしおありでしたら、家庭学習研究社という選択肢の存在をお伝え願えればと思います。不躾で唐突なお願いですが、どうぞよろしくお願いいたします。

 さて、今回は新年度会員募集が本格化することを踏まえ、中学受験専門塾としての基本的な姿勢や見解についてお伝えしてみようと思います。とは言え、指導の方針やシステムなどの詳細についてはHPや案内書、説明会資料などに載せています。そこで今回は、「家庭学習研究社に通って受験勉強をすることの価値として、ぜひ知っていただきたいこと」に的を絞ってお伝えしてみようと思います。

 このブログをお読みのかたの多くは、お子さんの中学受験を視野に入れておられると思います。中学受験をめざす理由はご家庭によって様々でしょうが、保護者の考えの根本にあるのは、「よりよい教育環境を得て、知力を磨いてほしい」ということであろうと思います。

 ご存知のように、国立や私立の有名中学校に合格するには一定期間系統だった受験対策をすることが求められます。そのニーズに応えるのが弊社のような進学塾です。ただし、入学試験で合格点を取れるようになるための学習や指導は学習塾によってみな違います。そして、それぞれによさがあります。また、そのよさは欠点と背中合わせになっている面もあります。保護者や受験生にしても、多人数での競争による励みをよしとするかたもおられれば、少人数でのきめ細かな指導を好まれるかたもおられるでしょう。両方のバランスを期待するかたもおられることでしょう。

 今回、筆者がお伝えしようと思ったのは、弊社の授業手法とテスト制度を上手に活用すれば、志望校合格が得られるのは当然のことながら、先々の人生を前向きに生き抜くうえで欠かせないものが身につくということです。それは何かというと、新規の知識や考えを体得しようという積極的な姿勢です。

 知識を得ようとする行動の発露は「好奇心(もっとそれについて知りたいという欲求)」だと言われます。専門家によると、好奇心は「自分はたいていのことは知っている」という過信の状態では稼働しません。また反対に、「自分は何も知らない」という自信不足の状態でも稼働しません。実は、「自分はいくらか知っているが、まだまだ十分とは言い難い」という自覚をもったときに最も稼働するのです。

 弊社の教室で実施する授業は、入試必須事項を提示して覚え込ませようというものではありません。問題を解くためのスキルを磨くためにあるのでもありません。「あれ?これってどういうことなの?」→「こうやったらどうかな?」→「えっ?今まで気づかなかった!」といったように、好奇心や試行錯誤、感動と納得が連鎖する体験を提供することを主眼に置いています。まずは知りたいという欲求を喚起し、つぎに知るプロセスの面白さを体感させ、納得がいったときの知的充実感を体験させるわけです。そして、それを家庭での一人勉強へとつなげていきます。

 こうして好奇心に灯をともしたら、つぎには「もっと知りたい!」「まだまだ知らなければならないことがいくらでもある」という気持ちを刺激し、さらなる学習活動へといざなう必要があるでしょう。それが2週間に一度の割合で行われるテストの制度です。「今回は自信がある。ちゃんとやったもの!」――こんなふうにやる気に満ちてテストに臨んでも、同じようにがんばってきた受験生同士で競う成績ですから、大概の子どもは結果に満足できません。「凄い人がいっぱいいるんだ」ということを知り、「自分はまだまだ。もっとがんばらなきゃ」と気持ちを新たにして勉強に励み、つぎのテストに臨みます。こういう体験のくり返しは、人間の枠組みが形成される大切な時期の子どもの生きかたに大きな影響を及ぼすことでしょう。

 子どもには大人のような常識がありません。何かについて、ちょっと知っただけで「何でも知っている」と錯覚することもあります。学校よりも広範囲から集まり、学習能力の高い子どもの集団で学ぶ経験は、「自分はかなり難しいことがわかる」という自信とともに、「自分はまだまだだ。もっとがんばらなければ!」という謙虚な気持ちも養ってくれることでしょう。それは、前述のような「自信過剰でもなく、自信不足でもない、前向きな勉強の姿勢を培ううえでちょうどよい環境と言えるのではないでしょうか。

 学力が高くてもそれを鼻にかける人間にはなってほしくないものです。また、学力が高くても自分に自信がないタイプの人間もいます。これはこれで社会の一線で活躍できる人間になるのは難しいと言えるでしょう。弊社の教室に通う子どもたちには、高い知力を自ら養いつつ、決して現状に満足することなく努力を続ける人間になってほしいと願っています。弊社はそういう学びの環境を整えた学習塾だと自負しています。ちなみに、合格以外に私たちが提供したい学習指導の成果は次のようなものです。

