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2年生の今月の本


ねこの町のリリアのパン タイトル ねこの町のリリアのパン
著者 小手鞠 るい(作)くま あやこ(絵)
出版社 講談社
 

「ジョンソンさん、こんにちは」「野原でボールあそびをしようよ!」げんかんのほうから元気な声が聞こえてきました。ねこの町にすんでいるふたごのきょうだい、男の子のレオ、女の子のルルです。犬の村にすんでいるジョンソンさんといっしょにあそぶのが大すきで、ときどき、遠くからたずねてくるのです。いつもなら「よしあそぼう」とすぐにボールを手にするジョンソンさんでしたが、きょうはなんだかようすがちがいます。よわよわしくて、いまにもきえてしまいそうです。
ジョンソンさんがゆうれいのようになってしまったのは、おくさんのヘレンさんがびょうきでなくなってしまったからでした。愛するおくさんに「さようなら」を言わなくてはならないことは、ジョンソンさんにとって、むねがまっぷたつにわれてしまいそうなほど、つらいことでした。「元気になったら、またあそぼうね」ルルとレオはジョンソンさんに声をかけて、さっていきました。
さて、その夜のこと、ジョンソンさんはなかなかねむりにつくことができませんでした。そして、ふと、げんかんのドアの下から家の中に、一まいの紙きれがさしいれられているのに気がつきました。書かれている文章を読んでみると、
“しんせつなジョンソンさんへ よかったら、わたしの家にいらっしゃいませんか? やきたてのパンをごちそうします。  ねこの町のリリアより”
とあります。ねこの町のリリアさんには、いちども会ったことがありませんが、きっとふたごのねこのおかあさんが、ジョンソンさんのことをしんぱいして手紙をとどけてくれたのでしょう。行ってみよう。ジョンソンさんは、お出かけ用の服にきがえると、まだくらい中、ねこの町をめざして、歩きはじめました。

●リリアさんはねこの町のパン屋さん。ジョンソンさんを自分の店に招待したのは、リリアさんだけが知っている「パンのひみつ」に理由がありました。奥さんを亡くして悲しみに暮れるジョンソンさんにリリアさんが差し伸べたやさしさはパン屋さんならではのもの。心もおなかもぽおっとあたたまるような気持ちになります。

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