トップページ > 読書案内 >  4年生の今月の本 > 4年生におすすめの本
 > 魔女の宅急便

4年生の今月の本


魔女の宅急便 タイトル 魔女の宅急便
著者 角野 栄子(作) 林 明子(画)
出版社 福音館書店
 

 きょうは、魔女のキキが旅立つ日です。魔女は、十三歳になると、自分の家をはなれ、魔女のいない町や村をさがして、たったひとりで暮らしはじめるのです。「キキ、くどいようだけど、町をよくえらんでちょうだいよ」「わかったわ、かあさん。あたし、だいじょうぶよ。心配しないで」キキは何度もうなずきました。町の人たちと「さようなら」のことばをかわしたあと、キキはほうきの前にラジオをさげ、うしろに大切ななかまの黒猫ジジを乗せて、飛び上がりました。「南、みなみに行きたいの。あたし、一度でいいから、海ってもん見てみたいのよ」キキはラジオのスイッチをひねり、流れだした音楽にあわせて口笛をふきはじめました。ほうきはちょうど追風をうけて、元気よく飛びつづけました。
 やがて山がだんだん少なくなり、かわって畑や村や町がつぎつぎと見えてきました。「あっ、あれ、海じゃないの」はるか遠くに、すうっと一本の線が光り、青い空と海を二つにわけていました。「あっ、あの町、あっ、大きな橋」キキが声をあげました。「あっ、汽車」ジジも叫びました。近づくとそこは、思っていたよりもずっと大きな町でした。四角や三角の高い建物がいくつも空にむかってついきでています。キキはぐるりと見まわすと、うきうきした声でいいました。「あたし、ここに決めたわ」

●「魔女の宅急便」シリーズの第1作目です。宮崎駿監督の「魔女の宅急便」の原作としてもよく知られていますね。新しい街でひとり暮らしをはじめるキキと相棒の黒猫ジジ。自信たっぷりだけど、不安もあって……13歳の女の子の成長がゆっくり綴られています。

Page Top