・中学進学後の長い学習生活の基盤となる学習習慣の形成
・自ら学ぼうという積極的な姿勢をもった子どもの育成
・学習の優先順位を判断し、段取りをつけて学ぶ姿勢の育成
・集団学習の場に適応性の高い子どもの育成

 受験するのは、まだ年端もいかない小学生です。自分で受験勉強を算段する知識などもち合わせていません。そもそも、受験するということの意味すらも定かではない子どももいます。そんな子どもの受験勉強ですから、大人が「これをやりなさい。覚えなさい」と命じてやらせるほうが手っ取り早く効率的にも思えます。しかし、それでは他者依存の勉強が染みつき、先々苦労することになりがちです。受験での合格の喜びもつかの間、苦しく長い学校生活を送ることになってしまうのではないでしょうか。小学生の受験で大人が配慮すべき最も大切なことは、学びの自立という命題を掲げての学習による合格をめざすことだと私たちは考えています。

 弊社の教室に通って中学受験をめざしませんか? 合格だけでなく、前向きに生きる姿勢を養えるよう誠意をもって指導させていただきます。

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緊張を乗り越え、入試本番で実力を発揮するには!?

2022 年 1 月 6 日

 明けましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

 新たな年の始まりとともに、すぐさま広島県西部地区では私立中学校の入試が始まります。1月4日(火)に行われたAICJ中(入試Ⅰ)を皮切りに、本日(1月6日)は崇徳中(前期入試)、週末の8日・9日には5~6校の入試が予定されています。厳寒期の入学試験は体調もパフォーマンス発揮に影響しますので、体調の管理にはくれぐれもお気をつけください。

 昨年最後のブログで、「緊張は悪いことではない。むしろ適度な緊張は実力発揮に貢献する」ということをお伝えしました。しかしながら、問題はどうやったら適度な緊張状態をつくれるかです。

 そこで、ちょっとよい話をお伝えしましょう。実は、「緊張は味方である」ということを知っているだけでも、緊張はコントロールできるのです。以下の研究結果は、精神科医の樺沢紫苑氏が、著書「いい緊張は能力を2倍にする」で紹介されているものです。

 ハーバード大学のジャミソン博士は、60人の学生を二つのグループに分けて数学の試験を行いました。片方のグループには、「緊張はパフォーマンスを高める」という説明をし、もう片方のグループには何の説明もしませんでした。前者のグループには、「不安な感情はパフォーマンスを下げると考えられていますが、最近の研究では緊張はパフォーマンスを下げない、むしろ不安があったほうがパフォーマンスを上げるということがわかっています。もし試験中に不安を感じたら、緊張はあなたの助けになることを思い出してください」と伝えていました。さて、試験の結果はどうなったでしょう。

 説明しなかったグループの平均点は705点でしたが、説明をしていたグループの平均点は770点でした。この結果は何を意味するでしょう。「緊張はパフォーマンスを上げる」ということを知っているだけで、緊張によるマイナスの影響を取り除き、逆にパフォーマンスを上げる効果を引き出すのです。「成績のよい学生がそのグループに多くいたからじゃない?」と思われたでしょうか。この種の実験は、被検者の学力を均等にしたうえで行うのが常識です。ですから、そういった懸念は無用です。

 さて、つぎは緊張がどうやって生じるのかに関する科学的な説明です。前出の樺沢紫苑氏は、緊張の理由はたったの三つであると述べておられます。その三つとは、①「交感神経が優位」、②「セロトニンが低い」、③「ノルアドレナリンが高い」です。以下は、それぞれに関する簡単な説明です。上記の樺沢氏の文献にあった説明をごく短くしたものです。

①「交感神経が優位」
 交感神経が優位になると、心拍数、血圧、呼吸数、体温が上がり、筋肉は緊張する。いっぽう、副交感神経が優位になると、逆に心拍数、血圧、呼吸数、体温が下がり、筋肉は弛緩する。交感神経が優位になると、緊張で全身の活動性が高まるが、程度が一定領域を越えると思考が正常に働かなくなる。
対策→副交感神経を優位にする

②「セロトニンが低い」
 セロトニンは、「落ち着き」「平常心」「心の安定」「共感」などを司る脳内物質で、健康な生活に欠かせないものである。セロトニンが十分な状態にあると、心が安らぎ癒された感情に満たされる。欠乏した状態にあると、朝に弱い、イライラする、カッとしやすい、ものごとの切り替えができない、などの症状を呈する。
対策→セロトニンが適切に働く状態をつくる

