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5年生の今月の本


ハジメテヒラク タイトル ハジメテヒラク
著者 こまつ あやこ(作) 
出版社 講談社
 

『おはようございます。実況はわたし、出席番号三十三番、綿野あみがお送りします。』

「ねえ、ありえないんだけど!」目の前の机にバンッと手を置かれ、わたしの脳内実況はプツッと消えた。「美紗姫が男子バスケ部のマネージャー一緒にやろうって言うの。やだよ、マネージャーなんて。あみ、助けてよ」わたしの机に手をおいた麗奈はふくれっ面だ。
何だ、脳内実況が外に音もれしたのかと思ってあせったよ。美紗姫と麗奈とわたしの三人は、全然タイプがちがう。中学受験して私立の湖真学園に通うわたしたちは、出席番号順で机がたてに並んでいるという、とりあえずの仲良しグループだ。
「なんでバスケ部のマネージャーなの?」そう尋ねると、美紗姫はわたしの耳元に口を近づけ、「須永くんがバスケ部に入るんだって」と。なんだ、そういうことか。「美紗姫、ごめん。わたし、やっぱりマネージャーはやめとく」わたしはさっきよりはっきりと断った。人の恋愛に関わらない。それが人生の鉄則。わたしは五年生のときにそう決めたんだ。

★主人公の綿野あみは五年生のとき、ある原因から家でふさぎ込んでいました。そのとき、あみを外へと連れだし、学校でのとっておきの過ごしかた『脳内実況』を教えてくれたのが従姉の早月ちゃんです。
自分にとってヒーローである早月ちゃんの母校を受験し、中学生になったあみ。あいかわらず脳内実況をしています。そして、ひょんなことから「生け花部」に入り、文化祭で声に出して脳内実況をすることになります。

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