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6年生の今月の本


漂泊の王の伝説 タイトル 漂泊の王の伝説
著者 ラウラ・ガジェゴ・ガルシア
出版社 偕成社
 

 キンダ王国の王子、ワリード・イブン・ホジュルは、その誕生とき、ジン(精霊)が体にふれたと、だれもがみんないっていた。体や顔つきが美しいだけでなく、心も美しかった。そんな王子が情熱を傾けていたものがあった。

  それは詩を作ることだった。

  王子は父親である王に大きなコンクールに出場したいと申し出た。

  しかし、王はこの国一番の詩人であることを証明できない限り、出場は許さないと言う。

  ワリード王子は、自分がキンダ国一番の詩人であることを証明するため、コンクールを自ら主宰することにした。誰もがワリード王子が一番になると思っていたが、優勝したのはなんとみすぼらしい格好をした男だった。

  二度、三度とコンクールを繰り返してもその男に勝てない王子は、とうとう優勝のほうびだと言って男にとんでもない無理難題を押し付けることにした。

【 作者、ラウラ・ガジェゴ・ガルシアさんはスペインの若い作家さんですが、日本の漫画やアニメが大好きだそうです。だからといって、この漂泊の王の伝説はまったくの子供向けというわけではありません。創作でありながらも、私たちをアラビアの大地に立ち、ワリードと冒険しているような気持にさせるだけではなく、アラビアの古典文学を読んでいるかのような深い世界へといざないます。
「人生はかならず、おまえのした分だけ返してよこす。」という父親の言葉は作者の創作ですが、大変アラビアらしい言葉ですし、また、いくつかの美しいアラビアの古い詩も作中に使われており、アラビアの風土・文化をよく知るきっかけにもなってくれます。 】

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