③「ノルアドレナリンが高い」
 緊張状態になるとノルアドレナリンが分泌され、集中力、判断力、記憶力などが研ぎ澄まされた状態になる。したがって、ノルアドレナリンは自分のもてる力を最大限に発揮するために欠かせない脳内物質である。ただし、分泌量が増えすぎると緊張状態を引き起こし、さらには不安に襲われるようになる。
対策→ノルアドレナリンの分泌を適度に押さえる

 「アドレナリンとノルアドレナリンはどう違うの?」と思われたでしょうか。組成は非常に似ているものの、前者は体全体の働きに影響し、後者は主に頭の働きに影響するという違いがあるようです。緊張の理由は上記のとおりですが、対処の方法がわからなければ緊張は克服できません。そこで、前出の樺山氏の著作で紹介されていた対処法から、中学受験生が採り入れて効果のありそうなものをいくつか挙げてみようと思います。

① 副交感神経を優位にする方法
 もっとも簡単な方法は「深呼吸」です。ですが、大半の人がうまく活用できていません。一気に息を吸い、一気に吐いてしまうからです。これでは呼吸が浅くなり、却って緊張を強めてしまいます。5秒かけて鼻から息を深く吸い、10秒かけてゆっくり口から吐き、さらに5秒かけて肺にある空気をすべて出し切るのです。緊張しやすい人は、もともと呼吸が浅い人だそうで、上記のような深い呼吸を一定期間練習するとよいそうです。いざ本番のときに深呼吸を何度か繰り返すと、気持ちがそれに集中し、緊張していることも忘れる効果があります。

② セロトニンを適切に働かせる方法
 セロトニンを欠乏状態にしないためには、睡眠時間をたっぷりと取る必要があります。今からは、”早寝早起き”を心がけましょう。睡眠が足りないとイライラが増し、緊張が高まったり、注意散漫になったりしがちです。また、入試会場には少し早めに着くようにしましょう。到着直後に緊張が一気に増しますが、おかあさんと笑顔で話をしたりする時間的余裕があると、緊張が程よく緩和されてちょうどよい緊張状態になります。笑顔を取り戻せばパフォーマンス発揮間違いなし!

③ ノルアドレナリンの分泌を適度に押さえる方法
 扁桃体は、安全と危険、快と不快を、思考が働くよりもはるかに早く判断し、ノルアドレナリンの分泌をコントロールする脳部位です。過度の緊張に襲われると、ノルアドレナリンの分泌量は一気に増加します。これに対処する方法の一つは、お子さんがすでに行っておられます。模試を受けていることです。過度の緊張を未然に防ぐには、疑似体験をしておくことが有効ですが、お子さんは模試を通してすでに何回も入試の疑似体験をしておられます。これが過度の緊張を緩和するうえで有効なのです。「そっくり」を経験しておくという意味では、過去問を多めにやっておくことも有効でしょう。もう一つ、「だいじょうぶ、だいじょうぶ」と、つぶやくことも緊張緩和に寄与します。

 どうでしょう。簡単におさらいをしておきましょう。

1.「緊張は、本番での実力発揮につながる」ことを知っている
2.正しい深呼吸を本番前に繰り返す
3.早寝早起きを励行する
4.入試の疑似体験をしておく →お子さんは体験済み

 以上が入試本番で緊張に襲われないための対策です。すでにお子さんは半分を体得済みですから心強いですね。これらのことをおとうさんおかあさんから伝えてあげてください。あとは、入試までの残された期間の入試対策学習を、焦らず、欲張らず、集中して行ってください。

 なお、本来は入試会場に指導担当者が出向き、お子さんがたを見つけて声をかけて緊張を解きほぐしたりするのですが、昨年来のコロナ禍においては、入試での塾関係者の応援自粛の依頼がいくつもの学校から出されています。誠に不本意ではありますが、ご了承いただきますようお願いいたします。

全受験生のみなさん、悔いなきラストスパートを!

※今回の記事の大半は、「いい緊張は能力を2倍にする」樺沢紫苑/著 文響社 の著述を参考にして書きました。

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緊張は受験生の敵? それとも味方?

