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3年生向け季節の本

のんきなりゅう タイトル のんきなりゅう
著者 ケネス・グレアム(作)
中川 千尋(訳)
インガ・ムーア(絵)
出版社 徳間書店
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 むかしむかし、ひつじかいの家族がすんでいました。ひつじかいの男の子は、とてもかしこく、本を読むのが大好きでした。ある晩のこと、丘のほらあなにりゅうがいたといって、父親がふるえながら家に帰ってきました。それを聞いた男の子は、いいました。
「だいじょうぶだよ、父さん。ぼくにまかせておいて。りゅうと話してくるよ。」
 男の子が会いにいくと、りゅうはいいました。
「世界じゅうをさがしたってぼくには敵なんていないよ。こんなに、なまけものなんだもの。」
 りゅうは、男の子に、大ぼうけんの話や自作の詩をきかせたりして毎日をすごし、男の子とりゅうはすっかり友達になりました。

  しかし、おそろしいりゅうが住みついたと言ううわさが、村に広まり、りゅうたいじの騎士聖ジョージが村にやってくることになりました。
「すごいたたかいがみられるぞ。」
 村人たちは悪いりゅうと騎士の決闘を楽しみにしている様子です。心配する男の子に、りゅうはいいます。
「ぼくは、たたかうつもりはない。話をつけてきてくれないか。まかせたよ。」
 戦わなければ、りゅうは首を切られてしまうかもしれません。大切な友達をまもるために、男の子は、聖ジョージに会いにいくのでした。

このお話のりゅうは、平和なりゅうです。英雄で賢者の聖ジョージは、男の子からりゅうの本当の姿を聞きます。そして、村人たちが、なんとかりゅうを受け入れてくれる方法はないかと、二人で知恵を出し合います。話に添えられている挿絵もとても繊細で、登場人物や時代背景や舞台である丘陵地帯の風景を美しく描き、お話しを補ってくれています。
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