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4年生の今月の本


まねやのオイラ旅ねこ道中 タイトル まねやのオイラ旅ねこ道中
著者 森山 京
出版社 講談社
 

 「まねやのオイラ」 と名のるその猫は、お殿(との)さまからおひまをもらってお城を出るまでは 「金山寺念猫(きんざんじ・ねんねこ)」 という名前でございました。お城にくるまえおせわになった善念おしょうさまにもらった名前です。猫は、おしょうさまのところにくるまえは旅芝居(しばい)の一座(いちざ)や忍者(にんじゃ)といっっしょに旅をしながらくらしたこともありました。けれども、ちかごろふるさとがなつかしくなった猫は、今度は生まれ故郷(こきょう)めざして旅する 「旅ねこ」 となったのでございます。さて、その旅の途中で猫を待っていたのは、やはりさまざまな人との出あいでありました。たとえば最初にあったのは、「風小僧(かぜこぞう)」の四郎吉(しろきち)です……。

 病気でうごけないお父さんと一人むすめのところへ借金(しゃっきん)とりがとり立てにやってきておりました。

「いいわけなら、もうききあきた。病人は、近所の者に世話(せわ)をたのめばいい。金がかえせないときは、うちの店で働いて(はたらいて)もらうというのは、かねてからの約束だからな。あした、店へこないと、力ずくでもつれていくぞ。」

 泣きくずれる娘さんのすがたをものかげから見ていた猫は、気のどくでたまりません。

 そこへポン、と小判(こばん)をほうりこんだのが 「風小僧」だったのでございます。

「おまえさん、義賊(ぎぞく)を知ってるかい?」 
と、「風小僧」 はききました。
「知らないよ。山賊ならきいたことがあるけど、やっぱりどろぼうなの?」 
「そうだ。どろぼうはどろぼうだが、金持ちからうばったかねを、まずしい者にわけあたえるのが義賊だ。そんじょそこらのぬすっととは、わけがちがう。」

 なるほどそうなのか、とすっかり感心(かんしん)した猫。 「まねや」 というだけあってさっそくじぶんも 「人助け」 のお手つだいをしようと心にきめるのですが……、まてよ?これってほんとに正しいことなの?猫の耳に、いまはもういなくなってしまった、おばあちゃんのなつかしい声がきこえてきました。

「義賊だろうが、山賊(さんぞく)だろうが、どろぼうに、いいわるいはないんだよ。」

 猫は考えてしまいます。そこへ重たそうな木箱をかついだ「風小僧」があわてたすがたでもどって来たではありませんか――。

【 さてさて、「まねやのオイラ」 はいったいどうするのでありましょうか。そしてこの 「風小僧」 とやら、ほんとうに感心してよい人間だったのでしょうか? つづきは本にてごらんあれ。】

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