2021 年 12 月 26 日

 1年が経つのは早いものですね。気がつけば2021年も余すところあと数日となりました。今回の記事も年内の最終回です。

 このブログは長文であり、形式や内容はコラムに近いため、日記のように気楽に短時間で書き終えることができません。それでも2008年11月の開始以来、八百数十回も継続して来られたのは、お読みくださるかたがたくさんおられたからに他なりません。受験塾のアピールの場にするだけが目的なら、ここまで長きにわたって多くの記事を書くことはなかったろうと思います。「成長途上のお子さんをおもちのご家庭に、多少なりともお役に立てれば」という思いがあったからこそ、こんなに続けられたのだと思います。書くことの楽しさ(同時にしんどさもありますが)は、生きがいや充実感を与えてくれるかけがえのないものです。読者の皆様にはこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

 さて、この11月に実施した2回のオンラインセミナー(広島学院編・ND清心編)をきっかけに、「受験での緊張をどうしたら克服できるか」について考えることになりました。当初は「緊張は厄介なもの」という前提で、その回避方法を考えたのですが、しばらくして「待てよ、緊張するのは悪いことだろうか」と思うようになりました。その理由ですが、緊張がある程度ないと集中力や気合は働いてくれません。また、「受験の際は少し空腹状態のほうがよい」とか、「多少寒気を覚えるくらいの服装で試験に臨め」という、試験で好結果を得るための教えが昔からあります。これらの教えは理に適っています。体のセンサーが危機を訴えることで、脳の神経が研ぎ澄まされ、頭脳の働きが鋭敏になるからです。つまり、人間のパフォーマンス発揮にとってマイナス要素と思われていることは、意外にもプラスに作用することがあるわけです。

 そこで緊張はよいことか、悪いことかという話になります。もうおわかりでしょう。緊張するのはよいことであり、緊張は受験生の味方なのです(もちろん、程度問題ですが)。それを裏付けるかのように、有名なスポーツ選手の多くが緊張することは必要だと述べています。たとえば、世界的に名の知られる日本人アスリートが、次のようなコメントを残しています(書物からの引用です)。

①テニスの世界ランキング選手になった錦織選手

「毎試合、緊張しますけれど、それは決して悪いことではないと思うし、その緊張も力に変えられるようになったら強いですよね」

②サッカーの英国プレミアリーグで活躍した岡崎選手

「全ての試合で緊張します。重要な試合に限らず、日々の試合も全て、緊張して当然。逆に緊張しないとまずいと思います」

③アメリカのメジャーリーグで活躍したイチロー選手

 「緊張しない人はダメだと思う」

 どうやら緊張を恐れ、回避しようとする人ほど失敗しがちであり、緊張を受け入れて味方にできる人は高いパフォーマンスを発揮して成功できるようです。この点に鑑みるなら、緊張の呪縛から解放されるための第一歩は、「緊張は失敗のもと」という固定観念を捨てることだと言えるでしょう。

 先ほどご紹介したアスリートのコメントは、精神科医の樺沢紫苑氏の著書(最近、緊張に関する書物を探して見つけた本です)から引用したものですが、この書物に面白い記述がありました。私たちは普段の生活で、「今日はテンションが上がらない」とか「調子が悪いので、もっとテンションをあげよう」などと言うことがありますが、この“テンション”という言葉は日本語にすると、“緊張”です。このこと一つとっても、緊張は物事をはかどらせるうえでマイナスになるもの、邪魔なものなどではありません。集中力や気合とリンクしており、ないと却って困るものなんですね。

 今から100年余り前、緊張しない状態よりも、適度に緊張したほうが高いパフォーマンスを発揮できるということを、心理学者のロバート・ヤーキーズとJ.D.ドットソンが発表しました。この説は、今でも広く世界中に行きわたっています。二人の博士は、黒と白の目印を区別するよう訓練したマウスに、電気ショックの程度を変えながら、目印を区別する際の正答率がどのように変化するかを調べました。マウスの緊張の度合いと頭の働きの関連性を調べたわけです。

 その結果、電気ショックを強めると正答率が上がるいっぽう、電気ショックが強すぎると逆に正答率が下がることがわかりました。つまり、緊張が緩すぎても、強すぎてもパフォーマンスは上がらず、中間の「程よい緊張」がパフォーマンス発揮に有効だという結論に至りました。

 上図を見ていただくと、曲線がUの字を逆さまにした形、すなわち逆Uの字になっています。きわめてリラックスした状態ではパフォーマンスはほとんど発揮できず、緊張の度合いにして中間あたりの状態で最もパフォーマンスが上がります。そして、緊張の度合いがさらに上がり、ピークになった段階になるとパフォーマンスはほとんど発揮できなくなります。この状態は、試験で言うと、いわゆる「頭が真っ白」「パニック状態」のときと一致するでしょう。

