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3年生の今月の本


おはなしSDGs 水とトイレがなかったら? タイトル おはなしSDGs 水とトイレがなかったら?
著者 石崎 洋司(作) 下平 けーすけ(絵)
出版社 講談社
 

「ねえ、じいちゃん。この家のトイレ、いいかげん水洗トイレにしたら?」
古い農家のえん側で、春樹はスイカにかぶりつきながら、おじいさんにたずねました。小さなころから、春樹は毎年夏休みになると、いなかのおじいさんの家へ遊びに行っています。おじいさんの家は大きくて、近くには山も川も森もあって、遊び放題。都会ぐらしの春樹には、天国のような場所です。
でも、トイレだけは、どうしても慣れることができません。和式の便器に丸い穴が開いていて、うんちもおしっこも下に落ちてそのままたまる“ぼっとん便所”だからです。
「ちっちゃいころは、中に落っこちるんじゃないかって、こわくてたまらなかったんだから。それに、くさいし、夜は気味が悪いし。この村で、ぼっとん便所のままなのは、ここぐらいなんでしょ?」
おじいさんは、スイカをぱくりとしながら答えました。
「そうだな。さすがに今年は水洗トイレに変えようと思っている。でも、そのむかし、世界中の都市がトイレと衛生状態の問題で苦しみぬいていた中で、日本の街がかなりきれいだったのは、この“ぼっとん便所”のおかげなんだぞ。人類の発展のなかで、きれいなトイレと衛生的なくらしは、ずっと大問題だったんだよ」

●「日本がきれいだったのは、“ぼっとん便所”のおかげ?」半信半疑の春樹を、おじいさんは大きな納屋の中につれていきました。そこにあったのは、真新しい木材で作られた不思議な形の乗りもの。おじいさんは、なんとそれが“タイムマシン”だと言うのです。おじいさんは、訝る春樹を無理やり座席に座らせて“タイムマシン”を操作し始めました。すると……。
SDGsとは、「世界中の国々、企業、人々が、あらゆる垣根を越えて協力し、よりよい未来をつくるための目標」のことをいいます。“おはなしSDGs”シリーズでは、SDGsの各目標が物語形式でわかりやすく紹介されています。

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