テスト成績をどう判断し利用するか

2017 年 8 月 17 日

 早いもので、夏休みの前半に予定されていた講座がすべて終了しました。お子さんは、最後まで元気いっぱいに受講されたでしょうか。

 6年部をのぞくと、夏の講座の最終日には1年生から5年生までのすべての学年でまとめのテストを実施しています。参加された子どもたち全員が成果のある学習を実践し、テストでも手ごたえを感じておられればうれしいですね。

 そこで今回は、「テストの結果をどう受け止め、学力向上に向けて利用するか」について考えてみようと思います。日本で指折りの難関中・高一貫校の校長をしておられた先生の著作に、テストの成績のもつ意味を取り違えないこと、そしてどう利用すべきかについて書かれた箇所がありました。まずはその部分の内容をご紹介してみましょう。

 あなたのお子さんがテストで平均点以下をとってきたとき、その成績のもつ意味をどう受け止められますか? この先生は次のように述べておられます(若干文を調整しています)。

 ある人は、その点数を子どものランクづけだと受け止めるでしょう。またある人は、子どもの能力の一部分の評価にすぎないと受け止めるかもしれません。しかし、ここで注意してほしいのは、形に表われた成績を「結果」として受けとめてはならないということです。つまり、最終的判断ではありません。あくまで成長段階における、子どもの位置を示しているにすぎないということです。

 子どもが悪い成績をとってきた時、ガミガミと叱りつける親がいます。しかし、子どもはすでに自分の悪い成績を知っています。それに追い打ちをかけるように叱りつけては、叱咤激励のつもりでも、かえって子どもが反抗する原因にもなりかねないのです。そんなふうに叱る親に限って、成績を「結果」としか受け止めていません。

 「成績」はあくまでもその時の子どもの位置を示すもの、と考えを改めてみれば、子どもの学力の足りない部分、資質が見えてきます。力を入れるべき点も整理がつきます。つまり成績とは、親と子に与えられた反省材料であり、これからどうすればいいかを考えるための資料でしかないということです。

 逆説的な言い方をすれば、満足ないい成績をとる子どもよりも、科目によって凹凸のある子のほうが、その子の姿はよく見えるのです。いい成績の陰に、子どもの真の姿が隠れてしまっている例も、私は数多く見てきました。親が結果だけを重視するために、子どもの人間としての能力を、成績だけで判断しようとしてしまっているからです。

 親は、わが子は他人と比較して優れている、劣っている、と嘆いたり喜んだりするよりも、成績に込められた内面を読み取ることが大切なのです。

 子どもの成績が期待とは裏腹に悪かったときこそ、親は心して子どもに接してやりたいものですね。ここで感情的になって叱ったのでは子どもを伸ばすことはできません。叱りたいのを我慢して、「できている点」と「できていない点」をしっかりと見届けてあげてください。

 前出の元校長は、「答案用紙を点検すると、子どもの内面やほんとうの力が見えてくる」といったようなことも述べておられます。点数や順位は子どもの「位置」を示すだけではないのですね。

 たとえば、返却された答案用紙をよく点検してみましょう。そこから子どもの思考の過程が残されているものです。算数の答えを導き出すまでの式の立てかたや計算のプロセス、国語の記述問題に対する答えなどをよくふり返ると、消した内容のほうがよかったということが少なからずあります。また、語句や記号問題で迷いに迷った挙句に、消した答えのほうが正解だったりすることもあります。おとうさんやおかあさんも、同じような経験をして歯ぎしりのする思いをされたことがおありでしょう。それと同じことを、お子さんも随分しているはずです。また、誰でも特有の思考パターンがあり、間違える時にはいつも同じような傾向の間違いをすることがあります。

 こういった修正を要する部分については、親子で一緒に返却された答案用紙を点検することで、お子さん自身が自分の間違えるパターンを自覚すれば、次からはそれを活かすことができるでしょう。いったん書いて消した答えが実は正解で、後で書き直した答えのほうが間違いだったような場合、お子さんにそのときどんな考えに基づいて書き直したのかを説明させてみると、お子さんの思考パターンや考え方の特徴がわかることもあるでしょう。

 なお、テスト返却後のやり直しは必須です。少なくとも、間違えたところは絶対にやり直しをしましょう。弊社のマナビーテストでは、答案返却時にいずれの教科も設問ごとの正答率表を添付しています。この正答率表を大いに活かしていただきたいですね。テストの得点が平均未満だったお子さんは、★印3つまでの問題(全体の半数以上のお子さんが正解を得ていた問題)は、必ずできるようになっておきたいですね。平均点よりも高い得点をあげていたお子さんについては、★印4つまでの問題ができるようになっておけば心強いです。

 こうして、「今度同じような問題が出てきたら、必ず解ける!」と言える状態にしておけば、気持ちの上でも意気込みが生まれてきますし、自信もついてきます。それが勉強の取り組みに活気を与えてくれることにもなります。

 つまり、テストは成績が返ってきてからの対処が重要なんですね。とかく悪い成績をとったときにはやり直しをするのが億劫になるものですが、たくさん間違えたテストにこそ学ぶべきことがたくさん潜んでいるのだということを肝に銘じていただきたいと思います。


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