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4年生の今月の本


大あばれ山賊小太郎シリーズ タイトル 大あばれ山賊小太郎シリーズ
著者 那須 正幹
出版社 偕成社
 

 いまから、ざっとかぞえて四百五十年まえのこと、山陰の八雲国は浜崎村に、太助といううでのよいかじ屋がすんでいた。
 太助夫婦はながいこと子どもにめぐまれなかったが、やっと子どもを授かることができた。
 なみの赤んぼうより、ひとまわり小さいのが、ちょっと気になるが、元気だけはひといちばいで、生まれるやいなや、村じゅうにひびきわたるほどの大声で泣いた。

  浜崎村では、子どもの名を、寺のおしょうさんにつけてもらうしきたりがあった。
赤んぼうの顔をのぞきこんだおしょうさんは、顔をくもらせた。このあかんぼうは、うまくいけば天下をにぎる大大名、わるくすれば、天下をさわがす大悪党になる相(そう:かおつき)だと。

  大それたことなどしなくていい、うでのよいかじ屋になって欲しいという太助の願いがかなえられるよう、おしょうさんは太助の太の字をとって、赤んぼうに小太郎という小ぶりな名まえをつけた。

  赤んぼうは、その名のとおり、小ぢんまりとそだっていった。

  しかし、からだこそ小さかったが、この子には、なみの人間に大きくまさるものがあることが、やがてわかってきた。

  なんと、小太郎はすごい力もちだったのだ。五歳のとき、村ずもうに出場し、おとなをなげとばしたのをかわきりに、十歳のときには、馬二頭と綱引きをして勝ってみせた。

  そのうえ小太郎は気性のほうは、かなりあらっぽかったので、村の悪ガキの大将におさまり、いろんなわるさをしでかすようになった。

【 ズッコケ三人組の那須 正幹さんの創作時代劇で、すべての登場人物は作者が作り出したものです。ところがどっこい、主人公の小太郎も、のちになかまになる少年少女たちも生き生きと山陰地方をかけめぐります。
「大あばれ山賊小太郎」「大あばれ山賊小太郎 気球にのった少年」「大あばれ山賊小太郎 八雲国の大合戦」の三部作ですが、長い本を読むことができないと思う人も、きっとあっというまに三冊読めてしまうことでしょう。 】

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