トップページ > 読書案内 >  3年生季節の本 > 3年生以前に紹介した季節の本
 > ボクの12月24日

3年生向け季節の本

ボクの12月24日 タイトル ボクの12月24日
著者 アヒム・ブレーガー(文)
酒寄 進一(訳)
ギーセラ・カロウ(絵)
出版社 ほるぷ出版
line

 ボクはフロッキー。この家で飼われている生後9ヶ月の子犬だ。今日は家族みんなの様子がおかしい。いつもなら、頭をなでてくれたり、ボクにかまってくれるのに、家中をドタバタ走り回って、
「どいた、どいた! じゃまだぞ、フロッキー」
なんていうんだ。本当にどうしたんだろう。病気かな。

  あっ、まただれか、ろうかをやってくるぞ。リビングのドアをらんぼうに開けて……、なんだ、パパか。
 ……って、あれ? パパは何をひっぱってきたんだろう。木だ。あんなトゲトゲの木、部屋の中に入れてどうするつもりなんだろう? あれを燃やして、部屋をあっためるのかな。まさかなあ。
 あっ、そうか。あの木はきっとボクのだよ。外でふるえながらオシッコしなくてすむようにって考えてくれたんだ。なんてやさしいんだろう!  あんなすてきな木を、ボクがひとりじめできるなんて。よし、さっそくためしてみるか、こうやって、足をあげて……。
と、そのときだ。
「こら、やめろ!  これはおまえのじゃない!」
 あーあ、パパにどなられちゃった。もう!  なんだよ。こんなにそうぞうしくてむちゃくちゃな日ははじめてだよ。

クリスマスの準備に忙しい家族の様子を、犬の目から描いた作品です。子犬のフロッキーにとって、今回は生まれて初めてのクリスマス。いつもとちがう家族の様子に困惑しっぱなしです。そして、良かれと思ってしたこと、全てが家族の邪魔になってしまいます。フロッキーのいたずら(?)に読んでいるこちらがひやひやしてしまいます。
Page Top