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3年生の今月の本


エレベーターのふしぎなボタン タイトル エレベーターのふしぎなボタン
著者 加藤 直子(作) 杉田 比呂美(絵)
出版社 ポプラ社
 

 学校の帰り道、サキはいつものように公園によると、大きなケヤキの木の下に立ちました。すべすべしたみきをそっとなでて「ただいま」と言うと、ケヤキの葉っぱが風にゆれて、カラカラと音を立てました。まるでサキに「おかえり」と言うように。
 二年生の四月にこの町に引っこしてきてから、もうすぐ半年。サキはかならず、このお気に入りのケヤキの木にあいさつをして家にかえります。引っこしたばかりで心細かったときも、ケヤキの木はいつもサキをやさしくむかえてくれました。ケヤキの木のある公園をとおりぬけると、サキのすむマンションはもう目の前です。
 マンションのエレベーターにのったサキは、五かいの<5>のボタンをおそうとして、ハッと手をとめました。いちばん上の<11>のボタンの上に、見たこともないみどり色のボタンがあったからです。「こんなの、今まであったかな?」サキは思わず、そのボタンをおしました。すると、ボタンに明るい光がぽっとともったかと思うと、とびらがしまって、エレベーターはしずかにうごきだしたのです。

●子どもにとって、エレベーターは中に入ってボタンを押すだけで全然違う場所に連れていってくれる、とても不思議な乗り物です。そんな魔法の乗り物に乗って今まで見たことのないボタンを押すと、一体どこに連れて行ってくれるのか・・・想像しただけでもドキドキしてきますよね。そんなエレベーターにまつわる、ちょっと不思議で心が温かくなるお話です。

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