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タイトル |
ふしぎなひこうき |
著者 |
大石 真(作) 福田 庄助(絵) |
出版社 |
大日本図書 |
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ある日、たっちゃんが道を歩いていると、白くて、小さくて、三角の形をした、へんなものが道に落ちていました。
「いったい、なんだろう……」
たっちゃんは、そのふしぎなものを、ポケットにしまって、家に帰りました。たっちゃんが、手にのせてながめていると、いぬのトムと、ねこのチムがやってきました。
「これ、道でひろったの。なんだろうね」
たっちゃんが聞くと、ねこのチムは、そのふしぎなものに、ひげでさわって考えました。
「ええと、これはですねえ……」
チムは目をつぶって、何かを思い出すように、ぶつぶつ言っています。いぬのトムは、はなでクンクンにおいをかいで考えました。
「ううんと、これはですね……」
トムも目をつぶって、何かを思い出すように、むにゃむにゃつぶやきました。
「やっぱり、わからないんだな」
たっちゃんが、がっかりして、そういったとき、ふたりは、ぱちんと目をあけて、いきおいよく言いました。
「わかった!これは、たねですよ、木のたねですよ」
たっちゃんは、なるほどと思いました。
「だけど、なんのたねだい?」
すると、ふたりは、さも重大らしく言うのです。
「とても、めずらしいたねですよ。ひこう木っていう木のたねなんです」
たっちゃんが拾ったたねは、なんとひこうきのたね。このたねを植えると、木が育って、やがてひこうきの花が咲くのだそうです。それを聞いたたっちゃんは、大喜び。早速、このたねを庭で育てることにしました。できたのは、かみひこうきそっくりの、大きな白い花。たっちゃんは、かみひこうきに乗って、空へと飛び立ちます。
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