コールタールは、頭のてっぺんから足の先までまっ黒の、できそこないおばけです。とても弱虫で、失敗ばかりしているので、おばけなかまは、誰もなかよくしてくれませんでした。

　ある晩、コールタールがひとりでカルタをしていると、ドサッ！！という音がしました。
「なんだろう」
　コールタールが耳をすますと、
「はふへへふえー」
どこかで声がしました。
「あれ？」
　声は、ストーブの中から聞こえてくるようです。
「たすけてくれー」

「おや？えんとつに何かひっかかってるな」
　コールタールは、外にとび出すと、屋根にのぼりました。
「あっ！」
　えんとつから、長ぐつをはいた足が２本、にょっきりと出ています。

　 コールタールは、その足をつかんでひっぱりました。やっとのことでおしりがぬけると、白いひげをはやしたおじいさんが出てきました……。