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3年生の今月の本


うそつきタケちゃん タイトル うそつきタケちゃん
著者 白矢 三恵(作) たかおか ゆみこ(絵)
出版社 文研出版
 

 タケちゃんの第一印象はサイアクだった。
 ぼくが転校してきた初日の朝のこと。「大阪から引っ越してきた、大野……」と自己紹介しようとしたとき、とつぜん教室にあらわれたのが“タケちゃん”こと竹中育実だった。
 先生が、遅刻してやってきたタケちゃんを叱りはじめて、自己紹介は一時中断。しかも、タケちゃんが「迷子の宇宙人といっしょにいたから遅刻した」なんてうそ丸出しのいいわけを始めたから、クラスのみんなは自己紹介なんてそっちのけで、「その宇宙人、どんな顔だった?」「UFO、見せてもらえたか?」なんて、おもしろがって口々に話しはじめた。さらには、初対面のぼくに“もとヤン”なんてあだ名を付けるし、「もとヤンって、めっちゃおとなしいヤン」って下手な関西弁でみんなを笑わせたりもするし……。転校初日からサイアクな気分になった。
 うそつきで、おおげさで、お調子者。全部ひっくるめて、サイアク。それがタケちゃんの第一印象だった。

●これまで転校を繰り返してきた元希にとって、またすぐに離れ離れになるのがわかっていて仲の良い友達を作ることは、とても怖いことでした。でも、そんな元希の気持ちにはお構いなしに、どんどん距離を縮めてくるタケちゃん。最初はそのおせっかいにうんざりしていた元希ですが、タケちゃんに強引に連れ出されて毎日一緒に過ごしているうちに、“友達”に対する考え方が少しずつ変化していきます。

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