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3年生向け季節の本

あの子はだあれ タイトル あの子はだあれ
著者 日野多香子(作)  味戸ケイコ(絵)
出版社 岩崎書店
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 今日、ミキは、はじめてあの子を見かけた。養護学校の帰り道、スクールバスが団地に入って間もなくのことだった。近くの広場では、ミキくらいの子がおおぜい遊んでいた。(もう一度、なかまに入りたい!)と思った瞬間、ふいにあの子が見えた。あの子は、一輪車に乗って、バスのわきをすいすいすぎていった。どこかで見た子だと思った。でも、思い出せない。あの子はいったいだあれ?

  夕方、車いすでベランダに出た。下の道で、子どもたちが遊んでいる。同級生だった、かおりちゃんもいる。(前には、わたしも、いっしょに遊んでたのに……。)

 目をとじると、さまざまなことが思いうかぶ。去年の秋の大けが、病院での治療とリハビリ……。一月前ようやく家にもどったけれど、けがをしてから何もかもがすっかり変わってしまった。

「明日もまた、養護学校か……」
 ミキの目のおくになみだがにじんだ。

怪我をして車椅子の生活になったミキは、通い始めた養護学校になかなかなじめず、寂しい思いをしていました。そんな時、ふとした拍子に幾度となく現われる、一輪車に乗った少女。あの子はいったいだれなのでしょう? ……「いのち」について考えさせられるお話です。
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