もうすぐ九歳になる男の子ジャックと、その妹で七歳になるアニーはなかよしきょうだい。
　 図書館からの帰り道、ふたりは森の中で生きている樹の上に建てられた小屋、ツリーハウスを見つけた。

　 アニーは、「だれのものだかわからないんだから」と、とめるジャックのいうこともきかず、「ちょっと見るだけ」といって、ツリーハウスへ続いているなわばしごをつかって樹を登り、ツリーハウスの中に入ってしまった。

　 ジャックはアニーにおりてくるよう、樹の下でアニーをよびつづけたが、アニーの、
「本がいっぱいよ！」
ということばにジャックはつられて、ツリーハウスにのぼっていってしまった。ジャックは本が大好きなのだ。

　 ツリーハウスの中はほんとうにたくさんの本でいっぱいだった。

　 ジャックとアニーは思わずそこにある本を読みはじめた。

　 アニーは恐竜の本を読みながら、本物のプテラノドンに会ってみたいな……とつぶやいた。すると、本当にツリーハウスの窓の外にプテラノドンがあらわれた。

　 ふたりがあっけにとられていると、急にツリーハウスが強い風にあおられてぐらりとゆれ、ゆっくりとまわりはじめた。

　 ツリーハウスの回転がおさまったあと、ふたりがおそるおそる窓の外をみると、そこはいままでいた森の中ではなかった。

　 さっきまで見ていた恐竜図かんと同じけしきが、そこには広がっていた。