あたし、ピチ。おなやみかいけつデリバリーをやってます。おいしくって、すてきなやり方で、ちきゅうの子どもたちのおなやみを、どんどんかいけつしていってるのよ。さて、今回のおなやみターゲットは…。ほら、このモニターにうつってるわ……。

「あっ、子ねこ！」
ナミエはかけ出した。
「ナミエ、あぶない！」
サリナは、ナミエの肩をつかんだ。もう少しで、水たまりに入ってしまうところだった。でも、ナミエはぜんぜん気にしない。ナミエときたら、いつもこうだ。サリナがついていないと、なにをしでかすか分からない。

　そこへ、同じクラスのキリコがあらわれた。
「ナミエちゃん、どうしたの？」
「あのね、へいのむこうに子ねこがいるの！」
ナミエはへいにとびついた。
「だめだよ、手がどろだらけ！」
　サリナが自分のハンカチで手をふいてやっていると、キリコがくすくすとわらって言った。
「サリナちゃんって、おかしいよねえ。ナミエちゃんにいつもくっついて、プチお母さんみたいにおせっかい！」

　プチお母さん……。おせっかい……。サリナは、目の前がまっくらになった……。