家庭学の受験環境で得ていただきたいもの その1

2023 年 2 月 3 日

 中学入試が終わり、弊社会員の合格状況も概ね判明しています。ほぼ例年と変わりません。近日中に公表する予定です。まだ若干残っている補欠の繰り上がり合格者を確認するとともに、進路選択の報告書があらかた届い段階で、「弊社会員の入試結果と進路選択状況」という資料としてまとめ、本ブログにてお伝えするつもりです。よろしくお願いいたします。

 中学入試シーズンが終わったところで、まもなく新年度の講座が弊社でも始まります。前年度からの継続会員家庭、新規に入会手続きをされたご家庭が多数ありますが、2月の初旬ですので、まだ学習塾選びを終えておられないご家庭も少なくないと思います。

 そこで今回は、「家庭学習研究社で送る受験生活で得ていただきたいものは何か」についてお伝えしようと思います。もし興味をおもちになったら、ぜひご入会ください。なお、受験勉強は一定の基礎学力を有していないと空回りする恐れがあります。また、辛いばかりの受験生活を送ることにもなりかねません。そこで、入会をご希望のお子さんには算数と国語の学力状態を判定するテストを実施し、一定の基準に達していたらご入会いただくことになっています。ご理解のほど、よろしくお願い申し上げます。

 多くの中学入試では、算数、国語、理科、社会の学力試験が行われます。学力試験ではないものの、公立一貫校の入学者選抜(適性検査)においても、これらの教科の基礎学力が要求されます。したがって、国立・私立・公立を問わず、6か年一貫教育の中学・高等学校に進学するにあたっては、テスト対策としての教科学習が学校の勉強とは別に必要となります。大概の入試では、優秀な受験生を選別するために小学校課程の学習で養える学力よりも高いレベルの学力が要求されますが、特に算数においてはその傾向が強く、教科書内容と入試問題との難易度のギャップが大きいことで知られます。

 伝統と実績のある国・私立中学校の入試ともなると、受験生の学力の平均値も高く、ちょっとした失敗をするだけで高い学力を有しているはずの受験生でも不合格の憂き目を見ることが少なくありません。そこで、どの学習塾においてもかなりの量や質の学習課題を受験生に与え、スキルアップを重ねながら受験に通用する学力に仕上げていく指導をしています。ですが、入試で合格点を取ることだけに時間や労力を投入した受験生活を送るのは、子どもたちの将来にとって決して望ましいことではありません。それは、肉体的精神的な負担が大きいという理由だけで申しあげているのではありません。中学進学後の学校生活でさらなる成長を遂げるうえでも、さらにはやがて社会に参入した後の人生を有意義なものにするうえでも必須となる重要な資質を養う機会を失ってしまう恐れがあるのです。

 たとえば、学力レベルの高い私立の中高一貫校に進学したとします。そこへ入ると、再び高いレベルの学習を毎日こなしていく生活が始まります。宿題も小学校時代よりもはるかに多く出されます。数学や英語などの主要教科のカリキュラムは前倒しされ、中2終了時にはあらかた中学校課程の学習を終えることになります。生徒間の競争という側面も、一般の公立中学校よりもはるかに強いでしょう。

 このような学習環境のもとでわが子が有意義に学ぶ生活をし、成果をあげるためにはどんな資質や能力、姿勢が求められるでしょうか。そこに目を遣ることなく施した受験対策は砂上の楼閣に過ぎません。たとえば、今おたくのお子さんはつぎのような問題を抱えていませんか?

 

1.学校の宿題をちゃんとやらないことがある。

2,遊びと勉強の切り替えがうまくできず、遊びに引きずられることが多い。

3.勉強の計画を立てず、行き当たりばったりの取り組みを続けている。

4.いったん始めたことを最後までやり通す意志や根気が足りない。

5.重要なことを後回しにしがちで、やるべきことの優先順位がつけられない。

6.朝自分で起きられず、親に起こしてもらいがちである。

7.失敗の振り返りや反省をせず、同じ過ちを繰り返しがちである。

8.何をするにつけても自己評価が甘い。

9.先を見通す目がなく、何事につけても考えが甘い。

10.人との競争を嫌がり、避けて通りがちである。

 

 こういった要素を多くもつ人間は、今日の社会で自分を通用させることができませんし、何をするにつけても、どんな環境に身を置いてもうまくやっていくのに苦労をすることになります。優秀な生徒の通う学校に進学すると、行動の自律性や判断力、実行力、自己修正力、環境適応力などがかなりの水準で求められます。先生がよい授業をしてくれても、それを吸収するための構えが足りなかったり、家で見直しや補強を自分でできなかったりすれば、まして宿題をやることすらできないようでは、1年も経たないうちに流れについて行けなくなってしまいます。そういう生徒をフォローすることを求める保護者がおられますが、そもそも私学は自分のことを自分でできないような生徒が行くところではありません。先生に頼るのはお門違いです。また、再び塾通いをしても、社会に通用する自律性を育てることがますますままならない人間になってしまいます。

 行動の自律性は、児童期までに身につけるべきものです。中学校に進学すると、部活や交友などが加わり、学ぶ教科も多様になり、毎日の生活はますます多岐にわたるようになります。一旦後手に回った勉強を巻き返すには、積み残した勉強をやり直しながら、新規に学習する事柄にも取り組まねばなりません。それは大変なことです。中学生や高校生は忙しい毎日を送っています。一旦後手に回った学習を立て直すのがいかに大変かは、保護者にはよくおわかりいただけると思います。

 もしも、上記にあげた10個の問題を中学受験のプロセスで解消できたならどうでしょう。親の心配は格段に減りますし、何よりもお子さんの中学高校生活が快適なものになるでしょう。児童期は、個々の性格や物事に対する取り組みの姿勢が定まる時期にあたります。中学受験準備の生活を通して、自律型の人間に成長できるよう指導する。それが家庭学習研究社の掲げる学習指導の基本方針です。指導のシステム、授業、教材、テストの制度、保護者への情報サービス等は、全てこの方針に基づいています。志望校に受かったことの真の価値を決定づけるのは、「進学後の教育環境で更なる成長のために求められる準備をしていたかどうか」にあります。言いかたを変えるなら、この準備をしっかりとしていたお子さんは、どの中学校に進学しても学校環境に適応し、自己の成長を自ら引き出せる自律の人になっている」ということです。これをめざしたいのです。

 無論、この目標を達成するプロセスは平坦ではありません。小学生にとって上記に挙げた10個の問題は誰にも生じがちなものであり、適切な行動へ導くには周囲の大人、とりわけ保護者のサポートが欠かせません。ですが、完璧にならずともこういった要素の重要性を子どもに教え、子どもに働きかけることが大切だと思います。高度な内容の課題に早くから手をつけるよりも、自分でものごとを考え自分で見通しをもってやり遂げる姿勢を養ったり、失敗を薬にして自分を修正する力を養ったりするほうが、将来の大成につながるのではないでしょうか。そのほうが地に足の着いた勉強ができますから、本物の学力が身につくのは間違いありません。

 以上のような考えに基づく弊社の学習指導について、また、弊社の学習指導全般について、各校舎の責任者が保護者にご説明する「入会ガイダンス」という催しも開催しています。各校舎で、開講までにあと1~2回実施する予定です。よろしければ、弊社のHPの催し案内をご覧いただき、ご都合が合えばぜひ参加ください。資料のお取り寄せも可能です。本部事務局または最寄りの校舎にお申し付けください。折り返しご家庭に送付いたします。どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

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カテゴリー: 勉強について, 子どもの自立, 家庭学習研究社の特徴, 家庭学習研究社の理念, 私学について

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