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3年生向け季節の本

学校で泣いたことある? タイトル 学校で泣いたことある?
著者 末吉 暁子(作)
宮本 忠夫(絵)
出版社 岩崎書店
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 鈴木とも子は、元気な女の子です。三年生になって、内科検診がありました。高山くんの番の時、校医の先生が大きな声でいいました。
「ふとりすぎだよ。これじゃ、ヒマンジだよ。こんなにふとっちゃ、だめだよ。」
 とも子は、高山くんをみました。(ふうん、ああいうの、ヒマンジって、いうんだな。)

 教室に帰ってから、とも子は、高山くんに「ヒマンジ」といってみました。すると、とも子の言葉をきいて、高山くんは、
「わあっ」
と泣きだしました。クラスの男子たちが、つめよってきます。
「タカちゃんは、給食もへらしてがんばってるんだぞ! かわいそうじゃないか! あやまれよ。」

「(どうしよう。しらなかった。)ごめんなさい……」
 やっとのことで、あやまったとたん、今度は、とも子のほうが、大きな声で泣き出しました。とも子は、あんなことをいってしまった自分がなさけなくて、そして、それをみんなにせめられたのが、かなしくてたまりませんでした。その上、給食までへらしていた高山くんが、かわいそうで、つぎからつぎに、なみだが、目からあふれだしたのでした。

学校で泣いたことはありますか?もしも、みなさんが、高山くんや、とも子だったら、きっと同じように泣きたくなるのでは? くやしい気もち、かなしい気もち、なさけない気もちや、かわいそうに思う気もちなどなど、涙を流している時って、色んな気もちが混ざり合っているのですね。ふだんは活発なとも子が、一学期のあいだに4回も学校で泣いてしまうお話です。
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