トップページ > 読書案内 >  2年生季節の本 > 2年生以前に紹介した季節の本
 > みんなのきもち

2年生向け季節の本

みんなのきもち タイトル みんなのきもち
著者 村上 しいこ(作)
西村 繁男(絵)
出版社 学研
line

 ぼくのクラスでは、毎日一人ずつ発表がある。「なにか自分いがいのものの気もちになって考えてみる」という発表だ。しんごうの気もち、公園におきざりにされたかさの気もち、ゴミばこの気もち。いろいろ考えてみたけれど、どうもしっくりこない。自分いがいの気もちになるって、けっこうむずかしいものだ。

  家に帰ると、ばんごはんのおかずは、おでんだった。
「えーっ、またおでん?」
 毎週、日曜日はおでんで、のこると、月曜日、火曜日までつづくのだ。
「もういい。ごちそうさん。」
 はしをおいたぼくに、
「こら。とった分は、ぜんぶ食べ。」
と、母ちゃんがおこった。
「いらんもんはいらん。すてといて。」
 そんなことを言って、ぼくはおふろに入った。

  ぼくがゆぶねにつかっていると、おふろ場の外が、きゅうにさわがしくなった。
「ここやここ!」
「ぎゃふんといわせてやるからな!」
 ガラスのむこうに、いろんな形のかげが見えた。
「しつれいしまっせ。」
 入ってきたやつらを見て、おどろいた。おでんのネタが、わんさかおしよせてきたのだ。

おふろの中に入ってきたのは、なんとおでん。ぼくにばかにされたと思って、おしおきをしにやってきたのです。でも、おでんたちのおかげで、ぼくは自分がどんなに悪いことを言ったのか、考えることができました。「相手の気持ちになって考える」自分以外の色んな人と関わっていく中で、忘れてはならないことですね。そんな大切なことを、分かりやすく教えてくれるお話です。
Page Top