 わが身を振り返ってみると、このブログ記事を書く作業も、あまりリラックスしている状態だと全然はかどりません。ボーっとしたり注意散漫になったり。読者の方々にお伝えしたいことが明確に絞り込まれ、書こうという意欲とテンションが程よく高まったときに一気にキーボード上の手指が動きます。こういうときには、たくさんの情報を頭のなかで保持しながら、それらを整理整頓して文章化する作業がはかどります。他のことが頭をよぎることはなく、とても集中した状態になります。

 ともあれ、みなさんが今望んでおられるのは、お子さんが入試でベストを尽くせる状態を得ることだと思います。そうすると、「なぜ程よい緊張のときに頭がよく働くのか」や、「程よい緊張状態はどうやったらつくれるか」「試験会場で強い緊張をほぐすにはどうしたらよいか」などが関心事であろうと思います。これらについては、今回参考にした本の著者が具体的に説明しておられるので、次回ご紹介しようと思います。とりあえずは、お子さんに「緊張するって当たり前のことだし、ほどほど緊張していたほうがむしろ頭がよく働くんだよ」と、アドバイスしておいていただきたいですね。

 2021年のカウントダウンが間もなく始まります。年が明けたら、いよいよ中学入試本番がやってきます。コンディションを整え、万全の体制で入試に臨みましょう。みなさま、よい年をお迎えください。

※今回の記事は、「いい緊張は能力を2倍にする」樺沢紫苑/著 文響社 を参考にして(一部引用)書きました。

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仕上げ期にできる親のサポートって!?

2021 年 12 月 19 日

 もうすぐ冬休み。中学受験生の子どもたちは、いよいよ受験本番に向けた仕上げ学習の時期に突入します。そこで今回は、入試を控えた受験生の保護者に向けた記事を書いてみようと思います。なお、個々 のお子さんへの具体的な指導や助言は校舎の担当者がしています。筆者は、「これから入試本番までに、親ができることは何か」についてお伝えすることにします。ご家庭によっては全く不要なことかもしれません。趣旨に免じてご容赦ください。

 受験生は、大人と比べると人生経験が圧倒的に少ない小学生です。受験への心構えがなかなか定まらず、地団太を踏むような思いをくり返してきた保護者も少なくないことでしょう。しかし、入試の日程が決まり、志望校を絞り込み、入試に関する様々な情報を得るうちに、いつの間にか子どもたちもはっきりと入試本番を意識して勉強に励むようになります。今や塾での教室の雰囲気も随分と変わり、否が応でも「受験シーズン近し」を感じさせていることでしょう。

 実際のところ、子どもたちが心を燃やして受験勉強に打ち込める期間は短いものです。肉体的な面も理由ですが、それ以上に影響するのは精神的な未熟さです。先を見通した行動、目的意識に根差した行動は、様々な人生経験を通して整うものですからしかたありません。時間感覚は人生経験の長さとリンクしています。大人は「本番まであとひと月しかない」と思いがちですが、子どもにしてみれば「あとひと月ある」という気持ちであろうと思います。ですから、保護者におかれては大人の感覚でわが子に接して焦りを助長するのではなく、「ラストスパートに向け、わが子が今からやれる最善を尽くせば道は開ける!」という信念をもってお子さんを応援していただきたいですね。

 以下は、入試対策の総仕上げ期を迎える段階の保護者にご提案したいことを列挙したものです。多少なりとも参考になれば幸いです。

①子どもにとって唯一無二の理解者は親です!

 中学入試は、お子さんにとって初めての人生の岐路となる大イベントです。これまで経験したことのない緊張に襲われるお子さんもおられることでしょう。こんなとき、「どんな結果になろうと、親は自分を受け入れてくれる」という安心と親への信頼の気持ちがあれば、お子さんはどれだけ心強いことでしょう。

 親の心配や気がかりをそのままぶつけると、男の子は反発したり感情を高ぶらせたりしがちです。女のお子さんの場合、おかあさんと一緒になって落ち込むこともよくある話です。こうなると、勉強の効率は下がってしまいます。「今からできる精一杯を尽くせばいいんだよ」と、明るく泰然自若とした態度でお子さんに接してあげてください。残された時間をポジティブな気持ちで生かせるか、それとも不安や孤独に振り回されるかでは、仕上げ期の学習に大きな違いが生じるものです。

