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2年生の今月の本


クモばんばとぎんのくつした タイトル クモばんばとぎんのくつした
著者 仁科 幸子(作)
出版社 偕成社
 

 なめくじのぼうやのニュッルは、みんなにきらわれていて、いつもひとりぼっち。なめくじには、ほかの虫たちのように、からだをまもるカラも にげるための はねもありません。だから、けっしてめだたず、ひるまは、できるだけ、であるかないようにしていました。
だけど、ニュッルは、花がすきでした。花びらを たべることもありますが、それよりも、花を見たりにおいを かいでいるのがすきでした。
 その日、ニュッルは、ベッドからはいでて、まだくらい朝の空をながめました。「そうだ。きょうは、いまのうちに原っぱにいってみよう! そろそろ タンポポの花も さきだすころだ。へやに かざったら きれいだろうな」朝のうちに原っぱにいけば、タンポポの花が さいているところが見られるでしょう。お茶を一気にのみほし、いえをでると、ニュッルは こけと どろの あいだを ぴとぴとと すすんでいきました。
 原っぱと空のさかいが、うすぼんやり、あかるくなってきています。もうすこししたら、この原っぱが いっしゅんだけ青くそまります。ニュッルは、この いっしゅんが だいすきでした。すべてのものが青くそまって息をふきかえし、生まれかわるように見えるからです。
ニュッルは、その時間がくるのをツユクサの葉の下でまっていました。そのときです。がさがさっと草むらをかけぬけて、こっちに やってくる だれかの足音がきこえました。

●原っぱにいたのは、コガネグモのおばあさんのクモばんばでした。クモばんばは、クモの糸でいろんなものをあみあげて売っていて、原っぱにやってきたのも、きれいな色の糸をそめるためでした。そして、その朝の出会いがきっかけで、ニュッルはクモばんばの店を手伝うことに。これまで、ほかの虫と話をしたことがなかったニュッルにとって、その仕事はとても新鮮。しかし、あるとき、クモばんばもまた、みんなから嫌われていることを知ってしまいます。

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