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3年生の今月の本


拝啓、お母さん タイトル 拝啓、お母さん
著者 佐和 みずえ(作) かんべ あやこ(絵)
出版社 偕成社
 

 はじまりは、夏休みさいしょの日の午後のことでした。ゆなのお母さんのおなかには赤ちゃんがいるのですが、この日お母さんがとつぜん、おなかが張ってくる感じがすると言って、そのまま緊急入院してしまったのです。
妹がうまれてくる予定日まで、あと二か月。ゆなとお父さんは二人だけで生活しなければなりません。お父さんは仕事で帰りが遅いので、ゆなは毎日ひとりで留守番しながら、お父さんの帰りを待つことになります。心配するお父さんに「ぜったいできる!」と答えたゆなでしたが……、一人での留守番をするようになって一週間ほどたったころ、夜の戸じまりも、コンロの火にかけたやかんのことも忘れてしまう、という大失敗をしてしまいます。それを見たお父さんは、夏休みの間、ゆなを九州にいるおじいさんおばあさんの家にあずけることに決めました。
 とつぜん家から遠くはなれた九州に行かされると聞いたゆなは、ぜったいにイヤだと猛反発。とうとう「もう、妹なんていらない!」と、お父さんと言いあいになってしまいました。

ゆなは、お父さんとケンカをして自分が口にした酷い言葉の謝罪もできないまま、遠い九州にやってきました。最初のうちは不貞腐れて心を閉ざしていたゆなでしたが、昔ながらの活版印刷の店を営む祖父母の熱心な仕事ぶりを目にするうちに、活版印刷の面白さ、そして気持ちを伝える言葉の力について少しずつ考えるようになります。

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