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5年生の今月の本


みどりのゆび タイトル みどりのゆび
著者 モーリス・ドリュオン
出版社 岩波少年文庫
 

 みんなからチトとよばれるちいさな男の子がいました。チトを見ると、だれでもこうさけびました。「なんてかわいいぼうやでしょ!」それもそのはず、チトの両親はふたりとも、ほんとにきれいでした。そのうえ、ふたりにはかぞえきれないほどの財産(ざいさん)がありました。ですから、チトはふふくをいうことがなく、しあわせなこどもでした。

 チトが生まれた町はミルポワルとよばれていました。ミルポワルは、ちょっとみると、ほかの町とよく似(に)ていましたが、じつは世界じゅうに有名な町でした。というのは、ミルポワルは、チトのおとうさんが、たくさんの注文をうけて鉄砲(てっぽう)をつくっている町だったからです。つまり、おとうさんは鉄砲の商人だったのです。いずれ、チトもおとうさんのあとをついで工場をおさめることを、だれひとりうたがってはいませんでした。

 チトが八つの年になったとき、学校に通うことになりました。ところが、授業がはじまると、チトはぐっすりねむりこんでしまいました。チトはおばかさんではないし、なまけものでもなく、またくたびれたわけでもありません。やる気はじゅうぶんあるのですが、どうしてもいねむりをしてしまうのです。とうとうチトは両親のもとへかえされてしまいます。

 チトの両親は教室でいねむりをしてしまうチトをどうやって教育するべきかでなやみました。しかし、おとうさんは、ものごとをおもいきってきめるひとでした。
「学校で何もおそわらないなら、よろしい! 学校なんか行かなくていい。わたしたちはあたらしい方法の教育をやってみよう。ものごとはじっさいに観察(かんさつ)しておぼえるものだということを、あの子におしえてやろう。」

 チトはまず庭の授業をうけることになりました。この授業のなかで庭師(にわし)のムスターシュじいさんはチトのかくれた才能(さいのう)を発見することになります。その才能とは……?

【 チトは自分の才能をつかっていろいろなじけんをおこすことになります。さてこのチト少年とは一体何者だったのでしょうか?】

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