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5年生の今月の本


地下室からのふしぎな旅 タイトル 地下室からのふしぎな旅
著者 柏葉 幸子
出版社 講談社・子どもの文学傑作選
 

 だれもいないはずの地下室に、なんと人がいた……! それも、黒いマントをはおってメガネをかけ、全身ずぶぬれになった、ものすごくあやしい、見知らぬ男。アカネはそれだけでもおどろいたのに、なんとその男は、自分は錬金術師(れんきんじゅつし)で、となりの世界からやって来たと言うのだ……!

  そのあやしい男・ヒポクラテスは、大まじめに言った。どうやら、この世界のとなりに、もうひとつのちがう世界があって、ふたつの世界がかさなりあって行き来できる場所が、この地下室らしい。地下室の持ち主・チィおばさんが、となりの世界へ行き、この地下室の使い方について新しく契約をむすばなければならない、と言うのだ。

 そそっかしくて、人の話をまったくきかないチィおばさん一人では、何をしでかすかわからない。アカネもいっしょに行くことになった。

「なに、となりじゃから、すぐじゃわい。」

 ヒポクラテスはそう言って、アカネとチィおばさんを抱えあげ、地下室の柱めがけて走り出した。

「ぶつかる!」
と思ったしゅんかん、アカネの体は空気の中に投げ出された。かべをすりぬけて、となりの世界へ来てしまったのだ。しかもどういうわけか、目的地の木の芽時(このめどき)の国の反対側にある、小春日和(こはるびより)の国に……。

【 やたら怒りっぽくてせっかちなヒポクラテスと、とにかく自分勝手で口うるさいチィおばさん。それに、ヒポクラテスの一番弟子だという、小人のピポ。このメンバーでは、いつもはぼんやりしていて「カスミみたいな子」と言われているアカネも、さすがに、ぼんやりしているひまはない。なんとか問題を解決して、もとの世界に帰るため、アカネとチィおばさんの冒険がはじまります。(講談社・青い鳥文庫から、651円の廉価版も出ています。)】

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