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3年生の今月の本


教室に幽霊がいる!? タイトル 教室に幽霊がいる!?
著者 藤重 ヒカル(作) 宮尾 和孝(絵)
出版社 金の星社
 

「ちょっと、秀太くん!」
 放課後、秀太が遊びに行こうとすると、後ろから学級代表のゴリエの声がした。ゴリエといっても、名前が肥後(ひご)梨(り)絵(え)だからってだけで、見た目はスリムでかわいらしくて、ちっともゴリラっぽくない。でも、いつも学級代表としてお調子ものの男子たちをしかっているゴリエが、するどい目つきでぐいぐい迫ってくると、やっぱりかなりの迫力がある。
「昼休みに、てっちゃんと柚木先生のパソコン、いじってたでしょう。先生がコンピューター室で泣いてたよ。二人で行って、あやまってきなよ」
 柚木先生は、この前から来ている教育実習の先生だ。やさしくて、おっとりしていて親しみやすいから、あっという間にクラスのみんなと仲良くなった。でも、親しみやすいというのも困りもので、柚木先生の授業は、いつもそうぞうしいぐらいにぎやかだ。
 あのやさしい柚木先生を、ぼくが泣かせてしまった……。秀太の頭にうかんだのは、今日の昼休みの出来事だった。

●先生のパソコンを勝手に操作してしまった秀太は、お調子者の哲平とコンピューター室に向かいました。でも、そこにいたのは柚木先生ではなく、見たことのない若い女性。しかも、その人は、しばらく秀太たちに“夢”について話した後、何もない壁に向かってスウッと消えてしまったのです。
 「幽霊が出た!」と騒ぐ哲平をよそに、秀太は消えてしまった先生がどこか柚木先生に似ていることに気がつきました。果たして、あの女性は本当に幽霊なのか、それとも……?

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