 親から見て、看過できないほどの気がかりや問題点があるかもしれません。それを放置すると親子共々後悔が残ります。冷静に親の気持ちをお子さんに伝え、話し合うことをお勧めします。声を荒げて親の指摘をはね退けたり、無言でだんまりを決め込んだりするお子さんもおられるかもしれません。ですが、親がここで落ち着いた姿勢を貫き、何がどう問題に見えるかを伝えれば、必ずお子さんは親の指摘を心の中で反芻し修正をはかるものです(ポイントは、親がゆっくりと話しかけ、すぐに返事を求めないことです)。親の気持ちを伝えたら、あとは子どもを信じてやりましょう。それでこそ、真の理解者・応援者ではないでしょうか。お子さんが相談に乗ってほしいようでしたら、もちろん一緒に考えてやりましょう。

②仕上げにおける課題は何か、現状の分析をバックアップ!

 今のお子さんにとって、優先すべき勉強は何でしょうか。残された期間を最大限に生かした勉強とは、現状を客観的に分析し、足りていないところ、空白領域を埋め合わせていくことでしょう。冬期講習の開始にあたり、そういった埋め合わせるべきポイントは何かを、お子さんがよくわかっているかどうかを確認してみることをお勧めします。

 もし、やるべきことがわかっておらず、戸惑っておられるようでしたら、「一緒に考えよう」と提案し、模試最終回などの成績資料をもとに、埋め合わせるべき単元や学習事項を教科ごとに絞り込んでいくとよいでしょう。冬期講習でも全範囲の総チェックをし、欠落部分を埋め合わせる学習をします。ですが、その前にお子さん自身で弱点や課題を詳(つまび)らかにしておけば、対策はより効率的に行えます。

 模試の資料にある、問題別の正答率表をぜひ活用してください。★印の数で難易度がわかるのをご存知でしょう。トップレベルの成績を競うようなお子さんは例外となりますが、★印5つの難問はもはや無視してよいでしょう。問題は★印4つ程度の問題にどれだけ食らいつけるかです。知識として問われる問題でなく、考えて解決すべき問題の場合、お子さんが「難しい」と感じておられるようなら、このレベルも無理して対策に時間を費やすべきでないかもしれません。お迷いの場合、指導担当者にご相談ください。

 入試は、制限時間枠のなかで6割7割の正解を引き出せば合格できるわけですから、苦手な問題や難しい問題の取捨選択の判断や技術が結果に相当影響します。「今できる対策で、ものにできることをやって行けばよいのだ」と、お子さんを励ましてあげてください。

③仕上げの進捗状況に合わせ、承認と激励を忘れずに!

 冬休みになり、冬期講習が始まったなら、なるべくまめにお子さんに声をかけ、仕上げや埋め合わせ学習の進捗状況を確かめるとよいでしょう。無論、尋問するような関わりは禁物です。スケジュールとその実行状況について、「一緒に確認する」といった関わりがよいでしょう。うまくはかどっているようでしたら、大いにほめたり喜んだりしてあげてください。これが励みになり、お子さんの勉強に勢いがつきます。

 逆にスケジュール通りに進んでいないようでしたら、またお子さんが悩んでおられるようでしたら、一緒に対策を考えてあげてください。親は勉強の内容に立ち入る必要はありませんが、理科や社会の副教材(アタック)で間違えていた箇所の埋め合わせのプロセスは、親がチェック役として手伝ってもよいかもしれません(間違えてい箇所をランダムに問いかけるなど)。

 これから入試までの短い期間は、お子さんの入試に臨む意気込みと内面の成長とがあいまって、驚くような学習成果が得られるものです。それに加えて、親に見守られ、応援されているという気持ちがあるかどうかも学習成果や入試結果に少なからぬ影響を及ぼします。これはまだ親に依存する年齢だから当然です。あと1年余りで思春期が訪れると、あっという間に親離れします。まさに今、お子さんは依存と自立の境目にあると言えるでしょう。そんなとき、親はどうすればよいかについては、①でお伝えしたとおりです。中学入試は、わが子の自立に向けた転換の記念碑であると捉え、わが子の奮闘を信じて応援してやりましょう。

 

 筆者はかつて現場で国語の学習指導を担当していました。そのほとんどは6年生でしたから、随分とたくさんの受験生を入試に送り出してきました。入試が近づくと解法のスキルアップに励む算数、知識の埋め合わせに力を注ぐ理科や社会と比べ、「国語は何をしたらよいかわからない」と、よく言われます。無論、漢字のおさらいや記述式問題への対策などもありますが、ぜひしておいていただきたいのは、長文を集中して一気に読み通す練習です。

