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タイトル | のろのろひつじとせかせかひつじ | |
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著者 | 蜂飼 耳(作) ミヤハラ ヨウコ(絵) |
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出版社 | 理論社 | |
みはらしのよい丘に、のろのろひつじとせかせかひつじが、となりどうしでくらしていました。その名の通り、のろのろひつじは、いつでも、のろのろしていました。せかせかひつじは、いつでも、せかせかしていました。それでも、ふたりはともだちでした。 年に一度、毛を売りに行く日にふたりは一緒に町へでかけます。のろのろひつじは、自分ではのんびりあるいているつもりはないのですが、せかせかひつじについていくことができません。せかせかひつじも、相手をおいていくつもりはないのですが、ふり返るとだいぶ後ろの方でのろのろひつじがあわてています。毛を売ったあと、ふたりはケーキ屋にむかいます。 のろのろひつじが得意なのは、スープをつくることです。ゆっくりゆっくりと煮込んだスープは、とてもおいしいので、せかせかひつじは大好きなのですが、それをつくることはできません。一方、せかせかひつじは、編み物が得意です。のろのろひつじが、冬を前にマフラーをなくしてしまって、 あそんだり、おしゃべりをしたり、おでかけしたり、ふたりはいつもいっしょでした。
全く正反対の二人ですが、それぞれの個性が、お互いのやりとりやエピソードを通して、おだやかな世界の中でえがかれています。読みながら、自分をどちらかにあてはめて「こういうところは、のろのろひつじに似ているな、こういうところは、せかせかひつじに似ているな」と、同感することもあるかもしれません。最後はおもいがけない展開なのですが、そのあとの二人はどうなったかを親子で思い巡らしてみるのも楽しいでしょう。
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