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3年生の今月の本


ねこの風つくり工場 まるタンクとパイプのひみつ タイトル ねこの風つくり工場 まるタンクとパイプのひみつ
著者 みずの よしえ(作) いづの かじ(絵)
出版社 偕成社
 

 町の大通りからすこしはなれた小高い場所に、小さな風つくり工場があります。工場ではたらいているのは町のねこたち。三毛ねこ工場長の指示のもと、ねこたちはつぎの日に町にふく風をつくっています。
 工場には風の研究をしているねこ、できあがった風の標本(ひょうほん)をつくっているねこなど、いろいろなねこがいます。工場で一番小さい黒ねこのノロロのしごとはわらい声のかけらあつめです。人間がわらったときに口もとから落とす、とう明なわらい声のかけらは風の主原料になるので、ひとつでも多くあつめてくることがだいじです。けれどもノロロはおひるねが大すきな子ねこ、ちょくちょくしごとをわすれ、どこかでくうくうとおひるねしてしまいます。
 そんなノロロですが、さいきん、おひるねよりももっとすきなことができました。工場の中でいちばん大きなたてもの、まるタンクのてっぺんにあがってとおくのけしきをながめることです。そこからとおくの町や森をながめるのがさいこうに気もちがよいのです。ほんとうのことをいうと、まるタンクの上には、工場長の許可(きょか)がないとのぼってはいけないことになっています。それなのに、ノロロがまるタンクのてっぺんにのぼったのは、きじねこのナツにさそわれたからでした。ナツは、ノロロよりすこしおねえさんで、さいきん工場ではたらきはじめて、ノロロたちといっしょにわらい声のかけらあつめをしています。
 さいしょはナツにさそわれても「だめだよそんなの」といっていたノロロですが、ほんとうのところ、まるタンクのてっぺんにのぼってみたかったのです。それからというもの、毎日のように二人はまるタンクのてっぺんにこそこそとかくれてあがるようになったのでした。

●毎日の風をつくるねこたちのお話「ねこの風つくり工場」シリーズの第三作目です。工場ではたらくねこたちの間で起こるちょっとしたできごとが短編でおさめられています。さて、内緒でまるタンクの上にのぼるようになったノロロとナツは、ある日、てっぺんの階段下でしかくいとびらを見つけます。おもしろがって興味津々のナツと正反対にやめたほうがいいと不安がるノロロ…。二人のいたずら心が、このあととんでもないことになってしまいます。

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