 国語は、素材文(普通、入試では長文が二つあります)を短時間で読み通し、アウトラインをつかめるかどうかが、随分得点に影響します。読みに時間がかかっていたお子さん(主に男子)も、入試に対する自覚が定まってくると、練習しだいで読みのスピードや精度が急速に上がります。今までに配布された入試の過去問や、模試の素材文を一気読みする練習をしてみてください。鉛筆で、重要と思った箇所に線を入れるのも読み取りの精度を上げるうえで役立つでしょう。

 もし保護者にその余裕がおありでしたら、お子さんが読み終えたら、どんなことが書かれていたかをお子さんに尋ねて確認する役割もお願いします。お子さんの言うことが要領を得なくても構いません。読了後にアウトラインや重要事項を頭の中で思いめぐらすだけでもテスト時間枠内での読解の練習になります。

 気持ちが定まるまでに時間がかかる小学生にとって、やっと入試を見据えてきた今からがほんとうの受験勉強の始まりです。焦らず、お子さんを上手に励ましてあげてください。元気いっぱいの姿で入試会場に送り出すまで、親にはまだいろいろと気苦労がありますが、ここからの親の関わりがお子さんの入試体験に大きな意味を与えてくれます。おとうさん、おかあさん、がんばってください!

 お子さんの悔いなきチャレンジを実現すべく、愛情を込めて応援してあげてください!

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子どもの将来を決める、勉強への向き合いかた

2021 年 12 月 14 日

 12月も半ばを迎え、冬休みが近づいてきました。弊社では、毎年冬休みに低学年(1~3年生)児童対象の「冬期集中講座」を開催しています。いずれも開講日は12月25日(土)で、年内に全日程を終了する短期間の講座です。お申し込みになればどなたも参加できますので、まだお迷いのかたもぜひお気軽に参加してみていただきたいですね。

 3年生については、各校とも複数のクラスを設けておりますので、どの校舎も今からお申し込みいただくことが可能です。1・2年生は定員を少なめに設定しており、すでに定員に達している校舎もあります。申し込み状況をご確認のうえ、手続きをしていただきますようお願いいたします。

 さて、冒頭で低学年児童対象の冬期講座をご案内したように、今回はお子さんの中学受験を視野に入れておられる低学年児童の保護者に向けた記事をお届けしようと思います。みなさんは、現在のお子さんの勉強の取り組みや学力状態をどう評価しておられるでしょうか。11月13日に掲載した記事(「入会前の学力チェック事項で大切なものって?」)において、「読み書き能力」と「計算力」の基礎がしっかり身についているかどうかが、先々の学力伸長に大きな影響を及ぼすことをお伝えしました。今回はそれに加え、勉強に対する向き合いかたの重要性についてお伝えしようと思います。

 一般にテストで同じ成績をあげているお子さんは、学力的に変わらないとみなされます。つまりテスト結果は、現在の学力を判定するための基準となります。私学などの入学試験ではテストの結果でほぼ合否が判定されますから、「とにかく、子どもの得点力をあげよう」と大人は考え、多少無理をさせても得点力アップを重視した受験勉強を子どもにさせることもあるでしょう。

 しかし、学びの主体である子どもが勉強をどのようなものとして受け止め、どう向き合っているかということにも目を向ける必要があるのではないでしょうか。実はそちらのほうが、先々の伸びしろ、人生の歩みに大きな影響を及ぼすからです。受験で高得点をあげることは、進路としての学校選びに直結しますから、得点力は高いほうがよいに決まっています。しかし、児童期の学びの体験が子どもの内面形成にどう関与するかにも思いを致す必要があるでしょう。

 そもそも学んで得た知識やスキルは、テストでの成績獲得のためではなく、将来何らかの仕事を得て働くときに役立てられるべきものです。直接仕事に役立つことのない知識であっても、それを獲得するプロセスで経験した事柄が取り組みや行動のありかたに水面下で少なからぬ影響を及ぼします。たとえば、「この仕事は大変だけれども、色々と工夫を凝らせばできないことはない」、「この問題点さえ解決すれば、製品の実用化は可能だからがんばろう!」――このように、知恵を絞り努力を継続していくことを貫く姿勢は、過去の学びの経験を通して身についたものです。

 「中学受験生の頃は楽しかった」と語ってくれる卒業生によく出会います。受験勉強は決して楽なものではありません。何が楽しかったのでしょう。おそらく、試行錯誤の末に問題が解けたときの喜び、努力が成績に表れたときの達成感、仲間との切磋琢磨が与えてくれた充実感、入試が終わるまで応援を続けてくれた家族への感謝の気持ち…これらのすべてが「楽しかった」という表現に集約されているのだと思います。それは入試に受かった人に限りません。実際、筆者は「入試で全部落ちました」という人からも耳にしたことが何度もあります。

 これらのことは、人間形成期の学びの体験がどうあるべきかを暗示しているのではないでしょうか。大人にやらされる勉強ではなく、勉強のよさを実感しながら取り組む自律的な学びを通して受験での合格をめざす。このような体験こそ、真の成長と前向きな人生の歩みにつながるのです。

 児童期は、人としての生きかたや、学びに向き合う姿勢を確立していく時期にあたります。それは、毎日の生活や学習の繰り返しを通して形成されます。低~中学年の時期は、周囲の大人の関わりかた次第で子どもはどのようにも変わりますので、毎日の生活や学習に関わる保護者にとって、「今のうちにわが子を望ましい方向に」という意識をもつことが大切であろうと思います。そこで、現在おたくのお子さんの学びの状態な望ましいものになっているかどうかをチェックしてみましょう。お子さんは、次のうちどれに当てはまりますか?当てはまるものすべてに○をつけてみてください。
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 どうでしょうか。〇が7つ以上あるなら、知識を得ることや学ぶことに対する前向きで健全な姿勢が根づいていると言えます。ぜひ、これからも今の姿勢を失わないでいただきたいですね。実際のところ、△が多いお子さんがかなりおられるのではないかと思います。それを、「中途半端な状態」というネガティブな受け止めかたでなく、「もう一押しの状態だ」と受け止めるべきでしょう。親の配慮やサポートしだいで、今からずいぶんよくなる可能性が高いのですから。もう一息、わが子が前向きにがんばれるような後押しの方法はありませんか? なかには、×が多くてがっかりされたかたもおありかもしれません。叱って勉強させたり、ほめるべきタイミングを生かさずに接したりしていると、子どものモチベーションはしぼみがちです。まだ何事も親しだいの年齢ですから、お子さんに前向きな姿勢が足りないとしたら、親の接しかたをまずは振り返る必要があるかもしれませんね。

 基本は、少しでも子どもの行動に前向きな姿勢が見られたときに大いにほめる、大いに親が喜んでいることを示すことだと思います。結果よりも、努力の姿勢を重んじる親の対応によって、子どもは「何事においても、努力が大切だ」ということを学べるでしょう。その積み重ね、繰り返しが、やがて子どもの学びかた・生きかたを決定づけるのだと思います。結果が全てではないということを教えられた子どもは、大人になってからぶつかる困難にへこたれることなく立ち向かっていけるに相違ありません。上記チェックリストは、3年生までのお子さんを念頭に置いてリストアップしましたが、4~5年生になっても〇の多さが変わらないお子さんなら、先々も学びを通して成長していく流れは変わりなく続いていくことでしょう。

 筆者は家庭学習研究社に35年以上在籍していますが、受験を元気いっぱいに乗り切り、中学進学後も順調に学力を伸ばしている子どものほとんどは、楽しそうに塾に通い、はつらつとした表情で学んでいました。受験勉強ですから、楽しいばかりではありません。不得意単元、不得意科目があったり、壁に突き当たったり、成績不振に陥ったりすることもあります。ですが、それでも勉強を投げ出すことなく熱心な学びを維持し、めざす受験目標を見事にクリアしている子どもがたくさんいます。できるなら、全てのお子さんにそういう受験を体験していただきたいですね。

 1~3年生の「冬期集中講座」に参加されるご家庭におかれては、お子さんがどのような気持ちで塾の勉強に取り組むかを見守ってあげてください。たとえば、「今日、どんなことを勉強したのかな?」「おもしろいと思ったことは?」などと、問いかけてみてください。うまく説明できなくても、楽しく学んでいる様子が感じられたなら、大いに喜んであげてください。この体験を起点にして、学びに熱心な姿勢が育つよう、これからの生活を整えていけば、お子さんはきっとよい方向に成長されると思います。

 なお、今回の記事は2019年8月26日に掲載した、「学びに向き合う“姿勢”と“気持ち”を大切に!」というタイトルの記事の続編です。そのときには、学びに対する能動的な姿勢、「勉強は自分にとって重要なものだ」という認識が、脳の発達にいかに貢献してくれるかという視点から書きました。こちらの記事も併せて読んでくださるとうれしいです。

この冬休みを起点に、学びに対する前向きな姿勢を築きましょう!

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